何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ボックストロール」感想 キモいのに可愛いキャラクターたち

どうもきいつです




スタジオライカによるストップモーションアニメ作品です
僕は、ライカ作品の中で唯一観ていなかった作品でした

 

日本では劇場上映されていなかったみたいですね
特別上映はあったみたいですが

 

僕は他の作品は知っていたんですが
この作品だけは知りませんでした


やっぱりライカ作品は安定のすばらしさですね


毎度の事ですがストップモーションアニメの表現がすごいです
ホントに細かい

しかも毎回違った表現に挑戦していますよね

コララインのときは、主に1つの建物の中で物語が進むので
基本は室内の背景が多かったんですが

次作のパラノーマンでは一気にスケールが大きくなって
1つの町が舞台になっています
幽霊やゾンビの表現、空の表情など表現の幅が広がっていたと思います

本作より後の作品のクボでは、日本的な世界観に
海や雪などの更にスケールの大きな表現に挑んでいます



そして、本作も素晴らしい世界観が作り上げられています

まず街並みの造形が面白いですよね
塔のように上へ連なっていく街並みがすごくファンタジーで
あの街を見るだけですごくワクワクする

地下のボックストロールたちが住む場所の
汚いけどなんか楽しそうな空気感

ガラクタや機械の表現も良かったですね
錆び付いた感じとか汚れとか

そしてキャラクター
毎度の事ながら動きは細かいし表情は豊かです
特にボックストロール
結構人数が多いんですが
それぞれの見た目がちょっとずつ違うんですよね
顔のつくりや体型、年齢の違いも感じれます

こういう1体1体の作り込みがあるおかげで
それぞれのキャラクターが生きているかのように感じれるんだと思いますね



ストーリー部分もいつも通り良かったです


単純にただ観てるだけでも十分楽しめる内容だと思いますし
メッセージ性を含んだ深さもあります
なので、見ごたえのある作品だと思います
難しい内容でもないので全然子供でも楽しめますしね


この作品のテーマは、家族と生まれ持った性質ですかね
家族に関しては、ライカ作品で毎回描かれていると思います

生まれ持った性質っていうのは
埋もれた時からの性格、環境、立場の事だと思います
この作品では、そこからどう抜け出すか、どう変化するのか
っていうのが描かれています
そして、変化するためには何が大事かって事ですね


それを、ボックストロールと適役のスナッチャーを対比して表現していますね

ボックストロールはとても臆病で危険が迫ると、いつも自分が着ている箱に隠れてしまいます
逃げる事もしません
どんなに迫害されても戦う事もしません
でも、仲間のため自分のために戦うことを決意して今まで着ていた箱を脱ぎ捨てて変わろうとします

敵のスナッチャーは今の自分を変えたくて、憧れている街の権力者になろうと思います
そして、権力者の証である白い帽子と
権力者たちがいつも食べているチーズを自分も食べる事にこだわります
帽子とチーズを食べることで自分が変われると信じています
スナッチャーは表面部分が変われば、全てが変わると思ってるんですよね

この2つを見せられる事で、自分を変えるってどういう事だろう
って考えさせられました



それとこの作品、キャラクターがみんなすごく可愛く見えますね
ビジュアル的にはみんなあんまり可愛くないんですよ
むしろ不気味なくらい
ボックストロールたちも結構キモい見た目なんです
汚らしいし生きた虫そのまま食べるのもグロいし
でも、観ているうちにだんだん可愛く見えてくるんですよね

敵のスナッチャーも悪いことはしてるんですが
なんか憎めないんですよね

この理由は、この作品のキャラクターがみんなすごく人間らしい性格だからだと思います
みんなちょっとずつ欠陥があるんです
それでも変わろうとしたり、誰かに優しくしたり
そういうところがなんか愛おしくなる



やっぱりこの作品も良い映画でしたね
毎回ライカ作品には満足させられています
そして毎回ラストのミニメイキングには驚かせられます
新作も楽しみです





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