何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「アイアン・スカイ」感想 個人的にはそんなに笑えなかった 悪くはないと思うんですけど

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どうもきいつです


SFコメディー映画「アイアン・スカイ」観ました

フィンランド・ドイツ・オーストラリア
合作の2012年のSFコメディー映画
予告を公開し出資を募ると
約100万ユーロのカンパを集め
話題となった異色作

敗北したナチスの残党が
実は月の裏側の基地に潜み
地球侵略を目論んでいたという
ブラックコメディー作品です

 

あらすじ
1945年アドルフ・ヒトラー率いる
ナチス・ドイツは完全に敗北
しかし、その一部のエリートたちは
月の裏側へと逃亡を図り
秘密基地を建造していた
そして彼らは復讐の機会をうかがい
ついには地球侵略を開始する

 

感想
かなり攻めた内容の映画で
面白いと思う
こんな毒吐きまくりの映画は
なかなか観れないと思います
日本では絶対に作られないような
タイプの作品
ただ、個人的には全然ハマらなかった

 

マニアにはかなり評判の高い映画
みたいですね
なので、結構期待してました

期待していた割に
そんなに笑えなかった

面白いとは思うんですけどね
それにかなり攻めてるな
とも思いましたし
こういう映画が好きな人もいる
っていうのも全然わかります

ただ、全然自分のツボには
ハマりませんでした

 

アイデアなんかも
すごく面白いです
こんなバカな発想よく思いつくな
と感心してしまいますよ

設定やストーリーも
意外とちゃんとしてたりするし
映像も予想以上のクオリティでした

ただのB級映画だと思ってたら
想像よりもB級じゃありません


特に序盤の月の基地での場面は
なかなか好きでした

ナチスの残党なので
かなり偏った過激な考えの連中ですが
歳月が過ぎたせいか
ちょっと平和ボケしてる感じが面白い

主人公のレナーテなんか
偏った考えだけど
普通に良い人間ですし

ナチスが隔離された世界で
独自の進化を遂げたような世界観は
とても面白かったです


CGなどの映像も
なかなかクオリティが高くて
見応えがありました

後半の月からやってくる
ナチスの宇宙船やUFOも
迫力があったし

終盤に登場する
超巨大戦艦はすごくカッコいい

CGも割とリアルだったし
違和感があまりなかったです

 

そんな感じで
普通に面白いっちゃ面白いんですけど
この映画の一番の売りでもある
ブラックな笑いが
いまいち笑えなかったんですよんね

これは好みの問題なのかもしれませんが
僕には全然ハマりませんでした


この映画では

風刺的な笑いや
ちょっと毒のある描写
下品な言葉とか

そういう要素がたくさんあって
それをコメディーとして表現しています

基本、全方面をバカにした内容で
ナチスはもちろんバカにしてますし
アメリカの事もバカにしてる
その他の国も滑稽に描かれています

他にも
黒人差別にも切り込んでる
ギャグだったりとか
時代による文化のズレを
笑いにしてたり

あとは下品な言葉を
使いまくっていたり


そんな感じでとても攻めた内容で
それをブラックジョークとして
表現してるんですが

そんなに面白くない


この映画のギャグって
基本的に全部一発ギャグ的で

物語の中でもそれらが特に
機能してるわけでもなく
単体として見せられる

とにかくギャグを数撃ってるだけ
って印象でした

しかも、それらが
ただ毒舌を並べてるだけだったり
言葉が暴力的なだけだったり
なんとなく滑稽に見せてるだけだったり

いまいちユーモアに欠けるな
と思いました
それに、そういう描写が
テンプレートのようにも感じましたし
オリジナリティにも欠けていた

言いたい事とか
どこで笑わせたいのとかを
理解はできるんですけど
爆発的に笑えるところは
ありませんでしたね


ギャグの描写が
もうちょっとひねりのある
表現だったり
ストーリーに絡んできたりしても
面白くなったような気がします


それと、もっとナチスの
時代錯誤感も押し出してほしかったです
この部分ってもっと
面白く出来たような気がする

ナチスは月へ行ってから
何十年も地球の情報を
遮断されている訳なんですから

今の地球の文化に驚いたり
戸惑ったりする描写が
もっとあってもよかっと思う


でも、本作では
スマホの存在もサラッと
受け入れてしまって
さほど面白く扱われていなかったり

地球へやって来てからも
地球の文化の変化には
ほぼ触れていない

彼らは第二次世界大戦の時代から
タイムスリップしてきてるような
もんなのに
そういう時代によるズレを
全然見せてくれなかったのは
ちょっともったいないな
と思ってしまいました


そもそも、ナチスの科学技術が
すごいのかすごくないのかが
めっちゃブレていて
結局なんかよくわからなく
なってくるんですよね

コンピューターは
昔ながらのデカい奴なのに
超デカい宇宙戦艦とかを作ってますし

そういう、映画として
曖昧でちぐはぐな部分とかも
自虐ギャグとして
見せてくれれば面白かったのにな

 

ちょっと嫌な言い方になるけど

この映画を観て
社会風刺が面白いとか
ブラックユーモアが笑えるとか言って
絶賛してる人って

海外のそういう表現や意味合いを
理解できている自分に酔ってるだけじゃない?
みたいに思ってしまいました

確かにこの映画で描かれている
風刺は攻めてるし
こういう映画の魅力も理解できます
こんな作品が作られるべきだとも思う

ただ、笑えるか笑えないかで言うと
そんな笑えるものではなかったかな

笑いの質としては
そんなに高くないと思う


これは僕の性格が悪いから
思っただけの事です

 

否定的にはなりましたけど
この作品自体は
そんなに嫌いじゃないです

笑いの部分では
自分に合いませんでしたが
面白い映画だとも思ってます

続編もかなり気になってますし

予告映像を見たら
バカバカしくて観たくなりました
期待してます

 


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