ヨーロッパで起こった実際の事件を基にした映画「15時17分、パリ行き」観ました
「アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の奇跡」などの
クリント・イーストウッド監督が
2015年にヨーロッパで起きた無差別テロで
現場に居合わせ、犯人を取り押さえた3人の若者を主役に
描いた作品です
この映画の主演には
プロの俳優ではなく、実際に事件に巻き込まれた本人たちを
起用しています
あらすじ
2015年8月21日
オランダのアルステルダムからフランスのパリへ
向かう高速列車タリスの中で
銃で武装したイスラム過激派の男が無差別殺傷を試みる
しかし、その列車にたまたま乗り合わせていた
スペンサー、アレク、アンソニーの3人が
男を取り押さえ、未曽有の惨事を防ぐことに成功する
感想
とても不思議な映画
ていうか変な映画でした
そして、運命や奇跡
これは起こるべくして起こるのかな
人生に無駄なんか無いのかな
なんて考えてしまいました
正直、面白いかどうかで言うと
面白い映画ではないように思う
でも、駄作ではないとも思う
とにかく変な映画
そもそも主演が全くのド素人
実際に事件を食い止めた当事者たちが
主演を務めています
だから、演技も下手です
英語が全く分からない僕でも
彼らの演技のたどたどしさは
十分伝わってきます
でも、これは確実に意図して
行われたキャスティングですよね
絶対に意味があるわけです
そして、この映画は
テロ事件が起きた現場を描いた
サスペンス映画ではなく
事件を止めた彼らの
人生を描いた映画です
なぜ、このような奇跡が起きたのか
そこに至るまでの
彼らの道のりを描いています
だから、スリル満点のサスペンスを
望んでこの映画を観ると
何これ?
ってなると思う
この物語は
彼らの少年時代から始まり
人に蔑まされたり
挫折や失敗を繰り返したり
時には成功したり
友達と楽しく遊んだり
普通の人生です
その普通の人生を
坦々と見せられるんです
後々の伏線も全然無い
旅行のシーンなんか
ただの一般人の旅行を
ひたすら見てるだけ
この、彼らの人生を描いたシーンには
何の意味も無い
だから、この部分がいらない
つまらない
と思う人はたくさんいると思う
僕も、今何を見せられてるんだろう
と思いながら映画を観てましたよ
でも、観終わった後に思ったのが
意味が無いという事に
意味があったんだ
です
彼らの境遇
日々の出来事
何気ない選択
これがあって起きた奇跡という事
そもそも、3人の出会いが奇跡
たまたま出会っただけの3人が
何年も友達でいたという奇跡
たまたま彼らが15時17分、パリ行きの列車に乗った
という奇跡
もはや運命的です
これが、フィクションでなく
事実の出来事で
これを、当の本人たちが自分を演じて
ドキュメンタリーの様に
意味のないような日常を見せる
そして奇跡的な出来事を
あっさりと見せる
圧倒的リアルだと思います
これはリアルを追求した作品じゃないでしょうか
だから、いつもの映画の観かたをすると
すごい変な気持ちになる
めちゃくちゃ変な映画ですよね
面白い映画ってわけでもないし
これは賛否両論はあたりまえ
って感じです
でも、テーマやメッセージは
ストレートに伝わってきますし
駄作ってわけでもないです
とても変な作品で
エンターテイメントな映画じゃないし
どう観れば良いのか戸惑ってしまいます
でも、すごく良い映画だとも思う
観て損はないと思いますよ
新しい体験ができた映画でした