SFサスペンス映画「プリデスティネーション」観ました
ロバート・A・ハインラインの短編小説
「輪廻の蛇」を原作とした
2014年のオーストラリアのSF映画です
「デイブレイカー」などの
マイケル＆ピーター・スピエリッグ兄弟が
監督を務めた作品です
時空警察のエージェントと彼が追う爆弾魔との
時空を超えた戦いを描く
あらすじ
1970年のニューヨーク
とあるバーを訪れた青年ジョンは
バーテンダーに自身が歩んだ人生を語る
それを聞いたバーテンダーは
自分が未来から来た
時空警察のエージェントだと明かした
そして、宿敵である爆弾魔に挑んでいく
感想
完成度がとても高い映画
全てが計算されつくされています
世界観も独特です
ただ、完成度の高さが
作品の面白さに直接繋がる
わけでもないのかな
なんて事も思いました
かなり細かい部分まで作り込まれた
完成度の高い映画でした
かなり複雑な設定にもかかわらず
これといった矛盾も無く
最後まで観ると全てが解き明かされ
鑑賞後の後味もいいしスッキリします
伏線なんかもかなりしっかりしていて
所々に散りばめられている伏線を
順序良くきっちりと回収していく
全体的に無駄も少なく
全てに意味のある作りにもなっています
なので、100分ほどの
短めの映画であるものの
その中で全てが描かれているし
謎も全て解き明かされます
そして、この映画のすごい所は
かなり複雑でややこしい設定なのに
最後まで観終えれば
ちゃんと意味は分かるし理解できます
現在、未来、過去と
いろんな時間を行き来して
時系列とかもちょっとややこしいですけど
それぞれをわかりやすく見せてくれています
今はどの時代かというのを
テロップで見せてくれたりしますし
伏線も記憶に残るように見せてくれる
そして、１つ１つを順序良く
解明してくれるので
置いてけぼりにもならないです
たぶん、相当理解力が無い
みたいな人でなければ
１回観ただけでも全部理解できるはずです
そんな感じで
複雑で作り込まれた設定
でも、観る側にもわかるように
描かれている
とても完成度の高い映画です
映画の仕掛けや設定で魅せるタイプの作品です
ただ、だからこその弱点もあると感じました
それは、あまりにも完成度が高過ぎて
どこかのタイミングで
この映画の全貌がつかめてしまう
どういう事かと言うと
この映画の１番重要な部分は
ラストのオチの部分です
ラストでの全ての真相の驚きが
この映画のピークだと思います
だからここが衝撃でなければならないんです
でも、この映画があまりにも
完成度が高いので
劇中に散りばめられている
伏線やヒント
それらが
頭を働かせながら映画を観ていると
どこかで繋がっていくんです
そして１つ繋がれば
それらがスルスルと紐解くように
１本に繋がります
そして、この映画が一体どういう物語なのか
それが理解できて
全貌が掴めてしまうんです
それがわかれば
この映画のオチも読めるし
オチ以外の謎も
１歩手前で全て予測できてしまいます
そうなればラストの衝撃も
必然的に薄れてしまい
結果的に物足りなさも感じてしまいます
ただ、それに気付くのは
個人差もあると思う
勘の良い人なら
序盤で全て把握できてしまうと思いますし
最後まで気付かない人もいると思います
映画の仕掛けを
最大の魅力にしてしまっているので
そこが薄れてしまうと
一気に魅力が落ちてしまう
それがこの作品の弱点だと思いました
そして、そこを補わなければならない
ドラマの部分はちょっと弱いです
人間ドラマは
そんなに悪くはないんですけど
ただ、主人公の境遇が特殊過ぎて
共感や感情移入が
あまりできないんです
主人公の葛藤や苦悩も
描かれているんですけど
なんか掴み所が無いというか…
最終的に全部が独り相撲ですしね
最終的に全部が独り相撲ですしね
それに、やっぱり仕掛けや設定を
最優先で描かれている映画なので
ドラマ部分はそこまで深く
掘り下げられてはいないと思います
でも、これ以上掘り下げる事も
出来ないような気もしますし
これが最善だったのかもしれないです
設定の粗さが
面白さに繋がる作品もあると思いますし
完成度が高い＝面白い
と一概に言えないのかな
とも思えました
それでも、この作品の完成度は
本物だとも思いますし
見応えのある良い作品でした
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