何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「不能犯」感想 設定は面白いけど ちょっと詰め込み過ぎ 松坂桃李の演技は素晴らしい

どうもきいつです




映画「不能犯」観ました
この映画、漫画が原作なんですね
知らずに観ました


監督は白石晃士さんです

僕は白石監督の作品がもともと好きで
まだ観てなかった「不能犯」も観てみました

白石監督と言えば
コワすぎシリーズやノロイ、カルトなど
貞子VS伽椰子なんかもですね

基本ホラー系の作品が多いですね



ただ、あんまり期待はしていませんでした
商業映画ですしね
白石監督の良さがあんまりでないんじゃないかと



で、観たところ
やっぱり予想通りでした

なんか普通の映画になっていましたね

というか微妙な出来でしたね



設定はまあ面白いとは思います

松坂桃李さん演じる、不能犯の男が依頼されたターゲットをマインドコントロールして殺していく
それを追う警察との闘い

ちょっとデスノートに似てるとも思いますが


でも、殺し方は良かったです

相手を思い込みだけで殺すんです
大量のスズメバチに刺されたと思い込ます
毒を飲んだと思い込ます
刃物で刺されたと思い込ます
それだけで殺すんです

直接手を下さない
だから、警察も手を出せないんですよね


ちょっと能力が何でもあり過ぎで破綻してる気もしますが
警察が無能に見え過ぎてしまいますね



いろいろ微妙なところが多く感じました

1番問題なのは感情移入ができないですね
不能犯の宇相吹、刑事の多田、その他殺人を依頼する人たち、殺される人たち
登場人物みんなに感情移入できないんです

たぶん、原作のエピソードを短い時間に詰め込んだからだと思います
おそらく漫画の方はそれぞれのエピソードが掘り下げられてるんじゃないかと

それぞれのエピソードが淡々と進んで行くので
余韻も何もなく次から次へ
って感じなんですよね

だから登場人物の気持ちも深く描かれていないので
なんか薄っぺらく感じる
出来事だけは人間の闇を深く描いた風にはなってるんですが



それと、メインキャラの2人

宇相吹はミステリアスで謎の人物
ただ、謎過ぎてよくわからない
過去に何があったのか
何故あんなことをしてるのか

そういうところも全く謎のまま終わっていくので
最後まで掴み所がないんですよ

原作でも、もともとそういうキャラなのかもしれませんが
笑うセールスマンの喪黒福造的な存在なんですかね?

ただ、現実的な世界観なのでミステリアス過ぎるのは、やっぱり引っかかりますね


そして、刑事の多田
これが薄っぺらすぎですね
ただ正義感が強いってだけのキャラです
何が原動力でそこまで宇相吹にこだわってるのかも全然わからない

それにプラスして彼女を演じている沢尻エリカさんが役にハマってない
なんか存在が嘘っぽく感じるんですよね
意識高い系の痛い女上司にしか見えない

あまりにも嘘っぽいので
途中まで、実はこの人が1番悪い奴なんじゃないかと予想してましたよ
全然そんな事なかったんですけど



文句ばっかりになりましたが
良い部分もありましたよ


松坂桃李さんが凄い良かった

最後まで謎に満ちたキャラクターをしっかり演じじられていました
何を考えているかわからない人殺しなのに
ただのサイコパスにはなってません

宇相吹という何も語られていないキャラクターを
言葉を使わず存在感だけで
何か哲学や思想を持った人間なんだな
って思わせてくれます



白石監督の良さが出てるシーンもありました

暴力的なシーンはいつもの白石監督だなって思いました
特に最初の方の夫婦の惨劇シーンはすごいバイオレンスで好きです



なんかいろいろ言いましたが
軽い気持ちで観るなら全然楽しめる作品だとは思えましたね

それと原作漫画を読みたくなる映画でしたね
ある意味、これって漫画実写としては成功じゃないですか?





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