何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「かいじゅうたちのいるところ」感想 大人にこそ観てほしいファンタジー

どうもきいつです




世界的に有名な絵本の実写化映画「かいじゅうたちのいるところ」観ました

 

原作の絵本は日本では1975年に出版されています
かなり昔からある絵本です
僕も子供の頃に読みました

 

その世界的人気の絵本をスパイク・ジョーンズ監督が映像化した作品です

 


あらすじ
いたずら好きなマックスは、いつものようにママとケンカをしてしまう
そして、家を飛び出すマックス
ふと気付けば、マックスは船に乗り海を渡って
とある島にたどり着く
その島にはかいじゅうたちが住んでいた



感想
この映画、伝えたい事がわからなくもなく
メッセージ性があるのも理解できる
でも、映画として面白いのかと言うと
微妙な気もする
しかし、悪い映画ではないと感じます
そんな作品でした

この映画は観る人によって
色々な解釈ができるんじゃないかとも思えます

結構抽象的に表現してる作品だと思うので
わかりにくさもあります



そもそも、僕の子供の頃のこの絵本に対する印象はと言うと
ちょっとかいじゅうたちが怖かった
とても可愛いとは言えないかいじゅうたちの見た目
画風も少し昔の絵柄で
怖いという印象が強かった
ストーリーはほぼ覚えていないです

映画を観ながら
確かこんなストーリーだったな
と思い出していました

そして、この作品が
小さな子供の少しの成長を描いている作品だと気付きました



基本的に本作には、明確な起承転結は無いように思えます
主人公マックスは目的があって行動してるわけでもなく
何かの目標に向かって進んで行くストーリーではないです
ただ、マックスとかいじゅうたちの交流が描かれているだけです

だから、メリハリがあまりなく
淡々と話が進んで行き
正直、少し退屈だったりする映画でした

でも、その中にノスタルジーな感覚があるんです
とても郷愁的な世界と言うか
なんか懐かしさを感じる

子供の頃の気持ちが少し蘇ったような感覚です


何故そんな気持ちなってしまうのか考えると
徹底的に子供目線で全てが描かれてるからじゃないのかと思いました

主人公のマックスは
母親や姉にかまってほしいという気持ちが強く
相手にされなければ物に当たったり、悪態をついたりする
その裏には好きな人たちが誰かに取られてしまうんじゃないかという不安があります
そんな感情をどう表せば良いかわかっていない
子供らしい子供

全ては、そんなマックスの目線から語られます


そして、マックスが出会うかいじゅうたち
見た目はかいじゅうですが
中身は子供です
一番純粋な部分を具現化したような存在

かいじゅうたちはみんなとても個性的なんですが
どれも、昔見た事あるような性格で
いつの間にか自分の子供の頃に重ね合わせてしまっています

マックスとかいじゅうたちの交流も
子供だからこその全力で遊ぶ様子や
純粋が故のお互いのぶつかり合い傷つけてしまう様子を描いています

こういうのが本当に懐かしい気持ちにさせてくれるんです



そして、この物語は
マックスが自分と向き合っている
心の中を表現してるんじゃないのかとも思えました

かいじゅうたちの性格はバラバラで
全く別の存在に見えますが
1人の心の中にもいろんな性格が存在すると思いますし
かいじゅうの中の1人キャロルは
マックスを鏡映しにしたようなキャラクターです

かいじゅうたちと対話をすることで
マックスは最後にはちょっとだけ成長します

その成長が、なんだか微笑ましくも感じました



僕がもう1つこの作品で感じた事は

子供って怖い


かいじゅうたちは子供を現した存在なんですが
見た目は少し怖く、とても大きい
力もすごく強いんですよ

普通の子供が無邪気に暴れまわっているのを見ても
そんなに気に留めるような事はないんですが

この、かいじゅうたちが子供の様に振る舞う姿が
とても恐怖に感じた

子供が故の純粋さ、無邪気さ、残酷さ
これがすごく生々しく感じました

でも、本人たちは悪い事してるつもりも無いですし
実際、仕方ない事なんですが

やっぱり怖いなと感じましたね


結果的に
子供の頃怖いと思っていたかいじゅうたちが
大人になった今でも怖いと感じました
でも、怖さの種類は変わってると思う

しかし、これを観た事でちょっと子供と言うものが
わかったような気もしましたね



いろいろ書きましたが
面白さで言えば微妙だと感じました
でも、いろいろ思う事が多い作品でもありました
つまらない映画ではないと思います
子供との向き合い方も少し理解できたように思いました
これは大人が観るべき映画なのかもしれないですね





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