何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ゲティ家の身代金」感想 ドケチな金持ちジジイにイライラする

f:id:kiitsu01:20190613184229p:plain

どうもきいつです


実際の事件を基にしたサスペンス映画「ゲティ家の身代金」観ました

1973年に起こったアメリカの大富豪
ジャン・ポール・ゲティの孫が
誘拐された事件を映画化した
2017年のサスペンス映画です

監督は「エイリアン」「ブレードランナー」
などのリドリー・スコットが務めています

 

あらすじ
石油王として巨大な富を手に入れた
実業家ジャン・ポール・ゲティの
17歳の孫ポールがイタリアで誘拐され
母親ゲイルのもとに1700万ドルの
身代金を要求する電話がかかってくる
ゲイルは身代金の支払いを拒否する
ゲティと対立しながら
誘拐犯とも対峙することとなる

 

感想
大金持なのにケチすぎるジジイに
腹が立ちながらも
なぜ金持ちの金持ちたる所以が
少しわかったような気がした
サスペンスよりも人間ドラマが
面白い映画でもありました


実際の事件を基にした映画なんですが
僕は無知なもので
この事件は全く知りませんでした
というかゲティさんを知らなかったです

超大富豪のゲティの孫の誘拐を中心に
物語が進んでいくんですが
意外とサスペンスよりも
人間ドラマ重視な映画です

むしろサスペンスはオマケ程度かもしれない

息子を誘拐されたゲイルは
身代金を要求する犯人と
身代金なんて絶対に支払わないと言う
ゲティとの板挟みにあい
そんな彼女の苦悩や葛藤、不安が描かれます

そして、ゲティの金に対する執着や
家族への愛情なんかも描かれる

誘拐されたポールにもスポットが
当たっていて
誘拐犯とポールとの
妙な絆も見せてくれます


全体的にちょっと荒んだ世界を
見せられてる様な感覚でした

孫を誘拐されてるのに
一銭も金を支払う気の無い大富豪

犯罪を犯して大金を手に入れようとする
誘拐犯たち

この事件に馬鹿みたいに
群がってくるマスコミ

こういうのを見せられると
すごく嫌な世界だな
と思わされます

そんな中でも
息子を救いたい一心で
最悪の状況の中戦い続けるゲイルの姿や
そのゲイルをサポートする
チェイスの姿は
こんな世界に差し込む希望の光に見えたし

ポールと誘拐グループの1人チンクアンタ
の間に生まれる情は
この世界がただ絶望的なだけじゃない
と思わされる

 

そして、1番印象に残るのは
やっぱり超ドケチ大富豪のクソジジイ
ゲティですよね

彼がはじめに身代金を払っていれば
全てが丸く収まる話です

それをこのクソジジイは
金を出す気は全くないわけです
これを払ってしまうと14人いる孫が
また誘拐されてしまうかもしれない
という理由はわからんでもないですけど

そのくせ、身代金は払うのは渋るくせに
美術品や骨董品には
湯水のようにお金をつぎ込む

このジジイには人間の心は無いのかと
かなりイライラして胸糞悪いんですよね


ただ、だからこそ金持ちになれたのかと
納得もできます

はじめのほうの
孫たちの親権をどうするかという話し合いで
お金は全くいらないから子供たちの親権は貰う
と言うゲイルの言葉に
彼は納得して受け入れます

ここでもわかる通り
彼はお金と家族を天秤にかけて
お金を選ぶ人間なんですよ

しかし、彼は家族を愛していないわけではない
愛している家族とお金を比べて
お金を選んでる

それほど彼はお金に執着してる人間なんです
この普通ではないほどの
お金への執着心があるからこそ
あそこまでの大富豪になれたのだと思います


ゲティの過去については
ほとんど描かれていませんが

人ではなく永遠に変わる事の無い
美術品や骨董品にお金をつぎ込んでいるのは

金持ちになったが故に
彼の周りの人間が
お金のことしか見てない人や
彼を騙そうとする人が増えたから
人ではなく物だけを信じるようになったのかな
と思えたり

ただお金を稼ぐことだけが目的になってしまい
心に穴が開いてしまったような姿も垣間見れて
人間らしさも感じれます

最終的にお金に囚われすぎるあまりに
お金で買えないものを手に入れる手段を
見いだせないまま人生が終わっていく姿は
切なくもありました

全く共感できない人物ではありますが
この愚かな姿がとても人間臭くて
魅力的な人物にも感じれました

 

そんな感じで
人間ドラマとして見応えはあるんですが
ちょっと退屈な映画だったとも思いました

全体的に淡々と話が進むので
正直、ちょっと眠くなります

話にあまり緩急もないし
やってることは
ゲイルとゲティの身代金を払うか払わないか
のやり取りと
ゲイルと誘拐犯の身代金を払え払えない
のやり取りの繰り返しが
ひたすら続くだけなので
さすがに飽きてきます

このやり取りの中でも
もうちょっとサスペンス的な
仕掛けとかがあっても
良かったんじゃないでしょうか


確かに実話ベースの物語なので
話が広げづらいというのはわかりますが

それにしてもちょっと退屈すぎるかな
と思います

ポールの耳が切り落とされる場面だったり
所々ハッとするシーンなんかは
あったりしますが

でも、それくらいじゃ
やっぱり推進力は生まれないし
ちょっと目が覚める
くらいの要素でしかなかったです


それだけでは心もとないというのも
わかっていたのか

ちょくちょくポールが誘拐犯から逃げる
逃走劇が入ってくるんですが
それがちょっと取って付けたようで
少し違和感がありました

この逃走劇の部分だけ
なんか雰囲気も変わるし
話の流れ的にも
ちょっと違うようにも感じて
あまり乗れませんでしたね

特に終盤の解放されてからの逃走劇は
無理やり感がすごく
解決したのにもう一悶着起きてしまうので
ちょっとくどすぎると思いました


2時間越えの映画なんですけど
時間の割には内容が
そんなに詰まっているわけでもなく

もうちょっと短くして
すっきりとスムーズに見せた方が
観やすい映画になってたんじゃないかな
と思います

 

実話を基にした映画なので
実際にこういう事件が
起きたということを知り
いろいろ考えることもできて
そういう点では面白い映画でした

ただ、もうちょっとサスペンス的な
面白さがあっても良かったんじゃないか
とは思いました

 


ゲティ家の身代金 [Blu-ray]