何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「今夜、ロマンス劇場で」感想 設定を全然活かしきれてない てか、活かす気無いのか?


どうもきいつです



恋愛映画「今夜、ロマンス劇場で」観ました

 

「のだめカンタービレ」「テルマエ・ロマエ」などの
武内英樹が監督を務めた2018年の作品
モノクロ映画の中のヒロインと
現実世界の青年が織りなす
切ないファンタジーラブストーリーです





あらすじ
映画監督を目指す健司は
モノクロ映画のヒロイン美雪に心を奪われ
スクリーンの中の彼女に会うために
映画館に通い続けていた
そんなある日、スクリーンの中から
美雪が現実の世界に現れた
自分勝手な美雪に振り回される健司だが
次第に2人は惹かれ合っていく



感想
最初の10分、20分ほどは
それなりに面白い
そこから先は
つまらないラブストーリー



人が死ぬ系のラブストーリーではなさそうで
ファンタジーな世界観
綾瀬はるかも結構好き
そんな理由で前から気になってた映画で
観てみました


フィクションの存在が
現実の世界に現れる
みたいな設定はよくあると思うし
そんな斬新ではないですが

この映画では現実の世界に現れるのが
モノクロ映画の中の登場人物で
現実世界でも姿はモノクロ
これはなかなか面白いと思いました

それに、現実世界の色合いが
とても色鮮やかに表現されています
色彩を意識した映像にこだわっています

これがモノクロの美雪との対比になって
映像的にもとても面白い表現です


そして、世間知らずの美雪に振り回される健司の
ドタバタ劇も楽しいし
コメディとしてもとても見やすいです


まあ、この映画の良い所はこれくらい
これは映画の序盤です
ホントに最初の部分です

こっから先は
ただの質の低いラブストーリーになってます

モノクロ世界からやってきた美雪
という設定は全く活かされず
恋愛描写も全然感情移入できない
取って付けたような設定をぶっこんだり

結局、よくある邦画ラブストーリー
って感じの映画です



まず、恋愛描写だけの話で言うと

なぜお互いが惹かれ合っていったのかを
全く描けていません
健司が美雪を好きになっていく理由は謎
その逆もしかり
ただデートをしてるシーンだけで
それを表現してる

2人が惹かれ合うエピソードは無いし
気持ちを表すような描写も無い
これじゃあ全く感情移入もできない


なんか邦画のラブストーリーって
恋愛感情の表現のやりかたが
デートかキスしかないような気がする

こんな薄い描写じゃ
何も表現できないと思うんですけど
でも、こんなのばっかりですよね…

で、そんなんじゃドラマが
作れないからなのか
取って付けたような設定をぶっこむ


この映画の場合は
人の体に触れると消えてしまう
とかいう謎設定
正直意味わかりません

この設定に関しては全く理由もないし
境界線も曖昧で
完全に製作者の都合で作られた設定

何も無かったらドラマが作れないから
これをぶっこんだんだとだと思います


こんな付け焼刃の設定で展開する物語は
とてもチープだし
しょうもないお涙頂戴になっていて
感動も何もなく
むしろ気持ち悪さが残ります


この映画の登場人物たちは
恋愛によって全く心が成長せず
逆に時間が止まってしまったような
物語になっている

しかも、それを純愛のように描き
美談にしてしまっている
これが気持ち悪さの根源です

そう思うと
ラストシーンもすごく気持ち悪い
あんなのホラーですよ



次に設定を全然活かせてない
という話です

序盤はまだ設定を活かせてると思うし
面白さもあります

それでも、めっちゃ面白いかと言うと
そうでもない
もっと面白くできただろう
ってところもたくさんあります


そもそも、見た目がモノクロという
異形の姿で
現実の世界のことは全然わからない
世間知らずの人間

これって
かなりいろんな使い方が
できると思うんです

笑いも作れると思うし
感動的なドラマも作れると思う
ハプニングやトラブルにも
発展できるはず
素材としてはオールマイティーでしょ

でも、この映画では
全く活用されていません
意味が分からない


最初の健司と美雪の出会いも
すごくあっさりです

モノクロの人間が目の前にいるのに
健司は映画の中から出てきた人間だと
すぐに納得して自分の家に招き入れます

もうひと悶着あっても
いいと思うんですけどね
最初の出会いこそインパクトが重要で
ここで大きいトラブルがあってもいいと思う


美雪が化粧で肌の色を
誤魔化そうとするシーンも
ここでひとボケできるでしょ

今まで色を見たことないんだから
最初はとんでもない化粧で登場して欲しかった
最初から完璧な化粧で登場するとか
つまらな過ぎ


その他も
トラブルに発展しそうなことは起きますが
そこから先が無い
看板に落書きをしても芸術的だと許され
意味のわからない事を言っても
個性的だと言われ流されます
雨に濡れても化粧が落ちなかったり

面白くなりそうな事を
ことごとく潰していくスタイルです


そして、序盤を過ぎると
美雪の見た目はずっと普通だし
今までの設定が無かったことになってるのか
と思うほど触れられません


それが、尺の都合でカットされてるのか
というと全くそうではなくて
むしろ、めちゃくちゃ無駄なシーンが多いです

まず恋愛シーンはほとんど無駄ですね
長いだけで中身無いですから

他にも
美雪のお守りを探すシーンだったり
意味深に映される
ドロップやお地蔵さん

なんか後々の伏線なのかな
と思ってたら
全く何もありませんでした

じゃあこんなシーンカットしろよ
って思う


全体的にダラダラと進んでいく映画です
たぶん詰めれば30分で描ける内容ですよ
マジでそれくらい中身が無い



あと、綾瀬はるか演じる美雪の服装にも
思った事があります

この映画では綾瀬はるかの
いろんな衣装が見れます
それはこの映画の魅力とも思うんですが

美雪は最初からカラフルでオシャレな服
を着回しています
ただ、これが綺麗な色の服を着てるだけ
って感じになってます

ここは、最初の方を地味な色の服で
徐々にカラフルな服に変化させたり
その時の心情に合わせた色の服を
着せたりすれば
美雪の心の変化も表せたんじゃないかな
とかも思いました

せっかく色をテーマにしている映画なんだったら
そういう演出があっても
面白くなったんじゃないでしょうか



設定自体はいいと思いますが
その設定を全く活かせていませんでした
しかも、肝心のラブストーリーは
表面だけのカラッポな話で
面白くなかった

面白い邦画のラブストーリーに
出会いたいけどなかなか出会えない





今夜、ロマンス劇場で Blu-ray通常版