何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」感想 設定に捕らわれ過ぎて中身が無い

 

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どうもきいつです



恋愛映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」観ました

 

七月隆文の同名小説を実写映画化した
SFファンタジーラブストーリーです
「アオハライド」などの数々の
青春ラブストリーを手掛けてきた
三木孝浩監督と脚本家の吉田智子が
再びタッグを組み
京都を舞台に20歳の男女の純愛を描く





あらすじ
美大生の高寿は通学電車の中で見かけた
愛美に一目ぼれする
高寿は勇気を出して声をかける
やがて2人は意気投合し付き合う事になり
幸せな日々を過ごしはじめるが
ある日、愛美は信じられないような
秘密を明かす



感想
設定は面白いけど
無理があり過ぎて破綻してる
設定だけで泣かそうとして
ドラマに工夫が無かった



そもそも、この映画の設定は
面白いけど完全に破綻しています

主人公とヒロインの時間が
逆行しているというSF的な設定です
主人公の時間は未来へ進み
ヒロインの時間は過去へ進むというもの

この時間のすれ違いが
恋愛のすれ違いとも重なるし
面白いとは思います

ただ、物理的にありえないし
ツッコミどころが多い
矛盾だらけでこの設定がノイズになる

でも、この設定を否定してしまうと
本作の存在自体を否定してしまうので
ここは目をつむって観るのがいいと思う
だから気にしないで観ましょう



ここから先は設定の矛盾は
無視して話します


全体的に見ると
邦画のラブストーリーの割に
そこまで悪くないと思いました

しかし、比べる作品の質が
悪すぎるというのもあるので
結局はそんなに良い映画では
なかったです



序盤の一目惚れからの
付き合うまではとても良かったです

一目惚れという偶然の出会いから始まる
というのは
この映画の終盤の展開に
とてもいい役割を果たしていると
思いますし

奥手の男子が勇気を振り絞って
声をかける
そのシーンで高寿の人間性を
理解できる

それに対しての愛美の対応で
愛美のミステリアスさも表現しています

それからの2人の交流も
ほっこりしていて好感が持てるし

告白のシーンも良かった

ただ、それはその先に
期待してるからであって
これだけじゃ全然物足りない


でも、やっぱりその先が尻すぼみ
設定に食われてしまってます

この2人は設定上
30日間しか出会う事ができません
高寿にとっては1日目が初めての出会い
愛美にとっては30日目が初めての出会い

だから思い出も逆転してます
記憶に関してもすれ違っているわけです

この映画の後半部分は
こういった設定の説明
みたいになっていて
全然面白くないんですよ

そして、せっかくの面白い設定も
あまり生かせていない


本作は設定がガチガチに固められていて
そのせいでオチの作りようがないんです
全ては運命に定められていて
物語の着地点も決まっています
主人公たちは運命に
抗う事もできないんです

だから、オチで魅せることが
できない映画なんですよね

なら、人間ドラマや中身で
勝負するしかないんですが
それもあまりできていない

しょうもない伏線とかに
こだわってるんですよ


2人の境遇を考えると
この映画のピークは15日目じゃないと
ダメだと思うんですけど
本作は15日目にタイトルを出すだけという
かなりダサいことしています

全体的に主人公の高寿中心の
物語になってしまってるんですよね
だから物語のピークも30日目に
なっています

ただ高寿が気持ちよくなってるだけで
愛美の事は全然考えていない

29日目に高寿の両親に愛美を紹介する
とか意味が分からない
愛美にとっては出会って2日目の男の
両親に紹介されてるんですよ
こんなの赤の他人の家に
急に行ってるようなものです
気まず過ぎる

これはカレーの伏線回収を
したかったんでしょうね
そんな大した伏線でもないのに…

両親なんか出す必要なかったと思う


こんな事するなら
15日目を境目に
お互いの立場が逆転していく様子を
描いた方が絶対面白いと思うんですけど

その方が高寿の切ない気持ちも
もっと浮き彫りになると思うし

時間が過ぎるにつれ
愛美の態度がよそよそしく
なっていったら
すごく切ないと思うんですけどね

そして、愛美にとっての
初めての出会いも偶然だった方が
本作では最も良い終わりでしょ


でも実際は
愛美の気持ちなんかもほぼ描かず
ただ伏線回収に徹した様な
終わり方です

設定を上手く見せようと
しているんでしょうが
逆に全然上手くなかった



それと、邦画の青春映画に
ありがちなんですが

輝いていた瞬間に捕らわれ
時間が止まってしまう
経験を経ても全く成長しない
というのも顕著にあらわれている

しかも、それを美しいこと
純愛だと
描いているんですよね

やっぱりこういうのは
とても気持ち悪い

本当なら
2人がかけがえのない
輝いていた瞬間を経験して
例えそれを失ったとしても
それを糧に成長する姿を見せなければ
ならないと思います

しかし、本作では成長するどころか
過去に縛られてしまっている


本当に
邦画のラブストーリーは
教育に悪いのが多い

しかも、こういうのって
ティーン向けでしょ?

美少女アニメを規制しろとか言う前に
こういうのを規制しろよ
と思う



最後に
SF設定の背景が曖昧過ぎるのも
どうかと思う

あまりにも何も無さ過ぎる

なんか不思議な世界
くらいの感じでしか
説明されていない

そこは無理やりにでも何かないと
この設定が取って付けただけの
ご都合主義にしか見えないですよ

そんなのを見えないようにするために
SF作品は試行錯誤してるのに
そこをサボるな
とは思いました



邦画のラブストーリーの質が
あまりにも低すぎて
本作程度の作品でも
まだマシに見える
それってヤバくないですか?

この映画も評判はそんなに
悪くはないみたいです
このままで邦画大丈夫か?




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