何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「108~海馬五郎の復讐と冒険~」感想 アホすぎて嫌いじゃない やりたい放題な映画

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どうもきいつです


コメディー映画「108~海馬五郎の復讐と冒険」観ました

SNSで妻の浮気を知った男が
108人の女性を抱くという手で復讐しようとする
奇妙な復讐劇を描いたコメディー映画
R18指定のオリジナル作品です

劇団「大人計画」を主宰する松尾スズキが
監督、脚本、主演を努めています

 

あらすじ
脚本家として成功を納めている海馬五郎は
妻の綾子がダンサーの男と浮気していることを
SNSの投稿から知ってしまう
ショックから離婚を考えるが
財産分与で資産の半分を
払わなければならないとわかり
資産1000万を使い108人の女を抱く復讐に挑む

 

感想
やりたいことをやったって感じの映画
テンションだけでめちゃくちゃ
面白いのかというと微妙な気もする
でも、アホすぎて好きかも

 

たまたま予告映像を見て
あまりの勢いについ観たくなってしまった映画

観る前からアホな映画だろうとは
思っていましたが
本当にめちゃくちゃアホな映画でした


そして、R18指定ということで
性的描写がめちゃくちゃ多い
というか、この映画のほとんどが性的描写です
こんなのライトなAVですよ

下品な描写もかなり多くて
観る人によればかなり不快だと思います

それに、ストーリーは大して面白くないし
ギャグも笑えるとこもあれば
スベってるところもある

正直、そんなに面白い映画じゃないと思います

でも、ここまでアホな事をやりっきった作品は
そんなに嫌いじゃないです


とにかく監督が思いついた事を映像にしてみた
みたいな映画で
ストーリーの面白さなんかよりは
映像のインパクトや
エロ、ギャグの勢い重視の映画だと思います

なので、この映画が嫌いな人は
とことん嫌いになるんじゃないでしょうか

かなり下品な内容の映画だし
登場人物たちにもあまり好感が持てないし

嫌いになる要素はたくさんあると思います

個人的には
笑えるところもあったので
それなりに楽しめた


全体的には
勢いがとてもある作品なのでテンポは良かったです
話が滞ることも無く
最後まで突っ走っていくような作品

上映時間もそんなに長くないので
観やすかったと思う


ストーリーに関しても
シンプルな内容でわかりやすい

ただ浮気された夫が
その腹いせに自分の資産を使い果たし
女を抱きまくろうとする
ってだけの話で
それが最後まで続きます

ひねりのあるストーリーでもなく
最初から最後までそれだけで突っ走っていくので
面白くないと言えば面白くない

でも、設定のアイデアが奇抜で面白いから
新鮮な気持ちで観ることはできますよね


それに、ストーリーはシンプルですが
主人公の海馬五郎を筆頭に
登場人物がみんなクセが強くて個性的
そんなキャラクターが暴れ回っているので
なんか楽しいです

あまりにもバカバカしく
人間的にも欠けているようなヤツばかりですけど
どことなく憎めなくもあり
ちょっと好きにもなってくる


海馬五郎なんて
自分の事を棚に上げて他人に文句を言い
自分の好き勝手やりたい放題の
かなりクズな男ではあるけれど

単純にこの人物が面白いし
可愛くも見えるし応援もしたくなってくる
謎の魅力を持っている主人公ですね

 

しかし、ストーリー的には
やっぱり少し薄すぎるかなって印象です

この映画のメインになるのは
夫婦間の問題であったり夫婦愛だったり
するんですが

そんな真面目な部分は
かなりあっさりしています

というか全然深く描かれていません

表面的な部分ではいろいろ見せられますが
それは結局、物語を展開させるためだけの
要素にしかなっていませんし

海馬五郎がなぜそこまで妻に執着しているのか
彼を何がそこまでさせてしまうのか
妻は彼のことをどう思っているのか

そのへんをもう少し深く見せてほしかったですね


人間の欲望や煩悩についても同じ

タイトルに煩悩の数108を使っている割に
仏教的な価値観や倫理観は全然感じれない

ギャグ映画ではあるんですが
そんなのを少し感じさせる作りだったら
作品としての深みも増したように思います

セックスなんかの性的描写も
そこから人間の欲望を深く掘り下げることが
できると思いますけど
終始ギャグのための性的描写で
終わってしまていました


勢いやギャグも大事だと思いますが
せっかく一本筋の通ったテーマが存在するのなら
そのテーマだけでも深掘りして
よかったんじゃないかと思います

さすがに真面目な部分を描かな過ぎて
薄っぺらな映画になってしまっていましたね


ラストの含みのある終わり方も
悪くはないと思いますが

そこまでにあまり深いものを
描いてきていなかっただけに
ラストだけ少し浮いてるように思いました

ラストに至るまでにも
意味深なシーンや深さを感じられるエピソードが
あったのなら
最後のシーンも深く考えさせられたり
そこから考察したくもなりますが

最後だけ急に真面目になられても
さすがに唐突過ぎて気持ちが追いつかない

なんか取って付けたようになってましたね

 

そして、この映画のほとんどを占める
ギャグ要素なんですが

これに関しては
笑えるけど笑えないところもある
って感じです

バカバカしくて思わず笑ってしまうシーンもあれば
完全にスベっていて寒しシーンもある

スベってるシーンも勢いで誤魔化せてはいますが…

笑える笑えないは個人の好みによるところが
大きいと思いますけど

個人的には狙い過ぎているところは
ちょっと寒く感じてしまいます

海馬五郎が早口でベラベラと喋るシーンや
急にミュージカルが始まるシーンなど
狙い過ぎていて
若干、引いて見てしまってました


そんなのよりも
あまりにもアホなやり過ぎたギャグシーンや
何気ない会話でのやり取りなんかのほうが
全然笑えましたね

アホなシーンで言えば
海馬五郎が父親の死を病院で看取るシーンとか
アホすぎて最高だと思う

何気ないシーンでは
妻の浮気を教えてくれた女の子と
肉体関係を持った後に
数にカウントするかどうかの場面とか

そんなシーンのほうが
個人的には笑えて好きです


あと、セックスのギャグシーンは
ちょっとマンネリでしたね

最初のほうは結構笑えていたんですけど
ずっと同じような事の繰り返しが続くので
最後の方は全然笑えませんでした

この部分はもっといろいろと
やりようがあったと思うので少しもったいないです
海馬五郎が最後まで
数をこなすことだけに執着して終わってましたから

どんなセックスをするか
どういうシチュエーションでやるか
とか、そんな広げ方もできたと思うんですけどね


正直、AVの企画のほうが全然笑いのセンスが
あると思いますよ
あの人たちは想像を逸するものを作りますから
ガチの変態です

そんなのに比べたら
この映画は変態性が弱かったのかも

もっと変態なものを見せてくれたら
大爆笑できたかもしれません

 

否定的な事を言いつつも
嫌いな映画ではないです

変態性が薄いとかも言いましたが
AVクラスの変態な作品になってしまったら
それこそ映画館で上映できないかもしれませんし

映画としてはちょっとやり過ぎの
かなり変態の部類だと思います
そんなアホな映画は嫌いになれない

 


大人計画 その全軌跡 1988→2018