何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「遊星からの物体X」(1982年)感想 やっぱり造形のセンスが素晴らしい

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どうもきいつです

SF映画「遊星からの物体X」観ました

氷の中から発見されたエイリアンと
南極基地の隊員との死闘を描いた1982年のSFホラー映画
1951年の同名映画に続く
ジョン・W・キャンベルの短編SF小説「影が行く」の2度目の映画化作品です

「ニューヨーク1997」などのジョン・カーペンターが監督を務めています

 

あらすじ
南極のアメリカ観測基地に1匹の犬が現れる
犬の正体は10万年前に地球に飛来し
氷の下で眠っていた生命体だった
接触した生物に同化する能力をもつ謎の生命体は
次々と形態を変えながら隊員たちに襲いかかる

 

感想
とにかくクリーチャーの造形が素晴らしくて
何度も観たくなる映画
ホラーやサスペンスとしてもハラハラさせられて
とても楽しめます
極限状態の中での戦いにどんどんと引き込まれていく

 

とても好きな映画で久しぶりに観てみました

やっぱり何回観てもこの映画は面白い
僕の好みにピッタリとハマる映画なんですよね


ストーリー、世界観、クリーチャーの造形
どれを取っても素晴らしい
昔の映画ながら
今観ても全然古臭くなく色褪せていない

むしろ、今の映画よりも魅力的な部分はたくさんあると思います
この時代だから生み出せた魅力だと思う


まず、ストーリーがハラハラさせられてとても面白い
ただホラーとして怖がらせれだけじゃなく
サスペンスとしてもスリルがあって楽しめます

SFホラーって
大体が未知の怪物にじわじわと追い詰められていく恐怖を描いている作品が多いです

本作もそんなよくあるSFホラーとやってることは変わりません
謎のクリーチャーが現れて次々に人間が殺され
それに立ち向かう主人公たち
みたいな内容

でも、それだけではなくて
クリーチャーが人間に擬態できることにより
クリーチャーの正体は誰なのか?
というミステリーな要素も詰め込まれていて
人間同士の不信感、疑心暗鬼による不穏な空気に
より恐怖心を煽られてゾクゾクするんですよね


その上、男たちの熱い戦いに胸を胸を熱くさせられたりもする
南極からこの化け物を外に出してしまったら人類が滅亡する
それを阻止するために必死に戦う男たちがめっちゃカッコいいんですよね

時には疑心暗鬼により仲違いも起きますが
最終的には1つの目的に向かい一致団結する

多くのホラー映画は
主人公たちが生き残ることを原動力に物語を進めていきますが

本作は生き残るための戦いではなくて
人類を守るために命がけで戦う男たちの物語なんですよ
それが本当に熱いし
僕がこの映画が好きな理由でもあります

 

そして、力任せで勢いだけのような映画にも思えるけど
意外と伏線をなんかがちゃんと散りばめられてたりもします

物語が進むにつれて
はじめは謎だったことが徐々に解き明かされ
これはそういうことだったのか!!
と納得させられる

謎めいた伏線をわかりやすく回収してくれるから
なんか気持ちよさもあります

バカっぽい映画のようで
実はしっかりとストーリーが練られている
だから、ぶっ飛んでる映画のようだけどリアルに感じることもできるんですよ

 

あと、なんと言っても造形が素晴らしいです
グロくて気持ち悪くて
とても悪趣味な造形ではありますが

でも、それだけではなくてすごくセンスがある
クリーチャーの造形がとても魅力的

有名なあの蜘蛛みたいな頭なんて最高だと思います
クリーチャー化した犬も最高
よくあんなハイセンスなデザイン思い付きますよね

他にもいろんな見た目のクリーチャーが登場しますけども
そのどれもが全て魅力的

これはやっぱり手作りだからこその魅力かもしれない
今の全てCGのリアルな映像では表現できない魅力だと思う

正直、本作のクリーチャーはどれもが作り物っぽく見える
でも、それがいい意味で不気味さを醸し出してるんですよね

そして、作り物っぽくあるものの
どこかリアルにも感じることができる
嘘っぽくもあるけど本物っぽくもある
この絶妙なバランスが手作りの素晴らしさだと思うんですよ

今のリアルなCGではこの絶妙なバランスを表現するのはなかなか難しいと思います
CGだとただ本物っぽいだけで終わってしまう

こんな手作りで作り出された
グロかったりキモかったりする造形は
昔の映画やB級ホラーならではですよね

そして、そんな手作り感が不気味さを生んで
より恐怖心を煽ったり
居心地の悪い気持ち悪さを表現できたりする

その上、本作はデザインセンスが素晴らしいから
ただただ魅力的なクリーチャーが生まれてる
このクリーチャーを見るために
何度もこの映画を観たくなります

 

それと、南極が舞台というのも
この映画の魅力を引き立てています

冷たく凍てついた極限の場所と
SFホラーというのがとてもマッチしている
広大なのに閉鎖的な環境というのが
とてもいい雰囲気を出していると思います

あんな極限状態の場所であんな化け物に出会うなんて恐ろしすぎる
そして、ワクワクしてしまう

南極という極限の世界観と異形のクリーチャーとの2つが相互作用で
より魅力的に感じることができます

 

あと、ラストもすごく好きです

あの何とも言えない雰囲気
解決したのかどうなのか曖昧なあの感じ

考察しがいがあるし想像力が膨らむ

爆破され燃え上がる基地も哀愁が漂っていて
映像的にもとても美しい
こんな美しいラストはとても好きですね

 

何度観ても面白いし引き込まれる最高の映画
総合的に大好きです
あのクリーチャーを見たいがために
何度もこの映画を観てしまいます

血液で人間かどうかを確認するシーンは
何回観てもビックリさせられる

 


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映画「水曜日が消えた」感想 設定は面白いけど すごく味の薄い映画

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どうもきいつです


サスペンス映画「水曜日が消えた」観ました

曜日ごとに入れ替わる7つの人格を持った男の日常を描いたサスペンス映画
ある日、人格の1人である水曜日が消えてしまうことから物語が展開します

MVやCM、短編作などで注目される吉野耕平が初の長編監督を務め
脚本、VFXも手掛けています
主演を務めるのは中村倫也

 

あらすじ
幼少期の事故が原因で
曜日ごとに7つの人格が入れ替わる青年
彼は互いを各曜日の名前で呼びあいながら
平穏な日々を過ごしていた
その中でも一番地味で退屈な存在の“火曜日”は
他の曜日から掃除や面倒なことを押し付けられている
そんなある日、1日を終えベッドに入った“火曜日”が目を覚ますと
その日は水曜日だった

 

感想
設定はすごく面白いと思います
でも、全体的にすごく薄味な映画
盛り上がりに欠けるしラストもなんか弱い
その面白い設定もいまいち生かせていなくて
期待以上のものはなかった…


なんとなく気になっていたので観てきました

設定が面白そうだったので期待もしていましたが
なんかいまいちな印象でした

予告を見たときは「セブン・シスターズ」のパクリかな?
とも思った
そう思った人は多いと思います

でも、実際に観てみると
そんなに似てなかったし
むしろ、やってることは真逆でした

曜日ごとに人が入れ替わるという共通点があるので
影響を受けている可能性はありますが

 

まず、設定はとても面白い

多重人格の主人公が
曜日ごとに人格を入れ換えて日常生活を過ごす
同じ部屋を共有して
日記や付箋で別の曜日とやり取りし共同生活を送る
“水曜日”が消えることで彼らのバランスが崩れていく

多重人格もののミステリーやサスペンスは多いけど
本作の設定はユニークだしとても興味が引かれます
先の展開も気になってラストに期待も膨らむ


観る前は
多重人格を演じる中村倫也の七変化が見れるのかな?
と期待していたけど

実際は物語の中心の“火曜日”が登場するだけで
他の曜日は“月曜日”以外はほぼ登場しない
そこにちょっとガッカリ感はありました

でも、終始“火曜日”の目線で進む物語は謎めいていて
ミステリーとしてはこれで良かったようにも思います

他の曜日が何を考えているのかわからなかったり
火曜日以外の日が未知の世界に思えたり
主人公である“火曜日”にとても感情移入もできました

 

物語の導入は興味を引かれてストーリーに引き込まれましたし
やってること自体はとても興味深くて面白いんですが

全体を通してみるとすごく微妙な印象
全体的にとても薄いんですよね
盛り上がりに欠ける

ミステリー的な驚きの展開もなければ
人間ドラマにさほど感動もさせられない
登場人物たちも普通すぎて印象に残らない
コミカルな要素も弱い

特に目立つところがないんです

だから、観終えたあとに思い返しても
ここが好き、ここが良かった
って部分がない

別につまらないとも思わないんですけど
面白かったのか言うと
面白いわけでもないんですよね

設定が面白いので
それを生かせば
サスペンス、ミステリーとしてもっと面白くできるだろうし
人間ドラマももっと感動的にできると思う
コメディーとしても笑いを生み出せる要素はたくさんあるはず

でも、本作は基になる設定の面白さを全く生かせてない
面白い設定ができた
で終わってしまってるんですよ


例えば、“水曜日”が消えたことによって物語がいまいち展開していかなかったりします

ただ“火曜日”がはじめて経験する水曜日を満喫する
ってだけで、そこから先がない

それぞれの曜日が曜日ごとに全く違う日常を送っているんだから
それによるズレをここで見せてほしい

全く知らない人に親しげに話しかけられるとか
日常の変化に戸惑ってしまうとか
何かしらトラブルに発展するような展開があれば
それぞれが自分の曜日に生きるという部分に
面白さや重みが生まれたと思うんですよ

それがラストの展開にも繋がると思うし


他にも7人の共同生活の部分をもっと面白くできるはず

冒頭での付箋でのやり取りは面白いんですけど
それも最初だけで
それ以降に7人のやりとりは無くなってくる
“月曜日”から“火曜日”に厄介事を押し付ける
というのはあるけど
それだけだと物足りない

エンドロールのおまけで7人の付箋でのやり取りを見せてくれますけど
これがなかなか面白くて
これを本編でもやればいいのにと思ってしまいました

7人も人格がいるんだから
誰と誰が仲が良い、誰と誰が相性が悪いとか
それぞれがどんな性格でどんな個性を持っているのかとか
そんなのをもっと表現するべきだと思う

全てが“火曜日”目線の物語で
他の人格は姿すら現さないけど
だからこそ“火曜日”目線の生活の中での
些細な部分からそういうのを見せてくれれば面白いし

“火曜日”目線だからこその
他の曜日の何が真実で何が嘘なのかがわからない
という部分はミステリー的に話が広がっていきそうですし

何よりも、7人の人間関係をもっと深く描くことで
もっとドラマの部分に感動できるだろうし
ラストの展開にも納得できると思う

でも、結局は
“火曜日”の恋愛だとか
“火曜日”の心の葛藤だとか
それだけで終わって他の曜日は蚊帳の外

終盤は“月曜日”がでしゃばってくるけど
唐突すぎて感情移入もほぼできない状態
そこから強引に感動的な話に持っていくけど
全然気持ちが乗らないんですよね


せっかく曜日ごとに人格が変わるという
面白い設定があるのに
そこを全然上手く活用できてない

この設定ならどんな方向にでもストーリーを展開させることができそうなのに
なんか一番微妙な方向にストーリーを進めてしまった気がしてしまう

 

あと、邦画によくある
謎の病気問題が本作にもある

不思議な病によって弊害が起き
最終的になんとなく治ってしまう
みたいな

本作の場合も
事故の後遺症によって人格が増えてしまう
そこまではさほど疑問はないです

でも、曜日ごとに人格が変わったり
後に人格が消えてしまったり
最後は手術をしてなんか元通り

いくらなんでも雑すぎる

別にリアリティを求めてるわけではないんですよ
そもそも、こんなこと現実的にあり得ないと思うし

ただ、嘘でもいいから何か理由がほしい
全てがふわっとしすぎていて
この病気の設定自体がご都合主義にしか思えないですもん

例え強引だとしても
何かしらの原因や理屈とかをつけてくれれば
ある程度納得はできると思う

この映画に限らず病気を扱うのなら
想像上の病気であろうと理屈をつけてくれなければ
なんか萎えてしまう

謎の病がなぜか発症してなぜか治る
これがあるだけで
作品全体が嘘っぽくなるんですよ

これのせいで
作者の都合で思い通りに物語を進めている感が
あからさまに見えてくる

作り物なんだから当たり前のことではあるけど
こういうのは普通は隠さなきゃならないことで
そこは見せないでほしい

単純に設定練るのが面倒くさかったのかとも思えて印象も悪いし

 

設定が面白いだけにもったいない
この設定なら絶対にもっと面白くできるはずです

本作はいい設定にも関わらず
中途半端に小さく収まってしまった印象です

つまらないとは思わないけど味が超薄い

 


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映画「ANNA アナ」感想 アナがカッコよくて可愛い

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どうもきいつです


アクション映画「ANNA アナ」観ました

1980年代後半にロシアの諜報機関KGBに所属する
女殺し屋の戦いを描いたスパイアクション映画
さまざまなアクションシーンとともに彼女の活躍を見ることができます

「ニキータ」「レオン」などのリュック・ベッソンが監督を務め
主演はロシア出身のスーパーモデルのサッシャ・ルスです

 

あらすじ
ソ連の諜報機関KGBで
国家にとって危険な人物を抹殺するため育成された
殺し屋のアナは
ファッションモデル、コールガールなどさまざまな顔を持っていた
彼女は明晰な頭脳と抜群の身体能力を駆使し
一流の殺し屋へと成長していく
そんな中、彼女はアメリカCIAの罠にはめられてしまう

 

感想
アナのスタイリッシュなアクションがとてもカッコよく
そして、いろんな衣装を身にまとうアナがとても可愛い
ストーリーも二転三転と展開していき
最後まで観ても飽きずに楽しめた
ただ、ちょっと既視感が強いし
どんでん返しも後付けのように思えてしまいました

特に観たかったってわけではなかったんですが
なんとなく気になったので観てきました

リュック・ベッソンの映画は
好きなのもあれば
別に…ってのもあるので
本作はどっちだろうなとか思いながら観ましたが
結構、楽しんでみることができました

アクションはカッコいいし
ストーリーも面白くて引き込まれたし
何よりも主演のサッシャ・ルスが可愛かったですね

魅力的なサッシャ・ルスを見れただけでも
この映画をみた価値はあったかもしれない


まず、この映画は
同じリュック・ベッソン監督作の「ニキータ」に
すごく似ています
と言うか、やってることはほぼ同じ

たまたま拾われたやさぐれた女性が
自由と引き換えに凄腕の殺し屋に育て上げられ
最終的に自由を求めていく
という、ほぼ同じじゃんってストーリー

ただ、本作は「ニキータ」と違って
かなりエンターテイメント性の強い作品になっています

軽い気持ちで観ても普通に楽しめる映画です

アクションに関してもストーリーに関しても
とても見やすいし
わかりやすく面白い内容の映画です

「ニキータ」は逆にエンタメ性があまりなかったですよね


そんな映画なので
気楽に暇つぶしで観て楽しめるような娯楽大作

 

ストーリーは二転三転とどんでん返しが繰り返される展開がなかなか面白かった

予想外の展開が起きる度に時間を遡り
実はこうでした
みたいな見せ方も独特でなんか好きです

どんでん返しがテンポよく繰り返されるので
実はそんなに大したストーリーではないけど
最後まで飽きずに観ることができる
気持ちが離れないような作りになっています

時間を遡るときも
毎回、わかりやすく何年前、何ヵ月前と
文字で教えてくれるから混乱せずに観れる
親切な作りになっています

「ニキータ」は淡々と進んでいく少し眠くなるような
ストーリーの見せ方だったのに対し
本作はメリハリがあって全然眠くはなりませんでした


そして、アクションシーンも楽しめる
カッコよくて綺麗なアクションの連続でとても魅力的

アナ役のサッシャ・ルスはさすがモデルというだけあり
なんかすごく動きも綺麗なんですよね

正直、戦闘シーンの動きとしては
ちょっと変な気もしてしまいますが

このモデルらしい綺麗な動きが本作の色にもなっていると思う

リアルで泥臭いアクションを求めている人が見ると
満足できないアクションに思うかもしれないけど
僕はこれはこれでありだと思う
普通にスタイリッシュでカッコいいしアクションでした

あり得ないほど強く
敵を無双する姿は最高だと思います


で、個人的にこの映画の最高ポイントだと思うのは
アナの七変化ですね
サッシャ・ルス扮するアナのいろんな姿が見れる
それが素晴らしい

モデルとして活躍するアナは
お洒落な服装やちょっと奇抜なファッションを見せてくれるし
殺し屋のアナはいろんな変装を見せてくれる

服装によって違った魅力を感じれるし
どれもめっちゃ可愛いです

もともと、とても綺麗で可愛い人ではあるけど
さらにその魅力を存分に引き出していたと思います

これだけでもなかなか満足できます


そんな感じて
普通に楽しめる面白い映画で魅力もあるんですけど
その反面、ちょっと印象が薄い映画かなと思ってしまいました

やっぱり既視感がありますよね
そもそも、「ニキータ」とやってることは同じだし

それ以外にも女スパイ、女殺し屋の映画もたくさんあります
「アトミック・ブロンド」とかもちょっと似てる

そんな数ある映画と比べてみても
この映画がそんなに目立つのかというと
ちょっと微妙

それに、リュック・ベッソンらしい個性も無いですよね
この映画は良くも悪くも普通すぎる

個人的にも本作と「ニキータ」を比べると
「ニキータ」の方がリュック・ベッソンらしい映画で好き

 

あと、ストーリーに関しても
面白くは見れたけど強引なのも否めない

どんでん返しがちょっと後付けっぽいですよね

細かい伏線を散りばめているわけでもなく
毎回、実はこうでした
みたいなのを繰り返すワンパターンで
あまり芸がないし

このどんでん返しがありなら
もうなんでもありに思えてしまいます

もう少し
どんでん返しに繋がるような仕掛けとかが
あった方が納得もできたと思います


それに、人間ドラマも弱いですかね…
ストーリーを進めることが全てになっていて
登場人物の描写が薄い

人間関係とか個人の感情とかがあまり伝わってこないんですよ

アナと恋人の女性との関係性とか全然わからなかったし
アナの上司のおばさんの思惑もちょっと唐突に感じた

アナを取り巻く男性2人との関係も
あまり感情移入できないというか…

人物描写があまりないから
起きている出来事もなんか弱く感じます

いろんなイベントは発生してるけど
全体的にドラマが盛り上がらない印象でした

 

単純な気持ちで楽しめる娯楽映画ですけど
他の映画に埋もれてしまいそうですよね
リュック・ベッソン作品としてもあまり印象に残らないかも

でも、サッシャ・ルスを見るのなら
素晴らしい映画かもしれないです

 


ニキータ [Blu-ray]

 

 

映画「ゼロ・グラビティ」感想 映画館で映画を観る意味がわかる

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どうもきいつです


SF映画「ゼロ・グラビティ」観ました

宇宙空間に投げ出されてしまい
さまようことになった宇宙飛行士の極限状況を描いたSFパニック映画
第70回ヴェネツィア国際映画祭のオープニング作品に選ばれた2013年の作品です

「トゥモロー・ワールド」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」などのアルフォンソ・キュアロンが監督を務め
サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニーなど
オスカー俳優が共演を果たしています

 

あらすじ
地表から600キロメートル離れた宇宙で
船外作業を行っていたメディカルエンジニアのストーン博士と宇宙飛行士のマットは
予想外の事故に遭い宇宙空間に放り出されてしまう
スペースシャトルを失ってしまい残りの酸素も僅かな絶望的な状況の中
生還する方法を探っていく

 

感想
映像だけで感動させられてしまう
まるでまるでアトラクションのような最高の映画
映画だからこその作品です
映画館で映画を観る意義を感じさせられる

 

前に観たことのある映画でしたが
再び映画館で上映
しかも、IMAX 3Dでの上映ということで
観に行ってきました

この映画はとても好きで
あらためて観てみてもやっぱり最高に面白かった


まず、この映画って観る環境によって
全然感想が変わってくると思うんですよ

家のテレビ
普通のスクリーンでの上映
普通の3D上映
IMAX 3Dでの上映

いろんな観かたがあると思いますけども
僕は断然IMAX 3Dをおすすめします


たぶん、この映画はテレビで観ると面白くないと思う
テレビの小さい画面では
本作の魅力は全く発揮されないと思うんです

正直言ってこの映画
ストーリーは別に面白くないです

ただ宇宙をさまよって最終的に地球に帰還する
ってだけの話ですし

そこにひねりがあるわけでもなく
特別ドラマチックな展開があるわけでもない

シンプルにトラブルを乗り越えて地球に帰るだけのストーリーなので
全然面白い話ではないんです


だから、テレビでこの映画を観ると
この普通すぎるひねりのない物語につまらないと感じてしまう人もいると思う


ただ、これは映画館で観ると印象が全然変わってくる
映画館の巨大なスクリーン
あの少し緊張感のある空間だからこそ
この映画は魅力を十分に発揮できるわけです

で、やっぱり普通のスクリーンよりもIMAX 3Dだと
よりこの映画の魅力が発揮される


そもそも、本作は明らかに3Dを意識した作りになっていて
飛び出す演出によって緊張感や臨場感を生み出しています

何かがこちらに飛んできたり、迫ってきたり
奥行きのある表現だったり
何よりも宇宙の広大さが体感できる

そんな3Dならではの表現があるからこそ
この映画は3Dで観ることに意義があると思います


それと、普通の3D上映とIMAXの3D上映にも違いがあります

最近は普通の3D自体が少なくなって
「ゼロ・グラビティ」に関しては普通の3D上映はもうやってないと思いますが

やっぱりIMAXは画面が大きいというのがありますし
色の鮮やかさも明らかにIMAXの方が綺麗

普通の3Dはすごく画面が暗く見えますし
色も本来のものとは少し違ってきます

そういうこともありますから
本作に限らず3D映画を観るのならIMAXがおすすめです

 

で、本作の内容の話に戻すと

まず、単純に映像がすごく美しい
宇宙が舞台ということで
ほとんどがCGで作られていると思いますが
全然CGとは思えないほどリアル

巨大な映画館のスクリーンで観れば
より本作の素晴らしい映像が体感できます


そして、この映画が大したストーリーじゃないのに楽しめる理由は
まるでアトラクションのような体験ができるところにあると思います

本作はストーリーではなく映像で魅せる作品です

映像によって映画の中に没頭でき
さまざまな感情を体験できる

そのためにさまざまな工夫がこらされています

さっきも言いましたが
3Dの飛び出す表現により臨場感を生み出して
観客が映画の中に入っているような感覚にさせられる

宇宙の残骸が激しく迫ってくる緊迫感のあるシーンもあれば
宇宙ステーション内で乱雑に浮いている物で奥行きを表現したり

細かい部分から派手なシーンまで終始3Dを意識した映像表現です

目の前に飛んできた破片をつい避けてしまったり
フワフワと浮く水に手が届きそうに思えたり

とにかく、自分も映画の中にいるんじゃないかと
思わされてくる


3D以外にもいろいろと工夫がこらされています

例えばカメラワークなんかも
臨場感を生み出す要因になっている

基本的にぐるぐると回るカメラワークが多くて
ちょっと酔いそうにもなるんですけど
このぐるぐると回る映像によって
宇宙の無重力のフワフワと浮く感覚を味わえる

まるで自分も宇宙にいるんじゃないかと錯覚させられてしまうような


他には長いワンカットのシーンが多かったりもします

冒頭のシーンなんかもかなり長めのワンカットですし
宇宙ステーションが火災に見舞われる緊張感のあるシーンなんかもワンカットで表現されてる

ほとんどが長いシーンの繋ぎあわせで
カット割りも本当に少ないです

やっぱり長めのワンカットは臨場感をとても感じて
自分もその場にいるような感覚を味わえるし
シーンによっては緊張感、緊迫感でハラハラドキドキさせられる


いろんな要因によって最初から最後まで
息つく暇もなく映画の中に引き込まれる
最後まで観るとどっと疲れが押し寄せてくるほど

体験型のアトラクションのような楽しさを味わえる映画です

 

そして、ラストシーンがマジで素晴らしい映画なんですよ

ストーリーなんて全然ない映画なのに
感動させられてしまう
下手すりゃ泣いてしまうほど

それがこの映画のすごいところ
映像だけで感動させられてしまうんです

この映画のラストシーンは
主人公が地球に無事たどり着き
水の中から砂浜に上がり最後は大地に立ち上がる
ただそれだけのシーンなんですが

それだけのこのシーンにめちゃくちゃ感動させられてしまう

言葉無くして
生きてるって素晴らしい
をこの映像で表現している

このシーンだけを見てもなんともないシーンなんですが

これは、今までのアトラクションのような臨場感溢れるリアルな体験が
ある意味伏線になっている

あのフワフワとした無重力の感覚
宇宙ステーションの無機質さ
音すら聞こえない真空の世界

それらを観客の自分達が
主人公とともに体験してきたからこそ

ラストの水、草、土の有機的な物質や虫の羽音を感じることや
何よりも主人公が自分の体の重みを感じ
大地に立ち上がる場面
あの体の重みの表現で生きていることを実感できる

生きていることの素晴らしさを映像だけで表現していて
だからこそ、感覚的にそれが自分達にも伝わり
泣けるほど感動できてしまう

こういう表現こそ映画的で
映画を観ていてよかったと思わされます

 

映画なんて
映画館で高い金を払って観なくても
後でレンタルDVDを借りて観ればいいでしょ
って思う人もたくさんいると思いますが
この映画を映画館で観れば考えが変わると思う

映画館でないと体験できない素晴らしい映画もあるんです
本作は映画館じゃないと楽しめない
テレビで観ても本作の良さは完全には伝わってこないと思います

観れるのならIMAX 3Dで観てほしい
本作の良さを100%感じることができます

 


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映画「ルース・エドガー」感想 考察が難しい いろいろと心に刺さる

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どうもきいつです


サスペンス映画「ルース・エドガー」観ました

17歳の高校生ルース・エドガーの知られざる内面に迫り
彼と周囲の人々の思惑が交錯するサスペンスヒューマンドラマ
J・C・リーの戯曲「Luce」を原作としている作品です

監督は「クローバーフィールド・パラドックス」のジュリアス・オナーが務めています

 

あらすじ
白人の養父母と暮らす黒人の高校生ルースは
アフリカの戦火の国で生まれ過酷なハンデを背負っていたものの
それを克服し、文武両道で他の生徒からも慕われる
模範的な生徒として称賛されていた
しかし、あるレポートをきっかけに
アフリカ系の女性教師ウィルソンと対立するようになる
彼女はルースが過激な思想を持っているのではと疑い
それがルースの養父母にも疑念を生じさせていく

 

感想
人間の危うさを感じさせられる映画
表面的な差別問題というよりも
もっと根本的な部分に切り込んでいると思う
ただ、考察が難しい
なかなか消化しきれません

 

以前からとても気になっていた映画で
観に行ってきました

なかなか感想が難しい映画
ちょっとつかみ所がなくて
この映画をどう受けとればいいのか難しい

人によってこの映画に抱く思いは違ってくるかもしれません
明確に1つの答えが提示される作品ではないです

本作を普通のサスペンス映画として観てしまうと
なにこれ意味わからんつまらん
と思ってしまうかもしれませんね

謎がたくさん散りばめられているけど
結局、その謎は全く解消されず
最後まで謎のまま

犯人は誰だったの?
ルースは何を考えているの?
それぞれ登場人物の過去には何があったの?

疑問がたくさんある映画なのに
その疑問が疑問のままに終わっていく

ただ、この最後まで謎だらけの作風は
あえてやってるのは明らかで
そこには意味が込められている

そんなことを考え出すと
頭のなかがぐるぐると回って
考えを巡らせてしまう映画

そして、なかなか答えにたどり着けません


僕がこの映画で1番感じたのは

明確な判断材料が無いにも関わらず
なんとなくそれっぽいという理由だけで決めつけてしまう
そんな人間の危うさ

そこがかなり重要なポイントだと思う

それが人種差別やさまざまな問題に繋がってくる
人間社会の根本的な問題点だと思わされます


さまざまな謎を散りばめて
結局、何もかも解消されず意味不明な映画なんですけど
実はその謎の真相なんかはどうでもよくて

この映画を観た人間が
ルース・エドガーという人物をどう思うか
そこの部分に意味がある


この映画の作りはかなり意地悪で

ルース・エドガーの正体は何なのか?
事件を起こしたのは誰なのか?
というメインのストーリーになっていて

単純に映画を観ていると
ルースが普通にヤバいやつで危険人物に思えてくるし
事件を起こした犯人は絶対にルースだろ
と思ってしまいます

と言うか、ルースがヤバい奴、事件の犯人と
思わせるような作りになっている
ルースを怪しく描いているわけです

でも、実はこの映画の中で
明確にルースが犯人だという証拠は全く無くて
ルースの内面や本音なども全く見せられない

ルースが友達と意味深な会話をしてるようなシーンがありますけど
その内容は全くわからないし
レポートの内容の真意も明らかにならない

そもそも、ルースの過去に何があったのか
その真相がすごくあやふやだったりします

この映画を最後まで観ても
ルースが何者かは全く不明で終わってしまうんですよね


で、この映画を最後まで観た人は
たぶんルースを犯人だと思うはず
ルースが危険人物だと感じてしまうはず

でも、そう思ってしまった時点で
完全に手のひらの上で転がされてるんですよ

ほれ、見たことか
と言わんばかりに


なんか怪しいって理由だけでルースを犯人と決めつけてしまう
そこに人間の危うさがある

この映画ではルースを犯人っぽくは描いてるけど
犯人としては描いていない

その上、内面や過去も描かれていないルースには
感情移入なんか全くできない
ルースは自分たちにとって赤の他人なわけで

その正体不明の人物を見たときにどう思うかは
観客自身に委ねられます

この映画で観客目線の登場人物は
ルースに疑惑を抱いている女性教師ウィルソン
彼女が観客の気持ちを代弁している

と思わせてといて
実は誘導している

彼女は疑惑だけでルースを危険人物だと断定してるけど
そこには証拠なんて全く無くて
ただの彼女の独断、決めつけ

でも、観客の自分達はそこに流されてしまってるのも事実
彼女の存在でよりルースが怪しいと思わされる

ルースのなんか怪しい言動
ウィルソンの疑惑だけの主張

そんな曖昧な判断材料だけで
いつの間にか観ている自分達もルースの両親と同じように
なんかルースがヤバい奴かも、犯人なのかもしれない
と思わされていきます

何もわかっていないのに
ルースという人物をわかった気になっている
わかった気でいるけど実はわかろうとすらしていないことに
後々に気づかされていました


これが現代社会の問題点を浮き彫りにしているように思えます
特に差別問題ですよね

黒人だからなんか怪しい
のような
○○だから○○だろうという決めつけ

1つのくくりの中に1人の人間をはめこんで
個人としては何も理解していないのに
なんとなくこんな人間だろうと
なんとなくで判断する

そして、それの積み重ねが
人種差別などに繋がっていくと思うんですよ

黒人だから、韓国人だから、女だから、障害者だから
そんな曖昧なくくりで
1人の人間を1人の人間として見ない
ここが根本的な問題点だと思うわけです

1人の人間をちゃんと理解して
個人として向き合うことができれば
人種差別なんて起きるわけがないんですよ


で、これが他の国の話で
日本は関係ないじゃんと思うかもしれないけど
日本こそそんな問題が身近で起きてる

その代表格が
SNSでのバッシング、誹謗中傷問題ですよね

これこそ、この映画で起きていることそのもので
メディア、マスコミなどの一方的で曖昧な判断材料を鵜呑みにして
個人がどんな人間なのかを決めつける

実際はその人物がどんな人間なのか知りもしないのに
知った気になって決めつけ
そして袋叩きにしてるんです


この映画は
そんな個人を理解せず
曖昧な情報や勝手な思い込みで決めつけしまう人間の危うさに
警鐘を鳴らしている映画に感じました

 

それ以外にも
安易に差別問題をとりあげる作品に対する
皮肉を感じる映画でもあります

これは独善的な白人目線の人種差別に対する考え方
というのが見えてくる

この映画で言えば
ルースを優等生と称えることで
黒人を認めてやってるという
上から目線の考え方

本当は平等で同じ立ち位置のはずなのに

白人が黒人を認めてやることで人種差別問題は解決
みたいな
結局、白人が上で
黒人は認められるように頑張れよ
って風潮はあると思う

そして、黒人側も白人にならなければ
1人の人間として認めてもらえない
幸せになれない


この映画はそこに疑問を投げ掛けてると思います

差別問題に触れている映画でも
とりあえず黒人をカッコいい主人公にしてみた
女性を強く描いてみた
みたいな、とりあえず称えとけばいいんだろ
って安易な映画もたくさんあるし

本作はそんな作品に対し
それは違うだろ
と言ってるようにも思えるんですよね

結局、平等と謳いながらも
上から目線になってる時点で
なんか考え方がずれてるんですよ

 

この映画は本当にいろいろと考えさせられてしまう
本作を観ることで
自分の考え方の危うさにも気づかされましたし
人間の根本的に持つ危うさも感じることができました

単純に楽しめるような面白い映画では
ないかもしれないけど
観て損のない映画だと思います
少なくとも僕の心にはすごく刺さった

 


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映画「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」感想 はじめはよかった でも、結局なんなの?

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どうもきいつです


ホラー映画「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」観ました

謎のお化け屋敷を舞台にしたホラー映画
遊び半分でお化け屋敷にやってきた若者たちが
殺人鬼による本物の恐怖に襲われていく姿を描いています

「ホステル」のイーライ・ロスが製作
「クワイエット・プレイス」の脚本家コンビ
スコット・ベックとブライアン・ウッズが
脚本、監督を務めています

 

あらすじ
ハロウィンの夜、ハーパーたち6人の大学生たちが
郊外にあるお化け屋敷へと向かう
不気味なピエロが待ち構えるお化け屋敷に期待を膨らませ
6人はルールに従い入場し
様々な仕掛け施された部屋を進んでいくが
一行は残虐なショーを目の当たりにし困惑する
そして、マスクを被った殺人鬼たちが彼女らに襲いかかる

 

感想
はじめは緊張感があってゾクゾクし映画に引き込まれていくけど
結局、なんかよくわからん事ばかりで
あまり面白くなかった
恐怖演出もあまりインパクトがないし
大して怖くもない

 

お化け屋敷と殺人鬼という設定に惹かれて
観に行ってきました

イメージ的にはお化け屋敷だし
アトラクションみたいにライトに楽しめるホラーだと思ってましたけど

結構グロくて痛々しいスプラッター描写もあって
一応、ちゃんとホラー映画をやっていました


内容は王道のスラッシャーホラーって感じですね

調子に乗った若者たちがヤバい殺人鬼の餌食になる
昔からあるようなホラー

「13日の金曜日」「悪魔のいけにえ」とか
やってることはさほど変わりません
死なないために逃げ惑ってるだけの映画です

ただ、本作は舞台がお化け屋敷
そこにちょっとワクワクさせられます

主人公たちはただのお化け屋敷だと思って
わちゃわちゃと楽しんでるわけですが
観客の自分達は殺人鬼が潜んでいると知ってるので
そこにヒヤヒヤさせられたり
お化け屋敷だからこその仕掛けや演出などが
面白かったりと

いろいろと引き込まれる要素がたくさんあって
さらに、マスクの殺人鬼は誰なのか?
主人公たちは一体どうなってしまうのか?
という部分にも興味を惹かれて

その後の展開にすごく期待させられます

 

期待とワクワクでいっぱいの序盤なんですけど
それを過ぎると一気にぱっとしない映画になっていく

殺しのテンポが悪いですし
お化け屋敷の仕掛けもさほど生かされないし
そして、最終的によくわからない

なんか無駄な要素も多い気がした


まず、普通にお化け屋敷を散策するだけのシーンが長い
なかなか人が死なないんですよね

若者がただお化け屋敷で楽しんでるだけの場面の
何が面白いのか

しかも、このお化け屋敷
大してお化け屋敷らしい仕掛けがあまり無いし
お化け屋敷と言うより迷路って感じ

こっちとしてはサクサクといろんな展開を見たいのに
なんかグダグタと迷路で迷ってるだけのシーンが続くので
ちょっと退屈になってきます

で、いざ殺人が始まると
いまいちテンポが悪い
中途半端に主人公たちが逃げれたりするので
あまりスラッシャーホラーとしての勢いが感じれないんですよね

もっと容赦なく次々と殺してくれた方が
ハラハラドキドキしてスリルがあると思う

主人公が脱出ゲームみたいな仕掛けを解こうとしたりするけど
その間は殺人鬼が来なかったり
単純に殺人鬼がバカすぎて自滅したり

なんかスリルが弱い


それに余計な要素も多くて
それがノイズだしテンポも悪くなるし
すごく邪魔だった

主人公の実家の話とか
あれ意味あるようで全然意味がなかったですよね

この話が後々の伏線なのかと思ってたけど
全然繋がらないし

ラストの主人公の家に殺人鬼が来るシーンも
なんか意味わからんかった


あと、主人公の彼氏?ストーカー?
あれも無駄要素すぎる
彼氏の正体が後々の伏線なのかと思ったけど
結局はなにもなくて

その上、助けに来たと思ったら
あっけなく殺されるし
これは一体何がしたかったんだよ

予想外の展開という事で彼氏を殺したのか?
確かに予想外だけど
そりゃ、こんな唐突なこと予想できないよ

この彼氏を唐突に殺すことで
今までの彼氏の描写が全部無駄になりますよね

 

そして、この映画の1番ダメなところは
この殺人鬼たち謎すぎる

これが得体の知れない正体不明な不気味さを演出してるならいいんですけど

実際は
こいつら何がしたいんだよって状況が続くだけで
ミステリアスと言うよりただ馬鹿な集団にしか見えない

目的は不明
人数もよくわからん
マスクを外しても誰だよって状態

正体不明過ぎて逆に全然怖くない

ハロウィン、お化け屋敷、ピエロ
いろいろとそれっぽい要素はあるけど
なんか繋がってなくて一貫性がないし


結局、まとまりが悪い

組織立ってお化け屋敷まで作って人を殺そうとしてるのに
思想とかは全然感じないし
だからといって無差別に殺人を繰り返しているような狂気も感じない

いろいろ詰め込んでるわりに
それが全部バラバラで魅力が全く生まれてないんですよ

 

あと、恐怖演出も中途半端でしたね

スプラッター描写もそんなにインパクトがあるわけじゃなくて
どちらかと言えばちょっとマイルド
さほど鮮烈ではないんですよ

他の驚かすような演出や迫り来るゾクゾクする演出とかは
一本調子でメリハリがない

大して驚かないしそんなに怖くない
恐怖心を煽るような演出もありませんでしたしね

ホラー映画としてとても弱かった

 

それと、すごく気になったのは
場面の繋ぎすごく雑じゃないですか?

見逃してないのに
見逃したんじゃないかと思わされることが
多々ありました

急に場面が飛ぶというか…

もう少しきれいに繋いでほしいですよね

 

序盤は期待させられるのに
そこから後はことごとく中途半端

中身が無いにしても
それを補うほどホラー演出にインパクトがあれば
まだ楽しめたと思いますが…

結局は全てにおいて中途半端でした
もっとお化け屋敷のようなハイテンポなホラーが観たかった

 


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作品に点数をつけるのはナンセンスだと思う

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どうもきいつです


僕が昔から思ってることですが

映画、漫画、ゲーム、音楽、芸術作品など
そんな作品に点数をつけるのには違和感がある

よくレビューサイトとかである
星5段階の評価とかは納得できるんです

これはそれぞれの人の
好き、普通、嫌い
を数字に表しているだけだと思うから

10点満点、100点満点でも同じで
その点数が
その人が作品に触れたときの気持ちを表す数字なら
全然いいと思うんです


ただ、僕が引っ掛かるのは
作品を採点している人

作品を採点するのってどうなの?
そんな点数は無意味じゃない?
と昔から思ってる

 

そもそも、僕が映画の感想などを
数字で表さないのには2つ理由があって

1つは
映画を観たときの感想なんて
その時の気持ちによって変わってくるから

1度観たときと2度目の時では
印象が変わってくることもよくあるし
それを数字に表しても意味がないように思う


もう1つは
映画を誰かにおすすめしたいからやってる感想じゃないから

誰かにおすすめするのなら
その指標として数字はわかりやすいけど
おすすめが目的でないなら全く必要ないと
思うからです

僕はただ自己満足で感想を書いてるだけですからね

 

そして、採点の話に戻すと

コンクールなどの優劣をつけたり
大学の単位取得などで採点をするのは意味があります

と言うか、そうしなければ成り立たないから

これも、結局は無理に点数をつけてるだけで
点数をつけなきゃ順位を決めれないし
点数をつけなきゃ卒業するための基準がわからなくなるから

でも、それ以外の個人の感想とかで
作品を採点して点数をつけてるやつ
あれなんなんですかね?

おこがましくない?

どこの馬の骨ともわからない人や
偉そうにしている評論家とかが
いろんな作品に点数をつけてたりするけど

その数字に何の信憑性があるのか

自分は酷評してますよ
ってタイプの人に点数をつける人が多い気がする

俺に高得点つけさせたら大したもんですよ
みたいな

そんな人を見る度に
お前、何様だよ
って思ってしまう

僕はそんな感じの人があまり好きじゃないんですよね


そんな人たちってどう採点してるのかわからないし
採点のしかたなんて人それぞれだと思うけど

例えば映画なら

映像10点
演出10点
演技10点
音楽10点…
みたいに振り分けてるんですかね?
それの総合で100点満点とか?

まあ、採点するとしたらそんな感じになりますよね

で、その点数ってなんなの?

74点の作品と75点の作品があったとして
その人たちはその1点の差を説明できるの?

ストーリーが0点で映像が100点以上の映画があったとしたら
その人たちはどう採点するの?

そんな曖昧な数字で評論家を気取って偉そうにされると
それがたとえプロだったとしても
全く信用できない

まあ、プロなら何かしらの企画とかで
無理矢理点数をつけさせられたりもすると思うので
それは仕方ないとして

 


学校のテストとか明確な答えがあるものなら
その点数に信憑性はありますけど

映画、漫画、音楽、美術のような作品って
何が正しくて何が間違いなんてものは存在しないし
作品によって制作意図は様々で
作る人間によって込められた思想も全く違う

誰に向けられて作られているのかも多様で
さらに、それを受けとる人間によっても
見え方が全く違ってくると思います

そんな白黒はっきりさせることなんて不可能な
娯楽作品、芸術作品を一律にして点数をつけること自体が
なんかズレてませんかね

そんな点数に信憑性なんて全く無い

 

映画の感想とかでも
たまに点数をつけてすごく偉そうに
評論的な事をしている人を見かけたりもしますけども

例えその人の感想がすごく的を得ていて
しっかりとした内容だったとしても

映画に点数をつけているということだけで
あまり深く物事を考えてない人なんじゃないかな
と思えてしまう


1つの作品に深く触れれば触れるほど
その作品に点数なんてつけれないと思うでしょうし

たくさんの作品に触れれば触れるほど
点数なんて狭い尺度で測れなくなる

安易に点数なんてものをつけてしまう人は
表面的なものごとでしか判断していないんだと思う

技術、技法、構成とか
表面的にわかりやすい部分だけで判断して
そこから先の感覚的な部分、芸術的な部分には
触れるどころか感じてもいないんでしょうね

 

僕が思うに
こういう安易に点数をつけてしまう人たちは
考え方が固い
と言うか、ユーモアが無い

狭い価値観でしか判断して評価をしていないので
そういう人の感想や批評を読んでいても
あまり面白くなかったりする


そんな人たちは
もし1億点のすごい作品に出会っても
100点満点の中でしか考えないだろうし
逆にマイナス以下の酷い作品に出会っても
同じく100点満点の中でしか評価しない

たぶん
クソだけど最高の映画を観たとしても低い点数をつけて終わりだろうし

クソゲーを無駄に何時間もやり続けることなんてなくクソだと文句を言うだけだろうし

アイドルの歌を下手だから人数が多すぎるから口パクだからとか言って見下すでしょう

子ども向けの特撮ヒーローを子供向けだと言ってバカにすると思う

 

これに当てはまるかどうかは別として
狭い考え方なのは間違いないと思います

深く考えないから作品の本質に近づけないし
しょうもないものを楽しむ遊び心も無いんじゃないですか

てか、点数つけることが目的になってるようにも思えてしまう

 

いままで、御託を並べていろいろと言ってきましたけど

結局のところは
点数をつけてるような人たちは
なんか偉そうでわかったような顔で批判したり
上から目線で褒めてたり

単純にその姿勢が気に食わない
ムカつくだけ
僕がそんな人たちを嫌いなだけ


そうです
なんかそれっぽいことを理屈っぽく言ってましたけど
ムカつくから理由をつけてただけです


ただ作品を受け取ってるだけで
何も生み出していない人間が
なに一丁前に誰かの作品に点数なんてつけてんだよ
お前、一体何様のつもりだよ
身のほどをわきまえろよ

って思ったから
ムカついたから

 

まあ、僕は作品を採点するような
浅はかな人間にはなりたくないと思う