ミステリー映画「ルイと9番目の人生」観ました
9年で9度死にかけた不思議な少年の
物語を描いた2016年の作品
リズ・ジェンセンの小説
「ルイの九番目の命」を原作としています
監督は「ホーンズ 容疑者と告白の角」
などのアレクサンドル・アジャです
あらすじ
生まれてから毎年命にかかわる事故に
見舞われてきた少年ルイは
9歳の誕生日にがけから転落し
命は取り留めたが昏睡状態に陥る
彼を目覚めさせようと担当医パスカルが
奔走するが
そんな中、ルイの周りで不可解なことが
起こりだす
感想
ダークファンタジーなのか
リアルなミステリーなのか
どっちつかずの印象
オチも途中で読めてしまうし
全体的に淡々と進んで
面白みが無いです
以前から少し気になっていた映画
ミステリーとファンタジーが
絡まった映画なのかな
と思い鑑賞しました
結果的にそんなに
ファンタジーじゃなかったし
ミステリーとしても弱め
ギレルモ・デル・トロの
「パンズ・ラビリンス」に
雰囲気が似てるとこもあるけど
あれほどの完成度も無い
かなり微妙な出来だったと思います
ファンタジー部分で言うと
かなり薄いし
必要あったのかな
と思ってしまう
でも超常的なことが
物語に絡んでもくるし
全く無かったら話が進まない
これはかなり中途半端だな
と思ってしまいます
ホラーっぽい要素もありましたが
取って付けたような感じがして
これって必要だったのかな
と思ってしまう
雰囲気的にはいい感じはしましたけど
特別良かったとは思えなかったです
そして、ストーリーが
あんまりだったな
という印象が強かったです
ミステリーとしていまいちだったし
人間ドラマも薄いような
気がしました
この映画では
ミステリーの謎解きと
人間ドラマとの相性が
悪かったように思います
ドラマを描きすぎると
ミスリードなどがあまりできず
最終的なオチのネタバレになってしまうし
かと言って
ミステリーを重視して
謎を隠して伏線を散りばめたとしたら
ドラマが弱すぎて感情移入が
しづらくなると思う
で、結局この映画は
ちょうど中間ぐらいに落ち着いて
それはそれで
どっちつかずになってしまい
中途半端になったんじゃないでしょうか
ドラマの部分では主人公のルイが
何を考えてるのかが
わかりづらかったです
ここでルイが語り過ぎてしまうと
事の真相が見えてしまうし
仕方がないのはわかるんですけど
それでも、やっぱりルイに
掴み所が無さ過ぎて
物語に気持ちが入っていきません
昏睡状態に陥ったルイの
精神世界での物語が繰り広げられますが
ここではルイが一方的に
自分の説明をしているだけのように感じて
つまるところ
ルイが一体どういう気持ちなのか
何を求めているのか
そういうものが全然見えてこない
だから、物語の方向性が掴めず
観る側はどういうスタンスで観ればいいか
ちょっと戸惑います
他の登場人物も同じで
何を考えてるのかがわかりづらい
ルイの両親にしろ担当医師にしろ
どういう気持ちで行動してるのか
そういうのが見えてこない
これも、結局は
描きすぎるとオチがわかってしまう事の
弊害だと思います
そのせいで
誰を中心にこの映画を観ればいいのかが
わからないんですよね
中心の軸になる人物がいないから
ドラマもミステリーも
なんかブレてる感じがします
さらに、最終的に
ルイの心の成長が曖昧で
ラストをどういう気持ちで観ればいいのか
よくわからない
良い終わり方なのか嫌な終わり方なのか
そのへんも中途半端です
感動的っぽい感じには見えるんですが
いまいち感動するポイントが
わからないですし
父親とルイとの絆で
ルイの成長を描いてるのは理解できますが
終盤まではミスリードのために
父親とのエピソードがあまり描かれず
終盤に急に
父親と強いきずなで結ばれていました
と言われても、気持ちが追いつかない
全体的にドラマを描こうとしてるのは
伝わってきますが
なんか掴み所が無くて
最終的にどんなメッセージが
込められていたのかが伝わってきませんでした
そして、ミステリーに関しては
早い段階でオチが見えてしまいます
最後まで観て
結局、思ってたようなオチです
これも、やっぱりドラマを
描こうとした弊害だと思う
ルイの母親の人物像や心の闇
これを描くことで
真相が簡単に見えてきてしまう
ミスリードにも気づいてしまいます
序盤から母親が普通じゃないヤバい人
そういう人に見えるので
たぶん、そういうことなんだろうな
と思ってたことが
この物語の結末です
だから、オチにも驚けない
でも、この内容を成立させるのは
かなり難しいんじゃないのかな
と思います
ドラマを描きつつ
ミステリーも成立させるには
かなり練り込んだ脚本が必要だと思う
正直、そんなの無理じゃないですかね?
だったらどっちかを捨てるしかない
しかし、そうしたら原作の意図するものから
逸れてしまうかもしれない
難しいですね
これが最善だったのかも
そんな感じで
全体的に中途半端で
あまり面白いとは思えませんでした
終始掴み所が無く
なんか退屈な映画でした