何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「リボルバー」感想 これはマジで意味不明

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どうもきいつです


クライムサスペンス映画「リボルバー」観ました

出所したギャンブラーを中心に
カジノ王、謎の2人組、情緒不安定なヒットマンたちの運命が交錯する
2005年のクライムサスペンス

製作と脚本を手掛けるのはリュック・ベッソン
監督を務めるのはガイ・リッチー
主演はジェイソン・ステイサムです

 

あらすじ
ギャンブラーのジェイク・グリーンは
冷酷卑劣なカジノ王マカの陰謀で7年間の投獄を余儀なくされてしまうが
刑務所の中であらゆるペテンの技術を学び出所してきた
そして、マカのカジノで大金を巻き上げることに成功する
しかし、逆上したマカに命を狙われるのだった
そんなジェイクの前に謎の男2人組が現れる

 

感想
最初から最後までなんじゃそりゃ
という映画
正直、意味不明の連続でした
観る人の解釈に委ねられ
観る人によって解釈が異なるであろう作品です
かと言って
つまらないわけでもない
独特な魅力が醸し出されていました

 

ジェイソン・ステイサムを見たくなったので
本作を観てみましたが
そんな軽い気持ちで観ると
痛い目を見る映画でした

自分の知っているジェイソン・ステイサムらしい単純明快なアクション映画とは真逆

めちゃくちゃ難解で意味不明
どういうこと?の連続で
それが最後まで続きます

そして、最後まで観ても
どういうこと?って思ってしまう映画

完全に観る側に解釈を委ねている
悪い言い方をすれば投げっぱなし

これは賛否が分かれそうです
ってか、否がめっちゃ多そう

 

まず、本作はジェイソン・ステイサムが主演ですが
ほとんどアクションがありませんし
爽快感のかけらもない作風

戦う強い男ジェイソン・ステイサムは全く見れないんですよね

そんなのもあって
やっぱり評判は悪いんじゃないでしょうか

私たちの求めているジェイソン・ステイサムは
この映画にはありません

本作のジェイソン・ステイサムがロン毛なのも
この風貌でいつもと違うことを示唆してるんじゃないか
とかも考えてしまったり

とにかく、良くも悪くも
いつもと全く違うジェイソン・ステイサムが見れるわけです

 

そして、ストーリーですけども

主人公ジェイクとカジノ王マカの戦いと駆け引きを描いていると思えば
そこまで難解なストーリーではないと思う
ストーリーの本筋はシンプルな気がします

ただ厄介なのが
ジェイクの心理描写であったり
ジェイクをこき使う謎の2人組の存在だったり
意味深な演出や設定だったり

そういうものが詰め込まれていて
まあ、めちゃくちゃ難解な映画に仕上がっています

その上、この映画には
これといった答えが全く用意されていない

この物語自体が
現実なのか妄想なのかも結局のところ不明です

ジェイクの身に起きていることも謎
謎の2人組の正体はわかったようなわからないような…
そもそも、この映画は一体何を伝えたいのか…?

この映画を観ている人間が
全て自分自身で消化して考えて答えを出さなければならない

すごく面倒くさい映画ですよね


ちょっと調べてみると
こんな難解な映画にありがちな
キリスト教的な要素もかなり詰め込まれているみたいです

やはり仏教圏の日本人からすれば馴染みが無くて
こういう要素はわかりづらく
理解しがたい部分は大いにあります

知識が豊富なら本作の比喩や暗喩にも気づけて
より深くこの映画を考察できるんでしょうが
知識がなければついていけない

たぶん、本作の場合は
キリスト教圏の人が観ても
それなりに詳しくなければ置いてけぼりかも

 

ただ、とても難解だけど

劇中にしょっちゅう出てくる
“最大の敵は思いがけぬ場所に隠れている”
“上達する唯一の方法は強敵との勝負”
“投資した金を守れ”
“戦争回避は敵を利するのみ”
という4つの格言を踏まえて観ていれば
それなりについていけるかなとは思います

本作のメインは勝負と駆け引きで
キリスト教的な比喩や暗喩について考えるよりも

ジェイクとマカの勝負を
この4つの格言と共に考えるほうが
本作の本質に近づけるような気がする

勝負に勝つにはどうすべきか?
というのが
この映画の中心で最も重要な部分だと思うんですよね

ジェイクの心理描写や謎の2人組の存在にしたって
ジェイクの自分自身との戦いや葛藤だったりするわけで

マカやヒットマンも彼ら自身の葛藤が描かれています

自分自身にどう打ち勝つか
自分の敵に勝つにはどうするか
この映画ではその過程が描かれていてる

特にチェスの場面はとてもわかりやすい
ここでは如何に勝負に勝つかを
直接的な言葉で説明してくれますし

このチェスの戦略こそが
本作の本質じゃないかなと思います

相手に勝ってると思わせ手のひらの上で転がし
最終的には勝ちをもぎ取る
この映画でやってることは全てこれですよね


とは言え、難解なものは難解で
わかったような気がしても
やっぱり意味不明なのは間違いない

よくわからん場面はとても多いです
この映画を100%理解するのは難しい

 

そんな感じで
難解な意味不明映画ではあるものの
雰囲気や映像のセンスは光っていて
引き込まれる映画だったりもする

アクションが少ないし意味不明だけど
退屈ではないんですよね

面白い映像の見せ方が多く
それがさらに意味不明さを加速させてるものの
そこが魅力的と言うか


エレベータの中でのジェイクの葛藤のシーン
ここはわけわからんことになってるけど
なんかゾクゾクする場面です

恐怖や不安が上手く表現されていて
見ているこっちまで同じような気持ちにさせられてしまう


ジェイクの兄とその娘を守るために戦うヒットマンのシーンは
シンプルに見せ方がカッコいいですよね

スタイリッシュだし面白い表現でもあるので
ここはわかりやすくカッコいい場面


あとは、登場人物の会話や駆け引きは
緊張感があって引き込まれる

ジェイクとマカ
ジェイクと2人組
それ以外にもいろんな登場人物たちが対峙する場面があるけど
どの場面も張り詰めた緊張感にハラハラさせられる
どんどんと引き込まれていくんですよね

全体的には難解だけど
登場人物の会話や駆け引きに注目して見てみれば
結構、面白い映画なんですよね

それだけでも全然退屈しないと思う
そこがこの映画の魅力でもあります

 

派手なアクションは無くとても地味な映画で
いつものように物理的に戦うジェイソン・シテイサムは見れないですが

でも、違った意味での極限の戦いは描かれていて
ある意味、本作も戦うジェイソン・ステイサムが見れるわけです

こんなジェイソン・ステイサムも悪くない

 

結果的には
意味不明だけどつまらなくはない映画
監督がガイ・リッチーなだけあり
センスの光る作品です

ジェイソン・ステイサム映画としては異質ではありますが
ジェイソン・ステイサムが演じるからこその
ジェイクというキャラクターなのかも

よくわからないけどもう一度観てみよう
と思わされる中毒性がある
何回も観ることでより味わい深くなる映画のようにも思います

マジで意味不明な映画だけど
僕はこの映画が好きかもしれない

 


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映画「アドレナリン」感想 ジェイソン・ステイサムの無駄使い アホすぎて笑える

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どうもきいつです


アクション映画「アドレナリン」観ました

体内のアドレナリンが減少すると死んでしまう殺し屋の奮闘を描いた
2006年のアクション映画
主人公が生き残るためにアドレナリンを出し続けロスの街を暴れまわります

監督を務めるのはマーク・ネヴェルダインとブライアン・テイラー
主演は「トランスポーター」シリーズなどのジェイソン・ステイサム

 

あらすじ
ある日、殺し屋のシェブは宿敵のリッキーに毒を盛られてしまう
毒によって死に瀕する状況に陥ったジェフは
アドレナリンを出し続けると毒の作用を遅らせることを知る
彼は復讐と恋人のイブを守るため
アドレナリンを出し続けリッキーを追うのだった

 

感想
中身からっぽ
ジェイソン・ステイサムが暴れてるだけの映画
そして、やってることはかなりアホ
アホ過ぎてとにかく笑えました
これはイカれた映画

 

ジェイソン・ステイサムを見たくなったので
本作を観てみました

初めて本作を観たんですが
なんじゃこれ
って印象の映画でしたね

想像以上にアホな映画でした

ジェイソン・ステイサムの映画って
硬派なアクションってイメージでしたが
本作はかなり変な映画

まあ、硬派と言えば硬派だけど
かなりギャグに特出した内容

そして、下品で低俗

いつものジェイソン・ステイサム映画とのギャップで
驚く反面、笑ってもしまう

とにかくブッ飛んだ内容に
個人的には満足でした

下ネタがめっちゃ多い低俗な映画なので
嫌いな人は嫌いでしょうね

ヒロインが普通におっぱい見せてたりもしますしね…
なら好きな人のほうが多いか

まあ、最低な映画なのは間違いないので
親と一緒には観れないし
子どもには絶対に見せたくない

 

まず、ギャグ強めのアクション映画ではあるものの
ジェイソン・ステイサム自体はいつもの変わらない雰囲気で

硬派なタフガイだし
めちゃくちゃ強いし
キャラ設定も殺し屋と
いつもとそんなに違わない

アホな映画のわりに
主人公のキャラクターは全然コミカルではありません

むしろ、すごく真面目に恋人を守るために戦っていたり
復讐に燃える非情さを見せたりもしてる

いつもどおりのジェイソン・ステイサムは
しっかりと見せてくれるんですよ

ある意味マンネリ
でも、それを期待していて
私たちの望むジェイソン・ステイサムです

ブレないジェイソン・ステイサムだからこそ
この映画のアホさがより際立つ

そんなギャップがあるから
ギャグの爆発力がアップしてるんですよね

 

で、やっぱり設定が面白い

アドレナリンを出し続けなければ死ぬ
という
なかなかイカれた発想です

主人公のシェブはアドレナリンを出すために
とにかく暴れまわる

これがジェイソン・ステイサムにはうってつけで

この設定があるから
ジェイソン・ステイサムにめちゃくちゃやらせれる
ジェイソン・ステイサムがずっと暴れまわっていれる

そんなジェイソン・ステイサムずっと見れるのでファンは大満足なわけですよ


それが笑いにも繋がっていて

こいつなにやってんだよ?
というところで笑えてくる

本来は硬派でタフガイな殺し屋の主人公だろうけど
この状況に陥ることで言動がバグってしまう

興奮するために車で暴走
ケツを見せながらダッシュ
人混みの街中で彼女とヤっちゃう
終盤はほぼラリってる

しょうもないことのオンパレードで
もう笑うしかないです

特に笑わされたのは彼女を隣に乗せてのカーチェイスですね
あんなカーチェイス初めて見た

あんな状況でアレをするのは
エロさをぶっ飛ばして爆笑
いや、もはやエロい


こんな映画、真面目に観てしまえば
クソみたいなのもなので
真面目に観ればこんな映画嫌いになって当然です

だから真面目に観ないのが正解
鼻くそをほじりながら観ましょう
そんな姿勢で観れば笑えてきます

この映画に高尚なものを求めれば損するのは明白なので
うんこを見る目で鑑賞しましょう
この映画はうんこです

うんこは面白いので
この映画も面白いというわけです

 

笑えてアホらしさがたまらん映画だけど
問題があるとすれば
ストーリーがいまいちなところですかね

すごくテンポが良くスピーディーな映画で
どんどんと物語が進んでいくんですが
そのわりにちょっと眠くなると言うか…

ギャグの積み重ねや
ハイになる演出とか
あと、独特な映像の演出などで
誤魔化されてはいるけど

ストーリーはあまり面白くないんですよね

特にひねったアイデアもなく
その上、山なし谷なしの平坦な物語で
盛り上がりもそんなになかったかな…

毒によって死に瀕しているとはいえ
それ以外の部分では窮地に陥ることもなく
全体的にスリルは薄かったです

アドレナリンが少なくなると苦しみ死にそうになる
だから何かしらの方法でアドレナリンを上昇させて生きながらえる
ってパターンの連続で

笑いとしては上手く機能してるけど
それによって物語が単調になってるのは否めない

早い段階で
毒で死にそうになることでのハラハラは無くなってしまいます

だからこそ
もう少しストーリー展開やギリギリのアクションなどで
スリルを生み出す方法は必要だったと思います


アクションに関しても
ちょっと主人公が強すぎた感じはしますもんね

強すぎるジェイソン・ステイサムはもちろん見たいけど
もっと追い込まれる姿は見たかった

敵が小物すぎたのももったいなかったですね
強敵とのバトルがあれば盛り上がったと思う


それに、いつものジェイソン・ステイサム映画のアクションに比べると
少しショボかったかも

もっと派手でカッコいいアクションを見せてほしかったです

 

本作のジェイソン・ステイサムは
ちょっと三枚目のキャラで格好悪い姿も多く見せます

ここは面白い部分でもありますが
いつものカッコいいジェイソン・ステイサムじゃなきゃダメ
って人からすれば不満かも

個人的にはこういう一面は面白いと思ったし
そのギャップには大いに笑わされました

 

ストーリーの中身はカラッポで本当に下らない映画
でも、この映画はうんこですから
中身カラッポは当たり前
うんこに高いレベルのものは求めていません

うんこだから最高に笑える映画

 


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映画「殺人鬼から逃げる夜」感想 スリルがあってハラハラする みんな無能すぎるけど

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どうもきいつです


スリラー映画「殺人鬼から逃げる夜」観ました

耳の不自由な主人公が連続殺人犯に追い回される夜を描いた韓国のスリラー映画
聴覚障害者の女性が殺人現場を目撃し恐怖に見舞われていきます

監督・脚本は本作がデビューとなるクォン・オスン
出演するのはチン・ギジュ、ウィ・ハジュンなどです

 

あらすじ
ある夜、聴覚障害を持つギョンミは
会社からの帰宅途中で血を流し助けを求める女性を見つける
それは連続殺人事件の犯人の仕業だった
事件現場を目撃してしまったギョンミは
新たなターゲットとして殺人鬼に狙われるのだった

 

感想
スリルの作り方は上手くてハラハラさせられる映画でした
ただ、スリリングに作られているものの
同じことの繰り返しが続くので終盤はダレる
良くも悪くも登場人物が全員無能で
そこが気になるのは否めない

 

なんとなく面白そうだったので観に行ってきました

韓国のスリラーやホラーは面白いものが多いし
本作にもそこそこ期待はしてました


本作も期待どおり一定のレベルの高さはあって
楽しめるスリラーではありました
スリルのある場面の見せ方は上手いし
ストーリーも悪くないと思います

障害者を扱ったスリラーということで
「見えない目撃者」「RUN/ラン」「クワイエット・プレイス」など
そういうタイプの映画で
最近の流れにも乗っかってる作品ですね

ハンデを背負ってるからこその恐怖を描いています

 

恐怖の描きかたもいいし
スリルもあるし
ストーリーもまとまってるし
平均的な面白さのある映画ではありましたが

普段からこんなタイプの映画をよく観る人にすれば
特別記憶に残る映画ではないかもしれません

面白いけど雑さも目立って
完成度も普通くらいですしね

なので、マイナスの部分が少し気になってしまうんですよ

悪くはないけど
これは気になるなとか
もっと面白くできそうなのになとか
いろいろと考えてしまう

 

特にワンパターンなのは本作を微妙に思ってしまう大きな要因ですね

はじめは恐怖やハラハラドキドキわとても感じれるんですけど
途中からは慣れてくるし
最後のあたりは飽きてしまってる

もっといろいろ違う展開があってもいいだろうし
いろんなパターンの見せ方はほしいところ

基本この映画は追いかけっこばかりですしね…
鬼ごっこ映画ですよ

追いかけられてちょっと抵抗して
殺人鬼を振り切ったと思いきや
やっぱり殺人鬼に追い詰められる
そのパターンの繰り返し

さすがにそれだけでは最後まで興味は持続しない


本作は最初から犯人の顔がわかっているパターンの映画なんですけど
こんなことなら途中まで犯人の正体を隠してたほうが良かったと思う

正直、犯人が誰だかわかってるメリットは無かったし
序盤の追いかけっこでは犯人が顔を隠してたので

主人公目線で
犯人が誰だかわからないという部分で話を広げれば
警察の取り調べの場面とかもっと面白くなったと思うんですよね

てか、警察の取り調べの一連の流れ
あそこって全く同じ流れでも
犯人がわかってないだけで全然面白くなったと思うんですよ

犯人があいつだった
ってだけで1つ驚きも作れるだろし
殺人鬼の怖さも際立ったと思う


それと、主人公の聴覚障害という設定も
完璧には生かせていない印象です

所々で耳が聞こえないことでの恐怖の演出や
面白い見せ方はあります

どんなに音が鳴っていても気づけなかったり
周りの人とコミュニケーションが取りづらかったり
主人公目線の無音の演出とか
そういうのはすごくセンスがある

でも、それで終わってるのがもったいない

もっとその設定は生かせるはずなんですよ

例えば「見えない目撃者」なら
盲目だけどそれ故の長所もあって
その長所を生かして立ち向かっていきます

「RUN/ラン」の場合は
自分の知恵を振り絞り短所を補い
窮地を乗り切っていきます


本作はそういうものがあまりなくて
障害をマイナスな要素としてしか扱っていない気がする

ギョンミと母親が手話で会話して犯人にはその会話の内容がわからない
って場面はあったけど
いまいちそこも盛り上がる展開にはなってないし
上手く機能していなかった感じはします

耳が聞こえないからこそ健常者より危険に敏感
みたいなのがあっても良さそうだけど
むしろ、ギョンミは鈍感だったり…

コミュニケーションが取りづらいから犯人が周りの人を言いくるめる
ってパターンが何回かあるけど

ギョンミもう少し知恵を振り絞ってくれよと
ちょっとイライラもしてしまう


障害者がただの弱者で終わってしまってるのは
ちょっと時代にそぐわないんしゃないかな…

最後は殺人鬼を倒して終わるけど
なんか聴覚障害が関係ない方法なのであまりすっきりしない
ここは、障害者だからこその逆転劇を見せてくれれば
カタルシスも大きかったと思う

 

あと、登場人物がみんな無能なのはどうなのか?

もれなく全員無能です
主人公も殺人鬼も警察も

ある意味、全員無能だからこそストーリーが噛み合っているとも言える
1人でも頭が良ければバランスが崩れるストーリーですもんね
そういう点では良い部分でもありますが

やっぱり馬鹿ばかりだと茶番に見えてしまうのは否めません

主人公は自ら危険に飛び込んでいるようにしか思えないし

妹が行方不明のお兄ちゃんは役に立ちそうで全然役に立たん
むしろ状況を悪化させている

なによりも殺人鬼ですよ
馬鹿だから魅力が半減してる

賢そうで上から見下している雰囲気のキャラのわりに
ミスは多いし
隙は多いし
すぐに狼狽えるし
感情的に取り乱すし

穴が多くてあまり怖くないんですよね…
執着心の強さはよかったですけど

やはり、このタイプの映画は
殺人鬼が完璧主義のサイコパスみたいなほうが絶対に魅力的
その方が倒したとき気持ちいいし


そして、警察が無能すぎる
こんな警察には頼れないよ

警察が有能すぎればあっという間に解決で
映画は終わってしまうけど
それにしたってポンコツすぎません?

知らないとは言え犯人を簡単に解放するわ
さっきまで命を狙われていた女の子に護衛すらつけないわ
ナイフを振り回してるだけの犯人を銃で集中砲火するわ

さすがにこの酷さは無いわ


この映画
ある意味ご都合主義なんですよ
物語をスムーズに進めるために全員無能にしてしまってる

でも、そのやり方のせいで
リアリティは損なわれてしまってます

やっぱり、全員無能より全員有能のほうが
作るのが難しくても面白い作品にはなりますよね

 

文句ばかりになりましたけど
好きなところもちゃんとあります

主人公が可愛い
表情豊かだし魅力的でした

童顔なので20代前半くらいと思ってたら
32歳でした
自分と同世代で驚いた

童顔だから身長低いと思ったらめっちゃ身長高いし
ラストの4人並んだシーンで背の高さに気づかされました


それと、「シャイニング」のオマージュは笑えました
ああいうオマージュはいいですね
好きです

 

他の韓国映画に比べるとちょっと見劣りはします
ホラーやスリラーが好きな人なら
可もなく不可もなくって内容に物足りなさは感じると思う

まあ、それなりの面白さはあるので
暇なら観てみてもいいかもしれません

 

 

映画「MINAMATA ミナマタ」感想 忘れてはいけないし終わっていない

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どうもきいつです


伝記映画「MINAMATA ミナマタ」観ました

日本の水俣病の惨事を世界に伝えた
アメリカの写真家ユージン・スミスの姿を描いた伝記ドラマ
水俣で暮らし公害に苦しみながら闘う人々の日常を撮影したユージンの
1971年からの3年間が描かれます

監督を務めるのはアンドリュー・レヴィタス
主演は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどのジョニー・デップです

 

あらすじ
1971年
ニューヨークに住むフォトジャーナリストのユージン・スミスは
アメリカを代表する写真家と称えられたが
現在は酒に溺れる日々を過ごしていた
ある日、彼の前にアイリーンと名乗る女性が現れ
日本の大企業チッソが工業排水を垂れ流し
それにより病に苦しむ人々を撮影してほしいと訴える
そして、ユージンは取材のため日本を訪れるのだった

 

感想
過去の出来事でとっくの昔に終わったことだと思っていたけど
本作を観ることで
この事件は忘れてはいけないし
終わっていないことだと思い知らされた
これは日本だけの問題ではなく世界が抱えている闇

 

日本の事件を題材にした映画で
興味があったので観に行きました

ちょっと重い映画ではありましたが
この映画を通して思うことは多いです

僕は水俣病に関しては学校で習ったくらいの浅い知識しかなく
実際にどのようなことが起きていたのか
今現在この問題はどうなっているのか
ということはあまり知りませんでした

過去に起きた大きな事件だけど
もう終わったことだと
この事件を深く知ろうともしていなかった

でも、この映画を観ることで考えを改めさせられました

そう思わせてくれるだけで
この映画には価値があると思います

 

まず、本作はエンタメ性は少し弱いです
カタルシスを感じて感動する
という作品ではない

あくまで
この事件を風化させないための記録のような作品です

科学会社チッソが引き起こした産業公害と
それに苦しめられた人々
そして、病に苦しめられる人々とチッソの闘いも描かれていきます

実際の映像や写真も使われているし
水俣病の痛々しい姿を逃げずに描写している

当事者からすれば
思い出したくない過去でトラウマを呼び起こしてしまうかもしれません

でも、そこを現実的に表現することによって
本当に起きた出来事だということを
観た人に感じさせることに意味があると思います


そして、本作はただ史実を忠実に再現しているだけでなく
脚色や誇張している部分も大いにあります

史実をねじ曲げているということに
引っ掛かってしまう人もいると思います


ただ、本作は映画

映画という方法でユージン・スミスや水俣病を描く理由は
より多くの人間に
この事件や公害問題のことを伝えるため

史実を再現したとてもリアルな作品でも
つまらなければ誰も観てくれない
いくらメッセージ性が強くても観てくれなければ意味がないわけです

ある程度、映画としてまとまっていて面白い作品なら多くの人の興味を引けます

世界的に有名な俳優ジョニー・デップが主演なのも
人々の注目を集めるという点では大きな意味がある

それに、脚色や誇張がされてるとは言え
根本的な部分には嘘はありません
大切な部分はしっかりと史実を忠実に描いています

 

で、本作はユージン・スミスを描いた映画なわけなので
全てがユージン目線の物語

水俣病の映画と言うよりはユージン・スミスの映画なんですよね

そういうこともあり
水俣病に苦しむ人々や裁判なんかはユージンの目を通した出来事なので
あまり深くは描写されません

正直、もっと深く掘り下げたほうがよかったんじゃないか
とも思うんですが

ユージンの客観的な目線から見たこの問題
というのも重要なのかなと思えます

多くの人に観てもらうという点で考えれば
当事者目線の壮絶な世界よりも
ユージンの少し離れた場所からの目線のほうが
本作のメッセージなどはスッと入ってくるんじゃないでしょうか

実際に映画を観る自分たちも第三者なわけで
あまりに辛いものを直接見せられればシャットアウトしてしまうかも

ユージンのような部外者が主役なら感情移入もしやすいし
この問題について客観的に見ることができると思います


それに、ユージンが写真を使いこの問題を世界に知らしめたことは
本作がやろうとしていることともリンクしている

そう考えれば
ユージンを通して水俣病の問題を世界に発信することは
大いに意味があるように思えます

 

そして、なによりも
本作が作られ公開されたことで
水俣病の問題があらためて表に出てくる

水俣病の印象って
僕の世代やそれよりも若い人たちからすれば
学校の教科書の片隅に載っている些細な事件
くらいの人が多いと思う

多くの人が
昔にあった終わった事件
だと思っている

国はこの事件のことを無理やり終わらせてたりもします

でも、実際は
いまだに病に苦しむ人は多くいるし
満足な補償を受けてない人も多い
水俣に住んでいなくても被害を受けている人だっています

そんな状況も
この映画が公開されることで事件があらためて注目されれば
少しでも良くなる可能性があります


本作を観て
ユージン・スミスに興味が湧いた
水俣病について詳しく知りたい
そう思う人は絶対にいます

僕もこの映画を観たことで
水俣病やユージン・スミスについて少し調べましたし

そんな人が少しでも増えれば
この問題を解決する力になると思うんですよね

 

本編終了後に世界各地で発生している公害事件が紹介されます
映画として見てみれば
この部分は蛇足のようにも思えますが

本作の場合はここにも意味があると思う

水俣病だけでなく世界各地で同じような事件が発生し
それに苦しめられている人がたくさんいます

日本だって近年に福島第一原子力発電所の事故が起きています
この事故でさえ過去のことのように風化してしまっている面がある
でも本当は全然なにも終わってない

多くの人はこのような事件が起きても他人事で
時が経てば忘れていきます

しかし、無関心でこのような問題を野放しにしていると
結局、自分たちに降りかかる可能性だってあるわけです

これは自然災害ではなく人災
起こした人間は責任を取らなければならないし
罰を受けてしかるべき

それを放っておいてしまえば
どこかで同じことが繰り返される
次は我が身です


多くの人がこのような事件に感心を持ち世界中が注目すれば
悪い奴らは簡単に言い逃れ出来なくなると思う

本作が公開されたことで
水俣病の問題が少しでも良い方向に進んでいけばと思います

 

この映画の内容に関しては賛否両論あると思いますが
本作が世界に発信されたということは
大いに意味がある

この映画をきっかけに
水俣病だけでなく
様々な公害問題に感心を持つ人が増えれば
少しだけでも世界は変わっていくんじゃないでしょうか

 


MINAMATA

 

 

映画「ベイビーわるきゅーれ」感想 ゆるゆる女子とキレキレアクション

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どうもきいつです


アクション映画「ベイビーわるきゅーれ」観ました

殺し屋の少女2人の青春を描いたバイオレンスアクション
暗殺を生業とする2人が
高校卒業を機に一般社会に馴染もうと悪戦苦闘していきます

監督は「ある用務員」などの坂元裕吾
主演の2人は高石あかりと伊澤彩織です

 

あらすじ
女子高生の殺し屋のちさととまひろは
組織から委託された暗殺をこなしてきた
そんな2人が高校卒業後
暗殺稼業を行いながら2人でルームシェアし
普通の社会人としても生活することを組織から命じられる
戸惑いながらも日々を過ごす2人だが
ある日、ヤクザとのトラブルに巻き込まれてしまうのだった

 

感想
可愛らしい女子のゆるゆるトークと
キレキレのバイオレンスアクションとのギャップがたまらない
微笑ましくてこの2人をずっと見てたくなります
すごくブッ飛んでる映画だけど
どこかリアルさも感じれる不思議な映画

 

前からずっと気になっていたので観に行ってきました

この映画
すごく好きな映画

ずっと観ていたくなるような映画ですね
そう思ってしまうほど主人公の2人がとても魅力的
ちさととまひろを見つづけたい

本作は
バイオレンスなアクション映画でありながら
めちゃくちゃユルい日常映画でもある
相容れないような2つが同時に存在する不思議な映画なんですよ

そのギャップがメリハリになって両方を際立たせています
ユルい会話に笑わされ
カッコいいアクションに興奮させられます

ストーリーなんて本当に大したことないのに
最後まで全然飽きずに観れてしまう
独特な魅力がありますね


やっぱりこの映画の1番の魅力は
ちさととまひろのどうでもいい会話
これが最高です

話の内容はマジで大したことない内容で
10代の女子がダラダラと喋ってるだけです

でも、ワードチョイスが絶妙だし
2人のキャラがそれぞれ立ってるしで
トークが本当に笑えます
爆笑と言うよりは微笑ましいって感じ

喋り方や会話の内容がナチュラルで
普通の女の子が普通に喋ってるだけのようにも見えますしね
可愛らしさもすごく感じれる
癒しです

2人が似た者同士のようで
実は真逆の性格だったりするのも面白い

2人の会話の面白さを引き立てているし
2人のケンカ展開への布石にもなっている


しかも、殺し屋として働いているときもそんな調子なので
その状況のギャップでも笑えてしまう

よく考えれば
自分たちが殺した死体の前でもゆるゆるトークしたりしてるのは
倫理的には明らかに狂ってるけど
この2人ならなんか許せてしまう
むしろ可愛い

ターゲットを縛り付けた前で
バイトがどうこうの話してるのはマジでイカれてる
そしてバイト行く前に軽く殺していく
やってることがサイコパス
でも面白い


やってることはめちゃくちゃで
現実的にはあり得ないことなんだけど
2人の会話の自然さや存在感のナチュラルさがあるので

もし、本当に10代女子の殺し屋がいたとしたら
こんな感じなんだろうな
と思えてしまうリアリティを感じれるんですよね

そこがこの映画の面白さです


で、ただトークが面白いだけじゃなく
2人の心の変化や悩みなどのドラマにも発展していきます

やってることは仲のいい2人がケンカをして最後は仲直り
って単純な話だけど

その中で心の成長をしっかりと描いているので
質の良い青春ドラマとして成り立っている
2人の仲直りにはちょっと感動すらしてしまいます

最後の共闘にはカタルシスを感じれますし
アクションシーンと相まって
最高のラストになっていました

 

さらに、本作はアクションもめっちゃ良くて
見入ってしまうほどカッコいいんですよ

まひろ役の伊澤彩織は
現役の女性スタントマンというだけあり
アクションがキレキレで超カッコいい
普段はゆったりやる気ない感じなのに
アクションになるとスピーディーで激しい

面白いキャラクターですよね


ちひろ役の高石あかりは肉弾戦は全然ないけど
銃さばきがカッコいい
いつも天真爛漫なのに銃を持つと非情
アイドルみたいな可愛らしい見た目とバイオレンスな銃撃戦のギャップがたまらん
マシンガンをぶっ放す表情は最高でした

こんな激しいアクションを見せられれば
彼女たちが殺し屋だという説得力にもなってます


それに、人がたくさん死ぬし
血はめっちゃ飛び散るし
かなりバイオレンスな描写も多い

そんな描写がより本作のアクションを引き立てていて
魅力的なアクションシーンに仕上がっている

特に終盤のバトルはめちゃくちゃ盛り上がってテンションも上がります
肉弾戦、銃撃戦、バイオレンス
盛りだくさんなアクションシーンでした

 

この映画ってすごく下らないことをやってるんですけど
日常会話にしろアクションシーンにしろ
めっちゃ本気でやってると思うんですよね

会話シーンは
ナチュラルで笑えるようにこだわって作られているだろうし

アクションシーンも
チープにならないように臨場感や痛々しさを感じれるように表現されています

両方とも手を抜かずに本気で作ってるから
コメディーには笑わされるし
アクションには興奮させられる

アクションがカッコいいから笑いが際立つし
会話が笑えるからアクションも際立つ
相乗効果でより面白い映画になってると思うんです

大してお金のかかってる映画ではないだろうけど
下手な超大作邦画なんかより全然面白いですね
大作の邦画でも本作よりチープな映画はたくさんあると思います

本作はとてもクオリティの高い作品でした

 

アクションが好きな人もコメディーが好きな人も両方とも満足できる映画だと思う

個人的にもすごく好きなタイプの映画

ちひろとまひろがめっちゃ好きになった
続編を作ってほしいくらいです

バイオレンスなのにほっこり微笑ましい
なんか明るい気持ちになれる最高の映画でした

 


ある用務員【DVD】(40分にもおよぶ怒涛のアクションシーンの舞台裏に迫ったメイキングを収録)

 

 

映画「整形水」感想 人間は見た目より中身が大事

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どうもきいつです


アニメ映画「整形水」観ました

オムニバスコミック「奇々怪々」の1編をアニメ映画化した韓国の作品
美しくなりたいという人間の欲望と狂気を描いたサイコホラー
外見にコンプレックスを抱く主人公が“整形水”を使い美貌を手に入れます

監督を務めるのはチョン・ギフンです

 

あらすじ
外見に強い劣等感を抱くイェジは人気タレントのメイクを担当していた
タレントからは日々罵倒され
偶然出演したテレビ番組をきっかけにネットでは誹謗中傷されてしまう
自暴自棄に陥ったイェジだったが
ある日、彼女のもとに自由自在に容姿を変えれるという“整形水”が届くのだった

 

感想
いくら見た目が美しくなっても中身が醜ければ意味はない
この主人公を見ているとそう思わされる
韓国だからこそ生まれた作品かもしれません
サイコホラーとしてもなかなか楽しめました
ただ、もう少しメッセージ性を強くできたような気もする

 

原作は全く知りませんでしたが
予告を見て気になっていたので観に行ってきました

個人的には好みの作風で最後まで楽しんで観れました

サイコホラーとしては
最後まで先の読めない展開にハラハラとスリルを感じれましたし
本作で描かれているテーマは興味深い

整形大国と言われている韓国だからこそ
生まれた作品のようにも思えます

ルッキズムやネットでの誹謗中傷など
韓国でも問題視されているようなものが
描かれている作品です


全体的にはゾッとするサイコなストーリー
次から次へと移り変わる展開に
どんどんと物語に引き込まれていきます

絵柄は少女漫画のような少し可愛い雰囲気の印象ですが
グロくて気持ち悪い描写も多く
ビジュアル面でも恐怖を煽られます


で、本作の中心となるのが“整形水”
これを使えば自分の見た目を自由自在に変化させることが出来るわけです

太っていて顔にも自信がない
自分の見た目にコンプレックスを感じているイェジが
これを使い美しく変貌する


本作が面白いのは
主人公イェジの描写ですよね

不細工だけど心は綺麗ってパターンはよくあるけど
イェジの場合は中身もブスなんですよ

醜いから自分は不幸だ
醜いのは親のせいだ
みたいな思考の持ち主で
整形水で美しくなってもそれは変わらない

イェジを見る周りの目が変わっても
彼女の内面の醜さは相変わらずで
悪いことは何かのせいにして
全ての行動原理は自分中心

こんなやつ絶対に友達にすらなりたくないな
って人間です

だから、そんなイェジを見ていると
どれだけちやほやされて人気者になっても
全然幸せには見えないし
いくら見た目が良くても
そんなもの空虚なものにしか思えない

イェジのキャラクターで
外見の美しさだけにこだわることが
如何に空っぽなことなのかを
上手く表せていたと思います


そして、ホラーとしての描写も面白くて
映像でも映画の中に引き込まれていきます

整形水を使って変化する体も
なかなか気持ち悪い見せ方をしてますよね

顔だけ綺麗になって体は太ってるのとか
笑ってしまいそうになる反面
気持ち悪さもすごく感じる
体の肉を削ぎ落としていく描写も気持ち悪い

整形水に浸かりすぎて体が溶ける場面は
日本のホラー漫画的な味わいがあって
とても好きでした


ホラー展開に関しては
ちゃんと怖いしオチも良かったと思います
ホラーらしいバッドエンドでしたし

狂気を感じる場面が多くてゾクゾクさせられました

 

個人的に好きな描写が多くて
普通に面白い映画だとは思いましたが
若干、気になる点もあって
そこが思いのほか引っ掛かってしまいました

中でも特に引っ掛かったのは
終盤の展開がなんかズレてるように思うんですよね

サイコホラーとしては
なかなか面白い展開だとは思うんですけど
本作のテーマから考えるとちょっと違うと言うか…

美しさを追い求めることを疑問視した作品なのに
終盤は暴走したサイコパスの怖さだけの映画になってしまってるんですよ

ヤバい奴に主人公が取り込まれて終わり
みたいな…
さっきまでのテーマはどこ行ったんだろ?
って方向に進んでいく


やっぱり
イェジの性格の悪さ故にしっぺ返しを食らうとか
美しさを追い求めすぎて破滅に向かうとか
自業自得で痛い目を見る展開のほうがテーマも深く掘り下げれたでしょうし
絶対にそっち方面に進むべきだったと思う

イェジの体が溶けてしまって
その後に整形水の売人を殺す展開はすごく良かったんですけどね
そこから話が広がっていかなかったのはもったいない

そこで一旦話が終わって
別の話にシフトしてしまった感じがします

イェジの愚かな行動の延長線上で
ジフンとの関係性や最後の展開があるのなら
また違った印象にもなっていたかもしれない


よく考えると
最後のほうはあまり整形水関係ないな
と思ってしまいました

ジフンの正体は今までとはあまり関係がない突拍子の無さを感じたし

ジフンの体のやつは
整形水を使って体に移植してるんだろうけど
整形水がただの便利道具扱いですから

本来の整形水のヤバさみたいなのが薄れてしまってる

 

あと、アニメ映像ですけど
ちょっとクオリティが低いですかね

手描き風の3Dアニメなんですけども
ちょっと動きが不自然だったりします
それが気味悪さに繋がっていると言えば繋がってるとも思いますけども
狙ってのことではないだろうし

漫画みたいな放射線を使ってたり
少しチープさも感じてしまう

他のアニメ映画に比べると
少しレベルが下なのは否めないです

3Dよりも2Dの手描きアニメのほうが
もっと雰囲気が出たんじゃないでしょうか

まあ、予算や時間のことを考えると
3Dアニメのほうが効率がいいのかもしれませんが

 

少し気になる点もありましたが
総合的には楽しめる映画ではありました

韓国映画らしいスリリングさと
韓国だからこそのテーマは
新鮮で興味深い内容かと思います

人間は見た目より内面を磨くことが大事ですね

 

 

映画「シャン・チー テン・リングスの伝説」感想 アメコミとカンフーの融合が楽しい

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どうもきいつです

アクション映画「シャン・チー テン・リングスの伝説」観ました

「アベンジャーズ」シリーズのマーベル・スタジオによる
新たなヒーローを描いたアクション大作
自分の本当の力を隠してきたシャン・チーが
悪の組織を率いる父親の計画に巻き込まれていく

「黒い司法 0%からの奇跡」などのデスティン・ダニエル・クレットンが監督を務め
主人公シャン・チーを演じるのはシム・リウです

 

あらすじ
犯罪組織テン・リングスを率いる父親に鍛え上げられたシャン・チーは
父の後継者となる運命から逃げだし
サンフランシスコで平凡なホテルマンのショーンとして暮らしていた
しかし、父からの刺客に追われ
捨てた過去に向き合うことを余儀なくされる

 

感想
アメコミらしいブッ飛んだ世界観とカンフーアクションの組み合わせが面白い
ヒーロー誕生譚としてはなかなか良かったと思う
ただ、普通すぎるストーリーと終盤の大味なアクションはマイナスかも

 

MCUの新作ということで観てきました

正直、最近はMCU作品には飽きを感じてましたが
カンフーっぽい雰囲気に惹かれました


ストーリーに関してはいつものマーベルって感じです
そんなにひねった内容でもなく
いつものヒーローアクション

新キャラが主人公ということで
ヒーローの誕生譚になっています
これもいつものやつですね

ある意味安定した王道路線で
ファンならそこそこ満足できる映画かと思います

このシリーズはクロスオーバーは当たり前で
本作もそれ前提の作品
今までのキャラが登場するので
知らない人は少しついてけないですかね…

とは言え
そんな要素もおまけ程度ではあるので
1つの作品として成り立っています
初めて見る作品が本作でも意味のわからない映画にはなっていない

個人的にもそれなりに楽しめた映画でした

 

本作を観て僕が魅力的に感じたのは
MCUらしい世界観とカンフーアクションの融合
これは観ていて楽しかった

MCUの魅力と言えば
派手なヒーローアクションやブッ飛んだ世界観
本作でもそんな部分は存分に味わえます


特に終盤の覚醒したシャン・チーは反則じみた強さで最高です

こんな反則じみた強さを見せられると
今後の展開やクロスオーバーを期待せざるを得ない

他のヒーローたちとの共闘にも期待が膨らみます

で、マーベルヒーローらしい派手な強さと
カンフーの肉弾戦が上手くマッチしていて
アクションシーンはテンションを上げられます

序盤のバスでの戦闘シーンも面白いです
シャン・チーは王道のカンフーな戦闘スタイルだけど
戦う場所が暴走するバスの中だったり
敵がハイテク武器を使っていたりだとか
アメコミらしい派手なアクションにもなっている


それに冒頭からアクションの出し惜しみがないので
早い段階からテンション高めで観れます

マーベル映画はアクション中心にしてくれれば
細かいところは気にせずに観れるので
本作のバランスは良かったと思います

とんでもない設定とか強すぎるキャラとか
気にしだすときりがないけど
とにかく戦ってくれさえすれば余計なことは考えずにすむ

ビルでの戦いもカッコ良かったし
映える映像が多かった印象


それと、シャン・チー以外にも
父親、母親、妹などの戦闘スタイルに個性があって
肉弾戦は観ていて本当に楽しかった

あり得ない不自然な動きか多いけど
それはそれで割りきって
マーベル風カンフーアクションとして見れば面白いと思います


あと、登場人物もみんな魅力的でした

シャン・チーはヒーローとしてしっかり描かれていましたね

やってることは毎度お馴染みのことではあるし
テーマの家族は「ブラック・ウィドウ」と被る部分はあるけども

テーマの家族に関しては
「ブラック・ウィドウ」より深く描かれていたと思う
そのテーマがヒーローの強さや誕生譚にも繋がっていて
熱いストーリーになってましたしね

本作が面白いのは
まともな母親とどうしようもない父親の両方の意志と強さを受け継ぐというところ

偉大な人や心優しい人の意志を受け継ぐパターンはよくあるけど
本作はほぼ悪人の父親からも意志と力を受け継ぎヒーローとして完成する

そこが家族というテーマにもハマってるし
熱い展開にもなっています

父親は悪人ではあるけど憎めない人でもあって
すごく魅力的なキャラになっています
正直、主人公より魅力があるかも


それと、本作のヒロインであるケイティ
彼女はめっちゃいいキャラしてましたね
彼女の存在がこの映画を引っ張っていました

ヒロインだけどいつもベラベラ喋っていて
その上、声が特徴的なのであまり可愛く見えないんですけども
そこが面白いと言うか

で、たまに可愛い顔を見せたりするので
そのギャップも良かった

ムードメーカーでコミカルなシーンでは生き生きしてるし
暗い主人公の心の支えになってたりもして
1人でいろんな役割を担っていましたね

ケイティがいなければ
この映画は普通すぎて地味な映画になっていたかもしれない

 

まあ、それなりに面白い映画ではあったけど
微妙なところもありました

1番気になったのは中盤以降のテンポの悪さ
シャン・チーたちが父親に捕まったくらいからダレてきます

序盤はアクションの出し惜しみなく
次々にアクションが繰り広げられるテンポの良さがあったんですけど

中盤くらいから
説明シーンや回想シーンが多くなって
ちょっと退屈

説明や回想も同じようなことを繰り返してましたし
くどさも少し感じました


そこから終盤が盛り上がるのかと思いきや
終盤の盛り上がりもいまいちでしたね

熱い展開やアクションが用意されてはいるけど
なんか大味で雑な印象でした

派手なシーンとかは多いんですけど
アクションが大雑把なんですよね…

序盤で見せてくれた肉弾戦のカンフーアクションは少なく
ほぼ怪獣バトルみたいな映画になってました

それはそれで悪くはないけど
やっぱり肉弾戦が見たいんですよ

怪獣バトルになってからはごちゃごちゃして
少し見づらかったりもしたし
なんかもったいないなと思う

戦う舞台もだだっ広い大自然なだけなので
映像的にも面白味がありませんでした

それにCGもちょっと微妙で
龍とか幻想の動物たちが明らかにCGでしたよね
もう少しリアルにできなかったのかな…


ニューヨークの街中でのド派手バトル
みたいなのは今後に取ってあるのかな
とは思いますけど

マーベルヒーローはいつもそのパターンですしね


あと、父親の過去や母親についての描写は多かったんですけど
シャン・チーの思いや過去があまり描かれてなかったですね

だから少し感情移入しづらかった
なんとなくは理解できるけど
深いところまではわからなかったです

父親から逃げ出して現在に至るまでが
完全に空白になってましたし

もしかしたら続編とかで描かれるんですかね
そのために残しているのかも

 

MCUを追ってる人なら満足できる内容じゃないでしょうか
シリーズに興味がない人は
わざわざ本作を観る必要はないかもしれない

個人的には
今後の続編やクロスオーバーに期待できるほどの出来だったと思います

次の作品ではよりブッ飛びカンフーアクションを見せてほしい

 


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