何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「LOOPER/ルーパー」感想 地味でツッコミどころが多い

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どうもきいつです


SFアクション映画「LOOPER/ルーパー」観ました

タイムマインで送られてきた人間を
消すことを生業とする殺し屋が
殺しのターゲットとして送られてきた
未来の自分との追跡劇を描いた
2012年のSFアクション

監督は「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」
などを手掛けたライアン・ジョンソンが
務めています

 

あらすじ
未来から送られてきた標的を消す
ルーパーと呼ばれる殺し屋のジョー
ある日、ジョーのもとへ送られたのは
30年後の自分だった
そこから2人のジョーの戦いが始まる

 

感想
それなりには面白いかな
と思える作品
ただちょっと地味すぎるし
深く考えてしまうと
いろいろツッコミどころも多い映画

 

タイトルを知ってたくらいで
あらすじもほぼ知らない状態で観ました

設定は良かったと思うし
最後まで飽きずに観れました

でも、すごく面白かったわけじゃない
良く考えたら気になる部分も
たくさんあります
世界観のビジュアルも
SFの割にちょっと弱い

 

まず、設定はなかなか面白いです

タイムスリップSFを基盤に
現在の自分と未来の自分との闘い
という発想は良かった
それがラストの展開にも生きてきますし

未来の犯罪組織から送られてきた人間を
現在の殺し屋が始末する
って設定も新鮮だと思う

それに、タイムスリップものの
物語ですが
そんなに複雑じゃなくて
とてもわかりやすかったのも
良かったですね

変に頭を使わなくても
ある程度理解できるくらいの
わかりやすさ

ストーリーもシンプルで
伝わりやすい内容です

エンタメ映画としては
観やすい内容だったと思います


ただ、ちょっと面白みに欠けます
ストーリーは予定調和に
進んでいくだけですし
世界観にもあまり魅力が無い

全体の印象がすごく地味

ストーリーに関しては
大体思った通りに話が進みます
大したひねりも無く

未来を変えようと
未来の犯罪王レインメイカーを
殺すために奔走する未来のジョーを
現在のジョーが抹殺するために追う
追跡劇を淡々と見せるだけ

その追跡劇が派手で面白いアクションなら
楽しめますが
途中からは2人が全く別の動きをしだすので
アクションシーンなんかも
少なくなっていきます

中盤は現在のジョーと
町の外れに住む母子との
交流みたいなのを
ダラダラとテンポ悪く見せられるので
かなり中だるみします


そして世界観は
全然未来っぽくない

物語の舞台の時代も
2044年と現実の世界よりも
未来の設定なのに
大して未来っぽいものは全然無い
空飛ぶバイクみたいなのは出できますけど
それだけじゃないですかね

途中からはほとんど
麦畑の映像しかないですし

SFで未来という設定なのに
映像的な面白さは一切ありませんでした
ビジュアル的にも地味すぎでしたね

 

それに、よく考えたら
これどういうこと?
って思ってしまうツッコミどころが
多々あります

そういうのがちょくちょく
気になってしまうのは否めません


まず、犯罪組織がとても滑稽に思えます
めっちゃデカい組織みたいな感じですが
やってることがショボすぎる

未来で人を殺せなくなったから
殺したい人間を
タイムマシンで過去に送り込んで
過去の人間に殺させる

なんじゃそりゃですよ

そもそもそこまで人を殺す必要ある?
って思ってしまいますし
未来ではタイムマシンの使用が
違法とされていて
そのリスクを負ってまで
人を殺す理由がわからない

どうせタイムマシンを使うなら
もっと別の使い道あるでしょ

この映画の中では
過去を変えれば未来も変わるみたいですし
タイムマシンの無駄使いとしか思えない


殺し屋たちが30年後に
過去の自分のもとへ送られて
自分に殺させる
というのもいまいち納得できません

なぜわざわざ30年後に殺すのか
理由が全く説明されないし
不要になったのなら
即殺せばいいと思う

30年も野放しにしてたら
逃げられる可能性だってあるでしょ

それに自分に殺させる意味も
よくわかりません
自分が死んだとわかれば
30年後にどうにか生き延びてやろう
と思う奴が出てきてもおかしくないはず

てか、ループを閉じる
という行為自体が組織にとって
一体何のメリットがあるのか
それがよくわからない


結局、組織がやってることに対しての
説明不足が多すぎる
そもそも考えてないだけだと
思いますけど


未来の自分VS過去の自分
というのをただやりたかっただけで
それのために強引に
後付けで設定を考えたようにも
思えました

 

タイムトラベルの設定も
ちょっと強引に思える

やっぱり矛盾してしまっています

未来から来たジョーは
未来の犯罪王レインメーカーを
消すために
現在で幼少期のレインメーカーを
殺そうとします

過去を変えることで未来を変えようとする
ということです

でも、この映画では
未来の世界があまりにも
現在の世界に干渉し過ぎてるから
もし未来を変えたら必然的に
現在の世界も変わるわけで

現在が変わってしまったら
また未来が変わってしまうわけで


ジョーに関しても
現在のジョーが死んでしまったら
未来のジョーは消えるけど
未来のジョーがいないのなら
現在のジョーは死ぬ必要が無いわけで

なんかおかしなことになってしまうはず


そこを無理やり強引に
丸めこんでしまって
上手くいった風に見せてるけど
正直、あまり納得はできないです

典型的なパラドックスが起きるはずですけど
そこはもういいやと
テキトーに終わらせてる感じが
否めないです


レインメーカーの誕生に関しても
なんかおかしい
未来のジョーがレインメーカーの
母親を殺して
それがきっかけで犯罪者になった
らしいんですが

未来から来たジョーは
過去に未来から来た自分を殺してる
じゃあその時に
レインメーカーの母親を殺したのは
誰なのか?

もう考えるのもめんどくさい


結局は脚本があまり練られていない
ってことです
観てる人間が疑問に思うことを
解消してくれる答えが用意されていない

もう少し
何かしらの理由付けがあれば
ある程度は納得できたかもしれません

 

何も考えず軽い気持ちで観れば
それなりに面白いと思う
でもちょっと深く考えてしまったら
ツッコミどころが多くて
かなり気になってしまいます

全体的に地味というのもあって
いまいちな映画でした

 


LOOPER/ルーパー Blu-ray