何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「恋は雨上がりのように」感想 夢を失ってしまった大人にこそ観てほしい そして、小松菜奈が最高

 

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どうもきいつです



青春映画「恋は雨上がりのように」観ました

 

眉月じゅんによる人気コミックを実写化した
2018年の青春ラブストーリー映画
ファミレスの店長の男と
彼に心を奪われた女子高生が織りなす
恋模様を描いた作品

 

監督は「帝一の國」「世界から猫が消えたなら」
などの永井聡が務めています





あらすじ
ファミレスでアルバイトをしている
橘あきらはファミレスの店長の近藤に
恋心を募らせていた
45歳の近藤はあきらより28歳も年上で
子持ちのバツイチだったが
あきらの気持ちは日に日に増していき
ついに思いを押さえきれなくなり
近藤に告白する



感想
女子高生とオッサンの
禁断の恋愛映画だと思ったら
全然違った
青春を失った女子高生とオッサンが
出会う事でそれを取り戻す
爽やかな青春映画でした



話題になってましたけど
原作漫画は読んでいませんでした

女子高生がオッサンに恋をするという
設定を軽く知っていただけなので
単純にそういう禁断のラブストーリー的な
作品と思っていたんですが

かなり爽やかで
観終わった後は清々しい気持ちになれる
そして、青春はいつになっても終わらない
そう思わされました



この映画は
恋愛映画というイメージが強いと思いますが
実際に観てみると
意外と恋愛よりも
人間の成長という部分に焦点があたっている
作品でした

恋愛を通して人間が成長する姿を
描いています
普通の恋愛映画は
恋が成就するかどうか
というのが重要ですけども
本作の場合はそこはそんなに重要じゃない

むしろ2人の青春を描いた
友情物語かもしれません


この2人の青春を取り戻していく姿
ってのが心に刺さる

この映画は若者よりも
夢を諦めてしまった大人の方が
心に沁みる内容なんじゃないでしょうかね


陸上選手として輝いていたが
ケガをきっかけに
やりたい事ができなくなり
自暴自棄になるあきらと

過去の夢に未練を持ちながらも
そこから離れてしまい
それなりの日々を送る近藤

この交わることのない2人が
ふとしたきっかけで出会い
そして、お互いに影響し合っていく


自分に恋するあきらを心配し
自暴自棄になるあきらに
アドバイスの言葉をかける近藤ですが
それは、まるであきらに重ね合わせた自分へ
言っているようにも聞こえ
あきらに向き合う事で自分とも向き合い
成長する姿を描いています

あきらもそんな近藤の言葉だからこそ
受け入れる事ができ
最後には一歩踏み出す事ができる

諦めることで失うものの大きさを知っている
近藤の言葉には重みがあるし
今すべきことの大切さが伝わってきます

それが僕自身の心に響きましたし
大人になったからって好きなことを
捨てなくてもいいんだな
と思わされました



そして、この映画は
見せ方が上手いし面白いと思う

冒頭の主題歌とともに
街を颯爽と走るあきらを映したオープニングは
とても良かった

爽快感があるし映像的にも面白い
こんなに滑るかってくらい
スライディングが滑る
笑ってしまうほど滑る
この時点でこの映画すごく面白そう
って気持ちになります


演出もすごく良かったと思います

基本的に余計なセリフが無いように
思いました
状況や感情を
セリフで説明してしまわないので
それがとても自然に見える
でも、言葉での情報は少ないですが
ちゃんと理解できるように見せてます

あきらが走れなくなったというのも
それまでの会話や演出を積み重ねることで
脚のキズを見せただけで
ケガのせいで陸上ができなくなったんだな
と察する事ができます

近藤の過去も
部屋の中の大量の本と
白紙の原稿用紙だけで
夢を諦めて
今はファミレスの店長をやっている
というのが伝わるし
夢に未練があるというのもわかります


そういう演出が笑いにも生きていて

ファミレス内で起きる事は
状況だけで笑わせてくれる
 
店長の悪口をたまたま聞かれたり
あきらの人によっての態度の変え方も
面白いですし

そんな笑いのシーンも後々の展開に
効果を表してくるのも上手いです

デートのシーンなんかも面白いですね
近藤とバイト先の同僚への気持ちの違いが
極端すぎて笑えます

しかもそれを服装だけで表してる

このときに着てる空手チョップTシャツの
使い方も上手い

序盤にダサいTシャツとして見せておいて
このシーンでこれを着ることで
笑えるシーンになるし
あきらの気持ちもストレートに
伝わってきます

こういう笑いの演出も
とても好きでした


そして、あきらの心情を
雨を使って表現しているのも良かった
 
あきらの気持ちが
不安定なとき、哀しいとき
そういうときに雨が降る

ラストシーンの晴れた空も
清々しい気持ちを表せています

かなりベタな演出ですけど
タイトルともとてもマッチしてるし
効果的な演出だったと思います





さらに、主演2人が素晴らしかったと思う

あきらを演じる小松菜奈
近藤を演じる大泉洋
この2人がとても良かったです

大泉洋はいつものとぼけた顔も
とてもこの役に合ってたと思うし
優しさなんかも醸し出しています

オジサンという雰囲気も出ているんですが
なんか若い子に好かれてもおかしくないな
って思えるような魅力も感じさせています

冴えないオジサンだけど内に秘めた若々しさ
みたいなのが見えてくるんですよね

演技ももちろん上手いし
この役にもぴったりと
ハマってたんじゃないですかね


そして、小松菜奈は
今まで見た小松菜奈の中で
1番可愛かったと思う

基本的に不愛想な表情が多いんですが
そういう表情がとても似合っている
この表情もとても魅力的で好きなんですが

普段不愛想なぶん笑ったときが
めちゃくちゃ可愛い
好きな人の前だけで見せる表情
ってのもまたいいですね

で、可愛いだけじゃなく
エロさもある

この映画は小松菜奈のエロさも
存分に出してるんですよ
特に脚の撮り方がエロ過ぎる

自分の部屋のベッドで横たわってるシーンは
ヤバいです

17歳役にしてはエロ過ぎる気がしますが
それがいいんですよね

このエロさというのも
小松菜奈の魅力だと思うし
それを押し出してるってのは
かなり良かったです

本作の小松菜奈の使いかたは
100点だったと思います


この主演2人は
演技力も安定してるし
キャスティングとしても
バッチリだったんじゃないでしょうか



笑えるし
心に刺さるメッセージはあるし
小松菜奈は素晴らしいし
最高の映画でした

邦画ラブストーリーとか
漫画の実写とか
ネガティブなイメージが強かったけど
本作はとても面白い
邦画もやればできるじゃん
って思えました





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