どうもきいつです
アニメ映画「二ノ国」観ました
レベルファイブの人気RPG「二ノ国」シリーズを
長編アニメ映画化した作品
現実世界と命が繋がるもう一つの世界二ノ国を
舞台に少年たちの冒険が繰り広げられる
ゲームのシナリオも手がけてきたレベルファイブの
日野晃博が脚本を担当し
高畑勲、宮崎駿のジブリ作品を多く支えてきた
百瀬義行が監督を務めています
音楽はジブリ作品でお馴染みの久石譲が手掛けています
あらすじ
車椅子生活を送るユウと親友のハルは
謎の男に襲われた幼馴染のコトナを助けようとして
魔法の世界二ノ国に迷い込んでしまう
そこで出会ったコトナにそっくりのアーシャに
心を惹かれたユウは
コトナの命を救うためにアーシャの命を狙うハルと
対立することになってしまう
感想
ストーリー展開が全て強引
後出しで設定がつけ足されていったり
登場人物の言動が理解できなかったり
到底面白いと思える作品ではありませんでした
本作は2010年に1作目が発売された
テレビゲームのシリーズを
アニメ映画化した作品
僕はゲームの存在は知っていましたけど
プレイしたことは無いです
ただ、この映画は
ストーリーがゲームと直接つながって
いないようでしたし
映画単体として楽しめそうだったので
観てきました
実際のゲームを未プレイであっても
理解できる内容でしたし
置いてけぼりにはならないと思います
細かい部分や世界観は
もしかしたらゲームとの接点が
あるかもしれませんが
それはファンサービス程度だと思う
なので、ゲームをやっていなくても
全然観れる内容なんですが
残念ながら面白くない
最初から最後まで
全然良いと思えませんでした
全てにおいてこの映画には魅力が無い
何がダメなのかと言うと
ストーリーが本当に酷いと思います
脚本が悪かったのでしょうね
基本的なストーリーは
異世界にやってきた少年たちが
その世界の姫の命を狙う悪い奴を
やっつける
ってかなりシンプルで王道なストーリー
でも、その中で描かれる人物描写は
あまりに稚拙ですし
設定の見せ方もとても雑
ストーリーの展開は強引で無理やり
なんか観ていて疲れる内容でした
世界観の設定やキャラクターの背景は
そんなに複雑じゃないし
むしろ、わかりやすいくらいなんですが
その見せ方、描き方が下手過ぎて…
内容を理解するために
頭をフル回転させてたように思う
理解したところで
矛盾が多いし無理やりな事が多いので
最終的には
なにこれ…?って感じの映画ですけど…
まず、世界観の説明が下手過ぎです
全部言葉で説明していて
説明で埋め尽くされたような映画になってる
だから、すごく退屈です
そして、すごくわかりづらい
映像の中でさり気なく理解させようとしたり
会話の中で自然と説明したり
そんなのが全然無かったと思います
とにかく、何かが起きるたびに
誰かが
ここはこうで、あれはどうで
みたいな不自然な説明が多い
それも、話が進むにつれ
後づけの設定を次から次へと
つけ足していって
とりあえず御託を並べてストーリーを
強引に推し進めてるんですよ
そして、伏線を張らない
というよくわからない事をやってたりします
これも後づけの話になるんですけど
特に終盤になると
実はこうだったとか
敵を倒すにはこれが必要とか
いろいろと話の展開のために盛り込まれてますが
こういうのがすごく唐突です
敵の正体を暴く時に
急に魔法のにおいがどうとか言い出したり
伝説の剣をおじいさんが持ってたりとか
話の序盤で魔法ににおいがある
みたいなこと言ってたり
おじいさんが剣を持ってるんじゃないかと
思わせたり
そんな伏線を張ってるならいいんですけど
ラストになって突然こんな都合の良い設定を
持ち出してきて敵をやっつけるのが
もう茶番にしか見えない
この映画のほとんどがそんな感じです
伏線なんか無く
都合の良い設定を次から次へと足していく
この映画のオチもかなり唐突ですからね
どんでん返しと言うよりも
急に突拍子の無いことが起きた感じ
無理やりすぎです
矛盾してるようにも思うし
そして、キャラクターの描き方も
かなり酷いものでした
基本的にキャラに魅力が無い
内面が深く描かれていない上に
みんなバカ
主人公のユウでさえ
いまいち掴み所がありません
ユウの足が不自由という設定も
全然生かせていない
現実世界での生活に不満なのか
それとも受け入れているのか
まず、そこが曖昧
二ノ国に行って足が動くようになっても
そんなに喜んでるようには見えないし
二ノ国に対する固執も
足のことよりアーシャのことですし
そもそも、足の不自由な設定が
必要だったのか謎です
別に足が不自由でなくても
成り立つ内容なんですよね
それ以外の部分でもユウの原動力が弱すぎる
ヒーロー願望があるのか
異世界への魅力がそうさせるのか
アーシャが好きだからなのか
どれもあるんでしょうが
気持ちの強さが伝わってきません
結局、物語の流れがそうだから
ユウも流れの通りに動かされている
って感じになってしまってます
全く生き生きしたキャラクターになってない
だから、魅力も感じません
ユウの親友ハルも酷いですね
たぶん、この映画を観れば彼を嫌いになるでしょう
基本的に馬鹿ですし
自分の思い込みや勝手な解釈で
人を殺そうとする
そもそも、こいつが親友だと思えない
親友が本気でぶつかり合う
っていうのをやりたかったんでしょうね
でも、この2人が親友だと思える描写が
全然無い上に
むしろ、ハルがユウを思いやってるように
見えないです
ハルは自分のためにしか行動しない
コトナの命を救うというのも
結局は自分のため
2人がぶつかり合う理由は
ハルが勘違いして敵側につく
というかなりアホな展開です
予告とかでは
好きな人の命のために親友が対立する物語
のように見えましたが
実際はそんな話ではありませんでした
ハルがあまりにも身勝手で聴く耳持たないし
状況を判断する理解力も乏しいため
終始ハルには腹が立つと思います
他のキャラも魅力が皆無
コトナ、アーシャはヒロインなのに
空気みたいに存在感が無いし
ラスボス的なヤツも
言動に一貫性が無くてやってることが回りくどい
馬鹿にしか見えない
最終形態のデザインも悪すぎ
おじいさん、国の兵士、傭兵、王様
コイツらも全く機能していない
物語の都合のために時々登場するだけでした
全体的に見ても
脚本の作り方が悪かったように思います
脚本担当の人がゲーム出身の人だからか
たぶん、ゲームのシナリオの作り方なんだと思う
ゲームなら
世界観や物語の設定をキャラに説明させて
後はプレイヤーに丸投げでも成立するんです
冒険したり敵と戦ったりして
プレーヤー自身が話を補完してくれる
登場人物には最低限の設定とセリフさえ
与えていれば
プレイヤーの中では勝手にキャラクターが動き出す
ゲームの場合は主人公が自分の分身になるので
最悪ストーリーが無くても
世界に入り込む事ができる
でも、映画になると話は別ですよね
設定以上のものも
見せなければならないです
人間ドラマ、ストーリーの流れ
わかりやすい説明
そこから、さらに映像の演出や
セリフ回し、テンポの良さ
そんなのも考えなければなりません
しかし、本作は
ゲームのシナリオの作り方を
そのまま映画に持ってきたような
ストーリーだったと思います
あと、アニメーションのクオリティの話をすると
悪くはないけど
正直、劇場アニメとしてはクオリティが
やや低かったと思います
背景なんかは細かくてとても綺麗でしたが
人物が若干チープに見えます
動きの滑らかさも微妙でしたし
キャラ自体がのっぺりしてる
CGアニメも所々に使われていましたが
ちょっとバランスが悪く感じました
デザイン面に関しても
ジブリの劣化版のようで
あまり魅力を感じれない
アニメとしての魅力も
かなり弱い作品になっていました
とにかくストーリーの描き方が
壊滅的に悪かったですね
設定ややりたいことは悪くないと思うんですが
ゲームを基にした映画では
ドラクエのほうが映画として遥かに楽しめました
それほどこの作品の出来は悪かったんだと思います
この映画を観るならゲームをプレイしたほうが
いいかもしれませんね