何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「居眠り磐音」感想 磐音というキャラが魅力的 それだけで好きになれる映画

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どうもきいつです


時代劇映画「居眠り磐音」観ました

佐伯泰英の人気時代劇小説を
実写映画化した作品
不幸な過去を背負い故郷を離れ
江戸で浪人として暮らす男が
悪に立ち向かうため
剣を振るう姿を描いています

監督は「超高速!参勤交代」などの
本木克英が手掛け
主人公の磐音を時代劇初主演の
松坂桃李が務めます

 

あらすじ
豊後関前藩の坂崎磐根は
ある事件をきっかけに
2人の幼馴染を失い
婚約していた奈緒を置いて関前を去った
その後、江戸で浪人として生活を
することになった磐音は
昼はうなぎ割き
夜は両替商の用心棒として働きはじめる

 

感想
磐音というキャラクターが
とても魅力的で好きになる
時代劇としても
観やすくてわかりやすい
面白い作品でした

 

時代劇は普段あまり見ないので
時代劇自体かなり久しぶりに
観たんですが

久しぶりに観たというのもあって
こういう作品が少し新鮮に感じました

あまり時代劇に馴染みの無い僕でも
わかりやすく観れましたし
ベタな勧善懲悪な話でもあるので
時代劇を観てるな
という気分にもなれます


物語の内容は
かなり重い設定ではあるものの
そこまで全体が重くなり過ぎず
コミカルな雰囲気もあったりして
バランスが良く軽く観れる
内容でもありました

 

この映画の1番の魅力と言えば
やっぱり主人公の磐音だと思います

普段はおっとりゆったりと
フワフワした性格の磐音ですが

実は重い過去を背負っていて
そして、剣の腕は一流で
めちゃくちゃ強い
というギャップがカッコいいキャラです

これだけで無条件に
カッコいいと思ってしまう

舐めてた奴が実は強かった
みたいな

中二病的なキャラクター
そそりますよね

しかも、剣術のスタイルが
居眠りをしているような
特殊な構え
その上めっちゃ強い
という設定がさらに魅力を増してくれる

ちょっと少年漫画っぽさも
ありますよね


それに松坂桃李の
もともと持っている雰囲気が
この役にピッタリだったんじゃないですかね

ちょっとふんわりしていて
優しそうな雰囲気があって
でも芯は強そうな感じ

それがこの役に
とてもハマっていたんだと思います

だから、磐音というキャラクターが
生き生きしてるように見えて
実際に存在しそうな人間に思えます

 

ストーリーの展開や描き方も
良かったと思います

序盤はとても重苦しい内容ですが
それ以降はほのぼのとした雰囲気があるし
殺陣のシーンは緊張感が走る

人間ドラマやラブストーリーも
クサすぎない程度に描かれていて
好感が持てました

全体的にメリハリがあって
最後まで飽きずに観ることが
できましたね


殺陣のシーンも
なかなかカッコよくて
派手すぎず地味過ぎない感じが
ちょうど良かったです


登場人物の描き方も良かったと思います
それぞれキャラが立っていました

磐音と幼馴染2人との仲の良さを
はじめに見せてくれるので
事件が起きた時の絶望感を
すごく感じます


磐音と婚約者の奈緒との関係性も
そんなに時間をかけて描いている
わけではないですけど

お互いに気持ちの強さをしっかりと
感じる事ができました


敵の有楽斎なんかは
存在感がすごかったですね
役者の力が大きいと思いますが

ちょっと面白さがありつつ
怖さも見せてくれます

有楽斎が雇っていた侍たちも
みんな良い味出していたと思います


そんなに活躍しない登場人物でも
みんな個性的で
彼らを見てるだけで楽しめました

 

ただ、面白く楽しめたんですが
物足りなさがあったというのも
否めないんですよね


基本的に全てがとんとん拍子で
上手くいってしまったり
若干テンポが悪く感じたり

そういう部分はありました


磐音がちょっと完璧すぎるんですよね
人としてとても良くできた人だし
剣の腕は立つ
頭も切れる

だから全部が良い方向に流れていくだけに
なってしまっているんです

磐音に全く危うさが無くて
あまりスリルが無い

どうせ全部上手くいってしまうんだろうな
と思えてしまうので
ハラハラしないし緊張感も
あまりなかったです

 

それに、テンポも若干悪いような気がします

全体的に会話のシーンが
ぶつ切りになってるように感じて
流れが悪かったんですかね
話がそこら中に飛んで
場面もコロコロ変わったりするし

特に有楽斎との両替商同士の
お金のやり取りが始まってからは
話の内容がややこしいのもありますけど

全部が説明臭くなり過ぎる上に
画面の動きも少ないので
ちょっと退屈になってしまいました

 

あと、もうちょっとアクションが
多かったらな
ってのも思いました

殺陣のシーンはカッコいいんですけど
やっぱり物足りなさを感じます

磐音の居眠り剣法も
あまり見せてくれませんでしたしね

はじめのうちは不思議な構えで
戦う姿を見せてくれますけど
最後の方は普通に戦ってるだけですし

それに、磐音の剣術が
どうすごいのか?
他とどう違うのか?
という部分は全然説明されないし
映像でも見せてくれない

ただ居眠りをしているような構えですよ
ということしか言われていないので
いまいちその剣術のすごさが
伝わってこないんですよ

もう少しこの剣術についても
深く掘り下げてほしかったですね

磐音がなぜこんな剣術を使っているのか
というのも知りたかった

 

とは言え
面白く観れる時代劇ではありました

磐音がとても魅力的なので
それだけでもこの映画を
好きになれると思います

続編やシリーズ化するのかは
わかりませんけど
続編が公開されれば
是非観に行きたいと思える作品でした

 


陽炎ノ辻 居眠り磐音(一)決定版 (文春文庫)