どうもきいつです
アニメ映画「サカサマのパテマ」観ました
観たいと思った動機は特に無いんですが
なんとなく観てみました
2013年公開の映画です
僕は存在すら知らなかったです
当時も話題にはなってなかったと思う
この映画、なかなか設定が面白いです
まず、この世界の人間は2つの国
というか種族ですかね
とりあえず人間が2つに分かれているんです
1つは地下に暮らしていて
もう1つは地上に暮らしています
そして、この2つの種族は重力が反転しているんです
地上の人間は普通に地面に向かって重力があるんですが
地下の人たちは逆に空に向かって重力があります
主人公の女の子パテマは地下世界の住人です
とある事故から地上の世界へ落ちてしまい
地上世界の少年エイジと出会います
だいたいこういう感じの内容です
重力が逆の2人がお互い支え合って困難に立ち向かっていく姿なんかは
あまり観たことないような世界観で面白かったですね
キャラクターの目線によって上下が逆になったり
お互いを命綱として掴まりあっている姿など
映像的にも面白いです
そして、絵がすごく綺麗です
背景が細かく描かれていて
広い景色は幻想的で
狭い場所も隅々まで描写されています
設定も作画も良いんで面白くなる要素がたくさんあるんですが…
アイデア一本だけで突き進んだだけの作品に思えました
重力が反転している世界
この設定は良いんですが
これ以上の事が掘り下げられていない
一応この世界の成り立ちは説明されます
過去の実験によって、重力が反転してしまった人間と
それを逃れた人間が2つに分かれた
みたいな
でもそれだけで
なぜ、地上のアイガという国が生まれたのか
アイガが空を忌み嫌っているのか
地下世界のことを隠しているのか
地下世界とアイガは昔は交流があったのに、なぜ今はお互いの存在も知らないほどになってるのか
地下世界の掟は何のためにあるのか
普通に観てるだけでも疑問に思う事がたくさん出てきます
なのでこの世界感に説得力が足りない
あまりにも嘘っぽく感じてしまうんです
せっかくのアイデアが生かしきれてないと思うんです
それと、登場人物の言動もよくわからず
キャラクターがすごく薄い
だから、ストーリーも薄くなって
結局、全体的に何がしたかったのかがいまいちわかりません
パテマは掟を破ってまでも危険区域までしょっちゅう足を運ぶんですが
これっといった理由が特に無い
エイジは捕まってしまったパテマを助けに行くんですが
なぜ、危険を冒してまで助けに行く気持ちになったのか
この作品の敵役アイガの君主はなぜあそこまでパテマに拘るのか
キャラクターに思想が無い
全然キャラクターに感情移入できないんですよ
ただストーリーを進めるだけの人形に見えますよ
こういうキャラたちに動かされるストーリーは必然的に薄くなってしまうと思います
あと、パテマとエイジの関係性にも不満があります
たまたま偶然出会ってしまった、この2人
しかも、まったく異質な人間が目の前に現れるんです
でも、なんかすぐ打ち解けてしまうんです
むしろ、お互い似た者同士だね
って感じですごく仲良くなる
そこは、逆に最初はいがみ合うくらいが良かったんじゃないでしょうか
そして、いろいろ経験を重ねるうちにお互いを認め合っていく
さらに、この2人を2つの世界に重ねわせるような演出にすれば
物語全体にも、もうちょっと深みが出たんじゃないでしょうか
それと、この2人の恋愛的な描写はいらなかったと思う
そもそも、なぜ2人がそういう気持ちになったのかも描かれていないので
それなら無しでよかったと
そっちの方がすっきりすると思う
ラストはどんでん返し的なオチがあるんですが
それで?
って感じですね
最後はこうだったと言われても
そうだったからと言って、その先どうなるのか?
何が変わるのか?
そういったものが全然見えてこなかったですね
最後に
音楽の使い方が凄いダサい
音楽が邪魔に感じるほどでした
もうちょっと良い使い方をしてほしい
まあ、いろいろ文句は言いましたが
ツッコミどころを探さなければ
それなりに楽しめるとは思います
作画のクオリティーは凄く高いですし
見所はたくさんあると思います