何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「必殺!恐竜神父」感想 テロップで大きく“中国”と表記すればそこはもはや“中国”

 


どうもきいつです


コメディー映画「必殺!恐竜神父」観ました

恐竜神父と娼婦の学生が中国の忍者と戦う映画
監督はブレダイン・スキアーです

 

あらすじ
神父のダグは自動車の爆発事故で両親を失う
先輩神父のすすめで旅に出る彼だったが
訪れた中国で忍者に追われる謎の女性から牙の化石を受け取り
その牙の力で恐竜に姿を変えてしまう
そして、娼婦のキャロルと共に悪人退治を始めることに
そんな彼らの前にチャイニーズ・ニンジャ軍団が現れる

 

感想
完全なるZ級映画
これは真面目に観たら負け
もはや、ふざけ切ってるので笑えます
ツッコミどころだらけだけどツッコミ待ちの映画
好き

 

アマプラにおすすめされたので観てみました

観る前からB級映画なのは明らかで
実際に観てみると
B級どころかZ級
なかなかすごい映画でした


まずやはり
こういうタイプの映画は真面目に観たら負けですよね

所詮は低俗なクソ映画と見限っていれば
意外と面白いことに気付けたり
こんなタイプ映画だからこそに魅力を感じることができる

本作もまさしくそんな映画ですよね

クソ映画と一言で言ってしまえばそれで終わりだけど
この映画だからこその面白さは十分にありました

 

この映画は完全にふざけきっていて
そこが笑える映画
わざとクソ映画を作ってます

冒頭の主人公の両親が死ぬ場面で
この映画がどういう映画なのかが一目瞭然
こんなチープな映画を真面目に観るなよ
というメッセージです

設定にしろ演出にしろ映像にしろ
全てセンスがありません
いや、むしろセンスがある


いろいろ詰め込みすぎな設定も最高ですよね

神父の主人公が恐竜に変身し
娼婦のヒロインと共に復讐のため世直し
そして、中国の忍者軍団とバトル

全く噛み合っていなくて荒唐無稽
興奮しますね


ダサい演出もたまりません

無意味に映像を被らせたり
無意味に画面を分割していたり
ヒロインとのベッドシーンなんて最高にダサかった
ダサすぎてもはや斬新
挿入歌もダサい

わざとやってるのか真面目にやってこれなのか
この絶妙な感じに笑ってしまいます


無駄なシーンも多かった

主人公の師匠なのか先輩なのわからんけど
おじさん神父の唐突な回想とか
何のためにあったのか?

忍者軍団の無駄に高笑いを引っ張る場面とか無駄すぎる

基本的に無駄が多くてテンポが悪い
90分ほどの映画なのに長く感じる
これぞクソ映画


アクションシーンも最高

敵の忍者は全くキレがなく強さなんて微塵もない
ただの学生で娼婦のヒロインが複数の忍者を簡単に倒してしまいます
てか、この映画はヒロインが1番強い

恐竜はただ暴れてるだけ

 

あとはやっぱり狂気を感じます

主人公が弟を殺すシーンとか
弟は大して悪くないのに躊躇なく殺して
そして、その後の主人公の笑み
これはどういう気持ちなのか?

恐竜の造形もクレイジーです
言葉では表現できないあのフォルム
すごくかわいい

なによりも
こんな映画に
時間とお金と労力を費やしていることが1番の狂気ですよね
天晴れです


とにかくふざけ倒してます
アホみたいな映画でした


そして、この映画に感心したのは
テロップの扱いです

これは新しい発明ですよね
テロップの力ってこんなにも強大なんだと思い知らされた


明らかに欧米の森の中なんですけど
テロップで大きく“China”と表記することで
そこはもはや有無を言わさず中国

絶対に中国じゃないけど中国
ツッコむことすら野暮
中国は東にある


終盤のヒロインが生きてたのも
なんで生きてるんだよと思う前に
“she is fine”のテロップ

彼女は元気と言われれば
有無を言わさず彼女は元気なんですよ
明らかに死んでても元気なんです
彼女は元気なんだから


それが言葉の力
文字の力です
文字がでかければでかいほど説得力がある(ない)

 

誰がなんと言おうと完全なクソ映画なんですけど
この映画が面白い理由って
結局は楽しんで作ってるからなんだと思います

無駄が多いしテンポは悪いし
設定はめちゃくちゃ
すごくダサい
全てにおいてチープな映画

でも、この映画を視ていると楽しくなってくる

その理由は
監督にしろ出演者にしろ
みんな楽しんでるんだろうな
というのが伝わってくるから

楽しんで作っていれば
観ているほうも楽しくなる
大量のツッコミどころにも微笑ましさを感じます

エンターテイメントの根本はこういう事だと思う

大金をかけた大作映画だろうと
複雑な伏線を張り巡らした完成度の高い映画だろうと
根本にあるのは楽しんで映画を作るということ

しかし、みんなそれを忘れて
お金のためや期待のために作品を作ってしまうようになる


本作を観ると
いくらショボかろうがつまらなかろうが
楽しみながら映画を作ってさえいれば
観ているほうもなんかわからんけど楽しくなるんだということを
あらためて感じることができました

結局、映画を面白くする1番の方法は
楽しんで映画を作ることなのかもしれません

 

本作はクソZ級映画なのは間違いないです
でも、そんなクソ映画を楽しんで作っているのはひしひしと伝わってくる

こういう映画を観ると心が癒される
元気になれる

ただ、おすすめはしない

 

 

映画「TITANE チタン」感想 発想が変態 そして愛

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どうもきいつです


スリラー映画「TITANE チタン」観ました

頭にチタンを埋め込まれた女性がたどる数奇な運命を描いた異色のスリラー
第47回カンヌ国際映画でパルムドールに輝いたフランスの作品です

監督は「RAW 少女のめざめ」のジュリア・デュクルノーが務めています

 

あらすじ
幼い頃に交通事故に遭ったアレクシアは手術により頭部にチタンプレートを埋め込まれた
それ以降、彼女は車に対し異常な執着心を示し
危険な衝動を押さえきれなくなる
やがて、自身の犯した罪により行き場を失ったアレクシアは
消防士のヴィンセントと出会うのだった

 

感想
発想が常軌を逸している
マジで変態映画
あまりのブッ飛んだ内容に主人公に感情移入すらできないけど
何故か引き込まれてしまう魅力もある
どこか不思議な映画でした

 

前から気になっていたので観に行ってきました

独特な映画だという情報はありましたけど
実際に観てみると想像以上でしたね
とんだ変態映画でした

本作はグロいと言うか痛々しい場面も多く
その上、なんかよくわからない映画でもあるので観る人を選ぶかな
という印象

無理な人は絶対この映画が無理ですかね

面白いのかどうかと言うと
それもちょっとわからない

なんかすごい映画だとは思えますが…

とにかく変な映画

 

まずは
やっぱり設定がブッ飛んでますよね

主人公のアレクシアが妊娠するわけですけど
原因が車とヤっちゃったからという

よくもまあそんな発想できるよね
と、感心してしまう

しかも、そのブッ飛んだ発想をちゃんと映像として表現してししまってるし
ビジュアル的にもインパクトは半端ない

前半のアレクシアの暴走っぷりもなかなかイカれてて衝撃的でしたしね


後半になってからの
主人公アレクシアと消防士のヴィンセントの関係性にしてもとても奇妙で

この2人を軸に愛を描いてるわけだけど
こんな愛があるんだと
新しい世界を見せられたような気がする


正直言って意味わからないんですけど
この常軌を逸した世界観に引き込まれてしまったのは否めない

 

それと、この映画の特徴と言えば
痛さですね

観てるだけで痛くなる場面がかなり多いです
直接的なグロい映像なんかはあまりないのに
痛くて目を背けたくなるシーンが多い

人を殺すシーンは基本的にめちゃくちゃ痛いし
乳首を噛むのとか洗面台で鼻を折るとか
些細な場面でも痛さを出してくる

それにしても痛さの表現が上手い
観てるだけでもちゃんと痛いですからね

この表現に拒否感を覚える人も多いでしょうし
この“痛さ”が利点なのかどうかはわからないけど
こういう体験も映画体験の1つと言えると思う

 

そして、本作が面白いのは
前半と後半との作風の違いです

前半と後半では180度作風が変わる
その対比が本作のテーマにも繋がっていると思います

前半はかなりテンポがよく
バイオレンススリラーって感じで
刺激的な場面も多く観ていてどんどん乗っていける
低俗なホラー映画を観ている感覚

主人公が次々に多様な方法で人を殺していき
音楽もノリノリだったりで
軽い気持ちで楽しめるスラッシャー映画のような作風です


一方、後半になるとかなりスローテンポで
前半のような刺激的なシーンも少なくなります

その代わりに人間ドラマが中心で
繊細な感情の変化などを言葉でなく映像で表現しています
どこか上品さすら感じれる

後半は上質なヒューマンドラマを観ているような感覚なんですよね
前半に比べると重さもある

この前半と後半の対比が
愛というテーマを際立たせていると思います


前半は無機質な金属のような冷たさを感じ
後半は有機的な生命の暖かさのようなものを感じれます
アレクシアを中心にその変化を見せることで
愛の素晴らしさを表現している


前半のアレクシアは
愛を与えることも与えられることもなく
ただただ人を傷つけて生きていく
他人も自分も傷つけていきます


後半になると消防士のヴィンセントが現れ
そこからアレクシアの運命も変わっていく

ヴィンセントはアレクシアを自分の息子だと信じ無償の愛を与え続けていくわけです
てか、息子でなくても愛そうとする決意すら感じれる

実際にアレクシアが何者であろうが最後まで愛し続けます

そんなヴィンセントの姿に感化され
成り行きではあるけど消防士として人を救い生かすことで
アレクシアも少しずつ変化していきます

そして、アレクシアの中にも子供に対する無償の愛が生まれていく

最終的には
こんな異形な世界の中で
異形な人間を無償の愛で包み込む

そこには光と暖かさが溢れていて
愛の素晴らしさをこれでもかと突き付けられます

すごく変な映画で意味不明でもあるけど
映画を観終わったときには
愛の素晴らしさを確信できる

 

まあ、いろいろ御託を並べたけど
結局、この映画って
最初から最後まで予測不能と言うか…

全然こちらが思った通りには進んでいかない
そこがこの映画の面白さかなと思います

本作はやっぱり斬新で
今までで見たことないようなものをたくさん見せつけられた

変態的な発想や表現に引き込まれ
最後には愛の素晴らしさに感動できてしまう

なにこの変な映画


全てが想像の斜め上でしたね
だからこそすごいものを観たという気持ちになれる


それに映画としての演出も上手かったですよね
めちゃくちゃなクレイジーな映画の反面
見せ方はちゃんとしてる

観客の気持ちの煽りかたなんてお手本のようだし
音楽の使い方もしっかりしてる

人間ドラマの繊細な表現なんかも
言葉なく感情が伝わってきましたし

ただ奇抜なだけでなく
ちゃんとしてるところはちゃんとしてる

そこが賞を取るにあたった所以だと思います

 

あと、1つ思ったのが
妊娠を散々引っ張ったわりに
生まれてきた赤ちゃんがまあまあ普通でした
それがちょっと拍子抜けでしたかね…

あれだけ引っ張ったら
もっとすごいのが生まれてくると期待してしまうのが人間の性

まあ、些細なことですけどね

 

なかなか変な映画で
エンタメ的な面白さはあまりありません

でも、興味深い映画なのは間違いなくて
観て損はなかったと思います

自分の中には存在しない新しい世界を見ることができた

 


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映画「モービウス」感想 ヴィランの無駄遣い

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どうもきいつです


アメコミアクション映画「モービウス」観ました

スパイダーマンの敵として登場するモービウスを主人公にしたアクション映画
血液の難病を治療した結果
コウモリの能力を得たモービウスの葛藤と戦いが描かれます

監督は「ライフ」などのダニエル・エスピノーサ
主演を務めるのはジャレッド・レトです

 

あらすじ
幼い頃から血液の難病を患っている天才医師マイケル・モービウスは
同じ病で苦しむマイロを救うためにも
日々、治療の研究に明け暮れていた
一刻でも早く治療法を確立したい彼は
コウモリの血清を投与する危険な治療法を
自らを実験台に試みる
その結果、病気は回復し超人的な能力を手に入れると同時に
人間の血液を激しく欲して凶暴化してしまうのだった

 

感想
アクション映画としてはそれなりに楽しめるとは思う
ただ、ありがちなアメコミ映画で新鮮味は全くないです
ストーリーも薄っぺらい
ヴィランが主人公である必要もないし
スパイダーマンの敵キャラが無駄に1人消費されてしまいましたね

 

スパイダーマンのスピンオフということで観てきました

個人的に「ヴェノム」シリーズはハマらず
それもあって本作にもさほど期待は抱いていませんでした

期待値が低かったからか
思ったよりは楽しめたと思います

結構、酷評されてたりもするけど
僕はそこまでつまらないとは思いませんでした

ただ、言いたいことはたくさんあるし
この映画が素晴らしい作品だったかと言えば
全然素晴らしい作品ではない

 

まずは良かったところの話をすると

シンプルでわかりやすいアクション映画なので
とても観やすい作品ではあります
上映時間も短めですし
軽い気持ちで楽しめる

複雑な要素も全くなく
ヒーロー映画としてもかなり王道
アクションシーンはなんか派手でカッコいい

何も考えず頭カラッポで観るのがちょうどいい


僕はこんな中身の無いアクション映画は嫌いじゃないので
普通に楽しむことができましたね

スピード感のあるアクションはテンション上がりましたし

主演のジャレッド・レトも良かったです
モービウスを魅力的なキャラに見せることができていました

 

褒めるのはここまでで
ここからは否定的な話になります

さっき褒めた部分は長所であり短所でもあります

簡単に言ってしまえば
この映画はありがち過ぎて面白味はありません
個性が全くない映画です

確かにつまらなくはないんですが
他にも同じような映画は五万とあるし
この映画より質の高いアクション映画も山ほどある

正直、やってることは過去のアメコミ映画の焼き増しで
今さらこれするの?
って感じの内容なのは否めません

この映画
設定が違うだけでほぼスパイダーマンだし


本作のようなアメコミヒーローものなんて
過去にやりつくされていて
今やそこから先が求められているわけですよ

だから「アベンジャーズ」のようなヒーロー大集合映画が作られたり
「ザ・バットマン」みたいなサスペンス中心の映画が作られたり
「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」みたいなシリーズの壁をぶち壊す映画が作られたり

アメコミ映画はより新しいものを作り出すため
挑戦的な作品も多くなっている


それに対して本作は周回遅れ甚だしいですよね
何周遅れだよ
って映画です
10年以上前くらいの古臭さを感じてしまう

アクションシーンに関しても
スピード感や派手さはあってカッコよくはあるけど
斬新さは全くなくて
こんなの見たことあるなってアクションの連続でした

 

それと、ストーリーの薄っぺらさも気になる映画でした

人物描写なんかも本当に弱くて
主要人物3人にすら感情移入できない始末

モービウスの意思や原動力もなんか曖昧でしたよね
何を思って行動してるのか伝わってこない

ジャレッド・レトの演技力や存在感のおかげでモービウスが魅力的には見えてるけど
それはモービウスの魅力ではなくジャレッド・レトの魅力でしかないですし
役者の能力に頼りすぎだと思う


モービウスと敵のマイロにしたって
同じ境遇と能力を持ち対立する関係性ではあるけど
この2人が対比になっているのかと言うと
かなり微妙で

何故モービウスには良心が残りマイロは悪に飲み込まれてしまうのか
という両者の違いなどは描かれず
なんとなく2人を戦わしてるだけ

モービウスとヒロインの関係性も描写が中途半端なので
終盤の展開はドラマチックで切なくなりそうなのに
ドラマチックの欠片もない
出来事は重いのにめちゃくちゃあっさり流れていく


あまりにも薄っぺらい物語なので
ストーリーが記憶に残らないですよね

 

で、本作「モービウス」や
同じスパイダーマンのヴィランを主役にした「ヴェノム」なんかを観て思うのが
ヴィランを主役にする意味無いじゃん
ってことなんですよ

これは今まで何度も言ってることではありますけど…


本作の場合も
ただのアメコミヒーロー映画なんです
もはやダークヒーローですらない

例えば
モービウスは序盤に人を殺してしまいますが
殺されたのは悪人だからとモービウスはお咎めなし
殺された善良な人はモービウスではなく敵のマイロが殺していて良かったね
って…

善悪で人の命の重さを決めてることに倫理的にどうなの?
と思う部分もあるけど

単純に
せっかくヴィランを主役にするのなら
善良な人間が悪に呑まれていく姿を描くとか
人を殺した罪に葛藤するとか
そういうダークな映画にするべきだと思うんですよ

単に主人公のモービウスが善で敵のマイロが悪
みたいな勧善懲悪…
ヴィランを主役にしてやることじゃないでしょ


なのに「モービウス」にしろ「ヴェノム」にしろ
ただのアメコミヒーロー映画を作っちゃってる現状


DCの「ジョーカー」はヴィランを掘り下げた
とてもダークなドラマ映画になっていたし
「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」はヴィランだからこそのポップなアクション映画に仕上がっていたわけです

一方、スパイダーマンのスピンオフ映画は
ヴィランを扱っているにも関わらず
周回遅れのアメコミヒーロー映画を撮っている

アメコミ映画が飽和してる時代に
こんな普通のヒーロー映画を撮ってる場合かよ

ヴィランを主役に扱うという点でも
この映画は相当遅れていますよね


「モービウス」を観て感じたのは
おそらく、スパイダーマンのヴィランを使って普通のヒーロー映画を作る
というのがソニー・ピクチャーズの方針なんでしょう

MCUの「アベンジャーズ」シリーズてマーベルが盛り上がり
「スパイダーマン」シリーズもヒットする中
ソニー・ピクチャーズがそれに便乗するために目をつけたのがスパイダーマンのヴィラン

同じマーベルのアメコミ映画を作るにも
手札はスパイダーマンしかないわけですからね

スパイダーマンのヴィランを使って
MCUの真似事をしてるって感じだと思う

ただ、これって
結局は自分の首を絞めてるだけで

原作ファンはヒーローみたいなヴィランなんて求めてないだろうし
例えスパイダーマンとクロスオーバーするにしたって
ヒーローみたいなヴィランだと全然盛り上がらないでしょ

ヴェノムなら凶悪なキャラとして徹底するとか
モービウスなら完全な悪でないにしても危うい存在として描いていれば
もし、スパイダーマンに登場したとしても
ヴィランとして存在感が際立つと思うんですよ

中途半端にヴィランをヒーロー映画の主役に使ってしまってるせいで
せっかくの魅力的なスパイダーマンのヴィランを無駄に消費してしまってる現状


無駄にヒーローっぽくヴィランを消費するくらいなら
スパイダーマンに倒される前提で
ヴィラン主役の邪悪な映画を作るとかのほうが面白いと思うんですけどね

そういうスタイルのクロスオーバーってまだないですし
新しいと思うんですけども

 

斬新なアメコミ映画が求められる時代に
本作のやってることはあまりにも古臭いですかね

ヴィランである必要のない映画だし
マルチバースの出し方もダサかったし

このモービウスがスパイダーマンに絡んでくれば
評価の高いスパイダーマンの価値も下げかねない

安易なヴィラン主役の映画はやめてほしい
やるならもっと新しくてクオリティの高い映画にしてくれ

 


モービウス

 

 

映画「アンビュランス」感想 救急車が暴走してるだけなのにエンターテイメント

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どうもきいつです


アクション映画「アンビュランス」観ました

強盗を働いた男たちが瀕死の警官を乗せた救急車で逃走を繰り広げるクライムカーアクション

監督は「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ
出演するのはジェイク・ギレンホール、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世などです

 

あらすじ
妻の手術費用を用意するため
元軍人のウィルは血の繋がらない兄ダニーに助けを求める
すると、犯罪に手を染めるダニーは3200万ドルの大金を奪う銀行強盗を持ちかけ実行することとなるが
当初の予定通りには行かず2人は警察に追われてしまう
2人は追い詰められ救急車をジャックするが
そこにはウィルに撃たれた瀕死の警察官と救命士が乗っていた

 

感想
ひたすら救急車で暴走してるだけの逃走劇
2時間以上もあるけれど
最後までハラハラドキドキと楽しめました
すごく大味なアクション映画だったけど
こういうのは好き

 

マイケル・ベイの新作映画ということで観てきました

そこまで過度な期待はしてなかったんですけど
思ったより面白かった
マイケル・ベイの良いところが炸裂していたような映画でしたね

 

すごくシンプルなストーリーで
アクションに関しても奇抜なわけでなくシンプルなんですけど
上映時間が136分
2時間以上となかなか長めの映画です

しかし、最後まで飽きずに楽しんで観ることができた
しょうもない映画のはずなのに
なんかすごく楽しかった


本作はとても詰め込みまくってる映画ではあるけど
そのごちゃごちゃ感も楽しいと言うか

いろいろと詰め込みまくってるんですが
別に複雑になってるわけでもなく
頭を使わなくても全然ストーリーを理解できます

いろんな展開が用意されてるから
長時間の映画だけど飽きないですしね


ストーリーは本当に単純で
警察に追われる強盗が救急車で逃走するだけです

それだけで2時間以上を持たしてしまうのもなかなかすごい

それができてしまうのはマイケル・ベイだからなのかな
とかも思ったりします

正直、雑な映画だとは思います
ツッコミどころもそれなりに多いし

ただ、そんな雑さを含め
楽しませることに徹底した映画ですよね

ストーリーにしろアクションにしろ
これぞエンターテイメントです


ストーリーは大雑把な感じにはなってるけど
次々と展開していくので
最後まで緊張感があって
終始ハラハラドキドキさせられる

まず、やっぱり本題に入るのがとても早い
そこが良い

長い前置きなんて全くなく
軽くウィルのバックボーンやダニーとの関係性を見せて
すぐに銀行強盗が始まります

この銀行強盗の場面も早速ド派手で
みんな強引に大暴れ
銃撃戦がヤバいです
これだけで一本の映画の満足度はありました

てか、こいつら何故こんな雑な強盗が成功すると思ってた?


強盗が失敗すると
ここからがメインの救急車での逃走劇
ここからは最後までひたすらカーチェイスが続きます

はじめは主人公たちと救命士のキャムとな駆け引きがメインで
これがなかなか緊張感ある
瀕死の警察官がいるのも良いエッセンスです

ウィルとダニーは如何にして警察を撒くか
キャムは如何にして患者を救い逃げるか
このせめぎ合いが楽しいです


ただ、これがずっと続くわけではなく
そろそろこの展開飽きてきたな…
って頃に

次は死にかけの警察官を救うため協力する
という展開に移り変わる

ここからは医療ドラマみたいになるんですよ
これがまた面白い

時速100キロで走る救急車の中で
医者でもないキャムとただの元軍人でしかないウィルが
リモートで医者の指示に従って手術するという
なにこれ?
って展開

ここも緊張感がピリピリで最高に楽しいんですよね

手術が成功すると
今度は協力関係にあるマフィアが絡んできて
ゴタゴタしてくる
これはこれでまた面白い

終盤になると兄弟愛や命の大切さなと感動物語も怒濤に押し寄せて
これでもかと詰め込みまくってくる

終始、警察たちが有能なのか無能なのかわからんのもたまらん

雑で大雑把にとにかくいろんな要素を詰め込んでるけど
結果的になんかいい感じの面白さになってる

整合性なんてクソ喰らえ
ってほどの勢いが
この映画の最大の長所で面白さだと思います

 

それと、やっぱりこの映画の面白さの要因はアクションですよね
これが最高に楽しめました

物語が目まぐるしく展開していくと同時に
ひたすらアクションも見せてくれる

ド派手な銃撃戦はもちろん
ハイスピードのカーチェイス
ぶっ壊れる車たち
大爆発も当然ある
人も死にまくる

たまりませんよね

無駄なくらい
ひたすらアクションもやってました


あと、カメラワークも良かったです
ドローンを駆使した縦横無尽なカメラワークが
この映画の作風にはピッタリ

全体的に映像は凝っていて
スピード感や勢いを感じるものが多かったです

大雑把なストーリーやド派手なアクションが生きるような映像は
マイケル・ベイだからこそかもしれません

 

ジェイク・ギレンホールも最高でした
やっぱりヤバい奴が似合いますよね

こんなジェイク・ギレンホールさえ見れれば満足だったりもする
この映画でも一番存在感がありましたし

ジェイク・ギレンホールが大暴れで
それもこの映画が最高な要因のひとつ

 

この映画から学べるものなんて何もない
あるのはただ楽しかったという記憶だけ

ストーリーでハラハラドキドキ楽しめ
アクションでもハラハラドキドキと楽しめる
バイオレンスだしド派手で興奮するし
最後には感動もさせられるし

無理やり全部を詰め込んだこの映画は
最高のエンターテイメント

 


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映画「ナイトメア・アリー」感想 まさに悪夢

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どうもきいつです


サスペンス映画「ナイトメア・アリー」観ました
1946年に出版された小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」を原作にしたサスペンススリラー
ショービジネス界での成功を目指す野心家の男の運命が描かれます

監督は「シェイプ・オブ・ウォーター」などのギレルモ・デル・トロ
主演を務めるのは「アメリカン・スナイパー」などのブラッドリー・クーパーです

 

あらすじ
1939年
カーニバルを訪れたスタントンは
その怪しげなカーニバルの一座のメンバーとして働くこととなる
そこで読心術を学んだスタントンは
人を惹き付ける才能とカリスマ性で人気興行師になる
そして、彼は一座を離れて活動を始めるが
思いがけない運命が待ち受けていたのだった

 

感想
主人公が登り詰めて堕ちていく様はまさに悪夢
その姿にハラハラさせられました
暗くジメジメとした陰湿な世界観に
不快さを感じつつもどんどん引き込まれていく

 

ギレルモ・デル・トロの最新作
ということで楽しみにして観に行ってきました

ギレルモ・デル・トロ作なので
多くの人がダークファンタジー的な映画を
期待していたり想像していたりはするでしょうが
ちょっとそういう作品ではありません

とは言え
ギレルモ・デル・トロらしさは存分に堪能できる作品でした

 

本作は傲慢な男の転落人生を描いた作品で
主人公は最低野郎だし
ラストはあまり後味がいいとは言えないし

全体的にネガティブな印象の映画ではあるけど
普通に面白いなと思える映画でもあって
絶妙な味わいのある作品だと思います

ダークファンタジーを求めていた人なら
思ってたのと違う
となるでしょうけど
それでも本作に面白さを感じることはできると思います

 

まず、やっぱりストーリーは面白い

特に捻ったような物語ではなく
先の展開なんかも容易に予測できる内容なんですけど
この映画はまさしくジェットコースターですよね

本当に絵に描いたようなジェットコースター映画で
男が登り詰めて一気に転落していくストーリーなわけです

その転落人生には
もはや気持ち良さすら感じてしまう


前半部分は少しゆったり物語が進んでいきます
スタントンがカーニバルの中で様々な人と交流を深めたり
モリーと出会い恋に落ちたり

カーニバル自体に闇の部分が見え隠れしつつも
そんな陰湿な環境の中に暖かさも感じれるような

ここまでは転落人生とはほど遠いようにも感じます


ただ、スタントンとモリーがカーニバルがら出てからは
物語が加速していきます

外の世界で成功し成功したスタントンですが
ここからは傲慢な男が傲慢が故にドツボにはまっていく

転落しだしてからは
もはやスタントンが可哀想にも思えてしまいが
正直
めっちゃ面白いんですよね

やっぱりハラハラドキドキするんですよ

スタントンがやってることは完全に詐欺なわけで
更に金や名誉のため周りの助言には聞く耳持たず
どんどんと勝手に突っ走っていきます

この危うさが緊張感を生み出して
観ている側もどんどんと引き込まれていく

終盤の
絶対に騙しちゃダメなヤバいおっさんとのやり取りなんて
恐怖すら感じてしまうと言うか
ピリピリとした緊張感にゾクゾクさせられる

スタントンと精神科医のリリスとの関係性もとても不安定で
そこに不安な気持ちを煽られる
そしてなんかすごくエロい


終盤になると瞬く間にスタントンは真っ逆さまに堕ちていって
その過程のスピード感と勢いが気持ち良いほど

1人の人間が崩れ落ちていく様なのに
ここがめちゃくちゃ面白いと思わされるんですよね

完全に堕ちきってからのラストシーンも素晴らしい
最後のスタントンの笑いには何とも言えない気持ちにさせられます

この結末は因果応報の自業自得ではあるけど
どこか寂しさや切なさも感じてしまう
なんかちょっと可哀想と言うか…

かと言って
こいつが成功して終わっても納得いかないし
やってきたことから考えれば
こうなることは当然の報いだという気持ちもある

そして、このラストシーンを観ると
やっぱりこの映画は面白かったな思わされる

まさしく悪夢のようなスタントンの転落人生は
もはやアトラクションで
楽しいとさえ思ってしまいましたよね

 

それと、ストーリーだけでなくスタントンという人間も面白い

結果的に最低な男には間違いないけど
何故か嫌いにはなれない
とても魅力を感じる主人公です

これはブラッドリー・クーパーの存在感や演技もあるだろうけど
スタントンの繊細な描写に
最低な人間だけどどこか感情移入もできてしまうキャラクターに仕上がっています

詐欺師で人を騙し金を儲け
より多くを求め高みを目指す強欲さ
人の優しさを蔑ろにして突き進む傲慢さ
人として最低だと思わされる人物だけど

所々に後悔、優しさ、暖かさ、弱さ、夢や希望など
共感できたり好きになれるような部分が垣間見れます

スタントンの最低な部分すらもやはり人間らしさであって
最低と思いつつも共感できたりもしてしまいますしね

最低だと思いつつも
スタントンのことをどこか好きにもなってしまっています


そんな細かい彼の人物描写があるからこそ
彼の転落人生を共に感じることができる

よりこの映画に入り込むことができて
ジェットコースターのような転落人生を楽しむことができるんです

 

あと、やっぱりギレルモ・デル・トロらしさもたっぷり堪能できます
本作の悪夢のような世界観は彼だからこそ出せたんじゃないでしょうか

「シェイプ・オブ・ウォーター」や「パンズ・ラビリンス」のような
あからさまなファンタジー描写が本作には全然ありません

それでも
この世界は夢の中の世界なのかな?
と思わされるような雰囲気は作り出されています

カーニバルの雰囲気なんかも
どこか現実離れしてるように思えるし
ちょっと不思議な空気感はありますよね
カーニバルの造形なども独特で
夢の世界を感じさせられる

それに全体的にジメジメとした湿度を感じる映画でもあって
そこには現実と違う悪夢のようなものを感じさせられたりもします

ジメジメの表現も
臭いすら感じてしまいそうなほどの嫌なジメジメだったし


何よりも面白いと思わされたのは
冒頭のスタントンが家を燃やしてからバスで揺られている場面と
ラスト付近のひげ面になったスタントンが目を覚ます場面

この2つの部面があるからこそ
この間のことは全て夢だったのかな
と思わされる

この映画が全て悪夢だったかのように感じさせられます

こういう表現は「シェイプ・オブ・ウォーター」や「パンズ・ラビリンス」と通じるものがありますよね

 

悪夢のようなスタントンの人生には
最後まで飽きずにハラハラと楽しむことができました

人間の転落人生を楽しむって性格が悪いようにも思うけど
でも、この映画はアトラクションのように楽しめてしまう
面白い作風の映画だったと思います

 


ナイトメア・アリー 悪夢小路 (海外文庫)

 

 

年々、仮面ライダーフォームチェンジの扱いが酷くなる一方

どうもきいつです


僕は特撮が好きで
仮面ライダーシリーズも好きなんですが
正直、ここ数年の仮面ライダーはなかなか酷くて
完全に熱が冷めました

現在放送中の「仮面ライダーリバイス」
これも一応観てましたが
観るのが億劫になりここ1ヶ月ほど録画したのが溜まってる状況

おそらくもう観ないでしょうね…
完全に見限りました


仮面ライダーがダメになった理由はたくさんあって
それを語り出すとかなり長くなる
なので、今回はその大きな原因の一つである
仮面ライダーのフォームチェンジについて語ります

 

今ではお約束になった仮面ライダーのフォームチェンジですが
その原点はやはり平成仮面ライダー1作目「仮面ライダークウガ」だと思います

昭和の仮面ライダーにも姿が変わったりパワーアップしたりと
フォームチェンジ的なものはありましたが
現在のフォームチェンジの原型は「仮面ライダークウガ」で間違いないと思う

その後、作品によってフォームチェンジが極端に少なかったり
逆に極端に多かったりと
形を変えながらもフォームチェンジは受け継がれていきます

そして、ディケイドまでの平成一期とW以降の平成二期で
フォームチェンジの扱いが大きく変わりました

一期ではフォームチェンジは多くて6種類くらい
一方、二期からは圧倒的に数が増えます
数えるのが面倒なくらい多いです

これの理由は明らかにおもちゃの販促で
フォームチェンジするためのアイテムが売れるから

特にオーズやフォーゼあたりで
フォームチェンジ用のアイテムが売れることに気付き
それに味をしめて現在もその流れが続いてるって感じですかね


そもそも、平成一期までのおもちゃは
変身ベルトを1つ買って終わりでした
まあ、武器とかも含めると種類はあるんですけど

で、二期以降になると
変身ベルト+αになります
この+αがフォームチェンジ用のアイテムです

フォームチェンジ用のアイテムの種類はかなり多いんですが
一つ一つはとても安い
ガチャガチャとかでもあります

だから、子供にねだられた親は
これくらいなら…と買ってくれますし
特撮オタクの大人たちは全部コンプリートしてくれたりもする

ガチャガチャだとダブりもあるでしょうし
これだけでもかなり儲かってるんじゃないでしょうか

これってビジネスとしては上手いやり方ですよね
経済的に潤うことで作品の向上に繋がれば
ファンとして嬉しいだけなんですが

実際は
このおもちゃの販促が作品に悪影響を及ぼしている状況です

最近の仮面ライダーは販促中心で明らかに作品の質は落ちている
販促中心が故に現在のフォームチェンジの無駄な乱発が作品をつまらなくしている原因なんですよね

 

ここからは
なぜ今の仮面ライダーのフォームチェンジが酷いかの話です


まずは良いフォームチェンジの例から挙げていきたいと思います

フォームチェンジの原点でもある「仮面ライダークウガ」
この作品はやはりフォームチェンジの扱いがすごく上手いですよね

基本の姿は赤色でパンチやキックなど仮面ライダーらしい戦闘スタイルですけども
色が変わることにより
武器、戦闘スタイル、能力が変化するわけです

青ならロッドを使い軽い身のこなしで闘い
緑はボウガンを使い神経を研ぎ澄まし遠距離の敵を狙う
紫は剣を使い鉄壁の防御力で攻撃を受けながらガンガン攻めていく

それぞれの姿に特性があり長所や短所も存在する
敵の闘いかたや能力に合わせてフォームチェンジを使いこなす
というのがクウガの戦闘の面白さでもありした

何よりもクウガのフォームチェンジが優れているのは
短所をしっかり描いているところ

ジャンプ力や素早さが上がる代わりに攻撃力が落ちる
神経が研ぎ澄まされるが故に長時間使えない
防御力が高いから早く動けない
破壊力が半端なくて簡単に使えない
みたいな

そこを物語に組み込んで面白く展開させたりしてるんですよね

そういう面でも「仮面ライダークウガ」はとても面白い作品なんです


次は「仮面ライダー電王」
この作品のフォームチェンジは根本的にクウガとそんなに違わない

色違いでそれぞれの武器や能力が違うという
クウガの二番煎じみたいにはなってるんですけど
そこに加わるのがキャラクター性

各フォームごとにキャラクターが設定されていて
フォームチェンジすれば性格も変わるというシステムです

それがあるからクウガとは違うフォームチェンジの面白さが引き出されています

性格が違うから必然的に闘いかたも変わるし
単に戦闘スタイルが違うだけでなく
そこに個性もプラスされる

それは観ていて楽しいし
各フォームに感情移入できて愛着もわきます

「仮面ライダー電王」はフォームチェンジの新しい見方を作り上げた作品でした


おもちゃ販促が成功したきっかけでもある
平成二期の「仮面ライダーW」「仮面ライダーオーズ」「仮面ライダーフォーゼ」
これらは販促成功させただけあり
フォームチェンジの扱い方はとても上手いです

Wはクウガの発展系って感じで
右と左の色の組み合わせで多様な闘いかたを見せてくれます

右は戦闘スタイル、左は属性
敵に合わせて組み合わせを変えるのは
今までのフォームチェンジにはないギミックで
やっぱりすごく面白かったですよね


オーズの場合は
Wを更に発展したような形で
頭、胴、脚とそれぞれ色分けされていて
それの組み合わせで戦います

5色で3部位なので
5×5×5
フォーム数は仮面ライダー史上最も多いです

ただ、同じ色が3色揃うと強くなったり
メダル争奪戦がストーリーの中心になっていたりと
多すぎるフォーム数を上手く扱えていました

持ってるメダルによって使えるフォームが限定されるのもこの作品の面白さでしたね


フォーゼはフォーム数自体はそんなに多くないけど
使える武器やアイテムがとても多い

多種多様なアイテムを駆使するアクションは楽しかったし
物語にも上手く絡めていました


平成仮面ライダーとフォームチェンジは切っても切り離せないもので
平成仮面ライダーの魅力でありお約束でもあるわけです

 

で、フォーゼより後の作品ですが
明らかにフォームチェンジ扱いが雑になっていきます
年々、悪くなっていく一方なんですよね

ストーリー、デザイン、キャラクターの良し悪しで好きな作品もあるけど
フォームチェンジに関してはどれもダメかな…

雑になってからの作品に共通するのが
とりあえず大量にフォームを出して
強いフォームが登場すると使い捨てていくスタイル

基本的にどの作品もパターンは同じで

序盤に複数のフォームを登場させる
強い敵が現れてピンチ
強いフォームが登場して倒す
もっと強い敵が現れてピンチ
もっと強いフォームが登場して倒す
………

これの繰り返しです
そして、弱いフォームは登場しなくなる
これを毎年やってるわけですよね

とは言え
Wやオーズなどもさほどパターンは変わらない


じゃあ近年の仮面ライダーは何がダメなのかと言うと
とにかく数を出しときゃいい
みたいな雑さ


例えば「仮面ライダーゴースト」

この作品は
かつての偉人たちの力を宿してフォームチェンジするという
なかなかアイデア自体は面白いんですが
フォームチェンジの扱いは雑なもんでした…

この作品はフォームの数はかなり多め
ただ、そのフォームを全く差別化できてないんですよね
似たような能力のフォームがいくつもあって
フォームが被ってるんです

フォームごとの特色は全く描き分けれていなく
銃を使うのが複数いるし
剣を使うのも複数いるし
フォームチェンジが渋滞してました

当然の如く
強いフォームが出れば初期のフォームは忘れ去られ
でも、たまに弱いフォームを使いだしたりする

無意味に弱いフォームとかを急に出すから
結局、だったら最初から最強フォームで戦えよ
って矛盾も生まれるんですよね


このゴーストの雑なフォームチェンジの扱いは
残念ながら後の作品にも受け継がれてしまいます


「仮面ライダービルド」もやはり同じ流れで
フォームの扱いは雑です
この作品はWと同じで2つの能力を組み合わせて戦います

しかし、完全にWの劣化版でしかなく
次から次へとフォーム数を量産するばかりで
2つの組み合わせというのも戦闘で全く生かされないし
多すぎるので結局フォームが渋滞してる

個々の能力に関しても
どんな長所があるのか
どんな敵に有効なのか
みたいなことは描かれず
主人公が適当に選んだもので適当に戦ってるだけ

これだけフォーム数があれば
戦闘の中で面白く活躍できそうなフォームもたくさんあるのに
フォームチェンジを面白く見せる工夫も無く
全部が埋もれてしまっていました


令和になってからの
「仮面ライダーゼロワン」「仮面ライダーセイバー」「仮面ライダーリバイス」は
作品の中でのフォームチェンジを差別化できてないどころか
作品ごとの差別化もできていない始末

ゼロワンの場合は
モチーフやデザインが違うだけで
フォームの扱いはほぼゴーストやビルドと同じです

セイバーはオーズの劣化版みたいなフォームチェンジだったし

現在放送中のリバイスに至っては
2年前のゼロワンと根本的には同じですからね
動物モチーフってところでも被ってる


近年の作品に言えることは
とにかく工夫や発想が圧倒的に乏しい

フォームをたくさん出すのはいいけど
それをアクションで生かすことや
ストーリーで生かすことがおざなりになっています

フォームチェンジを面白く見せようという気概を感じれないんですよね

 

それに伴って
アクションシーンなんかも雑ですよね

本来なら多様なフォームに合わせて
多様な戦いかたやアクションを見せるべきなのに
ここ数年の作品は
ただ武器で殴ってるだけのアクション
雑エフェクトの必殺技
これを繰り返してるだけ

クウガの時のような緊張感のあるアクションなんて全く見せてくれないし
Wやオーズのような個性的で面白いギミックも見せてくれない


フォーム同様に最近は仮面ライダー自体も複数登場しますが
やはり、こちらも差別化なんて全くできてなくて
おもちゃの販促以上のものは何もない

味方も敵も無闇やたらと仮面ライダーばかり増やしてるけど
じゃあ、これらの仮面ライダーの違いってなに?
と聞かれても
見た目が違う…としか言いようがない


そもそも、この大量のフォームチェンジや大量の仮面ライダーは
毎年やらなきゃならないのか?

別にフォームチェンジが多くなくても
フォーゼみたいなパターンでもよくないか?
おもちゃ販促はフォームチェンジ以外にも方法はあると思う
何故こうも毎年同じ事を繰り返すのか

もはや、制作陣も麻痺してるのかもしれない
こんなに毎年同じ事を繰り返すマンネリを良しとしてるのだから
客観的に仮面ライダーという作品を見れていない可能性は高い


話は少し反れるけども
変身ベルトの音声にしたって
何故いつもあんなにうるさくするのか

最近の仮面ライダーはベルトがほぼ喋ってます

確かに子供からすればマネしたくなったりするんだろうけど

ドラマの中で3人くらいが同時に変身したときの音声は雑音でしかない
これをうるさいと思わない制作陣はおかしくないか?

正直、これをお約束として毎回やってしまってるのは
明らかに感覚が狂っていると思う

 

僕が強く思うのは
仮面ライダーシリーズは一旦休んだほうがいいんじゃないか
ということです

平成仮面ライダーがスタートしてから20年以上も経ち
それだけやってればマンネリになるのは当然だし
感覚が狂って客観的に見れなくなるのも当然だと思う

なら、一度離れて
仮面ライダーという作品に向き合う時間も必要なんじゃないでしょうか

おもちゃやグッズで子供やファンからお金を搾り取り
提供する作品の質は低い
って状況は明らかに最悪です
仮面ライダーブランドの信頼は落ちていく一方だと思う


でも、仮面ライダーは金のなる木なのは間違いなく
おそらく限界が来るまでは続くでしょうね…

 

仮面ライダーにとってのフォームチェンジは
作品の質に繋がっているものだと思う
それが雑になっているということは
個々の作品もといシリーズ全体が雑になってる証拠

全く改善されないどころか
年々酷くなっていくこの状況に
僕は完全に仮面ライダーに愛想を尽かしました

 

 

映画「THE BATMAN-ザ・バットマン-」感想 コスプレ探偵の謎解きサスペンス

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どうもきいつです


アメコミアクション映画「THE BATMAN-ザ・バットマン-」観ました

DCコミック原作の「バットマン」を新たに映画化したサスペンスアクション
バットマンことブルース・ウェインが
知能犯リドラーの挑発に苦悩しながらも戦いを挑む姿が描かれます

監督は「猿の惑星:新世紀」などのマット・リーブス
主演は「トワイライト」シリーズなどのロバート・パティンソンです

 

あらすじ
かつて両親を殺害されたブルース・ウェインは
夜のゴッサムシティでバットマンとして犯罪者を凝らしめていた
そんな中、ハロウィンに市長ドン・ミッチェルがリドラーと名乗る男に殺害される
ブルースはリドラーの出す謎を解き明かし真相に迫っていくが
そこからゴッサムシティの闇が暴かれていくのだった

 

感想
なんかあまり乗れなかった
どこを取ってもちょっと中途半端
伝えたいことは理解できるけど心に響きませんでした
あと、やっぱり長すぎるかな

 

バットマンの最新作
ということで観てきました

そもそも僕は
バットマンがめっちゃ好き
ってわけではないんですが
それでもやはり新作となると気になりますよね

なかなか評判も良いみたいで
大絶賛の人もよく目にします


ただ、僕にはあまりハマらなかったですかね…

つまらないとまでは言わないけど
特別この映画が面白いとも思わなかった


なんか、この映画を批判すると
お子さま扱いされそうですよね
子供にはこの良さがわからない
みたいな
ガキはアベンジャーズでも見てろとか言われそう

でも、この映画も所詮はアメコミ映画ですから

 

まず、本作は
今までのバットマンと比べても
かなり作風は違うと思います

ヒーローが個性的なヴィランと激しく戦うアクションではなく
すごく地味に謎を解いていく
サスペンスやミステリーみたいな作風になっています

なので、単純明快なアメコミヒーローを求めると
ちょっと敷居の高さを感じると思います

僕は本作のような作風も嫌いではないので
そこにハマらなかったわけではなく
むしろ、本作の雰囲気は好きなくらいです

「ダークナイト」もかなり暗かったけど
本作は今まで以上に暗くジメジメしていて
それがバットマンやゴッサムシティの姿をより際立たせ
世界観はとても良かった

最初のバットマンが暗闇から現れる場面なんて
ホラー映画みたいで最高でしたし


全体の雰囲気は個人的にもかなり好みで
冒頭の場面からは期待値がすごく高まるんですけど
最後まで観ると
思ったよりは…
って感じでした

3時間もの長さを誇る映画でありながら
ちょっと中身が薄いかなって印象

いろんな要素を詰め込んでる映画ではあるんですが
そのどれもが中途半端て薄っぺらいですかね
これと言ったインパクトはありませんでした

 

中でも
中心となる謎解きのストーリー
本作はリドラーが起こした事件の事件の真相にバットマンが迫っていく
という流れなんですが

これがサスペンス映画として観てみても
少し中途半端かなと思う

はっきり言って
あまりサスペンスとして面白くはないですよね

基本的にこの映画は
謎解きの過程にしろ真実が発覚するにしろ
観客を置いてけぼりなんですよ

サスペンスやミステリーの面白さって
映画を観ている側の人たちも
謎解きに参加して予測したり想像したりする部分にもあると思います

そんな予測や想像を裏切るどんでん返しや
点と点を繋ぐ伏線回収なんかで
気持ちよさを感じれるんですよ

ただ本作の場合は
なんとなく謎が解けてなんとなく解決する
みたいにダラダラとサスペンスが進んでいく

バットマンが謎を解いたり驚いたりしてるけど
勝手にやってるだけ

観てるこっちからすれば
謎解きに参加する余地もなく
それどころかこの映画は観客に謎を解かす気なんてさらさら無いですからね

リドラーがなぞなぞをやたら出してくるけど
こんな答えバットマンにしか解らんだろ
ってやつばかりですから

結局は
いつの間にかなんとなく謎が解けてる状況に
こっちとしては全然気持ちよくないわけです
逆にモヤモヤするくらい


それと、気持ちよくないで言えば
バットマンが最後まで後手後手なところ

バットマンが謎の答えに辿り着くのはいいけど
毎回、後の祭りでやられっぱなし
最後までリドラーに負けっぱなしなんですよね

そこがやはりサスペンスとしては気持ちよくないと言うか…

せめて最後くらいリドラーを上回って欲しかったよね

 

そんなサスペンスを中心にした物語もブレてるところがあって
そこも中途半端ですよね

この映画って
結局バットマンが何と戦ってるのか
いまいちわかりません

本来ならリドラーとの戦いがメインだと思いますけど
途中からはバットマンがゴッサムシティの闇と向き合う
みたいな話にシフトしていって
リドラーは蚊帳の外

ペンギンと戦ってるのかファルコーネと戦ってるのか
謎の真相を知りたいのか
リドラーを捕まえたいのか

話がいろんな方向にとっ散らかってて
それが最後に向けて上手くまとまっていくわけでもなく
結果、無駄に難解でわかりにくい難しい映画になってしまってますよね

これはやはり詰め込み過ぎが原因だと思います
もう少しスマートになってたら観やすかったと思います

 


それと同時に
キャラクターの掘り下げも甘い
登場人物たちの描写も中途半端です

主人公のバットマンでさえ
あまり深く描かれていないので印象が薄いし感情移入もできない

今回のブルースは今まで以上に暗くて孤独で
引きこもりみたいな奴です
その上、復讐に燃える危うさも兼ね備えている

この設定自体はめっちゃよくて魅力的なんですけど
その先が無い

役者の雰囲気や演技や表情とか
犯罪者をボコボコに殴るバットマンの姿で
ブルースの危うさを表現してはいるけど
表面的な部分だけなので
それでは足りない気がする

バットマンとして悪人を倒す原動力や
不安定な精神面など
内面の部分をもっと深く見せてくれれば感情移入もできたと思います

内面が薄いから
バットマンが本物のヒーローになる
という成長物語の部分も弱く感じました

成長したバットマンの姿が
深く心に刺さって感動するようなことも無かった


敵のリドラーにしたって
ただいるだけになってましたよね

そもそも、リドラーの存在が
ゴッサムシティの闇を明らかにするための仕掛けでしかなくて
あまり敵として機能してなかった

復讐というものでバットマンと対の存在にはしてたけど
リドラーの復讐心がいったい何なのかよくわからんので
全然しっくりこなかったし

リドラーもバットマンと同じで
原動力や精神面の描写がほぼなくて
掴み所が無いまま終わっていきました


キャットウーマンやペンギンも薄いですよね
バットマンでは重要キャラだけど
本作ではただいるだけになったました

キャットウーマンに関してはバットマンの対比でしかなくて
彼女自信の魅力は皆無

恋愛描写とかも
正直、無駄にしか思えなかった
無闇にキスしすぎ

終盤にある
バットマンをピンチから救った場面のキスシーンとか
今キスしてる場合じゃないだろ
って思ったし


全体的に本作は
キャラクターの魅力を引き出すことを
役者の雰囲気だけに頼ってる印象でした

 

あと、ビジュアル面も気になりましたかね

本作はリアル路線で作ったバットマン
というのは十分に理解できるんですけど

リアル過ぎるからか
バットマンだけが浮いてますよね

探偵がコスプレしてるみたいな映像になってしまってる
最初はバットマンだからと
その姿を受け入れられてはるんですけども
やっぱり途中から
なんでこの人こんな格好してるんだろう…?
って思えてきます

しかも、本作はアクション少なめでサスペンスメインなので
余計にシュールになってますよね

バットマンがそのままバットマンの姿なんだから
ペンギン、キャットウーマン、リドラーも
本来の奇抜な格好でよかったと思う
その方がバットマンだけ浮くこともないし

何でもかんでもリアルにすりゃいいってもんじゃないと思いました

 

お金がかかってるだけあって
映像は美しく素晴らしいし
アクションシーンも派手でしたし
クオリティの高い映画だとは思います

ただ、やっぱりとっ散らかってるしブレてるし描写が浅いしで
3時間の長さのわりには薄い内容

僕の心にはこの映画が全く響かなかった

 


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