どうもきいつです
SF映画「オートマタ」観ました
人類と人工知能の未来を描いた
スペインとブルガリア合作の
2014年のSFサスペンス映画
監督は「シャッター・ラビリンス」などの
ガベ・イバニェスが務めています
あらすじ
砂漠化が進み人類存亡が迫りつつある2044年
人間に代わる労働力として
人工知能搭載ロボットが
人々の生活に浸透していた
そんな中、ロボットを管理する企業で
調査官として働くジャックは
人工知能に組み込まれたルールが
破られていることに気付く
感想
世界観や設定に魅力はあるが
なんかどこかで見たことが
あるように感じる
全体的に抑揚がなく終始地味で
少し退屈な映画でした
この映画の内容は
SF映画ならよくある話で
科学の発達が故に
人類が危機に陥っているディストピア
人工知能と人間の行く末はどうなるのか
というものが描かれています
ただ、この映画の場合は
よくある人工知能が暴走して
人間に脅威を与える
という話では無くて
むしろ
人間が勝手に人工知能に怯え
そして人間が勝手に暴走してる
そんな映画でした
このアプローチは面白いな
と思いました
大体こういう作品って
進化し過ぎた人工知能が
人間の脅威になって
人類を脅かすんですが
本作は逆で
人間が人工知能の進化を妨げる
人工知能を恐れるが故に
人類が人工知能の脅威になります
ここは新鮮にも感じましたし
とても興味深い内容
素材はとてもいいと思うんですが
映画としてあまり面白くなかった
映画全体がいまいち掴み所が無く
そのうえ終始淡々と物語が進んで
抑揚もあまりない
ちょっと退屈でした
結局、この映画は
最終的にどこへ向かってるのかが
よくわからないんですよね
最後まで観ても
なんかフワッとしていて
あまりスッキリしない
そもそも、登場人物がみんな
何をしたいのかがハッキリしない
一応、みんな目的があるわけなんですが
漠然としているんです
例えば主人公のジャックですが
はじめは仕事としてロボットたちの
調査をしています
ロボットを不正に改造したのは誰か
それを見つけるために行動している
しかし、仕事なんて言ってられない状況に陥り
さらに事の真相が見えてきたところで
彼の目的が完全に無くなってしまう
ただ生きて街へ帰る
それだけになったしまうんですよ
仕事を取ってしまうと
途端に目標が無くなってしまうって
定年退職したオジサンみたい
主人公であるジャックに人間としての
目標や信念みたいなものが無くて
終盤になると映画全体が曖昧になってきます
着地地点が見えなくなってしまってる
ロボットたちも
いろいろとなんかやってるんですけども
なんか漠然としていて掴み所が無い
自分たちで新しいAIロボットを作ったり
谷の向こう側に渡ろうとしたり
でも、その先に具体的なものは無いので
結局なにがしたかったのか
と疑問が残ってしまいます
人類という枷から解放されて
進化をしたい
というのは伝わるんですけど
行動としては漠然とし過ぎで
なんか納得できない
それに、ロボットたちは
人間の手から離ることで
どうなったのか?
それも描いてほしかった
この先で人工知能が出す答え
それがこの映画の中で
最も重要なことだと思うんですけど…
そこはご想像におまかせ
てな感じで終わってる
ここはこの映画の重要なメッセージの
部分でもあるんじゃないですか?
ちょっともったいないですよね
敵側も同じで
とても暴力的に事を進めてるんですけど
そこまでして何を達成したいのか
それが曖昧
ジャックを捕まえようとしてるけど
捕まえてどうするのか
ジャックが狙われてしまってるのは
真実を知ってしまったからだとは
思うんですけど
それを知られて
具体的にどう都合が悪いのか
そういうのも漠然としていて
すごくモヤモヤしました
最終的にはいい感じっぽく
終わってましたけど
何が正解だったのかも
よくわかりませんでした
そして、物語の展開はあまり変化が無く
一本調子で続いていくので
正直、眠くなってきます
途中からは砂漠でのシーンが続き
画面的な変化も少なくなるので
よけいに退屈になってくる
記憶に残るようなシーンは
あまり無かったです
ちょっとしたカーチェイスはありましたが
この映画の中では派手な方ですけど
そんなにインパクトが
あるわけでもありませんでした
映像面は作り込まれていて
世界観は確立されてます
街並みのCGは綺麗だし
荒廃した近未来って感じがとても出ている
近未来のディストピア
というのが伝わってきます
空気感や雰囲気もリアルに感じるし
ワクワクさせてくれました
ただ
すげぇブレードランナーっぽい
街中のデカいホログラムの人間とか
もろにそれだし
すこし陰湿な近未来の街並みとか
影響は受けてるんだろうな
とは思いますが
さすがに似すぎでしょ
一昔前のSF的な世界観に
あえてしているとは思うんですけど
もうちょっとオリジナリティーが
あっても良かったんじゃないでしょうか
ロボットのデザインも
あえてチープにしていると思います
でも、特別インパクトがあるデザインでもなく
印象がとても薄かったです
それと、チープさが故に
人工知能に怯える人類
という設定の妨げにもなっていたように思える
あのロボットが
本当にすごい人工知能なのか?
と少し疑問に思えてきます
世界観とテーマがちょっとずれてたのかな
と感じました
それでも、ショボさはないし
映像的にはクオリティが高かったです
雰囲気やテーマは良かったのに
中身が漠然とし過ぎで
結局は何を見せたかったのかが
いまいち理解しがたい
この映画が伝えるメッセージについても
重要な所が欠けていました
なんかとても惜しい映画だった