何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」感想 王道の推理ミステリーがなかなか楽しめた

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どうもきいつです


ミステリー映画「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」観ました

ニューヨーク郊外の大豪邸で起きた殺人事件を巡り
名探偵とくせ者揃いの家族たちの駆け引きが
描かれた
本作オリジナルの密室殺人ミステリー

監督、脚本を手掛けたのは「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」などのライアン・ジョンソン
名探偵ブランを演じるのは「007」シリーズなどの
ダニエル・クレイグです

 

あらすじ
85歳の誕生日を迎えた世界的ミステリー作家の
ハーラン・スロンビーが自身の豪邸で
誕生日パーティーを開催した
しかしその翌日、ハーランは遺体となって発見される
名探偵ブノワ・ブランは匿名の依頼を受け
刑事とともに屋敷に出向いた
ブランはこの事件が殺人でないかと考え
莫大な資産を抱えるハーランの家族、家政婦、看護師
など屋敷にいた全員を疑い捜査を始める


感想
昔ながらの推理ミステリーって感じが
とても楽しめました
事件の真相も終盤までわからないと思うし
そこまでの伏線も上手かったと思う
ただ、物語が進展するまではちょっと退屈かも

 

予告を見てとても面白そうだったので観てきました
王道の推理ミステリーだろうなと
想像していましたが
全くその通りで
昔ながらのミステリーって作品でしたね

こういう雰囲気の映画はとても好きです

全体的にはよくあるミステリーという感じで
とてもわかりやすく観れました
やってることは王道のミステリーで
そんな作品ではよくありそうな設定だったり
トリックなんかもありがちな感じがする

ただ、意外と先の展開が読めなかったりするので
そこはすごく楽しめました

結構、早い段階で1つ目の真相が
明らかになってしまいます

でも、それで終わりではなく
最後にもう1つどんでん返しが待っている

さすがに1つ目の事実が発覚した時は
これで終わりじゃないだろ
とは思いますが

それでも、この物語がどう転がっていくのかは
なかなか予測できない

逆に早い段階で大きな事実が
わかってしまうことによって
この先どうなるんだろう?
と、興味をすごくそそられるんです

これで終わりじゃないのはわかってるけど
じゃあ、この話はどうなっていくの?
みたいな

 

そして、設定も面白いですね

本作の重要人物マルタ
彼女の設定がすごくよかったですね

1番の容疑者でありながら
嘘をつくとゲロを吐いちゃうという

このキャラクターがとても面白いし
その設定が物語の中でも上手く生きていて
すごくいい

登場人物たちの多くが嘘をついて
真実がぼやけてしまう中で
彼女のゲロだけは真実

どうにか嘘をつかずに真相を隠そうとするマルタと
真実を突き止めようとするブランとの
駆け引きもなかなか見応えがあったし

ゲロを吐くと基本面白いですよね
くだらないけど笑ってしまう

ラストのゲロは最高に痛快でした

嘘がつきたくてもつけない
という設定はミステリーとしては新鮮に思えた

キャラの個性にもなっていますし
物語の展開にも繋がっていきますし
この設定は本作の中でもかなり良かった部分だと思います


そして、本作はただのミステリーではなく
風刺的なものも込められていると思う

マルタが移民ということもあり
移民問題というのが直接的に描かれていると
思いますが

彼女を受け入れるハーランの家族たちが
まるでアメリカの縮図のように描かれています

表面的には家族として受け入れているようなことは
言っていますが
実は無関心だったり見下していたり
最終的にはこの家族たちが本性を現していくわけですよね

家族を1人1人見ていっても
いろいろメタファーが隠されていると思います

そういう視点で観てみても
この映画は興味深い内容でした


あと、ラストシーンに関しては
すごく意味深に感じました

この事件がまだ一筋縄ではいかないんじゃないか
と思わされる

解決したようでまだ解決してないんじゃないか?
と、ちょっと疑心暗鬼になる

マルタがすごく計算高い女に感じてしまいました
実は全部計算通りだったのか?
所々頭がキレるシーンもあったりしたし

最終的に彼女の手のひらで転がされていたような
気持ちになってしまいましたね

真相はわからないんですけど

 

単純なようで単純じゃなかったりするので
最後までなかなか楽しめる映画ではあったんですが

ちょっと退屈な時間が多かったのも否めない


終盤に物語が進展し出すまでは
結構、退屈でした

早い段階で1つ目の真相が明かされてからは
謎解きミステリーではなく
マルタが自分がやってしまったことを
バレないようにどうにか誤魔化す
というのがメインになってしまって

しかも、それがすごく淡々としていて
観ていてちょっと飽きてきます

同じようなことの繰り返しが
続いていたようにも思うし
ある程度、謎やトリックが解き明かされて
しまっているから
そこに関する興味も薄れてしまってる

所々におもしろシーンや
細かい伏線が散りばめられていたりもしましたが
それだけではさすがに気持ちがもたなかった


あと、真犯人がわかりやす過ぎる問題もありましたね
真犯人のあの人が
変に目立ってしまっていると言うか
1人だけオーラ出過ぎと言うか

印象だけでこの人が犯人だろうな
と思ってしまいますよね

キャラとしてはいいキャラしていて
魅力的なんですけど
それがあるから余計に犯人っぽいんですよ

これは仕方がないことかもしれませんけど

ミステリー映画ではありがちですよね
キャストの雰囲気で犯人がわかってしまうのは

勘のいい人なら犯人は簡単に
わかってしまいそうな気がします

 

あと、ハーランの家族たちをもっと深く
掘り下げて欲しかったとも思います

この家族たちはすごくドロドロしたものが
ありそうなのに
表面的はさらっと触れるだけで
あまり深掘りされなかった印象です

だから、仲が良いのか悪いのか
ちょっとわかりづらい
ケンカしてるときもあれば団結してるときもあるし
なんか、どっち付かずで
どう見れば良いのかわからないし

それぞれ個人的にもキャラは深掘りされず
みんな個性的な雰囲気はあるものの
いまいちそれが伝わってこなかった

家族の関係性も
誰と誰が仲が良いとか誰と誰が仲悪いとか
その辺もあまり描写されなかったし

この家族の描写をもっと全面に押し出してたら
退屈さも薄れたように思うし
事件の真相についてももっと深みが出たように思う

ぱっと見はみんな個性的で魅力が溢れているだけに
そこから先の描写が薄かったのは
もったいなく思いました


多少、文句も言ってしまいましたが
普通に楽しめるミステリーでした

犯人がわかりやすいとは言いましたが
先の展開はなかなか読めないと思うし
最後まで観れば驚かされると思う

名探偵ブランも面白いキャラでしたしね
面白い王道ミステリーでした

 


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