コメディ映画「グリーンブック」観ました
第91回アカデミー作品賞を受賞した作品
黒人ピアニストと彼に雇われた
白人の運転手が
黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を
手に人種差別が残るアメリカ南部を巡る
という実話を基にした物語です
「メリーに首ったけ」などの
コメディ映画を得意とする
ピーター・ファレリーが監督を務めた作品です
あらすじ
1962年のニューヨーク
高級クラブの用心棒を務めるトニー・リップは
黒人ピアニストのドクター・シャーリーの
運転手として働くことになる
シャーリーは人種差別が根強く残る南部へと
演奏ツアーを計画していて
旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに旅立つ
感想
人間ドラマも面白いし
ユーモアのセンスも最高
笑えるし感動する
素晴らしい映画でした
アカデミー作品賞を受賞と
話題になっている本作ですが
それだけの事はある面白さでした
たぶん、アカデミー賞というのが無ければ
日本ではあまり話題に
ならないタイプの映画だと思います
黒人差別などは日本ではなじみないし
派手な映画でもないので
インパクトも薄いです
しかし、受賞したという事もあって
公開初日の劇場はほぼ満席でした
そして劇場全体が笑いに包まれていた
この映画
かなりシンプルでベタな映画だとも思います
ロードムービーでバディムービー
凸凹コンビが旅をしながら
絆を深めていく物語
よくある話で
そんなに新鮮味も無い
そんなに新鮮味も無い
でも、この映画は
とてもユーモアのセンスがある
最後まで笑わせてくれて
退屈せず観れます
笑いの作り方が
すごく上手いと思いました
例えば、笑いの伏線の張り方が
とても上手い
物語の所々に笑いのフリになるものを
散りばめて
それをすごく良いタイミングで
回収していきます
トニーが拾って盗んだ翡翠のくだりとか
トニーの銃のくだりとか
ちょっと忘れかけた頃に
見せてくるので
ちょうど笑えるタイミングなんですよ
そして、トニーとシャーリーの
役割分担も笑いの部分に
貢献していると思います
簡単に言えば
トニーがボケでシャーリーがツッコミ
この２人のやり取りが
漫才みたいで笑えます
シャーリーがトニーの書く手紙の内容を
訂正するシーンなんか
漫才そのものですよ
フライドチキンを食べる食べないの
やり取りもとても面白い
食べた残りの骨を窓から捨てるシーンは
めちゃくちゃ笑いました
コメディ的なシーンが多い
笑える映画なんですが
ドラマ部分もしっかり描かれています
２人の絆が深まっていく様子や
それぞれの気持ちや葛藤
この時代の黒人差別の描写
トニーとシャーリーが正反対のように
対照的に描かれていて
相容れないような２人が旅の中で
お互いに認め合って絆を深め合っていく
それだけで熱い物語ですよね
差別の表現もわかりやすく
２人が絆を深めることで
それを乗り越えて行く姿も描かれています
黒人差別だけでなく貧富の差別
みたいなのも見えてきます
トニーとシャーリーも
最初はお互いを少し下に見てます
トニーは単純に黒人差別をしてるし
シャーリーは貧しいトニーを下に見てる
しかし、旅を続けることによって
お互いを１人の人間として認め合い
そして、お互いの足りない部分を
補いあうような関係になっていく
そういうのは観ていて気持ちいいし
２人の友情に
ほっこりした気持ちにもなれました
でも、所々に入ってくる
心無い人種差別の描写は
なかなかキツイし胸糞悪さも感じます
こういう部分では重苦しさもあります
それと、シャーリーの黒人だけど裕福
という居場所のない孤独
どちらでもない苦悩
これは心に刺さるものもありました
ただ、この映画全体が
ちょっと白人目線の良い話なのかな
ってのは感じてしまいます
僕はそこまで気にはなりませんでしたが
こういう問題に敏感な人が観ると
引っかかる所もあるんじゃないでしょうか
あと、この映画はオチが良かった
バシッと綺麗に決まっている上に笑える
なかなか気持ち良い終わり方をしてくれました
観終えた時の爽快感があります
全体的にかなりクオリティの高い映画
だったんじゃないでしょうか
こういうタイプのコメディは
日本人にも通じる笑いです
ドラマも差別問題も
しっかりと描かれていて
とても良い映画でした
