どうもきいつです
コメディー映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」観ました
ドーピングで声を作っている
カリスマロックスターと
声が小さいストリートミュージシャンの
出会いと成長を描いた
2018年のコメディー映画
「インスタント沼」などの三木聡が
監督を務めています
あらすじ
大人気ロックスターのシンは
驚異的な歌声でファンを魅了していた
しかし、彼の声は声帯ドーピングで
作り上げられた声だったのだ
そして彼の喉はドーピングの副作用で
限界に近付いていた
そんな中、シンは声が小さすぎる
ミュージシャンのふうかと出会う
感想
はじめから最後まで
ほぼスベりっぱなしギャグの
オンパレードでした
余計な演出やシーンも多く感じた
その割に一番見たい歌のシーンは
かなり少ない
公開当時に観ようと思っていた作品
だったんですけど
結局観れずじまいで
ようやく今さらですが観てみました
コメディーというのは知っていたので
笑うつもり満々だったんですが
全然笑えなかった
笑いのツボなんて人それぞれかもしれません
でも、この映画は
多くの人が笑えないと思う
正直、やることなすこと
全てがスベってると思いました
しかも笑わす気満々でスベってるから
かなり痛いですよね
なぜこんなに笑えないのかなと
考えてみると
基本的にノリと勢いだけで
笑わせようとしてるだけだから
なのかもしれません
全体的に面白そうな雰囲気で
この映画はギャグですよ
と物語はめちゃくちゃに進んで行き
キャラクターたちの風貌や発言も
なんか面白げな感じなんですが
でも、そのギャグたちが
いまいちガツンとこない
どれもちょっとセンスが無いと言うか…
冒頭からキャラの発言の下ネタ部分に
放送禁止用語に対するピー音が入るって
演出があって
その時点でかなり不安になりました
今からこのレベルのギャグが最後まで続くか…と
実際にこんなギャグがずっと続いて
全然笑えない
笑いの中心は基本
阿部サダヲのセリフ回しと勢い
なんですけど
そのパターンが
デカい声でめちゃくちゃな事を言うか
めちゃくちゃな行動をする
たまに微妙に面白くない事を言う
それだけ
物語の中で笑いを作り出しているというより
ただ単に一発ギャグを詰め込んでいるだけの
笑いの作り方なので
物語の邪魔にも感じるし
単に笑いのレベルも低いです
他には映像の見た目で
笑わそうともしてますが
それらも本当にしょうもない
キャラクターの風貌なんかもそうです
正直めっちゃスベってますよ
麻生久美子、田中哲司、バイキング小峠など
完全に衣装で笑わそうとしてるけど
全然面白くない
韓国での場面で
裸のオッサンがいちいち映るのも
逆に冷めてしまいますよね
あんなの子供しか笑わないですよ
この映画って
かなりボケてるんですよ
細かいところまでボケ要素が詰め込まれてる
しかも、わかりやすく
今ボケました ここ笑うところですよ
って感じで笑い所が明確だったりします
だからこそ、スベってんなぁ
というのもわかってしまうんですよね
そして、この大量のギャグが
ストーリーにも支障をきたしてる
ギャグばかりなので登場人物の心情が
わかりづらく
物語の進行も何が起きてるのか
なんかよくわからない
今なにやってたんだっけ?
と観てる側が目的を見失ってしまいます
全てがギャグ優先で
ふうかとシンの関係性や成長も
かなり雑だし深く描かれることも無い
この2人の会話などで笑いをとればいいのに
そういったものはあまり無かったりします
正反対の2人が反発や反応し合って
成長していく姿だけでも
笑いを作る事もできると思うし
人間ドラマももっと描けたんじゃないかとも
思います
バディものとしての面白さも生まれたはず
そんな感じで
ギャグ優先、ドラマ性無視で
進んできたのに
終盤になって急に湿っぽくなる
泣かせようみたいな魂胆が見え見えなんですよね
それがちょっと気持ち悪い
シンが韓国で警察に捕まるあたりからです
ここからはギャグは全く無く
ただただ泣かせようとしてくる
ここでふうかとシンの
めっちゃ長いキスシーンがあるんですが
これが全然意味わかりません
どういう感情で見ればいいのか
今まで恋愛描写が全然無かったし
2人がそういう関係になるような予兆も
全く描いていないから
急にこんなシーン見せられても
気持ち悪い以外の感情は生まれないですよ
これまでバカみたいにギャグばかりだったら
最後までそれで突き抜けろよって思う
最後には良い話にしようとしてるのが
すごく守りに入った感じで
余計にこの映画の印象が悪くなった
あと、この映画
すごく余計なものが多いな
とも思いました
今までさんざん言ってきたギャグも
隙間を埋めるように詰め込まれていて
くどすぎるっていうのもありますが
カメラワークもすごく気になったんですよね
カメラワークが無駄に動きすぎというか
観ていてすごくしんどいんですよ
そしてすごく見づらくもある
はじめの方のふうかがタクシーから降りて
持っていたギターを車に轢かれるシーンは
カメラが動きすぎて何が起きてるかわからない
ふうかの下宿先に追手がやってきて
シンと一緒に逃げる場面も
カメラワークがグラグラして
すごく見づらいんですよ
他にもカメラの視点がいろいろな場所に
切り替わったり
会話シーンで人物の周りをグルグル回ったり
何か意味があってやってるのかは
わかりませんが
そこからは何も伝わってこないし
ただ酔いそうになるだけです
そして最も無駄だと思ったのが
韓国ですよね
終盤にふうかとシンが韓国に行くんですが
ここからは無駄な場面のオンパレードですよ
テンポもすごく悪いし
観てるのが苦痛に思うほどです
そもそも韓国の必要性が無いですもん
このストーリーって
別に日本国内だけでも成立できるはずですよ
これは対馬から釜山に国境を超えて
声を届ける
ってのをやりたかっただけなんでしょうね
これありきで物語を作ったのかもしれません
でも、そのせいで終盤は
話運びがすごく強引ですよ
このラストに合わせての辻褄合わせが
無理やりですもんね
スケールをデカくして
感動の涙を誘いたいのかもしれませんけど
全然効果的じゃないと思う
もっとこじんまりとした中で
粋な見せ方したほうが泣けると思いますけど
あと、とても不満なのは
歌の扱い方です
歌はこの映画の核の部分でもあると思います
主題歌の作詞作曲はあいみょんだったり
主演の吉岡里帆や阿部サダヲが
実際に歌っていますし
この映画で1番期待していた
要素でもありました
でも、思ったほどがっつりと
歌のシーンが無いんですよね
特に最後のふうかのライブシーンには
がっかりしました
短すぎる
この映画って
全てがこのライブシーンのために
動いていたんじゃないんですか?
ここに全てが集約されると思うんですよ
なんでこんな短いの?
ここは歌をフルでやってもいいくらいだと思う
ここまではめちゃくちゃな内容で
進めてきたくせに
なぜここにきて普通に終わるのか
歌をフルで見せるくらいの
攻めた事をやってみせろよ
時間を無駄に使ってるようなシーンが
たくさんあるのに
そこを削って歌のシーンに回せばいいでしょ
これじゃあ
あいみょんの無駄使いですよ
最後に一つだけ
吉岡里帆は良かったと思う
僕は今まで吉岡里帆に
魅力を感じたことが無いんですけど
この映画では
とても魅力的に思いました
なんかすごく可愛かったですね
表情豊かだし動きも面白いし
彼女って真面目な役より
コミカルな役の方が合ってますね
こういう吉岡里帆なら
また見たいなと思いました
最初から最後まで
ずっとスベってるので
コメディーとしては致命的でした
もうちょっと知的な笑いも欲しかった
歌ももっと見たかった
この映画に求めていたものが
全て無かったです
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