何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「悪の教典」感想 インパクトはすごくある ただ、それだけ感は否めない

 

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どうもきいつです


サスペンス映画「悪の教典」観ました

貴志祐介によるベストセラー小説を
実写化した2012年のサスペンス
生徒に慕われる高校教師が
自身の目的のため殺人を繰り広げる
狂気の姿を描いた作品です

「十三人の刺客」「クローズZERO」などの
三池崇史が監督を務めています

 

あらすじ
生徒たちから圧倒的な人気を集める
高校教師の蓮実は
生徒だけでなく他の教師や保護者も
一目置く模範的な教師だった
しかし、その正体は
生まれながらのサイコパスで
自らの目的のために殺人を繰り返す
狂気の人物だった

 

感想
インパクトのある設定と
派手な演出で
面白いと思わされる
でも、実際は何がしたいのか
わからない映画

 

公開当時は話題にもなってたんですが
今まで観たことがありませんでした

個人的には好みの内容だと思ってたし
観たいとも思ってたんですが
なんとなくスルーしてて
今さらながら鑑賞しました


思ってた通り
やり過ぎで無茶な殺人描写などは
面白く観れましたし
伊藤英明のサイコパス演技も
なかなか楽しめました

ただ、表面的には楽しめましたが
深い部分ではあまり腑に落ちない

最高に面白かった映画
とは言えない何かを感じました


この映画
結局、何を見せたかったのかが
ちょっと曖昧かなと思います

徐々にサイコパスの本性が
あらわになっていく様子を描いた
サスペンスなのか

ただ単にヤバい奴が
人を殺しまくるスラッシャー映画なのか

いまいちどっちつかず
両方とも中途半端というか

ちょっとブレてしまってる
気がするんですよ


映画前半は
蓮実の学校での立ち位置とか
どういう人間とだとか
そういうのが描かれます

その中でが校内での問題なども
並行して描かれ

いいわゆる普通の
学園ドラマのように描かれる

蓮実の描き方も
生徒に好かれる良い教師
学校内の問題にも向き合うし
生徒たちにもしっかり向き合う
熱い教師のように見せています

これが後のミスリードになってるし
後半とのギャップのインパクトを
作るための要素だと思います


しかし、これって完全に破綻してますよね

蓮実がサイコパスというのが
最初からわかってるんですよ

当時の宣伝とかでも
伊藤英明がヤバい奴を演じている
というのを売りにしてましたし

あらすじなんかでも
普通に蓮実がサイコパスだということが
書かれていたりします

公式のネタバレですよね


作品の内容と作品の売りが
ズレてしまってると思うんですよ

はじめから蓮実がサイコパスの殺人鬼
という見方しかできないので
序盤のシーンが無駄なように思えます

そして、そんなフリの部分が
長いんですけど
オチがわかってしまってるので
フリ自体も弱く感じてしまってる

だから、前半の部分は結局何だったんだろう
と思ってしまうんです

 

後半部分の蓮実の殺戮シーンでは

映像の派手さや
生徒たちを皆殺しにしようとする
高校教師というインパクトある
狂気の世界観は
とても良かったんですけど

結局はスラッシャー映画としては
ちょっと微妙な気もします

基本的にただ蓮実が人を殺すだけ
というシーンがずっと続くので
正直、飽きてきます
しかも結構長いんですよね
このシーン

生徒たちは泣きわめいて
ただ逃げまわってるだけだし
たまに起こす行動もバカすぎる気がする

蓮実は蓮実で
今までの冷静沈着なシリアルキラーは
どこへやら
ってな感じで
ただショットガンぶっ放してるだけ
知的さのかけらも無くなってしまってる

今までは
自分の弊害になる人間を
如何にばれずに殺すか
というやり方の蓮実だったんですが

後半の大量殺戮は
蓮実にしては安直すぎるようにも思えて

前半と後半でキャラが変わってしまった
ように感じてしまいました


生徒たちに関しては
多すぎるなと思いました

原作ではそれぞれの生徒の
エピソードが描かれているのかも
しれませんが

本作では生徒たちが
とにかく薄い
だらが誰かわからないです

薄い上にいっぱいいるんで
顔も覚えれず
感情移入もできません

生徒の中に
めちゃくちゃ嫌な奴がいるとか
すごく感情移入できる人がいるとか
そういうのも無いので

死ぬシーンで
爽快感もあまりないし
緊張感もあまりない


せめて、前半部分で
後に活躍する生徒だけでも
キャラを濃く描いてくれたら
違った見方ができたと思うんですけどね

アーチェリー部の男子が急に活躍したり
してましたけど
だれ?って感じでしたし

 

この映画を観て思ったのが

たぶん監督は
サスペンスではなくスラッシャー映画を
エンターテイメント的に撮りたかったのかな
と少し感じました

おそらく原作は
しっかりとしたサスペンスだと思うんですよ

そこをあえて監督は
ハチャメチャなスラッシャー映画に
しようとしたんだと思います

ただ、原作を再現したい
という気持ちもあったと思うし
サスペンス要素や
生徒たちのドラマなども
ある程度描いたんだと思います

だから、全体的にバランス
が悪くなってると思うし
内容の割に2時間と
少し長めでテンポが悪かった


それなら思い切って
序盤のサスペンス部分をもっと短くして
蓮実と生徒の攻防戦をメインにした方が
エンターテイメント的には
もっと楽しめる作品に
なったんじゃないでしょうか

蓮実の心象風景みたいなのも
蛇足に感じたし無くても良かったと思う

 

そんな文句を言いつつも
楽しめたことには間違いないんですがね

過激な攻めたシーンは
とても見応えがありました

容赦なく高校生たちが
銃で撃ち殺されていく
こんな過激なものはなかなか
見れるもんじゃないです


伊藤英明の狂気の演技も
素晴らしかったと思います

普段は熱い正義漢みたいな役を
演じることが多い彼が
こんなサイコパスを演じるという
ギャップだけで面白みがあります

特に最後の
生徒が生き残てってることを知ってからの
蓮実の変貌ぶりはゾッとしました


全体的に勢いはすごくあって
力技で面白いと思わせてしまう
そんな魅力のある作品でもありました

 

原作を知ってる人からすれば
また見方も変わってくるかも
しれません

面白いと思う部分もあれば
微妙と思う部分もあって
完全に乗り切る事はできませんでした

ただすごい映画ではあると思うので
観る価値はあるかな
と思います

 

 

 


悪の教典 Blu-ray スタンダード・エディション

 

 

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