何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ロケットマン」感想 二番煎じ感が否めない… 音楽以外は少し微妙かも

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どうもきいつです


伝記映画「ロケットマン」観ました

イギリス出身の世界的ミュージシャン
エルトン・ジョンの自伝的作品
並外れた音楽の才能でスターへの階段を駆け上がり
苦悩や困難にも満ちた彼の半生を
数々のヒット曲にのせて描いた
ミュージカル映画です

「ボヘミアン・ラプソディ」で
降板した監督に代わり映画を完成させた
デクスター・フレッチャーが監督を務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
少年レジナルド・ドワイドは
両親が不仲で孤独な日々を過ごしていたが
音楽の才能に恵まれていた
エルトン・ジョンという名で音楽活動を始めた彼は
バーニー・トーピンとの
運命的な出会いをきっかけに
成功への道をひた走っていく

 

感想
エルトン・ジョンという人物と
彼の作った楽曲にはとても興味が湧きました
ただ、映画として
めちゃくちゃ面白かったかと言うと
そこまででは…
って感じで普通の内容だったと思います

 

エルトン・ジョンに関しては
すごい大人気だった派手な衣装の歌手
ってくらいの知識しかなく
彼の作った曲もあまり知りません
耳にしたことあるかな
って曲がちらほらあるくらいです

そんな無知な僕なので
この映画を1つの映画として観た感想
になります

ファンの人が観ると
違った見え方がするかもしれません

 

正直言ってすごく普通の映画でした
特別面白いとは思えないです
むしろ、若干退屈な印象もありました

この映画を大絶賛している人も
たくさんいるみたいで
ちょっと世間の熱量と自分の気持ちとのギャップが
大きいような気がします

 

単純に「ボヘミアン・ラプソディ」の
二番煎じになってるのが
この映画の面白みの無さだと思います

おそらく「ボヘミアン・ラプソディ」が
大ヒットしたから作られた映画でしょう

やってることがほぼ一緒です

一世を風靡した世界的な大スター歌手の
伝記的な内容を
自身の楽曲で彩った作品

内容は
一見、煌びやかな大スターだけど
実は葛藤や苦悩を抱えていて
辛い人生も送っていました
って感じです

本作の場合は差別化を図っての
ミュージカルという演出にしたのかもしれません


この時点で
新鮮さはさほど無いと思います

 

ストーリーの流れも
結構「ボヘミアン・ラプソディ」に似てます

たぐいまれなる才能を持った男が
瞬く間にスターへの階段を駆け上り
それ故に人間として大切なものを失っていく

周りへの不信感やスターの重み
孤独感などに耐え切れず道を踏み外してしまう

でも最終的には仲間との絆に救われる


細かいところで言えば
同性愛を扱っているという点も
似ていますよね

 

で、僕は「ボヘミアン・ラプソディ」は
面白いと思いまいたし
楽しんで観ることができたのですが

それにすごく似ている本作は
あまり楽しめませんでした


それは何故なのか考えてみると

単純に、二匹目のドジョウ狙いの作品
というのに好感が持てないのもありますが

伝記映画なのに
ファンタジー感が強すぎて
あまり乗れなかったのかもしれません

ミュージカルシーンであったり
現実離れした演出であったりなど

現実の出来事として観ればいいのか
ファンタジーの物語として観ればいいのか
ちょっと戸惑ってしまいます


こちらが事実の物語として観ていても
急にミュージカルが始まったり
非現実的な映像の見せ方をしたりするので
集中して観ていると
置いてけぼりにされた気持ちになる

逆にミュージカルを楽しんで観ていたら
急に現実的な物語に戻るので
こっちでも頭がついて行かない

世界観がすごくブレているように思うんですよ


この映画がなぜミュージカルになったのか
というのも
おそらく、「ボヘミアン・ラプソディ」と
同じになりすぎないようにだとも思うし

それだけでなく
最近ミュージカル映画にヒットする作品が多いから
その流れに乗ってのことだと思います


ただ、この映画にミュージカルが
必要だったのかと言うと
たぶん必要なかったでしょうね
むしろ邪魔なくらいだと思う

別にミュージカルでなくても
エルトン・ジョンの曲の魅力を伝えることは
十分できるでしょうし
長尺でミュージカルをやるよりも
ドラマ部分をしっかり描いていたほう
が良かったと思います

 

それだけでなく
物語がすごく薄っぺらく感じた

エルトン・ジョンの半生を扱った作品ですが
彼の半生の上澄みだけをすくって
見せたんじゃないかと思えてきます

僕はエルトン・ジョンに全然詳しくはありませんが
それでも、もっと濃い人生を
送っているんじゃないのか?
と少し疑問に思いました


全体的に物語が淡々と進んでいきます
言うほど山も谷も無いです

心の葛藤や苦悩などが描かれていますが
彼がなぜそこまで思い悩むのか
なぜ彼がそうなってしまったのか
という部分があまり描かれてなかったように思うし

1つの物語の中で同じような事を
何度も繰り返してたりするのも
くどく感じるし退屈になる要因でした

エルトンとマネージャーとのケンカや
バーニーとの仲違いなど
同じようなシーンが何回か出てくる

基本的に同じことの繰り返しで
物語が進んでいました

 

そして、この映画のメインテーマは
愛に餓えたエルトンがそれ故に
崩壊していく物語だと思います

でも、その部分もちょっと薄いと思う

家族愛がメインなのか
友情がメインなのか
恋愛がメインなのか
なんか定まっていなくて
結局なにを伝えたいのかがあまりわからないです

それぞれの描写が上辺だけで
深く描かれていないようにも思う


家族の関係性は
子供の頃に家庭が上手くいっていなかった
という不幸話だけですし

バーニーとの関係性も
曲作りの時はとんとん拍子で完成するし
成功してからの2人も特にドラマは描かれない
唐突に2人の方向性の違いを見せて
別れてるだけなんですよ

同性愛者だからの孤独も
生々しい性的描写はあるものの
エルトンの内面はいまいち掴み所が無い

女性との結婚から離婚の話も
唐突に始まって一瞬で離婚
なので全く感情移入もできないし


いろいろと詰め込んでる割には
深いところまで描いていないので
結局なにが中心の話なのかがよくわからないです

だから、エルトンが様々な依存症に
陥ってしまうのも
とても理解しがたいし感情移入もあまりできません


ストーリーに関しては
かなり浅かったと思いますし
面白い展開があったわけでもありませんでした

ただ、エルトン・ジョンの人生の全貌を掴むには
ちょうどいいかもしれませんね

 

否定的な話ばかりになってしまいましたが

ミュージカルシーンはそれなりに楽しめました
特に遊園地みたいな所での場面は
とても派手でしたしノリノリになれます


全体的にPVやMVみたいな映画でもあるので
エルトン・ジョンの楽曲の良さ
ってのは伝わってきます

この映画を観たら彼の曲に興味を持つ人が
たくさん生まれると思います

僕もすごく興味が湧きました


「キングスマン」でもお馴染みの
エルトン役のタロン・エガートンも
すごく良かったですね

エルトンの雰囲気がとても良く出ていたと思います

歌が上手かった!!って感想は
馬鹿っぽいのでやめときます

 

個人的にはあまり良いと思えなかった作品ですが

ミュージカル映画なら無条件で最高
って人も一定数いますし
「ボヘミアン・ラプソディ」みたいな映画を観たい
って人は絶対観るでしょう

なので、二匹目のドジョウ作戦は
成功だったんじゃないでしょうか
ヒットもしてるみたいですし

エルトン・ジョンのプロモーションとしても
成功ですね

まあ、こんな映画もありなんじゃないですかね

 


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