何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PRAY」感想 つまらなくはないけど 結局はいつものアメコミ映画

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どうでもきいつです


アメコミ映画「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PRAY」観ました

「スーサイド・スクワッド」でジョーカーの恋人として登場した
ハーレイ・クインを主人公にしたアメコミアクション映画
悪のカリスマ、ジョーカーと別れ
全ての束縛から解放されたハーレイ・クインが
裏世界を支配するブラックマスクと対決する姿を描いています

監督はキャシー・ヤンが務め
ハーレイ・クインを演じるのは「スーサイド・スクワッド」と同じくマーゴット・ロビーです

 

あらすじ
ジョーカーと別れたハーレイ・クインは街中で天真爛漫に暴れまくり
街にはびこる悪党たちから恨みを買っていた
そんな中、謎のダイヤを盗んだ少女カサンドラをめぐって
ハーレイ・クインは裏世界を支配する残忍でサイコパスなブラックマスクと対立することになる

 

感想
ハーレイ・クインのキャラは魅力的
ただ、結局はいつものよくあるアメコミ映画の内容とほとんど変わらず
いまいち面白味に欠ける印象でした
悪役を主役にする意味を感じられない

 

ハーレイ・クインが主役の作品ということで
前から期待していた作品でした

「スーサイド・スクワッド」は微妙な映画でしたけど
ハーレイ・クインの存在感は輝いていたし
今回そんな彼女が主役なので楽しみにしてました
マーゴット・ロビーも好きですし


そして、実際に観てみると
みんなが好きそうなやつだなって感じの印象

ポップな作風でコミカルな演出が多く
ストーリーはわかりやすくてアクションもそれなりに派手で楽しめる
ビジュアル面もカラフルだったり可愛い雰囲気だったり
見た目だけでも楽しい感じはします
音楽はノリノリで気分も上がってきます
ハーレイ・クインのキャラも生き生きとしている

とにかくアメコミ映画大好き
みたいな人なら
十分楽しめる内容だと思います

ただ、個人的には微妙だった
つまらなくはないけど
そこまで乗れなかったですね

むしろ、こんなタイプの映画にはちょっと飽きてきている

 

でも、普通に楽しめる部分もあったし
まずは良いと思ったところから

なんといってもハーレイ・クインが魅力的だし
とても可愛い

この映画は彼女の魅力だけで
観ていて楽しい気持ちにさせられます

あの喋り方とかすごく可愛いですね
表情も豊かで可愛い
自由気ままで天真爛漫
その上、自己中

面白いキャラクターです
自分勝手で支離滅裂な言動ばかりなので
嫌なキャラクターにも見えてしまいそうですけど
それを補うほどの愛嬌がある

むしろ、そんな自分勝手なところも可愛く見えてくるんですよ

で、可愛いだけでなく
アクションシーンではカッコよかったり
ちょっと残酷な面が見えてきたり

ギャップもあってとても魅力を出せていたと思います

自分のことを棚にあげて他人を分析したりするのも
なかなかいい味が出てて好きです

 

ストーリーに関しても
シンプルでわかりやすく
単純に楽しめる内容になっている

ダイヤを盗んだ少女を悪い奴らから守って戦う
っていうかなり王道なストーリーですしね

それをいろんなキャラクターや面白い演出で彩っている
って感じの映画で
普通に面白く観れると思います

 

そんな感じで
別にそんなに悪くない映画ではあるんですけど

やっぱり個人的には物足りない
と言うか、こんなプロットのアメコミ映画には
ちょっと飽き飽きしてきている

言ってしまえば
この映画でやってることは
他のアメコミヒーロー映画とほぼ同じ

ただ登場人物の立場や目的、世界観の設定など
ストーリーの細かい部分が違うだけで

基本のプロットは同じです

主人公の前にヴィランが現れてそいつを倒して終わり
毎回そんなパターンがほとんど

でも、僕はそれがダメだとも思っていなくて
むしろアメコミ映画にはそれを求めてしまってる部分は大いにあります
それを観たいからアメコミ映画を観ているといっても過言ではない

しかし、その反面
そろそろこんなのに飽きてきたな
って気持ちが芽生えてきているのも否めない


そんな時にヴィランが主役のアメコミ映画が公開されると知るとすごく期待してしまうわけです

悪役をメインにすることで
今までとは違った切り口のアメコミ映画が見れるんじゃないかとか
王道でマンネリ気味のプロットをぶち壊した新しいアメコミ映画が見れるんじゃないかとか

今までとは違うものが観れるんじゃないかと
ワクワク感に駆られる


でも、蓋を開けてみると
他のアメコミ映画とプロットは全く同じで
ただ悪役を主人公にしてみましたってだけのが多い
「スーサイド・スクワッド」や「ヴェノム」とかも同じで
最終的にはヒーローっぽくなってたりするんですよ

これじゃあ悪役を主人公にしている意味が感じられない

こんな普通のアメコミ映画にするのなら
まだ掃いて捨てるほどいる正義のヒーローを主役にしてやりゃいいじゃん
って思うわけですよ

これは、人気ヴィランを主役にすればとりあえずヒットするだろ
くらいの安易な考えだけで作られているから
こんな普通のアメコミ映画になってしまってるのかもしれない
たぶん、悪役を主役にする意味とかまで考えが及んでいないんでしょうね

唯一「ジョーカー」くらいですよ
悪役を主役にすることの意味を感じれるのは

悪役を主役にするならば「ジョーカー」くらいのことをやってくれなければ
なかなか納得はできない


本作もただハーレイ・クインを主役にしただけの
普通のアメコミヒーロー映画で終わってしまっているので
これなら、別にハーレイ・クインが主役じゃなくても別に成り立つよな
と思って萎えてしまいました

 

あと、もう一つ思ったのが
この映画、ハーレイ・クイン以外のキャラにあまり魅力がない

仲間にしろ敵にしろ
いまいち印象に残りません

仲間たちは予告を見たときは魅力的に思ったけど
実際に映画を観てみるとみんないまいちぱっとしない
それぞれのキャラはあまり深掘りされないし
みんな印象が薄い

最後のいろんな立場のキャラが一丸となってチームを結成し1人の敵に立ち向かう
っていう展開はもっと熱くなりそうなもんですが
そこに至るまでに
他キャラにあまり感情移入できてないのもあって
いまいち盛り上がりに欠ける


敵のブラックマスクも同じで
敵としてさほど魅力がない
どこか小物っぽくてラスボス感が弱い

もっとこいつヤバいって思えるエピソードとかがあったらよかったんですけどね
ありがちな残忍でサイコパスなキャラで終わってしまっていて…

ブラックマスクが小物っぽく見えてしまっているせいで
終盤で対峙したときも盛り上がりに欠ける


この映画はいろんな要因で終盤がいまいち盛り上がらなかったですね

序盤はハーレイ・クインの魅力で引き込まれて持っていけてたけど
それ以降は尻すぼみの印象でした

 

それと、女性ヒーローが主人公の映画でありがちな
女性は強い
自立した女性
みたいなメッセージもありがちすぎて
そろそろいいかな…って思ってしまう

そんなメッセージは十分伝わってるから
そろそろ違った切り口から違ったメッセージを
発信するべきじゃないかと思うんですけどね


女性蔑視や男女差別の問題は
男側が理解できてないってこともありますけど
この問題に対する主張も同じことばかりで
停滞してしまってるように思う

これじゃあお互い様で進展なんかしない気がする
こんな時代だからこそ
そこから先のところも考えていかなきゃならないと思いますよ

 

いろいろと言いましたが
ハーレイ・クインの魅力はとても感じれる映画
マーゴット・ロビーもその魅力を十分引き出せていると思う
アメコミ映画としては普通に面白い出来ですし
楽しんで観れると思います

その反面、悪役のハーレイ・クインを主役にする
必要性を感じることはできなかった

ヴィランを主役にするならば
悪役とは何かをもう少し考えてから映画化してほしい

今のままでは
日本の漫画実写のノリとそんなに変わらないと思います

 


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