何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「スウィート17モンスター」感想 ムカつくけど共感もできる

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どうもきいつです

青春映画「スウィート17モンスター」観ました

恋愛未経験でイケていない毎日を送る
17歳の少女の葛藤と成長を描いた
2016年の青春コメディー映画

監督は脚本家として活躍してきた
ケイリー・フレモン・クレイグが務めています

 

あらすじ
恋愛に関する妄想を膨らませては
何かと騒動を起こし
母親や教師のブルーナーらを翻弄している
高校生ネイディーン
親友のクリスタだけが心のよりどころだったが
クリスタが人気者でエリートの兄と恋仲になり
ネイディーンの日常が崩れていく

 

感想
ネイディーンの言動には腹が立つ
でも、なんか共感もできる
思春期の不安定さを上手く描いている
作品だと思います

 

なんとなく目に入ったので観てみた映画

青春恋愛映画かなと思っていたら
それ以前の作品でした

人とまともにコミュニケーションも取れない
コミュ障女子の痛々しい日常を描いた映画

恋愛なんて夢のまた夢
友達すら全然いない
そんなイタい女子高生を面白おかしく
見せてくれるコメディー作品です

 

まず、この映画は観る人によって
感想がかなり変わってくると思います

観る側が大人なのか子供なのか
どういう青春を過ごしてきたのか

それだけで感情移入できるか
ネイディーンを好きになれるかが
違っていると思います


僕の場合はほぼネイディーンのような
学生時代を送っていたので結構共感できました

でも、自分の年齢的には
ネイディーンのあまりの愚かさに
腹が立ってしまうのも事実

それに、僕はネイディーンほど
自分勝手には生きてませんでしたしね


だから、この映画を
現在進行形でこじらせている女子高生が観れば
泣くほど共感できるかもしれないし

そんな青春を過ごしていなかった大人が観れば
ただのバカな女子高生にしか見えないかも

観る人の立場や境遇で
見え方やどこに感情移入するかが
変わると思います


そして、大人が観た場合は
その人の青春時代がどうであれ
ある程度、母親や先生の目線で観てしまう

だから、ネイディーンがなかなか面倒くさい奴に
見えてしまいます

自分の思い通りにならないと癇癪起こすような女子高生ですからね
ホントに面倒くさいです


でも、なぜそんな行動をとるのか
わからんでもないです

思春期特有の
自分が何者かでありたいという焦りの気持ちとか
心の穴をどうにかして塞ぎたいとか
必要以上に自己評価が低かったり
異常なほど自意識過剰だったりと

そういうものは痛いほど伝わってきます


そんな思春期あるあるは上手く描けていますし
すごく共感できる部分もある

ネイディーンの謎の勢いがコミカルで
そんなあるあるが笑えてバカバカしいものになっています

彼女の鬱屈した感情、変わりたいという気持ち
そんなのがとてもリアルに感じれて
その頃の自分にも重ねて観てしまいました

 

そんな感じで
思春期の不安定さをリアルに
描けている作品なんですが
ちょっと物足りなさも感じました

ストーリーが平坦すぎだと思う
最後まで大して大きな出来事が起きません

ネイディーンがいろいろと問題を起こしたり
周りを振り回したりするんですけど
実際は大したことが起きていないんですよね

ネイディーンが1人で空回りしてるだけの
独り相撲感が否めません

はじめはそれだけでも全然面白いんですが
それが最後まで続くもんですから
さすがにちょっと飽きてきます

ネイディーンの空回りを見せることで
思春期の愚かさを感じさせるという意図は
わかるんですけども
そればかりじゃなくてもう少し抑揚をつけても
良かったんじゃないかな
とも思いました

 

そして、主人公目線になり過ぎ
というのもちょっと微妙になってしまった
要因だと思う

最初から最後まで
あまりにも主人公目線の物語になっていて
ラストの展開がいまいち納得できません

自分だけが不幸だと思っていたけど
実はみんないろんなものを抱えて生きている
ということに気付いてネイディーンが
成長するんですが

それがあまりにも唐突だし
他の登場人物を描いた描写が少なすぎて
それぞれが悩んで葛藤しているということが
全然伝わってこないんですよね


ネイディーンの兄ダリアンの言葉で
彼女は心を入れ替えますけども
ラスト数分の所でダリアンが急に良いことを
言い出したように見えてしまいます

それにすごく違和感を感じてしまうんですよ

そこまではネイディーンも自分勝手に好き放題で
他人に迷惑かけまくりなんです

そんな状況で唐突にダリアンが
自分もしんどい思いしてるんだと言ったところで
そんなに素直に改心するのかな
とちょっと疑問に思う

そこまでにネイディーンが
ダリアンの弱い姿や悩んでる姿を
少しでも見ていたり感じているんなら
納得できるんですけど


母親や先生に関しても同じで
少なからずネイディーンに影響を与えている
人物たちですけども
なんか掴み所が無さすぎる

結局、彼女にどう影響を与えているのかが
ちょっと曖昧過ぎだと思います


親友のクリスタに関しては
嫌な女に見えてしまっているのが
どうかと思う

ネイディーンのことを雑に扱い過ぎ

ネイディーンの気持ちが重くて遠ざけているなら
そこを見せるべきだし
クリスタなりの考えがあるなら
その考えを最後には見せてほしかったですね

結局、彼氏ができたから
ネイディーンなんてどうでもいい
って感じにしか見えない

それで最終的には仲直りして
親友に戻っているのには
ちょっと気持ち悪さもあります


ラストの展開が結構強引で
無理やり収拾をつけているようにも思えて
良い感じのハッピーエンド
ってのに居心地の悪さを感じてしまいました

 

ただ、こじらせ女子のネイディーンの描き方は
すごく良かったと思います

ただ嫌な女ではなくて
可愛さや愛嬌があったと思う

ネイディーン役のヘイリー・スタインフェルド
がとても良かったんでしょうね

嫌味の無い可愛らしい顔ですけど
イケてる女子って顔でもない
ちょうど良い顔だったと思います

自分勝手でめちゃくちゃな言動を見せても
彼女ならなんか許せてしまう
豊かな表情も面白く見れました

「バンブルビー」でもすごくキャラが
ハマってしましたし
オタク女子とかこじらせ女子が
似合ってるのかもしれませんね

 

思春期の不安定さはとてもリアルで
自分のこじらせていた時期を
思い出させられました

僕はとても共感できる内容で
結構好きな映画です

ただ、ストーリーが弱かったので
内容を忘れてしまいそうですけど

 


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