何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ガリーボーイ」感想 インドのラップもカッコいい 王道のサクセスストーリー

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どうもきいつです


インド映画「ガリーボーイ」観ました

インドで活躍するラッパーNaezyの実話をもとにした
スラムで生まれ育った青年がラップと出会うことで
人生を大きく変えていく青春サクセスストーリー

監督は「チャンスをつかめ!」の
ゾーヤー・アクタルが務め
「パドマーワト 女神の誕生」などの
ボリウッド映画で注目を集める
ランビール・シンが主演です

 

あらすじ
ムンバイのスラムで生まれ育ったムラドは
決して裕福ではない暮らしを送っていた
そんな中、悪友とつるみ
身分違いの彼女と交際していたムラド
ある日、大学構内でラップパフォーマンスを
していた学生との出会いをきっかけに
ラップにのめり込んでいき
いつしかラッパーとして成功することを夢見るようになる

 

感想
ラップの音楽シーンが
インド映画特有のノリの良さがあって
とても楽しめる
ストーリーは少し平坦で
退屈なところも多々ありましたが
主人公には共感できたし
グッと来る場面もありました

 

前からとても気になっていた映画

インド映画というのもあるし
ラップ映画というのもあり
個人できにはすごく興味を惹かれる作品でした

実際に観ても
楽しめた映画でしたし
面白いと思える映画だったです

ちょっと期待しすぎなのもあったのか
想像を越える面白さではありませんでしたが
普通に面白く観れる映画だと思う

 

この映画はいわゆらボリウッド映画なんですが
急に音楽が流れだし長尺のダンスシーンが
始まるって感じの映画ではなくて
結構、普通な作りの映画だったと思います

だから、あの独特な雰囲気のインド映画が
苦手だと思っている人でも
全然そこは心配しなくてもいい

かと言って
全然インド映画っぽくない
というわけでもなく
あの独特な雰囲気も多少感じ取れます

MVの撮影シーンなんかは
すごくボリウッドっぽくノリノリなシーンに
なっていますし
インド映画らしい楽しみかたもできると思います


音楽が主題の映画でもあるので
物語の内容と音楽演出がとてもマッチした作品に
仕上がっていたと思う


インドのラップは全然聴いたことがなく
この映画で初めて聴いたんですが
普通にカッコいいと思えました

韻の踏みかたなんかは
日本のラップや英語のラップと比べると
ちょっと独特でとても面白かったし
カッコいい曲も多くてノリノリで映画を
観ていました

この映画をきっかけに
インドのラップにも興味を持てると思います

 

ストーリーに関しては
かなりわかりやすい王道の青春サクセスストーリー
でしたね

主人公のムラドが
ラップと出会い運命を変えていく
最後には成功するって話

すごくベタな展開の物語ではありますが
その中で、グッと来るエピソードがあったり
面白いキャラクターがいたりと
楽しめる要素はたくさんありました


特にムラドと父親とのドラマが
個人的にはとても良かった

ムラドの気持ちもわかるし
父親の気持ちもすごくわかる

この2人や周りとの人間関係を描くことで
インドのカースト差別や凝り固まった考え方など
インドが抱えている社会問題も
自然と伝わってきました

そして、ムラドが自分の世界を変えてやる
という強い意思を
それを通すことでより強く感じれます


ムラドと父親との対峙のシーンでは
戦うこと決意した人間と
戦うことなんて考えることすらしなかった人間の
対比を描き
運命を変える人間とはどんな人間なのか
というのがストレートに心に刺さった


他にもムラドと恋人との関係性
犯罪に手を染めるムラドの悪友
ムラドの父親を運転手として雇っている
上流階級の人間たち

そんな様々な人間の事情や関係性を
見せることでインドのめんどくさい社会性が
浮き彫りにされています

めんどくさい国だな
と思いつつも
日本も似たようなもんだよな
と共感できる部分もありました

インドであろうと日本であろうと
結局、自分の世界を変えるには
自分自身が立ち上がらなければならない
ということですね

この映画を観ることで
立ち上がる意味
立ち上がる勇気を
貰えるんじゃないでしょうか

 

それに、キャラクターもなかなか面白いですね
特にムラドの恋人サフィナ

彼女はすごくインパクトありました

ヒロインなのに変なキャラです
暴力的で嫉妬深くすごく重い女
かなりヤバい女でした

彼氏の浮気相手の頭を
ビンで殴るんですから

ただ、すごく印象に残ります
すごくいいキャラしてました

しかも、すごく可愛いですからね
ヤバい女ですけど
この子なら全然あり
むしろ愛嬌があってちょっとしたヤバさが
彼女の魅力に繋がっていました

ムラドが最後まで彼女のことが
好きなのも納得できます

 

全体的に楽しめる映画では
ありましたが

やっぱり平坦な物語がちょっと退屈
それにインド映画でありがちなすごく長い映画
150分くらいあります

正直言うと
前半部分はあまり面白くない
ムラドがどんな交遊関係を持っていて
どんな生活を送っているのか
そんな部分の説明になるんですが

大して大きなドラマも描かれず
淡々と物語が進んでいきます

この辺は若干眠い


ムラドの生活や人間関係が崩れはじめてくると
物語が動き出して退屈は無くなりますが

それでも、全体が長いから
ちょっと疲れますよね


そして、この映画は
どん底から這い上がる系の
サクセスストーリーなんですが

ムラドってそこまでどん底じゃなくない?
って思ってしまいました

貧乏ではあるけれども
それなりに恵まれてる人だと思う


大学には行けてるし可愛い彼女がいる
悪い奴ではあるけど友達もいるし
そこには友情がある
才能も持っている
人の出会いにも恵まれています

なんだかんだでトントン拍子で成功
してますしね


そして、以前に観た日本のヒップホップ映画の
「WALKING MAN」とどうしても比べてしまう

比べてしまうと
「WALKING MAN」のほうが
絶対にどん底で絶望的

だから、その後にこの映画を観てしまうと
ムラドの人生はかなり恵まれてると
思ってしまう


そんなのも含めて
ちょっと物語が弱く感じる

最後にラップバトルに優勝しても
カタルシスがあまりないんですよね

才能にも恵まれているし
周りの環境にも恵まれている

そりゃ成功するよな
って感じです


主人公がさほど追い込まれていないぶん
ラストはちょっと弱くなってました


とは言え
弱者の叫びを形にしてくれたような映画なので
この映画に勇気付けられるのは
間違いないと思いますが

 

インドのラップの面白さも知れましたし
インド映画特有のノリノリな雰囲気で
とても楽しめる映画でしたし

この映画のモデルになったNaezyの曲も
聴いてみたいと思わされた

自分の人生を変えたいと思っている人は
この映画に勇気を貰えます

 


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