何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「HIGH&LOW THE WORST」感想 最高すぎかよ!! 最初から最後まで最高!!

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どうもきいつです

アクション映画「HIGH&LOW THE WORST」観ました

男たちの熱い友情と戦いを描いた
人気のバトルアクション「HIGH&LOW」シリーズと
高橋ヒロシ原作の不良漫画「WORST」の
クロスオーバー作品
高橋ヒロシが映画脚本に初挑戦しています

「HIGH&LOW」の鬼邪高校と「WORST」の鳳仙学園の
激突を描いたバトルアクション映画

監督は「HIGH&LOW」シリーズを手掛けてきた
久保茂昭が務めています

 

あらすじ
定時制の番長、村山良樹が頭を張っている
鬼邪高校に転入した花岡楓士雄は
いつの日か村山にタイマン勝負を挑むべく
全日制の天下を取る野望を抱いていた
そして、鬼邪高全日制内で各派が覇権を争う
一大戦国時代が迎える
そんな中、とある事件をきっかけに
鬼邪高と戸亜留市の鳳仙学園が対立することになる

 

感想
とにかく最高
アクション、世界観、熱い友情
全部が最高だった
登場人物もみんなカッコいい

 

僕は「HIGH&LOW」シリーズを全く観たことがなく
漫画の「WORST」も全然読んだことがない
かろうじて「クローズ」をちょっと知ってるくらい

そんな情弱なもんで
この映画を観るかどうかちょっと迷った

でも、予告がめっちゃ面白そうだったんですよね
映画館に行くたびに本作の予告を目にしていて
すごく惹かれていた

これ絶対に面白いやつだろ
と謎の確信も生まれてきていたので
思い切って観てきました


そして、観た結果
予想通りめっちゃ面白かった

いろいろ最高な映画でした

 

日曜の昼くらいに観てきたんですが
思ったよりは観客が少なかったですね

公開週の初めの日曜日だったので
もっと観客が多いのかと思っていたんですが
かなり空席が多かったです

同じ日に観た「ジョーカー」なんて
ほぼ満席だったんですけど


それに、客層も普段映画館で見るタイプとは
ちょっと違った
チャラいカップルとか、ヤンキーファミリーとか
若いギャル2人組とか

で、逆に普段映画館で見るようなタイプの人は
少なかったですね


おそらく映画好きの人たちは
この映画をスルーしている人が多いのかも

「ジョーカー」「蜜蜂と遠雷」あたりを
映画好きは観に行っているんでしょう


でも、この映画をスルーするのはもったいない
すごく面白いから

 

正直言うと
大した内容ではないんですよ
ヤンキーがケンカしてるだけの映画ですから

ただ、たかがヤンキーのケンカなんですが
それが最高
むしろそれだけでいいんです

ヤンキーがめちゃくちゃに乱闘して
ヤンキー同士の熱い友情があって
それだけで気持ちが高まる

それにプラスして
やり過ぎてほぼファンタジーな世界観
個性豊かなキャラクター
たくさんのイケメンといかつい男たち

完璧ですね

もう最高以外の何ものでもない


この映画は
ビジュアル面が圧倒的だと思います

確立された世界観と
派手でカッコいいアクション

これが本当に素晴らしい

下手なサブカル系アート映画や
漫画実写化映画なんかよりも
よっぽど秀逸な世界観を作り上げていると思う

現代の日本を舞台にしているのに
こんな場所あるわけないだろ
と、ツッコミたくなるほどの
過剰にデフォルメされた不良の世界や闇の世界

本作では鬼邪高校や荒廃した団地が
異常なほどの風貌になっている
完全に日本とは思えないレベル

正直、やり過ぎなんですが
逆にあそこまでしてしまえば
1つの世界が出来上がっていますよ


見た目だけではなく
世界観もありえないことになっています

そもそも鬼邪高校の存在が意味不明ですもん
アイツらは何のために高校に行っているのか

定時制の生徒が学校全体を仕切っていて
全日制の生徒はさらに全日制の中で
トップを決める派閥争いをしている

なんじゃそりゃ
って世界観です

先生はいないのか? 警察はいないのか?
トップになって何の意味があるのか?
と、ツッコミどころしかないような
世界観なんですが

やっぱり、ここまでぶっ飛んだ世界観を
突き詰めてしまえば
アホみたいな設定ですけど
なんかすごく魅力的に思える


とにかく、ここまでやり過ぎてしまうと
魅力的でインパクトのあるビジュアルに
引き込まれてしまいます

世界観だけでワクワクさせられる

 

そして、アクションも素晴らしい

アクションと言っても
ヤンキー同士が殴り合う戦闘シーンがほとんどです

1対1のタイマン勝負もありますし
大人数対大人数の大乱闘もあります

特に大人数の大乱闘が
ものすごい迫力と派手さ
圧巻の映像になっていると思います

バカみたいに暴れてるだけの乱闘ですが
勢いに飲み込まれてしまう
テンションがブチ上がります


しかも、一見バカっぽい乱闘にも見えるんですが
意外と知的な見せ方をしていると思います

こういう大人数での戦闘シーンって
退屈になってしまっている作品が
結構多いと思う

僕が最近観た作品では「曇天に笑う」が
まさにそれで
すごく退屈な戦闘シーンになっていた

すごく平面的な映像で
その上、ただ戦っているだけの映像が続く


でも、本作は退屈しないような工夫が
施されていたと思います

乱闘シーンを淡々と見せるのではなく
ワンカットで乱闘の中を
流れるように見せたりするので
すごく立体的な映像になっていました

まるで自分もその中にいるような気持ちになれる

それに、アクション自体に流れもあります
はじめのアクションが後のアクションに
展開していったりする

終盤の乱闘シーンのハシゴを使った
アクションがそれで
はじめはただハシゴを使って暴れてるだけ
なんですが
後々そのハシゴを利用して
主人公が建物内に入ったりするんです

所々にアクションを面白く見せる工夫が
たくさんあって
飽きずに観ることができます

タイマンのシーンもすごくカッコよく
見せてくれますしね

 

ストーリーに関してはかなり薄いです
それにすごくベタ

ただ、変にストーリーが主張してこなかったのは
良かったのかもしれない

群像劇風に複数のキャラクターのドラマも
描かれるんですが
あくまでメインは主人公の楓士雄の物語で
他は邪魔にならない程度の薄さ

メインのストーリーも
特にひねった内容ではなく
すごくシンプルでわかりやすかったです

でも、熱いシーンではグッと来たりするし
良いバランスだったんじゃないでしょうか

楓士雄と幼馴染たちのエピソードは
なかなか良い話でしたしね

それなりに感動もできました


男同士のケンカの中から生まれる
熱い友情もすごく良かったです

ヤンキーものではありがちですけど
やっぱりこういうのはすごく好きです

 

最高に楽しめた映画だったんですけど
問題があるとすれば
やはり「HIGH&LOW」シリーズは観てるべきですね
それに「WORST」や「クローズ」の設定は
知っているほうがいいです

僕は「クローズ」はなんとなく知っているので
その世界観や設定は知っています
なので、そこに関しては
特に問題がありませんでしたが

「HIGH&LOW」を全く知らないので
よくわからないところが多々ありました

専門用語だったり前作の登場人物など
そういうのが出てきたときに
ついていけなくなります

これ誰? 何の話?
と、ちょっと理解できないこともあります

それを理解できなくても
そんなに支障はありませんでしたが
知っているほうがより楽しめるんだろうな
とは思いました

ファン向けのサービスもあるでしょうしね


「HIGH&LOW」シリーズが好きで
高橋ヒロシの作品が好きな人が観れば
もっとテンションが上がる映画なのかもしれません

 

あと、音楽もすごく良かったですね
気持ちが盛り上がるような曲が多い

戦闘シーンでの音楽は
相乗効果で気持ちがブチ上がります

カッコいい曲も多かったですしね

 

すごく面白い映画でした
何も考えずに楽しめる
娯楽エンターテイメントとして
とてもいい出来だと思う

「ジョーカー」みたいなインテリ映画も良いですが
こんなアホみたいなケンカ映画も良いもんですよ

過去の「HIGH&LOW」作品にも興味が湧きましたし
過去作も観てみようかと思います

 


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映画「ジョーカー」感想 見応えはあるけど 絶賛するほどのものか? と少し違和感

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どうもきいつです


アメコミの人気ヴィランを描いた映画「ジョーカー」観ました

「バットマン」の悪役として有名なジョーカーを
主役に映画化した作品
ピエロのメイクを施し、恐るべき狂気で
人々を恐怖に陥れる悪のカリスマが
どのようにして誕生したのかを
原作コミックにはない映画独自のストーリーで
語られます

監督は「ハングオーバー」シリーズなどを
手掛けてきたトッド・フィリップス
主役のジョーカーを演じるのは
ホアキン・フェニックスです

 

あらすじ
孤独で心の優しいアーサーは
コメディアンを目指しながら
母とともに暮らしていた
ピエロのメイクをして大道芸で稼ぎ
母を助ける彼だが
世間の理不尽さに直面し
やがて狂気溢れる悪へと変貌していく

 

感想
つまらない映画ではありませんでしたが
世間が大絶賛しているほどの内容には
思えなかった
この映画がジョーカーである必要があったのか?
とも思う


人気キャラクタージョーカーが主役ということで
かなり注目されている作品
僕もジョーカーが好きですし
この映画にはかなり期待していました

実際に世間の評判もかなり良いと思います
すごい映画! ヤバい映画!
と、みんな口を揃えて言っている

僕が観るまでにも
かなり絶賛している人が多かったので
すごく期待を高めて観に行ったんですが

なんか思ってたほどじゃなかった


正直、絶賛している人たちと
自分の観終えたときの感情には
かなりギャップがありました

そんなにすごいか?
と、ちょっと疑問


でも、つまらないと言っている訳じゃないです
見応えのある映画だったと思います
印象的なシーンも多々あった


ただ、嫌な言い方をすると
映画通が好きそうなインテリ系映画
って感じですかね

とりあえずこの映画を称賛していれば
映画をわかっている人、映画評論家っぽい人を
気取れるんじゃないですか

アカデミー賞の有力候補ですし
おそらく賞も取るでしょう
賞を取っても全然不思議じゃないし納得です

こういう映画が賞取りますもんね
社会問題を風刺した様な深い映画が

 

僕個人の感想としては

そんなに面白くなかったし
観たかったものともちょっと違った

 

まず、ストーリーが
そんなに面白くありませんよね

底辺のオッサンが周りからの酷い仕打ちや
理不尽な言動によって
だんだんと闇落ちしていく話

ただそれだけですから

ジョーカーこと主人公のアーサーが
生きて行く中で
どんなにつらい思いをしているのか

それを淡々と見せられる作品です


そんなアーサーを観ていて生まれる感情は
感情移入というよりは同情
それ以上のものはあまり感じれない

可哀そうなおっさんだな
って感情だけで終わってしまっていました


描かれていることは普遍的で
誰にでも当てはまりそうなことなんですが
いまいちアーサーには
思いを乗せることができない

それはたぶん
アーサーが最初から最後まで
自分が不幸なのは周りが悪いから
ってスタンスを貫くからだと思う

一応、今の最低な人生から脱出したい
って気持ちは見えてくるけど
なんか他力本願と言うか…

大した行動は自分から起こさないですからね


現実世界でもこれくらい不幸な人は
たくさんいるわけです
生まれや境遇が最悪だったり
理不尽な世の中に苛まれたり

でも、みんながみんな
こんな風に闇落ちして壊れてしまうんじゃなく

そこから抜け出すために努力する人もいますし
世の中と戦ってる人はたくさんいる


それを思うと
この映画のアーサーはちょっと世の中をなめ過ぎ
そのクソな人生は自業自得だろう
と思うんです


この映画のメッセージはわかるんです

ジョーカーみたいなヤバい奴は
個人から生まれるんじゃなくて
世の中が生んでいる
誰しもがジョーカーになりえるし
誰しもがジョーカーを生んでしまう可能性がある

みたいな事だと思います

でも、メッセージ性に偏りすぎな気がする


せめて、アーサーが1度は
真っ当に世の中と戦う姿を見せてほしかった

それでもどうしようもなくて
打ちのめされた後に闇落ちするなら
全然理解できるし
世の中の不条理さも伝わってくる

そのほうが
なぜアーサーがジョーカーになったのか
という部分にも深みが増すと思うし


とにかく、メッセージ重視の物語には
少し説教臭さを感じた

 

そして、僕が強く感じたのは
この映画はジョーカーである必要はあるのか?
ということ

この映画は別にジョーカーでなくてもできるよな
と思ってしまいました

ジョーカーでなければいけないのなら
ジョーカーであるべき要素が必要

この映画にはそういう要素があまり無いと思う


ジョーカーと言えば
悪のカリスマ、悪の天才
ゴッサムシティを飲み込むほどのヤバい奴
なわけです

さらにバットマンの対の存在でもるジョーカー
ならばやっぱり正義と悪の概念も必要だと思う


ただ、この映画は
普通の人が普通に狂っていく話だけで
終わってしまう

世間の荒波に飲まれて
おっさんがちょっとヤバい奴に変貌する
ってだけなんですよ


このジョーカーにはカリスマ性は感じれないし
天才的な悪とも思えない
正義や悪についての哲学的なものも描かれない

ピエロのメイクをしたやつが
精神を壊して人を殺せばジョーカー
で終わり


最終的には街の暴徒たちに称えられて
カリスマっぽくはなってるけども
それはアーサーにカリスマ的な
魅力があるわけではなく
たまたま時代にアーサーの行動がはまっただけ

アーサーにすごいものが
備わっているわけではないんですよ


さらに、終盤のテレビ番組に出演した場面も
なんかジョーカーっぽくない

テレビで迫真の演説をするんですが
なんか違う

このシーンはあまりにも説教臭くて
これ本当にジョーカーか?
とすごい違和感でした


真面目な普通の人間がジョーカーになってしまう
というのを描きたかったんでしょうが
その真面目さが
最後まで残ってしまっているんですよね

そこは常軌を逸した狂気を見せてくれないと
普通の人間がジョーカーになってしまう
というメインの部分が弱くなってしまうと思う

元同僚を殺した場面でも
自分に優しくしてくれた小さい人には
悪意を向けずに見逃したりするのも
ジョーカーの狂気を薄めてしまってる

最初から最後まで普通の人です
ちょっとストレスが爆発してしまった普通の人

そこには狂気というものは感じれない

 

すごく否定的になりましたが
良い部分もたくさんあります

アーサーが徐々にジョーカーに変貌していく様子
は面白く見れました

電車で人を殺すシーンもなかなか良かったです
髪の毛を緑に染めてからは
だんだん盛り上がってきて引き込まれますし

ゴッサムシティーが荒れ果てて行く様も
見応えがあります
恐怖と混乱がとても表せていて
すごく好きなシーン

ジョーカーの小躍りするシーンも
面白くて好き


物語の曖昧さも良かった
何が現実で何が妄想なのか
わからなくなってくる作りはとても面白い

最終的にもちょっと曖昧だったのは
なかなか良い終わり方だと思う


ホアキン・フェニックスの演技も
みんなが絶賛してる通り良かったと思いますよ


あと、いろんな作品に影響を受けていて
オマージュなんかも多いみたいですね

最近「タクシードライバー」を観たので
あのシーンっぽいところがあるのに
気付けたりしました

そんな小ネタを見つけるのも
楽しいかもしれません


ただ、オマージュが多い作品でありがちなのが

その作品をつまらないと言ったときに
お前はあの作品を観ていないから理解できないだけ
みたいに映画通の輩が上から目線で
言ってきたりするんですよね
この作品は特にそんな人が多くなりそう

そんなの知るかよ
って感じですよね

元ネタ知らなくて面白くない作品は
単純に面白くない作品だろ
と思うんですけど

この映画をつまらないとは言ってませんよ


まあ、知識合戦が好きな映画オタクは
自分の知識をひけらかせますし
この映画をネタに気持ち良くなれるんじゃないでしょうか

僕はそういうのに興味が無いので
知ってるネタがあれば
ちょっと嬉しくなるくらいです

 

悪い映画だとは思いませんでしたが
ここまで絶賛されると
逆に対抗心を燃やしてしまいます

映画の感想なんて人それぞれなんで
強制するつもりはないですけどね

僕がただひねくれているだけかもしれません

 


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映画「TAG タグ」感想 めっちゃ楽しそう!! コイツらと一緒に遊びたい

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どうもきいつです


コメディー映画「TAG タグ」観ました

毎年1カ月かけて繰り広げられる
ルール無用の鬼ごっこの行方を描いた
実話に基づく2018年のコメディ映画
日本での劇場公開はされていない作品です

監督のジェフ・トムシックは
本作が長編映画デビュー作
「ハングオーバー」シリーズのエド・ヘルムズ
「アベンジャーズ」シリーズのジェレミー・レナー
などが出演しています

 

あらすじ
ホーギー、ジェリー、キャラハン、チリ、セイブル
の5人は、子供の頃から毎年1カ月かけて鬼ごっこで
遊んでおり、大人になった現在も続けていた
その中でもジェリーは1度も捕まっておらず
今年こそジュリーを鬼にするべく
4人はジュリーの結婚式を利用し鬼ごっこに挑む

 

感想
たかが鬼ごっこに
全力を出し必死に楽しむオッサンたちが
最高に好きになる
こういう遊び心は大人だからこそ
忘れちゃいけないと思った

 

日本では劇場公開されていないというのもあって
全く存在すら知らなかったのですが
たまたまオススメされているのを見かけて
本作を観てみました

軽い気持ちで観始めたんですが
なかなか面白くて最後まで楽しめる作品でしたね

めっちゃバカバカしくて
アホみたいなコメディー映画です
いい歳したオッサンたちが
必死に鬼ごっこをしているだけの映画ですから

マジでしょうもない内容
でも笑える

それに、アホみたいなオッサンたちですが
こんなオッサンに憧れる
自分もこんな気持ちを忘れていない大人に
なりたいと思わされました

 

この映画のなにが面白いのかと言うと
大人がやる本気の鬼ごっこ
それがすごく面白い

いい歳したオッサンが
怪我を承知で高いところから飛び下りたり
全力でタックルしたり格闘したりする
その絵面だけで笑ってしまいます

他にも家のガラス窓を突き破ったりもしますし
本気で騙し合ったりもする
不法侵入なんてあたりまえ

言ってしまえば
大人げないんですよ

とにかく大人のくせにめちゃくちゃやる
子供以上に子供
しかも大人だからこそたちが悪い
周りにもめっちゃ迷惑かけてるし


でも、めっちゃ楽しそうなんですよ
この人たちは真面目にふざけてる

それが羨ましくもあり憧れます
自分もここまで本気で遊んでみたいと
思っちゃいます

 

そして、オッサンたちが
真面目にふざけてるだけじゃなく
映画としても真面目にふざけてる

鬼ごっこシーンが無駄にカッコよかったり
派手だったりするんですよね

コメディー映画だからって
アホな大人たちをただ滑稽に見せるんじゃなくて

本気でやっている鬼ごっこは
本気で見せてくれる

それが逆にバカバカしく見えて
余計に面白くなってます

たかが鬼ごっこなのに
サスペンス並に緊迫してるシーンがあったり
アクション映画みたいなカッコいいアクションが
あったり
カーチェイスもある

やってる内容はすごくしょうもないのに
ちゃんと映画として演出してる

そのギャップが笑えるんですよ


鬼ごっこ無敗を誇るジェリーの
立ち振る舞いなんか本当に面白いです

1人だけ世界観が違いますからね
そして無駄にカッコいい
やってることはたかが鬼ごっこなのに

ジェリー自体は別におちゃらけたキャラではなく
むしろクールで言動はとてもカッコいい
でもアホにしか見えない

カッコいいキャラだからこそアホに見える
ってのはなかなか面白いキャラクターですよね

ジェリーはボケてないのに笑えるキャラです

 

とは言え、あくまでコメディでもあるので
抜けてるところは抜けています

主人公のホーギーとその仲間たちは
バカすぎる
完全にギャグ的なキャラです

特にホーギーの奥さんは
いかにもアメリカンコメディーな
暴言や下品な言葉を吐くキャラだったりする

主人公を取り巻くメインの登場人物たちは
基本コミカルなキャラクターばかりで
如何にもコメディーって感じですね

そんなアホな人たちが
わちゃわちゃと楽しそうに会話してたりするのは
観ていて楽しいです

 

この映画の魅力って
結局はオッサンたちが楽しそうに
バカみたいな遊びをしてる
ってところなんです

ストーリーなんかはどうでもよくて
ただただ楽しそうな空気がすごく伝わってくる
自分もこの中に混ざりたいな
と思わされるんですよ


終盤はちょっと湿っぽく
感動的な良い話になりそうになるんですが
最終的にはバカな大人たちで
終わってくれたのも良かった

何があってもこの人たちは
結局バカなままなんだな
と、そこにちょっと感動もできました

 

この映画を観て
ただ笑えただけではなくて
人生に大切なものも教われた気がします

他人から見れば無意味な事を
本気で全力でやり続けることが
カッコよくも思えました

たかが鬼ごっこを
大人になっても本気でやり続けてる彼らは
とても滑稽だけど
とても人生を謳歌している

大人になって無駄を省き続けて
残っているのが仕事や家庭だけの人に比べれば
彼らは相当楽しい人生を送っていますよね

大人になっても仕事より
遊ぶことを優先する彼らには憧れます


なんか無駄なことの大切さを
知れたように感じます

みんな時間をどう有効に使うか
どう効率良くするかと無駄なく生きることに
必死になってる節があるけど

この映画を観ると
無駄にバカみたいな時間を過ごすことも
すごく良いもんだと思いましたね


そして、そんな無駄な時間を
誰かと共にすることで絆や友情が生まれる

結局は無駄じゃなかったりするんですよ

 

すごくバカな映画でしたけど
こんな生き方をしてみたい
こんなバカな友達が欲しい

遊ぶことに全力になることの
素晴らしさを教わりました

面白かったしとても良い映画だと思います

 


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映画「呪怨2」(オリジナルビデオ版)感想 後半はもはや笑うしかない

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どうもきいつです


日本のホラー映画「呪怨2」観ました

一軒の呪われた家をめぐる惨劇を描いた
オカルトホラー作品
1999年のVシネマ「呪怨」の続編で
2000年のビデオオリジナル作品です

監督は前作同様に劇場版「呪怨」なども
手掛けている清水崇が務めています

 

あらすじ
不動産屋に勤める兄に頼まれ
いわくつきの家の様子を見ることになった
霊感を持つ響子
しかし、それは自分の手には負えないと直感し
家を売る際には清酒を飲ますよう助言し逃げ帰る
それから家が売れたことを知った響子は
その家で起こった事件を調べるが
彼女自身や彼女の関係者、家に関わった者が
怪事件に巻き込まれる

 

感想
1作目のおさらいみたいなのは
マジでいらないと思った
前作ほどの怖さはありませんでしたが
また違った面白さがありました
終盤の展開は笑うしかない

 

以前、「呪怨」ビデオ版を観たので
その続編である本作も観てみました

前作はなかなか怖かったし
ストーリーも面白くて
古いB級作品ながら楽しめる作品でした

なので、続編の本作にも
期待を膨らませて観たんですが
なんか思っていたのと違いましたね

でも、つまらなかったというよりは
前作とは違った面白さのある作品だと思いました

 

まず、1番の不満を言うと
はじめの部分ですよね

この作品が始まって30分くらいは
前作の伽椰子、響子のエピソードが
そのまま使われています

響子のエピソードは若干追加されてるシーンや
エピソードの後半部分は新しくなってますが
それでも、30分は前作と全く同じもの
を観なければならない

話には聞いていたので
覚悟はできていましたけど
1つの作品としてはどうなのか?
と思ってしまいますよね

僕はDVDを購入して観たわけではないので
別に腹は立っていませんが

当時にこのDVDを購入した人は
さすがにちょっと
ムカついたんじゃないでしょうかね?

作品の3分の1以上は
見たことあるやつなんですから

そういう事があるので
本作はは実質40分くらいが
新しい内容になっています

 

ただ、そこを置いといたら
なかなか本作も面白い作品だったと思います


前作が呪いの家での伽椰子の呪いを
描いた作品だとしたら
本作はその呪いが広がっていく
呪いの連鎖を描いた作品だったんじゃ
ないでしょうか

前作は家に住む人間、家に訪れた人間が
呪いに蝕まれていったり
伽椰子や剛雄の私怨などが描かれて
舞台も基本的にあの家

かなり狭い範囲での呪いの物語だったんですが


今回は
あの家で住む者、立ち入った者は
もちろん呪われていくんですが
呪われた人間の家族や
事件を捜査する刑事たちにも被害が及ぶ

その呪いも
伽椰子の呪いだけではなく
伽椰子を殺した剛雄や
剛雄に殺された小林の妻などの
怨念も見えてきます

この作品では
呪いが感染、増殖していく様が
描かれていました

実際に伽椰子自体が増殖してたり…
あれはギャグにしか見えませんけど


前作と物語はしっかりと繋がっているんですが
ストーリーの展開は変化していっているので
マンネリにはなっていませんでした

 

そして、恐怖演出も
前作とは違うタイプの演出に
なっていたりします

スプラッター的な恐怖描写があったり
狂気じみた怖さを見せたり
ちょっとやり過ぎなギャグみたいなのが
あったりと
バリエーションにも富んでいます

正直言って信之のエピソードなんて
完全にギャグになってますけどもね

それでも怖いシーンは
ちゃんと怖かったりします


例えば響子のエピソードのラスト

剛雄が小林の妻を殺している場面ですよ
あれは気持ち悪いし怖かったです
映像がモノクロになっているのも
不気味な雰囲気を醸し出していました

あれはなかなかグロかったし
人間の狂気も感じれてゾッとしましたね


達也のエピソードのラストも
気味が悪い終わり方です

人形を抱いてぐらぐらと揺れ続ける響子と
奥でそれを見つめる信之
すごく気持ち悪いです

ここではオバケが出てきて驚かす
って怖さは無いんですが
なんかめっちゃ怖いです
不気味なんですよ

常軌を逸してる映像って感じでした


他にも
気が狂ってしまったでんでんとか
相変わらずの俊雄など
結構怖かったと思います


問題は終盤ですよね

完全にやり過ぎてギャグになってる
たぶん監督も遊んでますよね

ここに来るまでも
変なシーンはあったりするんですよ

北田さん家の奥さんが旦那の頭をフライパンで
殴りつけるシーンとか笑ってしまいました

でも、そのへんはまだホラーの範囲内として
許容できていたんですが


神尾のエピソードでの
椅子の下から伽椰子の顔面バーンって
シーンくらいから
あれ?
って変な気持ちになってくる

そこからの信之エピソードです
ここからは怒濤ですよね
やり過ぎて完全にギャグ

窓の外を見ると
土砂降りの雨の向こう側に伽椰子が立っている
ここまではホラーっぽいですが

窓から伽椰子が入ろうとしているところから
すでに変になってくる

そこからは学校内で信之が伽椰子に
追われますが
四つん這いで高速移動している伽椰子が
すごく滑稽に見える

しかも、なぜか伽椰子がやたらミニスカート
その四つん這い姿を後ろのアングルから
撮ってるから
なんか無駄にエロい

どういう気持ちで見ればいいのか


そして、いつの間にか伽椰子が
2人、3人と増えていって
最終的には無数の伽椰子で埋め尽くされる

なにこれ?
って頭の中が?でいっぱいですよ
もう笑うしかないです

むしろ、ここまでめちゃくちゃやれば
面白いですよ

ビデオ版の呪怨を2作観て
結局一番記憶に残ったのは
信之のエピソードでしたね

それくらいインパクトがあります
あんなの忘れるわけがない

ただ、怖いかどうかと言うと
全然怖くないです


普通のホラーや怖いものを
求めている人からすれば
この演出でクソだと思うかもしれないですけど

個人的にはすごく面白かった

むしろ、テンプレな恐怖演出が続くより
これくらい攻めた事をやってくれる方が
楽しめますよ

1作目でちゃんと王道の怖い作品を
作ってるんだから
2作目は遊ぶっていうのも全然ありだと思う


海外のホラー映画だって
2作目ギャグみたいになってるのすごく多いし

 

1作目がすごく怖い作品になっていたので
2作目のちょっと変な作風には
賛否が分かれそうですね
てか、否が多そうですけど…

個人的には笑えたし結構好きな作品でした
ちょっとバカなくらいの
やり過ぎホラーはやっぱり面白い

 


呪怨2 [DVD]

 

 

映画「HELLO WORLD」感想 なかなか面白いSF ただ、最近のアニメに多い表面的な面白さだった

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どうもきいつです


SFアニメ映画「HELLO WORLD」観ました

近未来の京都を舞台に
未来の恋人が事故死すると聞かされた
男子高校生が、その運命を変えようとする姿を
描いたSF青春ラブストーリー

アニメシリーズ「ソードアート・オンライン」
などを手掛ける伊藤智彦が監督を務めています

 

あらすじ
2027年の京都
引っ込み思案な男子高校生の直実は
ある日、謎の青年と出会う
その青年は10年後の世界からやってきた
未来の自分ナオミだった
ナオミから未来で結ばれる女性を
事故で失ったしまうと聞いた直実は
その未来を変えるため奔走することになるが
自分の生きる世界に隠された真実や
ナオミの本当の目的を知ることになる

 

感想
世界観、設定、ストーリーはとても面白く
楽しめる映画でした
ただ、登場人物やドラマが
なんか薄っぺらく感じる

 

さほど情報を知っていたわけではなく
特に気にかけていた作品じゃなかったんですが
評判がなんか良いみたいですし
ちょっと気になったので観てきました

大して期待していなかったからなのか
今風のSFアニメで
とても楽しんで観ることができました


先の展開はあまり予想できなかったし
熱いシーンや感動できるシーンなどもあり
最後まで面白く見れると思います

アニメのクオリティもそんなに悪くはなかったし
背景なんかはとてもリアルでした

SFの設定は
なかなか作り込まれていて
さほど矛盾も感じず納得できる内容

無理があると思ったりもしますが
フィクションだからと許容できる範囲です


全体的に面白く見れる作品なんじゃないでしょうか

 

ストーリーの話をすると

2転、3転と物語が変化しながら展開していき
とても引き込まれる作りになっている

それに、先の展開が読めないのも良かったです

世界観自体がかなり独特で
ちょっと掴み所が無かったりするんですが
それが物語に上手く生きていました

この世界自体が謎に包まれていて
そんな中でのストーリーは
なかなかどう進んでいくのか予測しづらい


はじめは提示された一つの目的を目指して
主人公が動いているだけなので
かなりシンプルでわかりやすい
でも、それだけじゃ面白くないよな
って内容でもあります

ただ、その目的を達成してからは
物語が大きくひっくり返って
さらに世界が広がる

そうなってからはこの物語がどう転んでいくのかが
全然つかめなくなっていきます

その後にも
さらに物語をひっくり返す展開が起きたりするので
後半になると
この後どうなるの?
って気持ちだけで最後まで観させられました


それだけじゃなく

主人公が目的達成のために努力したり
好きな子を守るために必死に戦ったりと
少年漫画的な面白さもあったり

直実、ナオミ、一行さんを取り巻く
ラブストーリーが感動できたり

日常ほのぼのコメディーがあったりと

面白要素はたくさん詰め込まれている


そういうのも相まって
この作品が面白く仕上がっていたと思います

 

普通に軽い気持ちで観れば
面白い作品だとは思うんです

ただ、この作品には深さが無い

とても薄っぺらいと思いました


特に登場人物とドラマです
これらが本当に薄っぺらい

言ってしまうとテンプレートなんですよ

登場人物は
内気な主人公
ちょっと不思議な女の子
辛い過去を背負った謎の人物と

なんかそれっぽい設定です

そこからキャラクターを深く掘り下げていけば
作り物の人間ではなくて
生きた人間に見えると思います

でも、本作は設定以上の人物描写が無いと思う

ストーリーに沿って動いているキャラクター以上
のものは全く見えてこない

 

それは、ドラマの部分も同じで

みんなこういうの好きだろ
ってテンプレのドラマしか見せてくれない

なんか甘酸っぱい青春ラブストーリー
なんか格好いい修行シーン
なんか深そうな登場人物の葛藤

全部取って付けたかのような
表面的な良いドラマ


この映画は生きた人間を感じれなかった気がする
全部が作り物の虚構の世界にしか見えない

虚構と言うのは間違いないんですが
そんなフィクションの中にもリアルさは
必要だと思う

 

この映画はたぶん
この設定面白いでしょ
こんなストーリー面白いでしょ
ってところで終わってしまってるんです

本当はここからさらに
生き生きした人間を描いたり
感情移入できるようなドラマを描いたり
しなくてはならないと思います

設定、ストーリーが面白いことに
越したことはないですが
そこは表面の部分で

それ以上に内面の部分を深く見せてくれないと
リアルにも思えないし本当の意味で感動もできない
心に刺さる作品にはならないと思う


でも、これってこの作品だけでなくて
最近のアニメはそういうのがすごく多い気がします

特にラノベ原作のアニメとか

面白い設定、ストーリー
カッコいいキャラ、可愛いキャラ
そういうのにばかりこだわって
表面的な面白さしか求めていない

視聴者もそういうものが手軽に感動できるし
気持ち良くなれるからそれを求める

でも、結局そんな作品は一時の快感は得られるけど
心に残る作品にはならないと思います


個人的にはそんな作品には興味が湧かない
観たところで心に何も残らないと思う

 

あと、この作品で
なぜそこを描かないのか?
と思ったことがあります

それは、主人公の
『自分とは何なのか?』
という哲学的な部分

この設定はかなり序盤で明かされることなんですが
主人公の直実は実はデータの中の存在で
現実世界のコピーであること

そして、直実は現実世界と全く同じことを
たどっているだけの存在なんです


そんな事を知れば
普通はパニックになると思うし
『自分とは何なのか?』
という疑問が生まれそうなものなんですが

直実は全くそんな事を考えていない
むしろあっさりと受け入れてしまいます

その後もナオミの言うとおりに
ロボットのように直実は行動したりしますが
その中で疑問が生まれることも無く

最終的にもその部分には触れない


でも、物語的には
そんな定められた運命から抜け出そうとする
話なんですよ


じゃあ、やっぱり直実の
『自分とは何なのか?』
という心の葛藤は必要だと思う

てか、この世界の物語と直実の精神は
リンクするべきですよね

直実の精神が変化するとき
世界も変化するべき物語だと思うんです

セカイ系アニメってやつですよ


ただ、本作は哲学部分を完全に放棄していて
セカイ系にはなれてませんね

これも表面的な面白さだけにこだわりすぎて
キャラクターの内面を描かなかったが故だと思う

 

それと、ラストシーンのどんでん返し的なヤツ

あれは蛇足だと思います

確かにあのシーンを見せられると
なるほど、そういうことだったんだ
と驚かされる部分はありますが

ちょっと説明的過ぎると思う

あの終わり方よりもっと曖昧な終わり方のほうが
余韻が残ったかも

あれもやっぱり表面的な面白さを求めたから
なんじゃないですかね

こんなオチ予想外で驚いただろ!!
ってドヤ顔で言われてるような気がしてしまう

それに夢オチみたいにもなってしまってるし
あまり好きじゃないです

 

表面的には面白い映画なので
そういうのが好きな人なら満足できるんじゃ
ないでしょうか

個人的には薄っぺらすぎて物足りなかったです

でも、設定やストーリーはとても良かったので
もっと哲学的な部分やドラマを深く描いていれば
面白いセカイ系アニメに
なってたんじゃないかと思うと
少しもったいない作品でしたね

 


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映画「ヘルボーイ」(2019年)感想 全体的に普通過ぎて面白みが全く無い

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どうもきいつです


アクション映画「ヘルボーイ」観ました

2004年にギレルモ・デル・トロ監督が映画化した
人気コミックを原作者マイク・ミニョーラの
完全監修でリブートしたファンタジーアクション映画
異形のヒーローヘルボーイが
世界滅亡をたくらむ悪と戦います

ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」
などのニール・マーシャルが監督を務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
超常現象調査防衛局のエージェントである
ヘルボーイはイギリスで暴れ回る巨人討伐の
指令を受ける
そんな中、1500年前に封印された魔女ニエムが
眠りから覚めた
それを知ったヘルボーイは
霊能力を持つ少女アリスとダイミョウ少佐らと
ニエムに戦いを挑む

 

感想
キャラクターや世界観に面白みが無く
魅力があまり無い
ストーリーも大して面白くなく
テンポも悪くて退屈な内容

 

「ヘルボーイ」がリブートされたということで
前から期待していた作品

ギレルモ版からどう変化しているのかも
気になっていたので観てきました


やっぱりギレルモ版の過去2作とは
比べてしまいますし
比べるとギレルモ版のほうが良かったな
と思ってしまう作品でした

言ってしまうと
ギレルモ版は個性的で独特な世界観が
とても良かった作品だったんですけど
本作はそれに比べると普通過ぎるし
全然面白みが無い

それに、キャラクターの魅力も薄く
ストーリーもあまり面白くない

ギレルモ監督のセンスは
やっぱり素晴らしかったんだな
とあらためて思わされました

ギレルモ版も1作目は
そんなに良かったとは言えないんですが
本作に比べると全然魅力のある作品でしたね


前2作のギレルモ・デル・トロらしい
世界観やキャラデザなどが光っていた作品を
知ってしまっていると
本作は本当に普通過ぎる
面白みが無いです


でも、やろうとしていることはわかるんですよ

本作はかなりホラーを意識した作風です
クリーチャーのデザインなんかは
気持ち悪く少し汚らしい
不快感のあるデザインで

さらに、スプラッター描写も
かなり攻めて描いている
血や肉片がすごく飛び散る

なので一応世界観は作り込まれています
画面全体はダークな雰囲気もありますし
ホラーな世界観の中でヒーローが活躍する
アクション映画にしたかったのは
とても伝わってくる

ただ、ユーモアが無い

怖くておどろおどろしい世界観
以上のものは何も見せてくれません

怖くて気持ち悪いだけのクリーチャーたち
ただ血が飛び散って
痛々しいだけのスプラッター描写
画面の暗さだけで生み出しているダークな世界観

ただホラーっぽい要素を寄せ集めただけで
本作ならではの見どころが無いんです

どこかで見たようなホラー描写を
連ねて見せているだけで
一ひねりが足りない


ギレルモ版は監督の個性が炸裂して
とても魅力的なデザインや映像になっていた

ギレルモ版もホラー要素がありましたが
ただのホラーで終わっていなくて
「ヘルボーイ」としての世界観は
ちゃんと確立していましたからね

 

そして、本作はキャラクターもあまり魅力が無い

主人公のヘルボーイがまず全然魅力が無いし
父親のブルーム教授もそんなにいいキャラじゃない
ヘルボーイの仲間たちもなんか薄いですし

敵キャラも
そんなにヤバそうな奴には見えないです
ブタに関してはデザイン悪すぎると思う

今回は僕の好きなエイブも出てきませんしね

とにかく
コイツ好き
って思えるキャラがいない

みんな描写が薄いんですよ
どんな人間性でどんなことを考えているのか
そういうのが描かれていない
ただストーリーを進めるだけの駒みたいなものです


それに、ヘルボーイの見た目も性格も
やっぱりギレルモ版のほうが良かった

前のヘルボーイを演じていたロン・パールマンは
かなりハマり役だったと思うし
デザイン的にもちょっと可愛らしさも
感じるんですよ
性格も純粋な子供みたいでちょっと可愛い

でも、本作は愛嬌が全然無い
見た目はいかつくギラギラしているし
性格も情緒不安定な感じで
あまり好きになれない

てか、内面にあまり掴み所が無かったりするので
人間らしさが見えてこない


見た目の話をすると
アリス役のサッシャ・レインは
めっちゃ可愛かったし
ミラ・ジョヴォヴィッチはとても美しい

そういう部分ではとても良かったですけどね

 

世界観、デザイン、キャラクターに
魅力が無いというのも
ストーリーが良ければ問題ないと思うけど
ストーリーもかなり微妙

めちゃくちゃ悪いとまでは言いませんが
シンプル過ぎますよね

ストーリーも普通なんですよ

ヘルボーイの出自はありがちだと思うし
終盤の展開もよくあるような内容
特にひねりの無い
話が淡々と進んでいくだけなんですよ

シンプルなストーリーを補ってくれるような
世界観やキャラクターも無いので
ただ単に退屈なだけ

その上、物語の流れがすごく悪いんです
話が進んでいないように感じてしまう

たぶん、回想シーンの入れ方が悪いんでしょうね
回想シーンが入るたびに流れが滞るんですよ

わざわざ映像で見せなくてもいいんじゃない
って場面まで映像で見せられて
すごくテンポが悪く感じました

その割に説明不足な事が多いように思うし
駆け足でストーリーを展開したりもしていて
感情が追いつかなかったりする

だから、人間ドラマも全然描かれていなくて
感情移入もできません

話が進むにつれて
コイツら何してるんだろう?
って気持ちになってきます

 

あと、アクションシーンが少なすぎですよね
そこもちょっと不満です

カッコいいアクションシーンが見たい
って気持ちでこの映画を観ているところもあるので
この少なさはちょっと無いですね

そんな数少ないアクションシーンも
全部面白かったのかと言うとそうではなく
つまらないアクションシーンもありました

面白かったのは序盤の巨人との戦いと
全部解決した後のおまけ的なアクションシーンの
2か所くらいで
それ以外はさほど面白くない

ヘルボーイの戦い方も
なんかいまいちでしたね
あの固くてデカい腕を使っての戦闘なんて
全然無かったように思う

 

それと、本作はコミカルなシーンも
割と多かったですけどあまり笑えなかった

そんなに面白いことを言ってないし
キャラに合ったギャグにもなっていなかったです

ちょっと笑いのレベルが低いかも

 

ギレルモ版の「ヘルボーイ」
特にゴールデン・アーミーと比べたら
マジで全然およんでいない

比べなかったとしても
この映画はかなり微妙な出来だと思います

続編を作る気満々の終わり方をしていましたけど
興行収入がよろしくないみたいですし
たぶん打ち切りでしょうね…

続編があればエイブが出てきそうな
終わり方でしたけど…

続編を観たいかと言ったら微妙

 


アート オブ ヘルボーイ

 

 

映画「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」感想 前作を大幅に上回る面白さ

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どうもきいつです

アクション映画「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」観ました

アメリカのコミックが原作の2004年の
「ヘルボーイ」続編
ヘルボーイとその仲間たちの戦いを描いた
2008年のファンタジーアクション映画です
今回はヘルボーイたちの前にエルフの王子と
伝説の軍団ゴールデン・アーミーが
立ちふさがります

監督は前作同様に「パシフィック・リム」「シェイプ・オブ・ウォーター」で有名な
ギレルモ・デル・トロが務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
超常現捜査防衛局のエージェントのヘルボーイは
仲間たちとともに怪事件の捜査と魔物退治に
あたっていた
一方その頃、闇の世界では
地上の支配者となった人間を滅ぼすべく
エルフの王子ヌアダが
伝説の軍団ゴールデン・アーミーを蘇らそうと
暗躍を始める

 

感想
前作より全然面白くなっていました
チームとしての面白さ
映像の豪華さ
アクションシーンの見やすさ
ストーリーの面白さ
どれも格段にレベルアップしている

 

2004年版「ヘルボーイ」を観たので
続けて続編である本作も観てみました

前作同様にこの映画も観たことがあったんですが
結構内容は忘れていました

でも、1作目よりは記憶が残っていたと思います
大体の話の流れも覚えていましたしね


で、内容はというと
前作より全然面白くなっていました
全ての要素がレベルアップしています

前作ではストーリーがいまいちでしたが
今回はストーリーも良くなっていました
普通に面白いと思える内容です

ヘルボーイとリズの関係性や成長は
前作より深く描かれていたし
敵との戦いも面白く見れる
何よりテンポが良くなっていました

他にもエイブの恋愛が描かれたりするので
エイブにもスポットが当たります

前作ではエイブはそんなに活躍するわけでもなく
存在感が薄かったんですけど
今回は存在感ありましたね

エイブが好きなのでそこはとても満足です

さらに宇宙服みたいなキャラの
ヨハンが新しく登場し
ヘルボーイたちのチームの描写が
マンネリにならずに新鮮に見ることもできました


新キャラが追加されたり
それぞれのキャラにスポットが当たったりと
いろんな要素がたくさんあるんですが

主軸はちゃんとヘルボーイたちとヌアダとの
戦いをメインに描いているので
話がブレずに最後まで進んでいきます

それぞれの登場人物のドラマも
メインストーリーと繋がっているし
決して邪魔にはなっていません

ヌアダとの戦いの中で
ヘルボーイは成長していくし
リズとの絆も深めていく


前作で薄かった人物描写も
今回はメインのストーリーの中で
しっかりと見せてくれて満足でした

 

それに、前作ではあまり無かった
チームの面白さも今回はあります

前作はほとんどヘルボーイ単独での
行動が多かったんですよね

少しはPBRDのメンバーと
行動は共にしていましたが
他のキャラはオマケ程度でした

エイブですらほぼ活躍はしてませんでしたし


ただ、今回はチームプレイが見れました
ヘルボーイを筆頭に4人でのチームプレイが
面白く描かれています

エイブもリズも活躍する場面が多いですし

新キャラのヨハンとヘルボーイの
性格が真逆だからこそ噛み合わないのも面白い

でも、お互いはじめは反発し合っていますが
行動を共にするうちに
心境に変化が生まれたり絆も生まれていきます
最終的にはコンビネーションで
戦ったりもしますし

これって、前作でヘルボーイとジョンで
やるべきことだったんですよね

今回はちゃんとそんな要素も
入れてきていました


まあ、でもジョンがいなくなったのは
もったいないですよね

確かに前作では空気並みの存在感で
いてもいなくても良かったんですが
やっぱり唯一の人間は
必要だったかもしれないです

バケモノ4人組の中に
1人普通の人間がいるだけで
よりチームが面白くなったような気がする

1人でも普通の人間がいるだけで
もっと面白く話を広げれたかも

 

アクションシーンに関しては
前作より見やすくなっていたと思います

それにバリエーションも増えていた

前作はひたすら同じ敵と戦うだけ
しかもパターンが毎回同じで
正直、ちょっと退屈なアクションに
なっていたんですが

本作は
敵の種類が豊富だし
敵によって戦い方も変わってくるので
アクションシーンが退屈しないです

はじめの大量の妖精の戦いから始まり
怪力バカみたいな敵
巨大な怪物
大量のゴールデン・アーミー
最後はラスボスのヌアダと

毎回戦闘スタイルも違うし
映像の見せ方も違うので
アクションシーンがとても面白いです

それに映像の迫力もすごいですしね
CG技術のレベルが高いので
素晴らしい映像になっている

 

そして、本作は
前作以上にビジュアル面が良くなっていました

前作もデザイン面はとても良くて
好きだったんですが

本作はよりギレルモ監督らしさが出ていて
とても良かった

前作はちょっとクトゥルフを
意識し過ぎてたようにも思う
そのせいで本来の監督のデザインのセンスが
薄まっていたのかも

でも、本作のデザインは
ギレルモ・デル・トロって感じが
前面に出ています

「パンズ・ラビリンス」のときの
ダークファンタジーな雰囲気がすごくあるんです

ただキモいだけじゃなく
少し可愛さがあったり
独特なおどろおどろしさなど
ホラーとファンタジーがミックスした様な
デザインがとても素晴らしいんですよね

前作の雰囲気も良かったんですが
やっぱり本作のような雰囲気のほうが
ギレルモ監督らしさがあってすごく好きです

 

本作はとても良い要素が多いので
文句をつける所もあまりないですね

そんなに深い映画ではないと思うので
軽い気持ちで楽しむエンターテイメントだと
思います

前作で足りなかったものを
本作で補ってくれていたので
個人的にはかなり満足な作品です
面白い映画でした

 


ヘルボーイ ゴールデン・アーミー [Blu-ray]