何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ヴィレッジ」感想 予備知識なしで観るのが良いと思う

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どうもきいつです


ミステリー映画「ヴィレッジ」観ました

森の奥の小さな村を舞台に
村の住人たちの掟と
それが破られた時の恐怖を描いた
2004年のミステリー映画です

「シックス・センス」「サイン」などの
M・ナイト・シャマランが監督を務めています

 

あらすじ
ペンシルヴェニア州の深い森の中にある
小さな村は周囲から孤立していた
村には奇妙な掟があり
村人たちはそれを守って暮らしていた
しかし、盲目の少女が恋人の命を救うため
掟を破ろうとする

 

感想
予備知識や先入観が無い方が
面白く観れる映画だと思います
ただ、すごく面白いかと言えば
そこまでではないかも

 

まず、この映画を観るのは
予備知識なしなのが1番いいと思います

なので、観ようと思ってる人は
とりあえず観てみるのが良いです
それと期待し過ぎない方がいいかも

 

ここから先はある程度内容にも触れます


この映画の全容は
ホラーかと思ったらミステリー
かと思ったらホラー
でも結局ミステリー
みたいな映画でいた

そして最後にはどんでん返し的な
展開も起きます

それなりに面白くて
最後の展開も嫌いじゃないけど
いまいちパッとしない映画でもありました

基本的にちょっと退屈な時間が
多かったように思います

村人の生活な様子や
それぞれ個人のドラマも描かれますが
ちょっと淡々としていて
抑揚が無いので眠くなってくる

でも、ドラマの内容はしっかりとあるし
全体のテーマにも沿っていて
全然悪い内容ではなかったです


途中にホラーな展開も入ってきますが
そんなに怖いわけではないし
スリルもさほど感じない
それにすごく短いですし

ただ、この映画はホラー映画ではないので
そこは期待し過ぎてはダメだったんでしょうね

この映画はホラーってイメージが強くて
僕もホラー映画を観る気持ちで観てしまい
ちょっと物足りなさを感じましたが

予告なんかでホラーとして宣伝されていたから
ホラーという先入観がありましたけど
観終えてからよく考えれば
この映画がホラーじゃなかったと
理解できるし
怖さを求めて観る映画ではないな
と思えました


それでもやっぱり
主人公のアイヴィーが
恋人の命を救うために村を出るまでは
なかなか地味な場面が続くので
ちょっと退屈なのは否めませんでした

 

そして、無理やりなところも
結構あったりして
そこが少し気になってしまいました


例えばアイヴィーが森を抜けて
薬を取に行くという展開

これはやっぱり強引に思えて
仕方が無い

盲目の女性が1人で森を抜ける
というのがもう無理があると思います

怪物のい追われて森の中を
走って逃げまわったり
怪物の倒し方もさすがに都合が良すぎると
思いました

他にもフェンスを乗り越えたり
村まで戻ってくるのも
良く考えたら無理がありますよね
目が見えなかったら方向感覚なんか
絶対ないと思いいますし
ましてや森を走り回ってるんですよ

到底目的地までたどり着けるとは思えません


アイヴィーを1人で行かす大人たちの考えも
ちょっと理解しがたい
村の真相を隠すためとは言え
盲目の娘を1人で森を行かせるという決断は
全く納得できません

それに、大人はみんな真相を知っているわけですから
大人がついて行くとかすればいいのに
てか、大人が行けばいいでしょ
それで全てが丸く収まると思う


アイヴィーの恋人のルシアスに関しても
あんなにがっつりと刺されて
生きているのにはちょっと違和感がある

まともな医療施設があるとも
思えない村ですし
あんな長時間死なないでいる生命力は
さすがにおかしいと思います

ルシアスが刺されるシーンは
インパクトがあって衝撃的でしたけど
だからこそ、その後に生きていることに
引っかかってしまいます

ここはインパクト重視になってしまったのか
衝撃的な映像のために
リアル感が損なわれていたように思いました

 

全体がラストの展開のためや
この映画のテーマを見せるために
無理やり話を繋ぎ合せたような
強引さを感じました

アイヴィーが森を抜けなければ
それらを見せることができないのは
わかるんですけど

だからこそもうちょっと自然に感じるような
展開にしなければならなかったんじゃ
ないでしょうかね

 

とは言え、ラストの展開は面白いと思いますし
この映画の世界観や空気感は
良い雰囲気を醸し出していて魅力があります

映像に関しても
ファンタジーのような美しい映像で
細かい部分にも意味が込められいると思います

色の扱い方も
画面に映えるし色自体にも意味が
込められてるようにも思えました

 

それに、この映画のテーマは
なかなか興味深いと思いました


世間の悪意から逃れるために作られた
世界から隔離された村の中に
生まれてしまう闇を描いた作品で

大人が作り出した理想郷と
何も知らずに過ごす子供たち

人間の悪意から断絶された
一見上手くいっているような
コミュニティですが
そんな世界にも歪みが生まれていく


こういうのは
別世界のことで自分には関係ない
と思ってしまいそうですが

そんなのって日本に住んでいても
感じたりします

臭い物には蓋をして
子供から悪いものを遠ざけて
隠してしまう

でも、これって結局は
ただ悪いものから目を背けているだけで
本質的なものと向き合おうとしていない

そんなのを続けていたら
やっぱり歪みが生じてくると思うし
人間にとって大事なものも
見失ってしまうと思う


この映画ではそんな歪みが
描かれていました

本作では村で1番無垢な存在であるノアが
人を傷つけてしまいます

大人たちは世界から孤立して
理想郷を作り上げたつもりだけど
人間の悪意の本質的なものには
向き合わず目を背けてきたことによる
歪みがノアだと思う

それだけでなく
この村はやっぱり気持ち悪い

作り物の怪物や村の掟で
無知な人を閉じ込めて
そこには自由もないし陰湿な空気が
漂っています

そんな人間の気持ち悪さや愚かな部分が
とても伝わってくる作品でした

それだけでも本作を観る価値は
あったんじゃないかなと思いました

 

強引な展開はありますが
ラストのどんでん返しはなかなか良かったですし
テーマも興味深い

シャマラン監督らしい映画だったんじゃ
ないでしょうか

 


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