何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ハード・コア」感想 シュールだけどグッとくる すごく変な映画

どうもきいつです




以前から気になっていた映画「ハード・コア」観てきました

 

原作は漫画「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」です
僕は原作漫画は未読です
なので、この作品の情報は全く無い状態で観ました

 

その漫画を「苦役列車」などの山下敦弘監督が実写映画化し
主演は山田孝之さんです
この2人がタッグを組むという時点で
クセの強い作品になりそうですよね



あらすじ
都会の片隅で細々と生きる権藤右近
彼は怪しい活動家の埋蔵金探しを手伝い
日々のお金を稼いでいた
右近と共に働く、人と話すのが苦手な牛山
右近の弟で、一流商社に勤務するエリートの左近
ある日、彼らの前に謎のロボットが現れる



感想
すごく変な映画
ジャンルもいまいちわからない
おバカ映画ですよ
でも、なんかグッとくる
そんな作品でした



全てがシュールな作品です
世界観、ストーリー、登場人物、笑い
全部が不思議です
でも、嫌なシュールさではなく
気付けば引き込まれていました

なんか、クセになりそうです
また観たくなる


シュールな作品なんですが
登場人物の内面
苦悩、悩み、葛藤など
それらがとてもリアルに感じられます

世の中の人たちが現実で抱えてるような気持ちや感情を
本作の登場人物たちが表現してくれています

設定的にはありえないように思えますが
何故かキャラクターたちに感情移入してしまう
個人的にも通じる部分がたくさんありました


この作品は、世の中の底辺の人間が
どん底から這い上がろうとする姿を描いています

以前に観た「ギャングース」と
とても共通する部分がたくさんあると思いました
「ギャングース」もどん底から這い上がろうとする若者を
描いた作品でしたしね



そして、重要なのは登場人物だと思う

どうしようもない人間が多く
そして、あまり好きになれない
でも、なんか憎めない


主人公の右近は
不器用だが自分に素直で
間違ってると思う事は許さない
自分の信念を貫いている男
の様に見えますが

実は気持ちがブレブレで
自分が何をしたいのかもわかってないような男です

よくわからない活動家の下で働いていますが
それも、たまたま流れ着いたのがそこであっただけで
彼は何か思想があってそこにいるわけではないんです

でも、無理やりその居場所にいる事に意味を持たせて
折り合いをつけています

ただ自分を誤魔化して生きているだけの男です

それがすごく切なくて
そして、自分自身にも重ね合わせてしまっていました

右近を見てると
自分を見てるような気になって
とても辛い



弟の左近は
右近と真逆で
まともに社会人として働いています
エリート社員みたいですね

なので、一見充実した生活を送っているように見えますが
彼もまた立場は違うものの
気持ちは右近と同じで
周りに合わせてまともに生きるという事に嫌気がさしてるんです
右近の自由に生きている姿を羨ましいと感じてるとも思えます


その彼らが
どうにか今を変えようとする姿には
心が打たれます


右近の友達の牛山もすごくいいと思う
人とコミュニケーションもまともに取れず
正直、気持ち悪い人間
でも、なんか愛嬌がある
そして、とても純粋な人間
そういう事からか
右近の心の支えでもあります


こういう登場人物たちが
とてもクセが強くて変な人たちですが
愛おしく思えるんです




他にとても印象に残ったのは笑いの部分

さすがにシュール過ぎですね
笑い所がどこなのかわからない

今、笑うとこ?
ってシーンがたくさんある

でも、笑いが押しつけがましくないので
そんなに不快にも感じないんです

むしろ、笑うかどうかはご自由に
ってスタンスなのかなって思う

面白くなかったら別に笑わなくてもいいよ
と言われてる様な


制作側が自分たちの好きなものを作り
突っ走って行って
ついて来れるならついて来てみろ
と言ってる様な勢いを感じます



全体的に不思議な作品でした
正直、意味わからないですし
でも、心に刺さるものも確かにありました
何か得るものはあると思います
珍味のような映画でしたね





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