何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「バッファロー’66」感想 愛すべきクズ男と超絶天使 この映画可愛すぎる

f:id:kiitsu01:20200229210019p:plain

どうもきいつです


恋愛映画「バッファロー’66」観ました

刑務所帰りの男と行きずりの女との奇妙な恋愛を描いた1998年のラブストーリー映画
愛を知らないアナーキーな男と彼に惹かれる女の
寡黙な恋愛が描かれています

ヴィンセント・ギャロが監督、脚本、主演、音楽を
手掛けている作品です

 

あらすじ
5年の刑期を終え刑務所から釈放されたビリー・ブラウンは
ニューヨーク州バッファローの実家へ帰ろうとする
ところが、長年の溝がある両親には刑務所にいたことは隠しており
その上、結婚していると嘘までついてしまった
そして、ビリーはトイレを借りた建物の中の
ダンス教室にいたレイラを拉致し
自分の妻のふりをするよう強要する

 

感想
クズだけどどこか憎めないビリーと
こんな女いないだろってほど天使なレイラ
この2人が超可愛い
そして、奇抜で独特な映像センスが魅力的
なんかすごく好きな映画でした

 

以前おすすめしてもらった映画で
最近になってやっと観ました

全くどんな映画なのかイメージもつかないまま観たんですが
なかなか変な映画ですね

少し掴み所がないストーリーに
人物描写はそんなに深く掘り下げられるわけでもない
演出もとても独特でクセがすごく強いし

正直言って、よくわからん映画

ただ、すごく魅力のある映画だとも思えました
変だけどとても純朴なラブストーリー

ビリーとレイラを見ていると
どこか癒されるというか
キュンキュンさせられてしまいます


まず、ストーリーなんですけど
最初はいまいちビリーの目的などは不明確で
ちょっと掴み所がない
そんな中でビリーのなんとなくの生い立ちが描かれたり
家族の描写があったりして

ビリーがどんな人間なのかが少しずつわかっていく
そういうのをスローテンポで見せていく作風でした

というか、この映画のほとんどはビリーの紹介かも
はじめはよくわからないヤバそうな奴ですが
実はこんな内面の人間ですよ
というのをゆっくりと説明しているような

最終的にはビリーの復讐の話になるわけですが
その復讐は八つ当たりみたいなもので

自暴自棄になった男が
こんなクソな人生なんてどうでもいいから
ムカつくやつを殺して自分も死のう
みたいな

ダメ人間が人生うまくいかなくてなげやりに
なってる姿をひたすら見せられてる感じです


そんなのを淡々と見せられる映画なので
面白くない映画のはずなのに
すごく面白い
この世界に引き込まれていきます


この映画の何が魅力的って
主人公のビリーとヒロインのレイラ
この2人が素晴らしく魅力的
最終的には2人をすごく好きになってしまってます

とにかく2人とも超可愛い


ビリーは本当にダメ人間と言うかクズ人間と言うか

とにかく、なかなか人として欠落してる部分が多い人間です

身勝手な言動がめっちゃ目立つし
レイラに対しても本当に高圧的
すぐに感情的になって暴言を吐くような男
てか、自分の都合で誘拐している訳ですからね

相当ヤバい奴なのは間違いない

でも、こいつを全然憎めないんですよ

ビリーはただの嫌な奴ではなくて
とてもツイていない人であり
根は優しい純朴青年なんですよね

はじめは身勝手で傲慢な超嫌な奴だと
思っていたのに
物語が進むにつれ彼の内面が見えてくる

家庭環境や境遇とかは恵まれていなくて
あまり幸せな人生を送れていないんだなと
思わされる

まず、冒頭でそれが表されてますよね
トイレ行きたいのに全然いけないという

後々考えてみれば
このシーンが彼の人生そのものを表している
なんか人生が上手く行かないというのが
滑稽ですけども切なくも思えるように
トイレに行けないこの場面で感じさせられんですよ


そして、家庭環境はと言うと

母親はアメフトばっかり見て
息子のことなんて全然きにかけていない
ビリーがチョコレートアレルギーということも
完全に忘れていて
その上、アレルギーって言ってるのに
信用せず食べさせようとするし

父親は父親で
食器のナイフを自分に向けた
とかワケわからんこと言ってぶちギレたりするし

こんな親の元で育ったらそりゃひねくれるわ
しかも、両親の仲もあまりよくなさそうだし

でも、そんな親に対しても
ビリーはがっかりさせたくない気持ちがあったり
とても気を使っている一面もあったりする

レイラに対してもあんなに傍若無人なのに
時々優しい顔するんですよ

ビリーのそんな部分がちょくちょく顔を出すから
こいつ実はそんな悪い奴じゃないよな
って気持ちにさせられるんです

他にも
自分を大きく見せたり見栄を張るのも自分に自信がないから
レイラに悪態をつくのは女性と接するのが苦手だから

映画が進んでいくと
ビリーの本当の姿があらわになっていき
とても人間臭くて
映画を観ている自分にも共通するようなところも見えてくる

最終的にはビリーが愛おしくて
可愛くて仕方がなくなります

 

そして、ヒロインのレイラ
彼女が天使でしかない

このレイラなんですけど
マジで謎の女です
最初から最後まで全くバックボーンは見えてこなく
生い立ちや家族構成、交友関係、職業
全てが謎のまま

掴み所が無さすぎる

でも、すごく魅力的な女性なんです

まず、顔がめちゃくちゃ可愛い
それだけでも好きになりそうなんですけど

内面もホントに素晴らしい
こんな人間いないですよ
これぞ天使です

そもそも、あんなヤバい男に拉致られて
平然としていて
むしろ、とても協力的

この時点であり得ないんですが

それだけでなく、超面倒くさい男ビリーに
ちゃんとかまってあげて
すごく気を使ってあげて
超優しくしてあげる

空気の悪いビリーと両親との間も
取り持ってあげたりもするし
ビリーが学生時代に好きだったクソ女が現れた時も
ビリーの味方になってあげるんですよ

出会ってまだ1日も経っておらず
しかも、最悪な出会いでもあるはずなのに
レイラはビリーの気持ちをすごく理解しようとしてるし
ビリーを導いてあげようともしている


それに、ただ優しいいい女ってだけでなく
お茶目で可愛い一面もあるんです

急に意味のわからない妄想を語りだしたり
ボーリング場で唐突にタップダンス踊り出したり
一緒にお風呂に入りたいとか言い出したり

実はすごく変な女
でも、そこがすごく魅力的でもあるんですよ


こんな女いねーよ

彼女の背景が見えてこないぶん
本当にビリーの前に舞い降りた天使なんじゃないか
とも思わされてしまいます


僕もこんな人に出会いたいよ
こんな女に出会ったら
そりゃ人生変わるわ


そんな魅力的な2人なんですが

この2人の会話ややり取りがほっこりすると言うか
癒しですよね

写真を撮る場面とか素晴らしい
さんざんレイラに恋人らしく写真を撮れと
細かくいろいろ注文するビリーですけど
自分はずっと真顔という

これは笑いましたよ

ビリーとレイラの化学反応が本当にいいんです
レイラがビリーの内面を引き出していく過程が
キュンキュンする
レイラもめっちゃ可愛いし

最初はオラオラ系のヤバそうなビリーが
終盤はただの童貞純朴青年になってますから
ビリーもホント可愛い

この2人の存在でこの映画はすごく面白くなってると思う

 

あと、演出などが独特で観ていて面白いですね

ビリーの子供の頃の回想になる場面は
画面の真ん中から小さい画面が徐々に広がっていくみたいな演出
こんなの見たことないわ

めっちゃ独特だけど
不思議とこの変な映像表現に引き込まれていきます

終盤の銃で頭を撃ち抜く場面も面白かったですし
ビリーの父親が歌うシーンや
レイラの唐突なタップダンスのシーンも面白い

映画全体の色調もすごくいいですね
無彩色に近い冷たい雰囲気が
映画の内容にもマッチしてると思いますし

映像センスがすごくクセがあって独特ですが
押し付けがましくもなくてナチュラルな感じもする

この不思議な空気感にいつの間にか呑み込まれてしまっていたと思います

 

とにかく、すごく変な映画ですけど
個人的にはめっちゃ好きな映画でした

ラストもすごくいいですね
この映画のラストはかなり好きです
こんな優しさに溢れた映画がないんじゃないですか

この映画は超可愛いと思います

 


バッファロー'66 [DVD]