何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「アナと世界の終わり」感想 爽やか青春ゾンビミュージカル 面白い組み合わせ

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どうもきいつです


ゾンビ映画「アナと世界の終わり」観ました

ゾンビが蔓延した世界で戦う高校生たちの
葛藤と成長をミュージカル形式で描いた
イギリスの青春ゾンビミュージカル映画です

2010年に公開された短編映画
「Zombie Musical」を長編映画化した作品
監督はジョン・マクフェールが
務めています

 

あらすじ
高校生のアナはイギリスの田舎町で
父親と2人で暮らし
平穏な学生生活を送っていたが
クリスマスの日
突如町にゾンビが襲来し町は地獄絵図と化す
アナは友達と共にそんな世界を
生き抜いていく

 

感想
ゾンビとミュージカルの
ミックスが新鮮で面白い
音楽も良くてとても楽しめました
ただ、思ったよりは
ぶっ飛んだ映画では
なかったかもしれません

 

ついにゾンビ映画もここまで来ましたね
まさかのミュージカルです
しかも青春映画でもあります

ゾンビ映画は飽和状態で
さすがにもう新しい発想なんて
無いだろと思っていたら
まだありましたね

この調子ならまだまだ新しい
ゾンビ映画が誕生しそうで
期待できますね

 

そして本作ですが
ゾンビとミュージカルを混ぜたら
面白くないわけがないんですよ

このアホな発想
これだけでもう面白いです

実際、本作も面白く観れました
ゾンビ映画の中で
面白くミュージカルを見せてくれます


序盤は主人公アナを中心に
ティーンエイジャーの悩みや葛藤を
描いいていて
それを歌で表現しているんです
青春学園ミュージカルって感じですね

ここはパロディー的な意味もあると思うし
ミュージカル映画ですよ
という説明の部分でもあると思います

この部分は普通のミュージカル
って感じなんですが
その後のゾンビが現れてからの
ミュージカルシーンがなかなか面白い


まずゾンビが本格的に姿を現すシーンが
ミュージカルなんですよ

アナが陽気にポジティブな歌を
歌ってるんです
素晴らしい一日がなんだのと

その後ろでは町は荒廃してるし
人々がゾンビに襲われまくってる
町中パニック
そんな中アナは何も気づかず歌ってる

このギャップがとても面白いです
町の殺伐とした効果音も
曲のリズムに合っているので
謎の心地よさがあったりもするし

このシーンだけでも
すごい面白いなと思える

このシーンはYouTubeで見れたりします

 


『アナと世界の終わり』ポップソング「Turning My Life Around」歌唱シーン

 

他にも
学校のやんちゃグループが
歌に合わせてゾンビを倒す場面も
面白かったです

あんなリズミカルにゾンビを
倒していく映像なんか見たことないし
とても新鮮
映像はなかなかグロいのに
なんか爽やかさも感じるし

ここでもやっぱりギャップの
面白さが溢れ出てますね


ミュージカル曲はとてもポップで
聞きやすく
学園青春ものに合った曲調で
この映画にぴったりハマっていたと思います

 

そして、青春ミュージカル要素があって
爽やかにも思えるんですけど
ちゃんとゾンビ映画らしさも
見せてくれます

ゾンビ映画あるあるの
噛まれたら感染するとか
仲間が次々に死んでいくとか

グロいシーンは
ちゃんとグロかったです
だから苦手な人は
こういうシーンは無理だと思います

でも、イギリスが舞台なので
銃は登場しません
この映画ではゾンビを倒すのは
全部肉弾戦でした

基本棒的なもので
ゾンビを殴って倒してました

逆にこっちのほうが暴力的で
痛々しいかもしれませんね

 

そんな感じで
とても楽しめる作品だったんですが
いまいち突き抜けるものが
無かったのかな
とも思いました

なんか思っていたより
普通の映画になってしまってるんですよ

ゾンビとミュージカルを組み合わせる
バカバカしい発想の映画なので
もっとぶっ飛んだ内容なのかと思ったら

ゾンビ映画としては普通すぎるし
ミュージカルも普通
人間ドラマは意外とシリアスで
真面目な話なんですよね

だからコメディー要素も
ちょっと弱かったりします


個人的な期待は上回っていませんでした
正直、もっとすごいものを
見せてくれると期待していました

ゾンビも一緒に踊ったりするのかなとか
すごく笑えるのかなとか


映像的にもストーリー的にも
そんなにインパクトが無かったですね

特にストーリーは
真面目に作ってる割に
結構、いろいろ投げっぱなし
だったりします

序盤でアナや友達の
悩みや鬱屈した思いなんかを
見せるんですけど
後半はただのゾンビ映画に
なってしまって
なんかちょっといまいちです

絶望的な世界に陥ったとしても
彼女たちの悩みが
何らかの形で昇華されていくのかな
と思っていたんですけど
そういったものはあまり描かれないんですよね

大学へ行かずにオーストラリアを
旅したいと言っていたアナも
何らか別の形での答えを
見せてくれると思っていたんですけど
結局そのへんは曖昧に終わっていきます

青春とゾンビがあまり上手く調和
できてなかったようにも感じました

アナたちの思いを最初に描いてから
投げっぱなしで終わるので
青春ドラマとして
ちょっと中途半端でしたね

その上、笑いの部分も
あまり突き抜けたものが無くて
コメディーとしても中途半端でした


そして、ミュージカルに関しても
ちょっと上手く調和できてないな
と思うところもありました

後半になるにつれて
ゾンビとミュージカルの融合が
あまり見れなくなってきます
それぞれが別々になってくるんですよ

ゾンビを殺しながら歌うシーンとかが
もっとあっても良かったと思うし
ゾンビ映画あるあるを
ミュージカルの中で見せたりしても
良かったんじゃないかな
とかも思いました


前半は青春学園もの
後半はゾンビもの
みたいにきっちりと
分かれてしまってましたね

どの要素にしても
あまり上手く調和できて
なかったんだと思う


でも、上手く調和できてるところは
爆発的に面白いシーンには
なっていたんですけどね


全体的に作りが雑だったのかも
しれません
粗削りな作品だったんだと思います

 

あと最後に
アナ役のエラ・ハントが
すごく可愛かったです
この子の可愛さがこの作品の
評価を引き上げてるんじゃないでしょうか

今はまだ無名かもしれませんけど
将来有望な女優だと思います

 

ちょっと粗削りな作品
ではありましたけど
アイデアは面白かったし
ミュージカル映画として曲も良かった
ゾンビ映画としても楽しめました

数多あるゾンビ映画の中でも
埋もれてしまう事なく
記憶に残る作品だったと思います

 


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