どうもきいつです
SF映画「アド・アストラ」観ました
広大な宇宙を舞台に
太陽系の彼方に消えてしまった父の謎を追い
宇宙を旅いする男を描いたSF作品
監督は「エヴァの告白」などの
ジェームズ・グレイが務め
主演はブラッド・ピットです
あらすじ
宇宙で活躍する父を見て育ったロイは
自身も宇宙飛行士の道へ進んだ
しかし、父は地球外生命体の探索に旅立ってから
16年後、地球からはるか離れた太陽家の彼方で
行方不明になってしまう
ある時、ロイは父は生きていると告げられ
尊敬する父が太陽系を滅ぼしかねない計画に
関わっていると知り
父を探すためロイも宇宙へ旅立つ
感想
リアル路線のSFの世界観や
宇宙の表現、映像などはとても好み
でも、ストーリーが全然ハマらなかった
正直、めっちゃ眠い映画でした
以前からすごく注目していたSF映画
SFは結構好きなジャンルなので期待していました
期待し過ぎていたのもあったのか
実際に観てみるとちょっといまいち
予告の時点でも
激しさの無いSFって印象だったんですけど
想像以上に地味な作品でしたね
かなり睡魔に襲われました
自分が観に行った回では
いびきをかいて寝てた人もいたり…
僕以外にも眠かった人は
多かったんじゃないかと思う
なぜ眠くなったかを考えてみると
ストーリーが平坦すぎるし暗い内容
だったというのと
主人公や登場人物に感情移入ができなかった
というのが大きいです
ストーリーの主軸は
行方不明になった父を探しに行くという
かなりシンプルな内容
そんな中で、トラブルが発生したり
父への思いが描かれたりします
個人的には
このメインのストーリーがつまらなく思った
特にひねりがあるわけでもなく
淡々と父親を目指して旅をしているだけ
その先に大きな展開が待っているのかというと
そんなわけでもなく
すごくこじんまりとした終わり方です
ストーリーがシンプルだったとしても
それを補うようなものがあれば
面白く見れるとも思うんですが
本作はその部分もちょっと微妙だと思う
所々に派手なシーンなんかもあったりして
その場面ではとても引き込まれるんですよ
月でのカーチェイス的なシーンや
猿が出てくるシーン
ロイが無理やりロケットに乗り込むシーンなど
こういう場面では目が覚めます
映像のクオリティーも高く
そんな中での派手なシーンは
めっちゃテンションが上がる
でも、これらのシーンは一過性なんですよね
この瞬間は引き込まれるけど
終わってしまえばまた眠くなる
これらの場面は各々独立してしまってる
ように思います
そんなにメインのストーリーと
絡んでいないんです
特に月でヤバい奴らに追われたり
宇宙船内で猿が暴れている場面は
全然ストーリーと関係なく
ただ映画のアクセントとして入れられている
だけのように思います
世界観の設定としては
それらもつながりはあるんですけども
結局、これらの要素が無駄に世界観を
広げてしまって散漫になってしまってます
メインストーリー自体がこじんまりとした
小さい世界の話なのに
世界観だけはスケールが
やたらデカくなってしまって
なんか集中できないんですよね
そして、主人公のロイとその父親
この2人が物語のメインで重要人物なんですが
全然、感情移入ができません
この2人は
結局、何がしたかったのかな?
と思ってしまう
父親に強い執着のあるロイ
地球外生命体の発見に異常に固執する父親
この部分には具体性が無さすぎて
全く気持ちが入っていきません
特にロイの自問自答、悩み告白みたいなのが
すごく多いんですが
その根本は見せてくれない
なぜ父親をそんなに尊敬しているのか?
父親に対する執着は何なのか?
みたいなものはほとんど描かれません
だから、ロイの精神面や心の成長を
見せている作品なのに
その部分に共感もできなければ
感動もできない
そもそも、ロイは何を求めているのかも
伝わってきません
父親に会う事ができれば
どういう変化が起こると思っていたのか
ただ漠然と父親に会えば
何か変化があると思っていたのか
そのへんも曖昧で
結局、何を伝えたい映画だったのか
いまいち伝わってきませんでした
父親に関しても同じで
彼をそうさせてしまったのは何か
という部分は全く描かれないので
この人がただのサイコパスにしか思えない
具体的なエピソードも無く
何を捨てでも地球外生命体を見つけたい
って言っているだけのヤバいジジイでしかない
だから、彼の最後の行動には理解できないし
この場面で何かが生まれたようにも思えません
最終的には
この親子すごい迷惑だな
という気持ちにしかならない
この2人のせいで結構人が死んでたりするし
こんなにもいろんな人を巻き込んでいるのに
最終的に親子間のこじんまりした精神的な物語に
持っていかれても
なにそれ?
としか思えないですよ
哲学、宗教観、精神面を描いた作品
なのかもしれませんが
その割に世界観を広げ過ぎて
親子2人の問題に収まらず
多くのものを巻き込んでしまっているので
ロイが父親と対峙して
自分の気持ちが晴れてめでたしめでたし
で終わっても
あまり納得はできないですよね
まあ、アート映画なのかもしれませんが
その割には映画的な面白さを
出そうとしていましたし
どっちつかずな気もしてしまいます
面白くなくても何か伝わるものがあれば
良い映画だとは思えるんですが
本作はあまりそういうのも伝わってきませんでした
否定ばかりしましたが
良い部分もありましたよ
宇宙の表現や映像は素晴らしかったです
宇宙の怖さみたいなのも伝わってきますし
壮大さ、荘厳さも感じる事ができる
宇宙での孤独の恐怖の表現は
とても良かったし
でも、時折見えてくる宇宙の美しさには
いろんな感情を呼び起こされる
ロケットであったり、月での車であったり
SFだけどやり過ぎていないリアルなデザインも
ちょうど良くて個人的には好きでした
冒頭の落下のシーンは最高ですね
あのシーンで気持ちが鷲掴みにされました
あのめっちゃ高い塔もワクワクしますし
あそこからの落下の恐怖もとても伝わってきました
あと、ブラッド・ピットの演技も良かったと思う
ほとんど彼の一人芝居のような映画で
ブラピを堪能できますよ
やっぱりブラピは顔の演技が素晴らしいですね
ブラピが観れるというだけで
価値はあるのかもしれません
この映画は
ブラピが好きなら満足できそうです
深いメッセージが込められた作品
なのかもしれないですけど
個人的には全然伝わってきませんでした
SFだからって派手である必要はないと思うので
作風自体は悪くないと思いますが
この映画の途中で
いびきをかいて寝てしまう気持ちは
わからんでもないです