何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ザ・ファブル」感想 アクションは良かったけど…

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どうもきいつです


アクション映画「ザ・ファブル」観ました

南勝久による人気漫画「ザ・ファブル」を
実写映画化した作品
超人的な殺し屋ファブルが
殺し屋家業を休業し
一般人として生活する姿を描いています

「20世紀少年」「GANTZ」シリーズなどの
渡辺雄介が脚本を務め
CMディレクター出身の江口カンが
監督を務めています

 

あらすじ
圧倒的な腕前で裏社会で恐れられる
伝説的な殺し屋ファブルは
ボスから殺し屋を休業し大阪で
一般人として普通の生活を送ることを
命じられる
1人も殺してはいけないという条件のもと
相棒のヨウコと生まれて初めて
普通の生活をすることになる

 

感想
アクションシーンは
かなり頑張っているし
見応えがある
でも、それ以外が…
全体的にバランス悪いような気がする

 

漫画は読んだことないんですが
予告映像でとても面白そうだなと思い
観てきました

宣伝でめちゃくちゃ推されている通り
アクションシーンが
とても派手だしカッコよかった

でも、映画全体で言うと
テンポが悪くてダレる
コメディーの見せ方が悪い
物語の内容もちょっと薄いし

良い部分はアクションだけ
みたいな映画でした
そのアクションも
正直、少しダラダラしてるのが否めない

原作の内容は全然知らないですけど
原作の内容を詰め込み過ぎてるのかな
とも思えたりする

 

まず、アクションの話をすると
これは普通にカッコいいし
テンションがめちゃくちゃ上がるほど
派手で楽しめる

ファブルが強すぎて
基本ファブルが無双してるだけですが
それが爽快でとても楽しめます

銃撃戦、肉弾戦
どれを取っても迫力があるし
見応えはなかなかのもの
血が飛び散ったり
痛々しいほどボコボコにしたりと
バイオレンスな描写もかなり頑張っている
人によっては苦手で観れない人もいるでしょう

終盤はファブルが
人を殺してはいけないという
限定条件のもと戦うので
ただファブルが敵を圧倒する
だけではなく
ギリギリのスリルも垣間見える


でも、終盤のアクションが長すぎて
ダレてくるんですよね
同じことの繰り返しが続くので
飽きてきます

途中でゾンビみたいに敵が
わらわらと群がってるだけの
場面があったりと
ちょっとテンポの悪さも感じました

アクションシーン自体を
冒頭と終盤だけ一か所にまとめ過ぎだと思う
アクションシーンだけ
独立してるようにも思えるし
だから終盤も無駄に長くなってる

アクションシーンをもうちょっと
全体に散りばめた方が
バランスも良かったんじゃないでしょうか

 

そして、何よりも
アクション以外が微妙過ぎる
というのが1番の問題

アクションが良かっただけに
かなりもったいないと思う

アクションを観るために
ドラマ部分を我慢して観てる感覚
ストーリーの内容やテンポ、笑いの要素
それらがことごとく微妙で
お世辞にも面白いとは言えない


ストーリーはファブルの日常生活が
メインでその中でトラブルが
起きていく話なのかと思いきや
ヤクザの組織内抗争が
物語の中心になっています

ファブルそっちのけで
組織内のいざこざをダラダラと見せられる
この時点で
何見せられてるんだろ?
って気持ちになってしまう

主人公のファブルが話の中心じゃないので
いまいち乗れない
ファブルがただ事件に巻き込まれてる
ってだけで
ドラマもそんなに生まれてこないです

その割にファブルの過去や
ファブルのボスの思惑なんかが
入ってきたり
ファブルが大阪で出会った
ミサキとの中途半端な関係性が描かれる

だから、結局なにを中心に
この映画を観ればいいのか
掴み所がありません

どの物語も同じくらいの比重で
見せられるので
物語の視点がブレブレ

最後のエピローグ部分も
それらの物語を締めるためのものが
多すぎて
間延びしてダラけてしまってます
ラストのキレが悪いです

ここはファブルの物語を中心に
ヤクザのいざこざなんて
オマケ程度で良かったと思う

たぶん原作の重要な要素を
無理やり詰め込んだんでしょうね
そんな感じがする
漫画実写映画あるあるですね

 

コメディー部分もかなり微妙
というかもったいない

笑える部分もあるのに
スベッてるとこは
とことんスベってる

ファブルの日常生活の場面は
笑えるし面白いんですよ

ワザとケンカに負けるとことか
面接でのめちゃくちゃな態度とか

特に居酒屋での
ファブルの変な食べ方の場面は
とても好きでした
ミサキの反応も可愛くて面白い


でも、笑えないとこは本当に笑えない
完全にスベってます

顔芸やオーバーリアクション
あと裸とか
そういうので笑わそうとするシーンは
マジでつまらん

ファブルの猫舌のオーバーリアクションとか
何回もやってくどいし
全然面白くないから逆に冷める

変顔なんかもやたら入れてくるし
これもやっぱり冷める

しかも、普通にやってて
笑えるシーンにも
顔芸やリアクションを無駄に
入れてくるからせっかく笑えるとこなのに
それのせいで冷めてしまう

一発ギャグ的なものを
無駄に連発してて
それが足を引っ張ていました

観客もみんな面白いとこでは
それなりにウケてましたけど
スベッてるとこは完全にシーンと
なってましたね

超人的なファブルと
一般社会での生活とのギャップを
普通に描くだけでも笑えるだろうし
わかりやすい笑いの連発なんて
しなくても面白かったと思う

それに、ファブルの普通の生活を
もっと見たかったな
って思いもあります

 

でも、そんな中でも
光るものはありました

柳楽優弥演じる小島なんかは
かなり良いキャラで
存在感もすごくあった

コミカルにヤバい奴を演じてます
コミカルだからこそより狂気を感じる
柳楽優弥の演技力の賜物だと思う


女性陣もすごく良かったです
ミサキ役の山本美月
ヨウコ役の木村文乃
2人ともとても可愛い

山本美月の変顔はめっちゃ可愛い
彼女はこういう真面目な女の子が
似合いますね

木村文乃は今までそんなに
興味なかったけど
今回の役はなかなか魅力的でした

ちょっとムカつく感じの女が
木村文乃がやることで
逆に可愛く見えました


あと、福士蒼汰も良かったです
彼のちょっと感情がこもってない感じが
今風の若者っぽくすごいハマっていて
それが殺し屋っていうのも
なかなか面白い

スマホをいじりながら歩くのが
絵になりますね
身長の高さもいいバランス


基本的に役者はみんな良かったと思います
だからこそもったいない
良い役者の無駄使いになってましたね

 

それと、大阪、関西が舞台の作品にある
関西弁問題

本作もやっぱりすごく気になる
イントネーションがちょっと変

昔の作品はもっと酷かったと思いますが
逆に酷すぎて別世界の言葉として
観れたりしてました

でも、最近は
みんな関西弁が上手くなってるし
関西出身の人も多い
だからこそ下手な人が目立ったり
ちょっとしたイントネーションの違いが
気になったりする

本作も同じで
標準語交じりの大阪弁が
ちょっと気になってしまう
喋れてる人は普通に喋れてるから
余計に気になってしまいましたね

まあ、これは関西人だけが
引っかかるところだと思いますけど

 

アクション、役者が良かっただけに
とてももったいない映画
設定も面白いのに全然生かし切れてない
アクションだけでなく
脚本にももうちょっと力を入れてほしかった

 


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