何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「帝一の國」感想 コメディーなのに笑えない 雰囲気だけは面白い風


どうもきいつです




漫画の実写化映画「帝一の國」
ネット上での評価が結構良かったので観てみました

 

この映画は、人気漫画「帝一の國」を実写化した
学園コメディー作品です

 

時代は昭和
名門校である海帝高校で巻き起こる
生徒会長の座を巡る激しい選挙バトルを
ギャグ満載で描いています

主人公、赤場帝一は
総理大臣になって自分の国を作る野望の第一歩として
海帝高校の生徒会長の座に就く事を目指す

といった内容です

僕は原作漫画は未読です



そして、この作品を観た感想は

あまり好きじゃなかった
正直、つまらなかった

良いと思う部分もありましたが
それを上回って、つまらないと感じました


何がつまらなかったかというと

コメディー、ギャグ作品なのに笑えなかった
なんなんですかね?
全然ツボにハマらなかった

主人公、帝一のライバルである野村周平さん演じる東郷菊馬
彼はコミカルなキャラクターで
登場人物の中でも1番のギャグ要員なんですが
彼の言動がことごとく寒く感じてしまいました

なんか、笑いのレベルがガキっぽ過ぎるというか
コロコロコミックの漫画に出てくる嫌な奴
みたいなキャラクターで

漫画の中なら成立してるのかもしれないんですが
実写でこういうキャラを見た時に、ただのイタイ奴にしか見えない
高校生なのにやってる事が小学生みたいで

このキャラがハマらなかった時点で
僕には合わなかったんでしょう


それ以外では

変顔を辞めてほしいと思った

これは、この作品だけの話ではないですけど
邦画って変顔だけで笑わそうとする演出がちょくちょくあるんですよ
それホントに辞めてほしい
冷めるから
面白くないから
あんなので笑うの子供だけですよ

どうしても変顔になってしまう状況なら良いんですよ
その状況に見合った表情なら違和感も無いし

本作も、白目をむくってシーンが出てきます
2回くらいしかなかったと思うんですが
それでも、すごい気になりました
あきらかに狙ってる変顔って感じで冷めました

こういうのって漫画的な表現なので
漫画原作なら余計にそういう表現が出てしまうのかもしれませんが
実写とは相性が悪いと思いますね


シュール演出も全然笑えませんでしたね

面白そうな雰囲気は出てるんです

学校の空気感とか
家庭環境とか
彼女との糸電話とか

面白そうな空気感は出てるんですけど
そこ止まりというか

もう1つ何かあればなと思ってしまいました
その空気感の中で起爆剤になるような何かがあれば笑えたと思います
面白そうなままで終わってしまうのでもったいなかった



本作の軸ともなる生徒会会長の選挙
これがなかなかツッコミ所が多いですね

観る前はてっきり
選挙活動をメインに
いろんな駆け引きや工夫を凝らした選挙活動
そんなものを見せてくれると思ってたんですが

蓋を開けてみると
マイムマイムVS賄賂
なにこれ?
って感じです

ここは、もっと激しい選挙バトルを期待していたのに
拍子抜けでした

ギャグ作品なんだから、そんな細かいとこにツッコむな
とも言われそうですが

でも、ギャグ作品だからこそ
その部分をしっかり作り込めば
ギャップでギャグも際立つと思うんですが


そして、投票システムにもすごく文句を言いたい

普通は投票って匿名ですよね
でも、この作品では
1人づつ壇上に上がり投票用紙を選挙係みたいな人に渡して
その場で誰に投票したかを読み上げられるんです

ありえないでしょ!!

こんなので公平な投票が出来るわけない

まあ、これは誰が誰に投票したかがわかる事によって
その場でドラマが生み出せるからだとは感じますよ


1番最後の投票のシーンも正直酷いと思う
もう投票用紙すら使ってないですからね
時間内に自分の支持する人のエリアに集まってください
ってシステム
しかも、現在の投票数がわかる上に
時間内なら移動は自由

なんやねんこれ

こんなんでまともな選挙にならんでしょ



この選挙システムは両方とも
ドラマやギミックを生み出すために
無理やり作り出されたと感じました

ただ、ドラマ、ギミックを優先し過ぎて
投票システムとしては完全に破綻してます

こんなの、小学生レベルのことやってますよ

本作は、たかが高校の生徒会会長の選挙を
本気で死ぬ気でやってる事が魅力で面白い部分なのに
肝心の投票が小学生レベルなんで
全てが茶番に見えてしまいます



あと、帝一の総理大臣になりたいという野望
これが、最後までブレブレだった

最初は何故そこまで総理大臣に拘ってるのか
そこが、あえて隠されてるんだな
ってのがわかりましたし
そんなに気にせず観てました

そして終盤で
総理大臣になれば、誰にも文句を言われずにピアノを弾けるから
本当はピアノをやりたい
この理由にすごく納得できたんです

でも、その後
生徒会会長に立候補してるんですよ
父親とも和解してるっぽかったし
もうピアノ弾けるんじゃないの?
なんで?

最後も、まだ総理大臣は諦めてない
みたいなこと言うけど
なんで?

もう、最後辺りは
なんで? なんで?
ってずっと思いながら観てました

ピアノが弾きたいという理由がわかってから
心の変化が全く描かれずに
また総理大臣になりたいと言い出すから

なんでそうなったの?
って謎が残って全然すっきりしない



もう1つ言いたいことが

時代設定が昭和
しかも名門高校なのに茶髪多すぎる
100歩譲ってメインキャラが茶髪なのはいいですよ
原作のキャラに寄せたらそうなるのも仕方がない

でも、モブキャラに茶髪が多すぎる
なにモブキャラのクセに個性主張してんだよ
全員黒髪に染めろよ
髪型も今っぽいし
もっと統一しろ



でも、良い部分もあります

今をときめく若手俳優たちがいっぱい出てます
しかも、特撮ヒーロー出身が多い
仮面ライダーW、ドライブ
ゴセイジャー、ゴーバスターズ、トッキュウジャー
と錚々たるメンバー
みんな主演張ってた人たちです
特撮好きはテンション上がるんじゃないでしょうか

それ以外にもたくさんイケメンは出ています
なので
イケメン同士のいちゃつきもあるし
イケメン同士の面白い掛け合いもある
イケメンたちのふんどし姿も見れる
イケメン好きなら堪らないでしょ


そして、俳優たちの演技
これも素晴らしいと思う
ものすごい勢いとキレ

散々笑えないと言いましたが
俳優陣の演技はとても面白かった

むしろ、俳優の演技で持ってました
これのお陰で最後まで観れました

特に、菅田将暉さんと吉田鋼太郎さんのやり取りは
すごく良かった
この2人の怒濤の掛け合いは笑えました
テストの点数を確認していくシーンは笑える



全体的には全く好きにはなれなかった作品
でも、評価は高いんですよね

まあ、みんなイケメン好きですもんね
僕もイケメン好きですけど
イケメンが好きなら最高の映画かもしれないですね






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