ホラー映画「イット・フォローズ」観ました
ある男との性行為をきっかけに
他者には見えない何かを
目にするようになってしまった女性の
運命を描いた2014年のホラー作品です
タランティーノが絶賛したことで
話題にもなった作品
あらすじ
19歳のジェイは彼氏と一夜を共にする
しかし、彼は突如として彼女を
椅子に縛り付け
ジェイに「それ」をうつしたこと
「それ」に捕まると必ず死ぬことを告げる
ジェイは刻一刻と迫ってくる「それ」から
逃げようとする
感想
怖いし面白い
でも、あんまり意味わからん
考察ありきのスッキリしない映画です
個人的には好きなタイプの
ホラーでした
よくわからない後味の悪さがあったり
謎が多くて掴み所が無かったり
全体的に不気味な作品だと思います
やっぱりホラーはスッキリ終わるより
こんな感じのモヤモヤ感が残る
クセの強い作品の方が好きですね
それで、この映画の中で
最も面白いと思ったのは
迫りくる「それ」の存在です
これがなかなか今まで見たことないような
恐怖の演出の仕方だと思いました
海外のホラー映画でよくあるのは
ひたすら殺人鬼が走って追いかけてくるとか
急に物陰から襲い掛かってくるとか
基本的に威圧感を与えたり驚かしたり
そういう怖さが多いと思います
日本のホラーの場合は
いつの間にか背後に忍び寄っていたり
なにか違和感を与えたり
静かに迫りくる恐怖
みたいな演出が多いです
そして、この映画の「それ」は
そのどちらでもない
ちょっと変わったホラーだと思いました
「それ」は常に徒歩で迫ってきます
急な動きをするでもなく
瞬間移動をするわけでもない
ただひたすらターゲットに向かって
歩いてくる
だから走れば逃げ切れるし
車で遠くに逃げれば時間も稼げる
でも、「それ」は確実に
迫ってきてはいるんです
姿は変化しますが普通の人間
ただ、ひたすらこちらに向かってくる姿は
とても不気味で恐怖感を感じる
この「それ」のホラー表現が
斬新だと思ったし怖さもありました
ここがこの映画での
１番の面白ポイントだと思います
あと、音楽も独特で
妙な世界観を作り上げる要素に
貢献していたと思います
そして、この映画は
最後まで観てもあまり意味が分かりません
ハッピーエンドかバッドエンドかも
わからない
細かい部分も
これどういう意味だろう
というシーンがたくさんあります
「それ」の正体も全然わかりません
結局、全く意味が分からないんですよ
ただ意味が込められている
というのは感じ取れます
だから何か意味がある映画ではあります
そこは自分で考察するしかないです
単純に考えると
「それ」は性病のメタファーなのかな
と思うんですけど
これは監督が否定しているらしいので
違うみたいです
じゃこの映画は一体何なのか？
登場人物が10代後半の男女で
大人はほぼ登場しない
そして、主人公たちは大人に全く頼ろうとしない
セックスを経験することで「それ」は迫ってくる
そこから考えると
「それ」に殺されることは
子供から大人に成長する
ということなのか
「それ」は死の象徴で
死の恐怖をわかりやすく映像で
表現した作品なのか
終盤に「それ」は主人公の父親の姿をしている
それは主人公のトラウマを表現していて
トラウマを乗り越えるという物語なのか
ラストの展開から考えると
本物の愛を見つけることで
「それ」を乗り越える
愛を描いた物語だったのか
正直、マジで考えがまとまらないし
何も確信できない
さすがにヒントが少なすぎ
もうちょいヒントくれよ
とは思います
ホラー的には面白かったし
考察するのも楽しいですが
ツッコミどころもあったりします
「それ」は歩く事しかできないので
もし海の向こう側まで逃げれば
助かるんじゃない？
とかも思ってしまいます
最後の方に
プールで「それ」と対峙するシーンは
主人公たちが何をしたいのかが
いまいちわからなかったりします
あの場所でどういう勝算があったのか？
なんか、狼狽させられただけだし
あと、セックスで「それ」をうつせる
という設定があまり活かせてなかった
ようにも思えます
セックスにより次々にうつっていくような
シーンはありませんし
主人公もそんなにセックスをしない
それを活かした演出とかも無かったです
じゃあ、セックスじゃなくても
よかったんじゃない？
とも思ってしまいました
気になる部分も少しありましたが
でも、なかなか面白い映画でした
意味が分からないので
考察するのが楽しいです
ただヒントはもう少し欲しい
