何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「東京喰種 トーキョーグール」感想 それっぽいけど 浅い 薄い


どうもきいつです




漫画の実写化映画「東京喰種 トーキョーグール」観ました

 

人気コミックでアニメ化もされた
「東京喰種 トーキョーグール」の実写作品
人間に紛れ込んで人を喰らう怪人
「喰種(グール)」がはびこる東京を
描いたダークファンタジー





あらすじ
事故で重傷を負った青年カネキは
一緒にいた喰種の女性リゼの臓器を
移植されたことで半喰種になってしまう
人間でありながら人を食べることでしか
生きられなくなったカネキは
人間と喰種の狭間で苦悩しながら
戦いに巻き込まれていく



感想
実写にする
という点では上手くいってると思う
でも、中身はカラッポで
薄っぺらい
ビジュアル面以上のものはない



そもそも、僕は
原作自体に思い入れが
あったわけでもなく
別に実写にも期待は
していませんでした

原作のファンじゃないですが
作風やストーリは知っていますし
アニメも観ていました


そんな僕がこの映画を
観てみたんですが

最初に思ったのが
実写映画になった事で
原作の悪い部分も浮き彫りなってしまったな
です

どういう事かと言うと

もともと原作自体の設定が
結構ガバガバだったりするんです

人間と喰種の境界が曖昧だったり
世界観の設定だったり
ツッコミどころも多々ある

漫画やアニメでは
目をつむる事ができていた部分が
実写という
より現実に近い状態のものを
見せられる事によって
違和感が強調されてしまった

例えば
人間と近い価値観、倫理観を持っているはず
喰種が
目玉ゴロっって感じの
グロい人肉食べていたりする

生物的に作りが違うであろう
人間と喰種との間で
臓器移植ができてしまう
など

実写になると
余計にそういう部分が
気になってしまいます

僕が原作を
あまり好きになれなかったのが
こういうガバガバな設定だったりするんで

それをより強調されてしまったら
もう終わりです

好きになれるわけがない



そして
重いようで
実はそんなに重くない物語
深いようで深くない物語

これも、原作の時点で思っていたこと

雰囲気的には
かなり攻めていて
絶望的な世界を描いた風
の作品なんですが

グロい描写が多かったり
主人公に重たい設定を背負わして
いるだけで

実は
この設定や世界観を深掘りしていなくて
生きるとは何か?
食べるとは何か?
そういった核心的な部分を
全く深く描いていなかったりする

人間と喰種の対立、共存を
テーマにしている割には
人種問題のような深い問題に
切り込んだりもしてません

ただ人肉を食べたい欲望のまま生きる
喰種という存在
その問題を
傲慢な人間の価値観の中だけで
処理してしまう浅はかさ
茶番のようです

とにかく、この設定の中で起きうる
出来事や苦悩
それだけを表面的に描いているだけ

似たような設定の漫画「寄生獣」と
比べると
やっぱり作品の深みが
全然違うという事が
分かると思います

ただ
こういう作風、設定の漫画が
中高生に人気が出るのも
十分わかります
中二心をくすぐられますからね



そして、ここからは映画の話

実写化するにあたって
この、悪かった部分も含めて
忠実に再現してしまっている

さらに、2時間という短い時間に
凝縮することによって
もっと薄く、浅くなってしまいました

簡単に言えば
ダイジェストのようになってしまっている

だから、物語はテンポよく進みますが
キャラクターに感情移入はできないし
同時に複数の物語が進行するので
何を中心に観ればいいのかも
分からない


原作の全てを描こうとし過ぎて
結局、とても薄い物語に
なってしまっています

この物語の中で
何を中心に見せたいのか
定まってないように思います

ここは、できる限り
削れる部分は削って

主人公カネキの
苦悩、成長をメインに
映画独自の表現や物語を目指した方が
良い作品ができたんじゃないですかね



他に気になった点で

この映画、時間経過の描写が
下手過ぎる

映画を観ていて
この物語は一体
どれだけの時間の間に起きていた事なのか
長かったのか?
短かったのか?
全く分からないんですよ

見ようによっては
全てが2日間くらいの間に
起きてたようにも思えるし

長い期間かけて起きていた
出来事のようにも感じる


特にそれが顕著に表れていたのは
カネキとトーカの修行シーン
ここがホントに時間経過が分からない
感覚で言えば
1時間くらいしか
修行してないように見える

でも、めちゃくちゃ弱かったカネキが
すごく強くなってるし
たぶん何日もかけて修行していたんだと思う

だったら、それを映像で説明すべきです
しかし、背景がずっと同じだし
時間帯も同じ

時折り入る亜門の修行シーンも
ずっと同じ場所

こういうところが下手糞だな
と思いました

他のシーンも
全部そんな感じなので
時間経過が全然分からないんですよね



そして、アクションシーン
パッと見は
すごく良く見えます

でもCGに頼り過ぎ

アクションに工夫が感じられません

同じ背景の中で
止まって戦うシーンが多すぎる

CGの派手さで誤魔化せてますが
実は動きが単調で
面白みに欠けます


アクションシーンは
この映画の中では
見せ場だと思うので
もっと頑張ってほしかったですね



実写という点では
まあまあ成功していたと思います
特にビジュアル面

ただ、原作の問題点などを
無視して
とりあえず実写化しただけ

どうせ映画化するなら
そういう点も含めて
ストーリーを練り直せば
また、違った作品が
生まれた可能性があったと思います

続編公開も決まってるみたいですけど
期待できるんですかね?



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