どうもきいつです
スタジオジブリ作品「レッドタートル ある島の物語」観ました
この映画、ジブリ作品のわりに、あんまり話題になってなかったですね
当時、「君の名は。」「シン・ゴジラ」など話題作が公開されていたのもあって埋もれてしまったんですかね
でも、海外では評価され
「君の名は。」などを抑え、アニー賞という賞を取っています
僕は今回、初めて観ました
この映画、難しい…
なんて言えば良いのか
難しい
はっきり言うと、面白い、楽しめる映画ではないです
映画としては退屈です
でも、駄作と投げ捨てることは出来ない作品
というか、駄作ではないです
これはエンターテイメントではなく
芸術作品ですね
アート映画です
だから、いつものジブリを観るつもりで観ると
何これ つまんない
ってなりますよ
美術館で1つの絵画を鑑賞するような気持で観なければならない作品です
この作品は、ジブリ作品としても特殊で
まず、日本・フランス・ベルギー合作のアニメです
監督はマイケル・デゥドク・デゥ・ヴィットさんというオランダ出身の方
そして完成までに10年かかってます
日本のアニメ文化の中からじゃ
こういう作品は生まれないのかもしれませんね
だから、日本人には合わないタイプのアニメかもしれないです
日本のアニメはエンターテイメントの部分が大きくなりすぎて
面白い、楽しい、感動する、かわいい、カッコいい、アニメとはそういうもの
って固定概念になってしまってると思います
なので、この映画のようなタイプのアニメは
なんか違う
ってなってしまうんじゃないでしょうか
この映画の1番の特徴は言葉が無いという事
登場人物は喋りません
声を発する事はありますが、それは掛け声や叫び声だけです
セリフが全くないんです
そして、明確なストーリーもありません
主人公らしき男が何故あの島に流れ着くことになったのか
亀が何故女性に姿を変えたのか
息子は何のために何処へ行ってしまったのか
何もわかりません
ただ、あの島で生活をしている家族を淡々と描いています
説明が全く無いんです
ただ、自分が観たものが全て
そこから自分で感じ取るしかない
観る側に全てが委ねられます
こういう部分がやっぱり美術的だと思いました
例えば、絵画で言えば
絵のモチーフ、構図、色彩、タイトル、など
少ない情報から、観る人間は何かを感じ取らなければなりません
そして、作者は何かを表現したい、伝えたい
という気持ちで描いてるわけです
観る側はそれをくみ取ろうとします
その結果、人によって様々な解釈が生まれます
それが美術の面白い部分だと思っています
この作品も同じだと思います
命や人生という明確なメッセージはあるものの
細かい部分までは説明されず
この映画を観た人それぞれ感じ方が違ってると思います
最後に
アニメとしてのクオリティーもすごく高いと思います
まるで絵本の世界が動いてるような表現でした
粗い画用紙に水彩絵の具で描いたような画風で
温かみもありました
そして、あの優しい絵がなんか落ち着きますね
良い意味で眠くなる
この映画すごい良い映画だと思います
エンターテイメントなアニメに慣れてしまっている人でも
見かたを変えれば
いろんな事を思ったり考えたりできる作品だと思います
僕自身もまだこの作品を消化しきれていないので
いろいろ考えてみようと思います
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