何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「犬鳴村」感想 思ったほど怖くない 三吉彩花は可愛かったけど

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どうもきいつです


日本のホラー映画「犬鳴村」観ました

福岡県に実在する心霊スポットを舞台に
描いたホラー作品
霊感を持つ主人公が
次々と発生する奇妙な出来事と犬鳴村の真相を
突き止めようとしていく物語

監督は「呪怨」シリーズなどで知られる
清水崇が務め
主演は「ダンスウィズミー」などの三吉彩花です

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
臨床心理士の森田奏の周りで不可解な事件が
次々と起こる
それらの事件に共通するのは心霊スポットの
犬鳴トンネルだった
連続する奇妙な出来事の真相を突き止めるため
奏は犬鳴トンネルへと向かう

 

感想
予告は怖そうだったのに
実際に観るとあまり怖くない
ミステリー的な面白さはそれなりにあったけど
すごく面白いってわけでもなかったし
まあ、三吉彩花は可愛かったっすけどね

 

「呪怨」の清水監督が出手掛けるホラー映画
ということで期待していた作品です
とは言え、3年ほど前の「こどもつかい」は
なかなかクソだったので
不安もかなりありましたが…

でも、予告を見たところ
面白そうな雰囲気もあったので
映画館まで観に行ってきました

 

予告はすごく怖そうだったんですけどね…
予告だけで面白い部分を全部出しちゃってた
ような気がします

とにかく、あまり怖くない
予告はすごく怖そうなのに
実際に観ると怖くない

所々には怖いシーンや面白く思えるシーンは
あるんですが極わずか
基本的に怖くないです

恐怖演出が滑稽で逆にちょっと面白い
リアリティの無い演出が多くて
あまりゾッとできなかった印象です


でも、序盤の雰囲気はすごく良かったと思います
心霊スポットを遊び半分で撮影している
っていう、あるあるな状況ではありますが
臨場感がありましたし

幽霊が出てくる描写とか
襲われて狂っていく様子とか
かなり不気味で怖い雰囲気を作り上げていた

暗闇の中の村の廃墟なんて
すごく気味が悪いし
POV風の映像も臨場感が生まれてましたし

奏の兄の彼女が自殺するあたりとか
結構、気持ち悪くて怖かった

でも、そこから先になると
なんか怖くなくなってくる

基本的に幽霊がでしゃばり過ぎなんですよ
はっきりと出てくるし
何回も出てくるし
大量に出てくるし

こんなのゾンビ映画みたいなもんですよ
幽霊ではなくゾンビです
求めてるのはこういうのじゃないんですよ

もっと日本のホラーて感じの
ゾッとするやつが見たかった

予告はそんな日本のホラーって感じなのに
蓋を開けてみるとゾンビ映画ですから
そこでまず萎えてしまう

 

そして、恐怖演出が滑稽

怖い演出というよりシュールな演出に
見えてしまって笑ってしまいます

さっきも言いましたが
幽霊が多すぎるというのが滑稽に見えます
毎回幽霊が大量に群がってくる
って映像がもうシュール

1回くらいそんなシーンがあっても
いいかもしれないですけど
毎回そんな感じなので全然怖さは無いですよね


あと、電話ボックスに水が溜まるシーン
これもちょっとシュールすぎると思う

なにその殺し方?
って思ってしまった
現実離れしていて怖さが無いですよね

映像だけ見てみれば
シュールな面白さがあって嫌いではないですが
ホラーとしてはちょっとズレてるような…


奏が車を運転している時に
遠巻きで飛び降り自殺を繰り返すのが見えて
最終的にフロントガラスにドーン!ってくる場面は
シュールではあるけど
不気味さや怖さとシュールな映像がマッチしていて
面白くて好きでした

たまにそんな面白い演出とかもあるんですけどね

でも、基本的にはやっぱりあまり怖くない

 

特に終わりに向けて物語が展開しだしてからは
怖さが薄れていきます

味方の幽霊が現れたのも本当に萎えました
幽霊というか普通の人ですからね

普通に見えるし普通に喋るし
理性が保たれている
何を考えているかわかる
感情移入できてしまう

ホラー映画でそんな幽霊が出てきたら萎えてしまう
幽霊ってミステリアスだから怖いのに

例え味方であったとしても
普通の人間と変わらないような幽霊が出てしまうと
その作品での幽霊の存在価値が落ちてしまう

終盤とか奏以外の人にも
普通に見えてしまってましたしね
この映画での幽霊とは何なのか?


あと、恐怖心を削がれたのが犬

犬鳴村の中で犬がちょくちょく出てくるんですが
犬が可愛い
だから全然怖くない
むしろ、ほっこりさせられるんですよね

犬の目がすごく優しいんですよ
人間に飼いならされた目をしている
そりゃ怖くないです
言うこと聞きそうですもん

てか、あんなに犬をはっきり見せる必要あったんですかね?
鳴き声だけとか
影が見えるだけとか
足跡があるとか

別に全貌をあんなにはっきりと見せなくても
犬がいるという表現はできると思いますが

逆にはっきり見えないほうが怖さも出たかもしれない

犬が可愛いから出てくる度に
実家の犬どうしてるかな?
とか余計な事考えてました

 

そして、ストーリーですけど
これはそれなりに面白かったと思う
ミステリーとしてはそんなに悪くないかな
と思えました

犬鳴村とは何なのか
奏自身はどういう存在なのか
そういうのをいろいろと伏線を回収しながら
解き明かされていくのには
最後まで見せられる原動力はあった

なんとなく先の展開は予想できてしまいますけど
最後まで観れば
なるほどな
と納得できましたし一応スッキリはしました


とは言え、冷静に考えてみると
終盤の展開は強引過ぎると思う
それに、放ったらかしなことも多くて
意味わからんって気持ちになるのも否めません


味方の幽霊が現れて
ベラベラと過去の説明をさせるのとか
雑な感じがする
奏が見せられる映像も
あの映像は一体どこから持ってきたの?
って感じですし

村が消えた理由に関しても
村人全員を惨殺する必要ある?
いくらなんでも無理やりな気がします


なにより、あのタイムスリップ展開がよくわからん
なんでそうなったのかって部分は謎

それが最終的に奏の出生に繋がっていくわけですが
すげー無理やり感がありますよね

奏の兄弟たちが閉じ込められて生きている
というのも何故なのかわからん
穢れた血筋ってのもうやむやで終わるし
奏の兄弟はその血を受け継いでないの?
女性だけに受け継がれるのかと思ったら
そうじゃないっぽいし

上手く話をまとめているようで
かなりテキトーで雑な部分が多かったように思います

ラストのホラーっぽい終わり方も
取って付けたようでなんか違和感がありました
あんな終わりかたなら普通にハッピーエンドでよかった
牙の生えた三吉彩花が可愛かったから許すけど

 

全然怖くありませんでしたが
三吉彩花が可愛かったのは救いですね

彼女がずっと大画面に映っているから
ずっと画面を見続けれました

顔は可愛いしスタイルは良いし
見栄えがすごく良いです
そんな子の恐怖に慄く顔を観れるのは最高ですね

最初から最後まで三吉彩花を大画面で観れる
それがこの映画の最大の利点です

 

この映画は予告映像が一番怖い雰囲気が
出てるかもしれません
やっぱり見せ過ぎれば怖くなくなるんでしょうね

実在の心霊スポットとか
消えてしまった村とか
設定はすごく魅力的なだけにもったいない

清水監督の前の作品「こどもつかい」とか
去年やってた「貞子」とかに比べれば
全然良かったと思いますけどね

 


呪怨 劇場版

 

 

映画「前田建設ファンタジー営業部」感想 無意味なことを本気でやる素晴らしさ

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どうもきいつです


コメディー映画「前田建設ファンタジー営業部」観ました

ダム、トンネルなどに携わってきた前田建設工業が
ネット上で連載している
架空の世界の建造物を実際に作ったらどうなるかを
本格的に検証するWEBコンテンツを実写映画化
検証第一弾マジンガーZ地下格納庫編を基に
上司が発案した突飛な企画を実現しようと奮闘する
サラリーマンたちを描いています

「あさひなぐ」「賭ケグルイ」などの
英勉が監督を務めています

 

あらすじ
2003年、前田建設の広報グループ長が
アニメ「マジンガーZ」の地下格納庫の発注を
受けたという設定で建設を検証するWEB連載を発案する
社員の土井は嫌々ながらもプロジェクトに携わるが
社内外の技術者たちの熱意を目の当たりにし
やがて、無意味だと思っていた業務に
本気で取り組むようになっていく

 

感想
登場人物たちがすごく楽しそうで羨ましい
こんな無意味でバカバカしいことを
本気でやるということの熱さも感じました
そして、建設についていろいろ勉強になる
自分の知らない世界を知ることもできました

 

映画館で予告を見て気になっていた作品
出演キャストも面白そうな人たちが揃っていて
とても興味を惹かれました

基になったWEBサイトのことは全く知らず
本作を観て初めて知ったほど
全く知識はありませんでしたが
とても楽しめる内容だったと思います

 

この映画
観終えてから考えてみると
実は特に何も成し遂げていないし
ストーリーも大して無い

ただ、マジンガーZの格納庫を実際に作ると
どうなるかのシミュレーションをしているだけの
内容なんですよ

最終的に格納庫を作るわけでもなく
というか作るのなんて無理なわけですし
途中にドラマチックな劇的なエピソードなんかも
さほど無いし
最終的にすごい事を成し遂げた
ってラストでもない

冷静に考えてみると
ただ遊んでいるだけなんです

だからと言ってつまらないというわけではなく
最後まで楽しんで観れた

 

本作は大したストーリーが無くて
面白く物語が展開していくわけでなはいですが

その中で描かれる情熱だけで最後まで
見せられてしまう

最後に何かを成し遂げるとか成功を収めるとか
そういうのは無いですし
結局、やっていることはすごく無意味
何も生み出していない
こんなものは茶番なんですよ

でも、それを本気でやるからすごい
しょうもない意味のないことに本気で取り組むから
この映画は熱いんです


冷めた人が見れば
こんなことに何の意味があるのか?
時間の無駄だ
と言われてしまうかもしれない

確かにこんなこと無駄だと思います
でも、無駄なことに本気で取り組む事って
最高に素晴らしいことだと思うんです


例えば学校のスポーツ系の部活だって
大会で優勝するために努力したところで
プロにならなければ無駄だと思うし

ゲーセンの格ゲーをめっちゃ練習して
すごく強くなったとしても
プロになるならまだしもそうでなければ
無駄なことだと思う

でも、そんな無駄な時間を過ごすことに
本気で向き合ったり本気で楽しんだりするのは
全然無駄じゃない

むしろそんな時間はとても大事だと思う

娯楽だって言ってしまえば無駄ですし
映画にしろ漫画にしろ小説にしろ

ただ、そんな無駄なものだからこそ
生まれるものがあるんですよ


それが本作でやってるようなこと

空想の建築物を作るとどれだけの費用や時間がかかるか
現実に作るならどうすれば矛盾なく完成するか
そんなくだらないことに本気で向き合うから
人生にメリハリが生まれる

自分の世界が広がったり
仕事に対する姿勢が変化したり
単純に楽しく日々を過ごせたり

意味のないことに本気になることって
素晴らしいことなんだと
この映画を観ることで思わされました

 

それだけじゃなくコメディー描写も
面白く観れました

全体的にちょっと過剰でリアリティーが無い
コメディー演出が多いんです

例えば上地雄輔の演技とか狙い過ぎてる気がしたり
おぎやはぎの小木は演技というより
お笑いコント感が強くてちょっと変だったり
効果音がチープな感じもする

でも、作品全体のゆるさに
それらがマッチしてるように思います

単体で見たら若干スベってるような
笑いの作り方ですけど
作品全体の中で見ればそんなに違和感が無くて
普通に笑ってしまってました

格納庫の設定の矛盾にツッコむ場面とか
めっちゃ面白かったし

昔のアニメなんて設定に矛盾が多いですしね


広報グループのメンバーの会話なんかも
ナチュラルで笑える

あんなバカらしいことをやってるからこそ
その時の会話がすごく楽しそうなんですよ
しょうもないことを無駄に喋ってる感じが
すごくいい

作品自体のゆるさもあって
ちょっとやり過ぎなキャラの個性や
スベリ気味な笑いの演出なんかも許容できて
むしろ、笑えました

 

あと、この映画は勉強になりますね

建築や土木については無知なので
この映画を観ていろいろ知る事ができた

普段当たり前のように見ている建築物が
こんなにも手間と費用が掛かっているんだと
感心させられました

地面を掘るだけでも
あんなにすごい事になってるんですね
実際に映像として見ると
それがより伝わってくる


そして、アニメの中の建築物が
どれだけ無謀なものなのかも

アニメの設定なんてテキトーなもので
それをいかにして現実的に作るのか
というのはとても面白かった

そんな中で
ダムの構造だったり
油圧式ポンプだったり
現実的な技術を知ることができるし
とても興味深い内容出した

この映画を観ることで
自分の中の知識の幅も少し広がったような気がしました

 

面白い映画だったんですけど
とは言えちょっとチープなのは否めない

映画というよりテレビドラマレベルな感じはします

特にCGはなかなかショボいですね
いかにもCGな映像になってました
マジンガーZなんて完全にCG
偽物感がハンパない

もっとCGにリアリティーがあれば
チープさが薄れたでしょうが

映画全体の雰囲気もやっぱりテレビっぽい
もう少し映画らしい演出もあった方が
良かったと思います

背景のセットなんかも
いかにも作り物って感じがしてしまいましたし

まあ、お金が掛けられていないというのも
あるんでしょうけどね
それはそれで工夫してリアリティーを
もうちょっと出してほしかったと思いました

 

くだらないことをやってるだけなんですが
それを本気でやっているから
心を打たれるし笑えてしまう

バカバカしい無駄なことを
真剣に取り組む事の素晴らしさを
教えてもらえました
ずりという新しい言葉も知る事ができた

 


前田建設ファンタジー営業部1 「マジンガーZ」地下格納庫編 (幻冬舎文庫)

 

 

映画「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」感想 王道の推理ミステリーがなかなか楽しめた

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どうもきいつです


ミステリー映画「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」観ました

ニューヨーク郊外の大豪邸で起きた殺人事件を巡り
名探偵とくせ者揃いの家族たちの駆け引きが
描かれた
本作オリジナルの密室殺人ミステリー

監督、脚本を手掛けたのは「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」などのライアン・ジョンソン
名探偵ブランを演じるのは「007」シリーズなどの
ダニエル・クレイグです

 

あらすじ
85歳の誕生日を迎えた世界的ミステリー作家の
ハーラン・スロンビーが自身の豪邸で
誕生日パーティーを開催した
しかしその翌日、ハーランは遺体となって発見される
名探偵ブノワ・ブランは匿名の依頼を受け
刑事とともに屋敷に出向いた
ブランはこの事件が殺人でないかと考え
莫大な資産を抱えるハーランの家族、家政婦、看護師
など屋敷にいた全員を疑い捜査を始める


感想
昔ながらの推理ミステリーって感じが
とても楽しめました
事件の真相も終盤までわからないと思うし
そこまでの伏線も上手かったと思う
ただ、物語が進展するまではちょっと退屈かも

 

予告を見てとても面白そうだったので観てきました
王道の推理ミステリーだろうなと
想像していましたが
全くその通りで
昔ながらのミステリーって作品でしたね

こういう雰囲気の映画はとても好きです

全体的にはよくあるミステリーという感じで
とてもわかりやすく観れました
やってることは王道のミステリーで
そんな作品ではよくありそうな設定だったり
トリックなんかもありがちな感じがする

ただ、意外と先の展開が読めなかったりするので
そこはすごく楽しめました

結構、早い段階で1つ目の真相が
明らかになってしまいます

でも、それで終わりではなく
最後にもう1つどんでん返しが待っている

さすがに1つ目の事実が発覚した時は
これで終わりじゃないだろ
とは思いますが

それでも、この物語がどう転がっていくのかは
なかなか予測できない

逆に早い段階で大きな事実が
わかってしまうことによって
この先どうなるんだろう?
と、興味をすごくそそられるんです

これで終わりじゃないのはわかってるけど
じゃあ、この話はどうなっていくの?
みたいな

 

そして、設定も面白いですね

本作の重要人物マルタ
彼女の設定がすごくよかったですね

1番の容疑者でありながら
嘘をつくとゲロを吐いちゃうという

このキャラクターがとても面白いし
その設定が物語の中でも上手く生きていて
すごくいい

登場人物たちの多くが嘘をついて
真実がぼやけてしまう中で
彼女のゲロだけは真実

どうにか嘘をつかずに真相を隠そうとするマルタと
真実を突き止めようとするブランとの
駆け引きもなかなか見応えがあったし

ゲロを吐くと基本面白いですよね
くだらないけど笑ってしまう

ラストのゲロは最高に痛快でした

嘘がつきたくてもつけない
という設定はミステリーとしては新鮮に思えた

キャラの個性にもなっていますし
物語の展開にも繋がっていきますし
この設定は本作の中でもかなり良かった部分だと思います


そして、本作はただのミステリーではなく
風刺的なものも込められていると思う

マルタが移民ということもあり
移民問題というのが直接的に描かれていると
思いますが

彼女を受け入れるハーランの家族たちが
まるでアメリカの縮図のように描かれています

表面的には家族として受け入れているようなことは
言っていますが
実は無関心だったり見下していたり
最終的にはこの家族たちが本性を現していくわけですよね

家族を1人1人見ていっても
いろいろメタファーが隠されていると思います

そういう視点で観てみても
この映画は興味深い内容でした


あと、ラストシーンに関しては
すごく意味深に感じました

この事件がまだ一筋縄ではいかないんじゃないか
と思わされる

解決したようでまだ解決してないんじゃないか?
と、ちょっと疑心暗鬼になる

マルタがすごく計算高い女に感じてしまいました
実は全部計算通りだったのか?
所々頭がキレるシーンもあったりしたし

最終的に彼女の手のひらで転がされていたような
気持ちになってしまいましたね

真相はわからないんですけど

 

単純なようで単純じゃなかったりするので
最後までなかなか楽しめる映画ではあったんですが

ちょっと退屈な時間が多かったのも否めない


終盤に物語が進展し出すまでは
結構、退屈でした

早い段階で1つ目の真相が明かされてからは
謎解きミステリーではなく
マルタが自分がやってしまったことを
バレないようにどうにか誤魔化す
というのがメインになってしまって

しかも、それがすごく淡々としていて
観ていてちょっと飽きてきます

同じようなことの繰り返しが
続いていたようにも思うし
ある程度、謎やトリックが解き明かされて
しまっているから
そこに関する興味も薄れてしまってる

所々におもしろシーンや
細かい伏線が散りばめられていたりもしましたが
それだけではさすがに気持ちがもたなかった


あと、真犯人がわかりやす過ぎる問題もありましたね
真犯人のあの人が
変に目立ってしまっていると言うか
1人だけオーラ出過ぎと言うか

印象だけでこの人が犯人だろうな
と思ってしまいますよね

キャラとしてはいいキャラしていて
魅力的なんですけど
それがあるから余計に犯人っぽいんですよ

これは仕方がないことかもしれませんけど

ミステリー映画ではありがちですよね
キャストの雰囲気で犯人がわかってしまうのは

勘のいい人なら犯人は簡単に
わかってしまいそうな気がします

 

あと、ハーランの家族たちをもっと深く
掘り下げて欲しかったとも思います

この家族たちはすごくドロドロしたものが
ありそうなのに
表面的はさらっと触れるだけで
あまり深掘りされなかった印象です

だから、仲が良いのか悪いのか
ちょっとわかりづらい
ケンカしてるときもあれば団結してるときもあるし
なんか、どっち付かずで
どう見れば良いのかわからないし

それぞれ個人的にもキャラは深掘りされず
みんな個性的な雰囲気はあるものの
いまいちそれが伝わってこなかった

家族の関係性も
誰と誰が仲が良いとか誰と誰が仲悪いとか
その辺もあまり描写されなかったし

この家族の描写をもっと全面に押し出してたら
退屈さも薄れたように思うし
事件の真相についてももっと深みが出たように思う

ぱっと見はみんな個性的で魅力が溢れているだけに
そこから先の描写が薄かったのは
もったいなく思いました


多少、文句も言ってしまいましたが
普通に楽しめるミステリーでした

犯人がわかりやすいとは言いましたが
先の展開はなかなか読めないと思うし
最後まで観れば驚かされると思う

名探偵ブランも面白いキャラでしたしね
面白い王道ミステリーでした

 


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映画「バイバイマン」感想 面白くなりそうで いまいち面白くならなかった印象

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どうもきいつです


ホラー映画「バイバイマン」観ました

その名前を知るだけで呪われる“バイバイマン”に
取り憑かれてしまった若者たちの恐怖を描いたホラー映画

「ギャング・オブ・ホラー」などの
ステイシー・タイトルが監督を務め
バイバイマンを演じるのは「ヘルボーイ」の出演
などで知られるダグ・ジョーンズです

 

あらすじ
とある古い屋敷で暮らし始めた3人の大学生は
ふとしたきっかけで
その名を知った者、口にした者に死が訪れる
バイバイマンを解き放ってしまう
それ以来、バイバイマンに取り憑かれた3人は
呪いから逃れようと必死に助け合うが
周囲の人間たちが次々と命を落としていく

 

感想
なんか面白くなりそうな感じはするけど
いまいち盛り上がらなかった
伏線とかも放ったらかしだったり…
バイバイマンが結局よくわからない存在のままで
そこに怖さもあまり感じれませんでした

 

配信されていたのをたまたま見つけて
なんとなく観てみました

存在も全く知らず
あらすじやどんな内容かも知らなかったわけですが
観てみると良くあるような話で
そこまで新鮮味はなかった印象です

感想はかなり普通

特別つまらないわけではないけど
特別に面白いわけでもない
1番感想を書くのに困るやつです…


冒頭のシーンはすごく引き込まれたんですよね
真っ昼間に男がよくわからないことを言いながら
知り合いであろう人たちを銃で撃ち殺していく
このシーンでこの映画はすごく面白くなりそうだな
って気持ちにさせられる

なぜこんなことが起きてるのか?
この事件の真相は何なのか?
ミステリアスな雰囲気にとても興味を
そそられるんです


で、そんなプロローグ的なシーンが終わって
本編が始まると
そこからずっと尻すぼみな感じで物語が
進んでいくんです

最初に期待値を上げられたぶん
余計につまらなく感じてしまった

冒頭のシーン以上に気持ちが上がる場面が
最後まで無かったように思います

 

基本的に心霊ホラーって雰囲気なんですが
いまいちそういう怖さが感じれない

音で驚かしたり怖い見た目の何かが迫ってきたりと
そういう描写は多々ありますけども
なんか中途半端というか…
心霊系ホラーに振り切っていないように思う

かと言って
モンスター系やスプラッター系のホラーにも
なっていないし
人間の怖さとかそういうやつでもない

ただ、そのどれもが散りばめられてる
ようにも思います

だから、どの要素も薄くて全部インパクトが弱かった

 

この映画になぜいまいち乗れなかったのかを
考えてみると

主人公たちにとってのバイバイマンが曖昧すぎる
というのがあるかもしれません

主人公たちは偶然バイバイマンに狙われるはめに
なるわけですが
最初から最後まで主人公たちはバイバイマンが
何なのかは全然わからないまま
終わっていくんですよね

だから、主人公目線で観ている観客である自分達も
最後までバイバイマンが何なのかわからない

得たいの知れない者への恐怖という表現かも
しれないけど
それならそれでバイバイマンの正体に
迫っていくような物語にしてほしかったし
真実を突き止めたようで突き止めていない
みたいな展開のほうが怖いと思う

この映画は
たまたまバイバイマンの名前を知ってしまった
主人公たちがただひたすら翻弄されるだけの
話なんです

主人公たちが無力にバイバイマンに
振り回される物語にするなら
そっちに完全に振り切ったほうが
面白くなったと思うんですが

本作は中途半端にバイバイマンに対抗しようと
してしまってそっちにも振り切れていない

そもそも、バイバイマンが曖昧すぎて
対抗しようにもそれが不可能なわけです

名前を知った人間はみんな死んでしまうから
まず情報がない
幻覚を見せる能力があるけど
なぜそんな能力なのかわからないし
それを使って人間同士を殺させる理由も不明
横にいるキモい犬も謎

バイバイマンの存在が都市伝説として
噂が広まっているわけでもないので
結局、バイバイマンが何なのがわからなすぎるんですよね

あまりにも謎すぎて
主人公たちが何に怯えているのかも
よくわからない状況になってしまってる

主人公たちにとってもバイバイマンが不明確だから
感情移入したところでいまいち怖さが
伝わってこない

 

バイバイマンが幻覚を使って人間を惑わすのなら
それによって人間が狂っていく様を
見せて欲しかったとも思います

冒頭のシーンは人間が狂っていく様子が
とても伝わって
最終的にはこのシーンがラストに繋がってくると
思ったんですが
そこはあまり繋がらず
主人公はそんなに狂っていかない
むしろ、最後までどうにか自我を保ち続けてしまって
終盤になっても全然盛り上がらないんですよ

最後は幻覚に惑わされて恋人を殺してしまうけど
あれは事故的なやつですしね

終盤で主人公が狂ってしまい次々と人を殺して
いくような展開にすれば
はじめのシーンに繋がって
こういうことだったのか
と納得できると思うんですけど

それに映像的にも派手になって盛り上がったとも思う


そして、オチに関しても中途半端に感じる

これはよくある呪いはまだ終わっていない的な
後味悪いラストなんですけど

死んだと思っていた主人公の友達が
実はまだ生きていて
彼の口からバイバイマンの名前が
捜査していた女性に伝わってしまう
みたいなオチ

でも、最後に呪いを受けてしまう人間の印象が
薄すぎて
ラストとしてはちょっと弱いですよね
こいつ誰?
くらいの印象の薄さですから
主人公とそんなに関わりもないですし

それなら、主人公の姪の口からバイバイマンの
名前を聞きたかった

本作では
主人公の兄や姪には被害は及びませんでした
ってちょっとハッピーな終わりかたに
なってますけど

そこは心を鬼にして
姪から主人公の兄へとバイバイマンの名前が
伝わるところで締めくくって欲しかったですね

その方が絶対に後味悪いし
ホラー映画を観たなって気持ちになれるはず

 

あと、伏線を放ったらかしもどうかと思います

意味深なシーンをたくさん見せるわりに
最後までそこの意味はわからないまま

線路を走る列車やコインなどのシーンは
すごく意味ありげなのに謎なまま

バイバイマンの存在も全く謎で
何も解き明かされない
キモい犬も謎

すごくモヤモヤします
あまりにも何も説明がないから
それらの設定や伏線らしきシーンが
もともと意味なんて無いけどそれっぽいシーンを
入れているだけに見えてしまいます

実際にそうかもしれないけど…

謎を残すにしてももう少し伏線回収した方が
いいと思います

謎が解けたようで解けてない
みたいな終わりかたなら考察したくもなるけど
ここまで謎を放ったらかしにされてしまうと
こんな謎どうでもよくなってしまう

この伏線の部分に関してはすごく雑に感じました

 

全体的に雰囲気はいい感じだし
面白い設定やシーンもあるので
全然つまらなかったわけではないですけど
微妙なところも多くて
すべてが中途半端に思いました
すぐに記憶から消えてしまいそうな映画

 


バイバイマン [DVD]

 

 

映画「花と雨」感想 映像から感情が伝わる ちょっと説明不足な気もするけど

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どうもきいつです


ドラマ映画「花と雨」観ました

ヒップホップアーティストのSEEDAが2006年に
発表したアルバム「花と雨」を原案に
SEEDAの自伝的なエピソードを交え
1人の青年の成長物語を描いた青春ストーリー
周囲に馴染めない若者がヒップホップによって
困難な現実を乗り越えようと奮闘する姿が
描かれます

「Perfume」「水曜日のカンパネラ」などの
ミュージックビデオを手掛けてきた
映像ディレクターの土屋貴史が
本作で初めて長編映画監督を務めます

 

あらすじ
幼少期をイギリスのロンドンで過ごした吉田は
閉鎖的な日本の空気に馴染めず高校生活を
過ごしていた
いつしか学校と距離を置くようになり
ヒップホップと出会った吉田はラップを通じて
自分を表現する場所や仲間を見つけていく
しかし、厳しい現実に自分を見失っていき
情熱を失った吉田はただのドラッグディーラに成り果てていく

 

感想
なんとなくいろんな感情が伝わってくる
映像にとてもこだわりを感じる作品でした
アルバムを聴いてるかどうかで見えかたが違うかも
ただ、ちょっと説明不足でわかりづらく
置いてけぼりをくらう

 

僕はSEEDAの曲が結構好きで
「花と雨」もかなり好きなアルバム
そんな「花と雨」を原案に映画化されると知り
とても期待していた作品です

SEEDAの生い立ちなどはそんなに詳しくなく
軽く知っている程度で
大ファンと言うほどではありませんが

でも、まあまあ好きな方だとは思います

 

映画の内容は
ほとんどSEEDAの自伝映画だと思います

彼がどう生きてきたか
ヒップホップとどう向き合ってきたか
そんなものを描いている映画

ただ、どこからどこまでが事実で
どの程度フィクションなのかはわかりません
それなりに脚色はされていると思いますし

全体的にはリアルな作風だとは思いました
事実を基に作っているからこそ
現実味のある物語に感じれる


若さが故の意地やプライド
自分の思い通りにいかないから
くすぶってしまう様子
あの時こうしとけばよかったという後悔など

画面を通していろんな感情が伝わてきました


スト-リーに関してはかなりシンプルだと思います
よくある音楽系のサクセスストーリーって感じで

辛い現状から抜け出そうとあがく姿や
そんな中で様々な過ちも犯してしまいますが
最終的にそれらを乗り越えてチャンスを掴む
みたいな内容

音楽系の映画でもヒップホップを取り扱った作品は
こんなストーリーが多いですよね
最近の作品では「WALKING MAN」「ガリーボーイ」
なども似たような内容でしたし

そんなシンプルでありがちなストーリーでは
ありますが
SEEDAの実体験を基に作られているので
リアリティを感じることができましたし
そこから、ヒップホップとはどういうものなのか
という部分も描かれています


特にヒップホップとは?
という部分は主人公の吉田を通して
しっかりと描かれていると思った

よく言われがちな
日本人のラップは本場のマネをしているだけ
日本人は恵まれていて
本当の貧困層なんていないから所詮お遊び
みたいな日本語ラップの偏見あるある

今の時代はさすがにそんな偏見も薄れてきて
古臭い考えにはなりつつあるとは思いますが
それでもそんな考えの人はまだ多いと思いますし

で、本作は
そんなことへの回答を描いていると思います

吉田は海外育ちというのもあって
日本のラップシーンを見下していたりするし
そこに関するプライドはとても高い
その反面、自分の恵まれた家庭環境に対して
コンプレックスを持っていたりもする

自分は本物なんだという気持ちと
自分なんて所詮偽物なんだという気持ちの
葛藤があったりするわけです

そんな中で、自分の境遇や人との出会い
過ちを犯してしまったり
取り返しのつかない後悔を抱いたり
そんな経験を経て
自分にとってヒップホップとは何か
ということに見つめ合っていく姿を見せて行く

吉田のそんな感情や葛藤や成長を見せることで
よくある偏見への回答にもなっていると思います

ヒップホップの本質とはこういうことだ
ということがこの映画を観れば伝わってくると
思います

 

そして、この映画は
SEEDAのアルバム「花と雨」を原案に
作られているということもあって
アルバムとリンクしている部分も多くある

この映画を観る前からアルバムを聴いていたり
逆に映画を観た後にアルバムを聴くと
映画単体で観たときと違った見え方もすると思う

このシーンはあのリリックの部分だなとか
この会話はあれだなとか
この感じははあの曲とリンクしてるなとか

アルバムを聴いていると
映画とリンクしている部分にいろいろと
気づく事ができたりもするので
そういった楽しみ方ができる映画だとも思います

曲を聴いてから映画を観れば少し見え方が
変わってくると思いますし
逆にこの映画を観てからアルバムを聴けば
曲の印象が違って聴こえるとも思う

そういう点でも面白い作りの作品だと思います
映画とアルバムが相乗効果で変化していく
みたいな作風はあまり観たことないし
新鮮な気持ちでこの映画を観ることができました

 

そして、本作は映像にかなりこだわりを感じる
作品でした

全体的に少し抽象的な感じではありますが
映像からなんとなくの感情が伝わってきます

演出や画面の色彩、カメラワークなど
そういうのが主人公の吉田の感情とリンクしていて
具体的ではないけどもなんとなく伝わってくる

この映画の作風は
全体的にセリフや説明などの言葉が
極力省かれていて
少し掴み所が無かったり状況が把握できない部分も
多々ある作品なんですが

映像の表現でその部分はある程度
補えていると思います

MVなどを作っていた人によくありがちな
独りよがりな自己主張とかもあまり感じなくて
独特な映像表現にも意味が込められてるように
感じたし
そこから表現したいものがちゃんと伝わってくる

センスの押し売りにはなっていなくて
観客に伝えようという姿勢は感じられました


とは言え、さすがに説明不足過ぎなのも否めない
全体の流れとしては理解はできるんですが

要所要所を見て行くと
これどういうこと?
なんでこうなってるの?
一体何が起きてるの?
という、よくわからないシーンがすごく多い

SEEDAのファンで彼のバックボーンを詳しく
知っている人なら
もしかしたらこの情報量でも何が起きたのか
わかるのかもしれませんが

僕が観たところでは
正直、置いてけぼりをくらった感じです

別のシーンに急に飛んだり
めまぐるしく映像が展開していったり
感情の表現としては伝わってきますけど

実際に何が起きてるのかという点で見ると
ゴチャゴチャしていてわかりづらかったりします


あと、リアル感を求めたことの弊害なのか
セリフがすごく聞き取りづらかったです

登場人物がみんなナチュラルなトーンで
会話を繰り広げるので
基本的に声は小さくてボソボソしてるし
滑舌もそこまではっきりとした喋り方ではなく
何言ってるのかわからないシーンが多かった

聞き逃してしまった
って言うのが多くて
そこが少しストレスに感じてしまいました

 

キャストに関しては
みんなすごく良い感じだったと思う
リアルな雰囲気もありますけども
キャラクター性も感じられるような人が多かった

特に吉田を演じる笠松将はとても良かったと思います
あのふてぶてしい雰囲気とかなんかリアルですよね
実際にあんな人いそう

ふてぶてしいしいけ好かない感じの人間なのに
どことなく愛嬌があって憎めなかったりもしますし
なんか応援したくなってしまう
最終的にはなんか好きになります

気持ちの部分でも共感させられてしまったり
すごくナチュラルだけど
心に刺さるような演技をする人だなと感じました


他の役者たちも魅力的な人が多かったし
それも相まって映画全体にいい雰囲気を
生み出せていたと思います


ちょっと説明不足で理解しがたい部分も
多い映画でしたけども
伝えたいことは伝わってきたし
映像のセンスもすごく感じました

この映画を観ることで
SEEDAの曲の良さにもあらためて気づくことが
できたと思います

 


花と雨

 

 

映画「カイジ ファイナルゲーム」感想 ゲーム性が全然無いんですけど… カイジってそういうことじゃなくない?

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どうもきいつです


サスペンス映画「カイジ ファイナルゲーム」観ました

福本伸行による人気漫画の実写映画化の第3作目
前作「カイジ2 人生奪回ゲーム」から9年ぶりの
新作です
原作者の福本伸行が考案した新たな4つのゲームに
命懸けのゲームを何度も這い上がってきたカイジが
再び挑む姿を描いています

シリーズの前2作も手掛けた佐藤東弥が
本作も監督を務めています
主演も前作同様に藤原竜也です

 

あらすじ
2020年、東京オリンピックを終えた日本は
急激な不景気に陥っていた
少ない給料で自堕落な生活を送るカイジは
ある日、帝愛グループの企業の1つを任されるまで
出世した大槻と再会する
そして、それをきっかけにカイジは
金を持て余した富豪の老人が主宰するゲームに
参加し大金を得るため勝負に出る

 

感想
「カイジ」の面白さってそういうことじゃないよね?
って内容の酷い映画
世界観にリアリティーが無かったり
ゲーム性が無かったり
ゲームでの駆け引きも皆無
よくわからない説教臭いセリフも興醒め
こんな「カイジ」は誰も求めてません

 

「カイジ」の実写映画シリーズは
そんなに好きと言うわけではありませんが
一応、前2作を観てるし
せっかくなのでシリーズ最終章となる本作を
映画館まで観に行ってきました


わざわざ映画館まで観に行くよう内容では
ありませんでしたね

こんな内容の映画なら
「カイジ」の新作なんて作る必要は
なかったんじゃないか?

とにかく酷いと思いました

 

まず、世界観の設定
これが無駄にスケールが大きすぎる
「カイジ」ってそういうことじゃないでしょ

日本全体の景気が悪くなって
ありえないほど物価が上がってる
とんでもない法案が通っていたり
非人道的なゲームが普通に行われていたり

近未来のぶっ飛び世紀末みたいな
でも時代は東京オリンピック後という…

この時点でリアリティーが無さすぎる
別にそんなぶっ飛んだ世界観も
悪くないとは思うけど

「カイジ」って
もしかしたらこの現代社会の裏側で
命懸けのギャンブルが行われてるかもしれない
みたいなところに面白さがあると思うので

本作のこのぶっ飛んだ世界観は
「カイジ」の面白さを削ぎ落としていますよね

こんな世界は「カイジ」じゃない
そこがズレていると思うんです

 

そして、「カイジ」の魅力と言えば
大金と命を懸けたゲームとその駆け引きなんですが

本作はそんな「カイジ」の醍醐味が
全然無いんですよ

バベルの塔、最後の審判、ドリームジャンプ、ゴールドジャンケンと
4つのゲームが登場するわけなんですが
そのどれもにゲーム性はあまり無く
ちょっとバカっぽい内容
その攻略法も子供騙しだったり運任せだったり

観ていて全然ハラハラしないし
アッと驚く展開も無い

ゲームが全然面白くないんですよ


一つ目のゲームバベルの塔は
西宮神社の福男選びのレースみたいな事をやってる
ただ走っているだけなので
この時点ですごくバカっぽい

ここでカイジがとる勝利への方法は
横のビルから鉄骨を伸ばしてそれを渡るという
これのどこに勝算があるのか?
ただ無謀なことをやってるだけなんですよ

カイジは絶対こんな無謀なことはしないから…

これはたぶん
俺また鉄骨渡りやってるよ
ってのをしたかっただけですよね

本当にくだらない
もっと知的な戦いを見せてくれよ


本作のメインのゲーム最後の審判に関しては
もはやゲームじゃない…

大金持ちの資産家が
どれだけ金をかき集める事ができるかを
競っているだけのつまらない内容

ここでルールの裏をかいたような
どんでん返しがあったり
騙し騙されの駆け引きがあったりすれば
まだ楽しんで観ることができたでしょうが

そんな事も無く
カイジたちが後手後手で追い込まれて
最終的に感情論や無理やりな力技や運で
勝ってるだけだったりします
「カイジ」でそんな勝ち方はすごく萎える

騙し騙されの駆け引きや状況の変化などで
優勢と劣勢がめまぐるしく入れ替わるのが
「カイジ」の面白さだと思うんですけど

本作の場合はそんなのが全然無いんですよね

その上、このゲームの描写が無駄に長くて
すごく退屈でした


ドリームジャンプも酷かったです

一応、勝つためのロジックはありますけど
こんな子供騙しな方法は観ていてあきれた

キューのやつも
あんなの伏線とは言いませんからね

桐野のあのキューって言うやつとか
そもそも意味不明
この展開のために無理やり序盤で言わしてるだけ
あのセリフに何の必然性も無いわけですし

序盤のキューが不自然過ぎて
後にそれを伏線として勝利につなげても
全然すごいとはならないでしょ

あんなことするよりも指で9の数字伝えれるし
指って10本あるんですよ
知ってました?


最後のゴールドジャンケンはまだマシだったです
一応、駆け引きはしてましたから
1番カイジらしいゲームでもあったし

それでもちょっと運任せすぎると思うけど

相手がバカでよかったね
って感じです

 

ゲーム全体を通して見てみても
勝ち方や勝負に対する姿勢が
全然カイジらしくないんですよ

そもそも、カイジがこの勝負に挑むこと自体が
すごく不自然なんですが…
カイジは自分が生きるために
命懸けの勝負をする人なんです

ギリギリに追い込まれることで
やっと本気を出せる人間

でも、本作の場合は
別にカイジは追い込まれていない
負けたところでダメージは無い

じゃあカイジが勝てるわけないですよね
カイジは負けられないから勝つんです
勝ちたいから勝ってるんじゃない


さらに勝負に挑むカイジもちょっと違う

カイジが勝負に挑む時は勝算がある時だけなんです
運任せにはしない
ちょっとでも勝算が無いと動かないのがカイジ

でも、今回の場合は
なんか運任せの気がしてならない

明確な勝算も見えてないのに
カイジが突っ走てる感じがするんですよね

そこもカイジらしくなくて違和感でした

 

で、この映画は説教臭くて
そこも違うなって思ってしまう要素です

カイジがすごく説教臭いセリフを吐く
説教演説みたいなシーンが多い

カイジに説教なんてされたくないんですけど
あいつは勝負強いけどクズですから

いくらカイジが真っ当な正論を言おうとも
お前にそんなこと言われたくねーよ
って気持ちにしかならない

そもそも「カイジ」ってそんな作品じゃないし

原作は
カイジのクズな生き様や勝負を通して
人生の教訓を教えてくれる作品
決して説教臭い正論をキャラクターに言わす
漫画じゃないですから

この映画はそこを履き違えてますよね

 

あと、感動的な親子愛とか
それが勝利のカギだとか
そんなのもいらない

「カイジ」はそんな曖昧なもので
勝負に勝ったらダメでしょ

現実的に勝つためのロジックを積み上げていったり
途中、運任せな状況に陥っても
いかにその運をつかみ取るかというのが
「カイジ」での勝負の面白さですからね

そういった点でも本作はズレた作品になってました

 

この映画は「カイジ」じゃない

やってることがことごとくズレています
それで面白けりゃまだ許せますけども
全然面白くないし

最初から最後まで退屈
この映画を作った意味はあるんですか?
前作がヒットしたから
無理やり続編を作ったってだけでしょうね

9年の時を経て生まれたのは無駄な続編でした

 


カイジ 人生逆転ゲーム [Blu-ray]

 

 

映画「シライサン」感想 ちゃんと王道のJホラー ただ特出したものはなくインパクトは弱かった

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どうもきいつです


日本のホラー映画「シライサン」観ました

鈴の音とともに現れ、視線を逸らしてしまうと
最後には命を奪われてしまうという
新たなホラーキャラクター“シライサン”の恐怖を
描いたホラー映画

人気小説家として知られる乙一が安達寛高の名義で
長編映画監督デビューを果たしています

 

あらすじ
眼球が破裂した死体が立て続けに発見され
死因はいずれも心臓麻痺だが死の直前に
何かに怯えとり憑かれた様子だったという
親友を目の前で亡くした瑞紀と弟を無くした春男は
事件の真相を探る中で詠子という人物にたどりつく

 

感想
怖いし不気味だし
ちゃんとしたホラーとして作られていました
シライサンも怖いキャラに仕上がっていた
でも、やっぱり普通過ぎて物足りない
終盤は怖さに慣れてしまう

 

前からなんとなく観たかった作品
出演している飯豊まりえと稲葉友も
結構好きだというのもあって
映画館まで行って観てきました

正直言って
そんなに期待していなかったんですが
思ったよりも良かったです

普通に怖く思うシーンがいくつもあったし
ストーリーも悪くなかったと思う

王道なJホラーって感じの作風で楽しんで観れました

 

まず、本作のホラーキャラクターの
シライサンがなかなか怖い

見た目がかなり不気味だったし
見せ方も良かったです

序盤ではシライサンはそこまではっきり見せられず
暗闇の中で見えるか見えないかくらいの
かなり曖昧な姿で映し出される

確かにそこには何かがいるけども全貌はわからない
そして、その何かがゆっくりと近づいてくるわけです

その映像がすごく不気味で地味にゾッとさせられる
恐怖心を煽られるんですよね


シライサンの顔アップも気持ち悪くて
なかなか怖いです

中盤あたりでシライサンの姿がハッキリと
見えるんですが
ハッキリ見えたときも異形の姿にゾッとさせられる


そんな感じで
シライサンのビジュアル面はすごく良かった
この見た目だけでも恐怖を煽られると思います

そういった点では
ホラー映画のキャラクターとしては
出来が良かったんじゃないでしょうか

 

そして、ストーリーなんですが
これはシンプルなホラーって感じで
とてもわかりやすいし最後まで飽きずに観れた

内容は王道のホラーって感じで
呪いの解き方や呪いの真相を
主人公たちが追っていき
その道中で不可解なことに襲われる
みたいな日本のホラーによくあるやつ

「リング」とかとやってることは同じです

そんな内容なので
それなりに物語には引き込まれて
最後まで見せられてしまいます

ストーリー自体はよくあるパターンなので
そんなに面白くはないですが
所々に怖いシーンが散りばめられているし
ホラー映画としては全然いいほうだと思いました

 

とにかく
ホラー映画としては単純に怖がることができるし
最近の日本のホラー映画の中では
まだ全然良い出来の映画だと思いました

ただ、やっぱり普通過ぎてちょっとつまらない
ホラー映画をよく観る人なら
この映画は物足りなくて満足できないと思います


ちょっと微妙なところも多々あるし
全体的に間延びしていたような気もしますし
めちゃくちゃ良かったホラーかと言うと
そうでもありませんでした

やってることがほぼ「リング」と同じという時点で
新鮮味はないわけですし…
「リング」って20年以上も前の映画で
いまだにそれと同じじゃ少し古臭いと思いますしね


いろいろ気になる所はあったんですが

特に思ったのが
スタミナ切れしてるよな
ってところですね

はじめはシライサンの見せ方や風貌が
とても怖いしゾクゾクさせられたんですが
途中からは全然怖くないです

はじめにスタートダッシュを頑張り過ぎたのか
中盤以降のシライサンの見せ方がちょっと雑

シライサンを見慣れてしまっているのも相まって
怖さが完全に無くなってしまっています

序盤の暗闇の遠くのほうに見えるような演出や
中盤近くのシライサンのアップなど
前半でいろいろやってしまい
中盤以降はやることがなくなってしまったんでしょうか?

なんか変な見せ方が多い

シライサンを見つめていれば動かない
というシーンでは
主人公たちがひたすらシライサンを見つめて
動きを止め続けるんですが
このシーンはちょっと滑稽

なんかシュールなギャグシーンにも見えてきます

ここではシライサンの姿も
はっきり見えたままなので
見た目の怖さにも完全に慣れてしまって
もはや可愛くすら見えてきます


終盤には昼間の明るい時間にも
シライサンが登場して
完全に姿がくっきりと見えてしまうんですよね

こんな異形の姿の怪物を
明るい場所で見せられてしまったら
作り物ってことをすごく感じてしまいます

偽物感がすごいというか
所詮フィクションだったということを
突きつけられる

こんなキャラって暗くて見えづらいからこそ
どことなくリアリティーも感じれて
もしかしたら自分のもとにも来るんじゃないのか
みたいな恐怖心を抱けるものですが

光を当てちゃやっぱり駄目ですね
どんなに気持ち悪い見た目でも
少し滑稽に見えてしまいます

 

それと、ストーリーの流れも
あまり良くないように感じました

99分とそんなに長くない映画ですけども
体感時間は長く感じた

ちょっとテンポが悪いし
時間の割に内容が薄すぎる気がしましたし

時間を持て余して
無駄に時間を引き延ばしているような印象を受けました


ストーリーがシンプル過ぎて
やることがなくなったんですかね?

シライサンを見つめて止めておくシーンなんかも
無駄に長かった
瑞紀と死んだ友達とのやり取りとか
どうでもいいように思ったし
ちょっとくどすぎる気もしました


それに、どうでもいいような会話シーンも
すごく多かったですよね

瑞紀と春男の会話なんて
物語とは全然関係なかったりする

会話シーン単体で見れば
あの他人同士だからの絶妙に気まずい感じの会話シーンは
面白くも思うんですけど

ホラー映画としてはすごく無駄なように思う
その会話が後の展開に繋がってくるわけでもないし


シライサンからの逃れ方がわかった
というシーンでも

シライサンの噂を拡散するかどうかでもめるだけで
実際は何も行動しないまま
結局どちらにしろ誰かが犠牲になるのは
変わらないまま解決せずに終わります

じゃあ、このやり取りには何の意味があったのか?
とモヤモヤが残ってしまう
ここから解決へのカギが見つかるのなら
納得できるけど
このシーンから全く何も生まれないので
このシーン自体が無駄に思ってしまう


そして、無駄なシーンが多かった割には
伏線とかは投げっぱなしだったりもしましたね

あえて謎を残しているのかもしれませんが
無駄なシーンで時間を埋めるのなら
シライサンの謎の部分を掘り下げたほうが
いいと思いますが

結局、シライサンが何だったのとかは
謎のまま終わっていきますしね

ホラーだからの後味の悪さと言うよりも
この映画に納得できない後味の悪さが
残ってしまいました

 

まあ、いろいろ言いましたが
普段あまりホラーを見ない人たちなら
この映画はなかなか怖いと思うし
面白く観れると思います

ホラーをよく観る人なら
よくある普通過ぎる内容に物足りなくて
余計なところやツッコミどころなど
粗が気になっていしまうかも

でも、最近の日本のホラー映画の中では
かなりましですよ
まともなホラー映画だと思います

 


小説 シライサン (角川文庫)