何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「仮面病棟」感想 謎が謎を呼ぶ展開に引き込まれる でも、ちょっと謎解きが親切すぎる…

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どうもきいつです


ミステリー映画「仮面病棟」観ました

現役医師で作家の知念実希人によるミステリー小説を映画化した作品
ピエロの仮面をかぶる凶悪犯に占拠された病院を舞台に
人質に捕らわれた医師たちによる必死の脱出劇が描かれます

監督は「任侠学園」「屍人荘の殺人」などの木村ひさし
坂口健太郎、永野芽郁らが出演しています

 

あらすじ
医師の速水は先輩医師の頼まれ
とある病院で1日だけ当直することになる
その夜、ピエロの仮面をかぶった凶悪犯が
傷を負った女子大生と共に突然押し入り院内に立てこもった
速水は身元不明の入院患者や病院の職員らと一緒に監禁されてしまうが
そんな中で、次々と不可解な事態に直面していく

 

感想
2転、3転と次々に展開していくストーリーに引き込まれる
なかなか先の展開も読めなかったり
最後まで楽しめるミステリーでした
ただ、謎を全部親切に解説してくれるのはいいですけど
ちょっとくどすぎるような…
さすがにそこまで馬鹿じゃないですよ

 

この映画は特に観るつもりはなかったんですけど
上映してる映画が少なくて
なんとなくこの映画を観てみました


そんなに期待していなかったのもあってか
結構楽しんでみることができました

ミステリーとしていろいろと仕掛けが仕込まれてたし
謎が謎を呼ぶ展開には引き込まれる

スリリングな場面もたくさんあって
ワクワク、ハラハラしながら最後まで楽しめました

ただ、大絶賛できるかと言うとちょっと微妙
良いところがありつつ悪いところもあった
という印象の映画でした

 

まず、よかったと思うとこから

テンポがとてもいいです
前置きなんてさほどなく
早い段階から事件が発生します

ピエロが病院に押し入るまでも最低限の設定の説明だけで
ダラダラとつまらないことはせずに
メインのサスペンス、ミステリーの部分を見せてくれます

この映画を観るにあたってこちらが求めてるものをすぐに出してくれるから
ストレスなく楽しむことができます


ピエロが病院に立てこもってからも
無駄なくストーリーが運んでいきます

登場人物のどうでもいい回想や心の葛藤なんかもほとんどなく
そういうのも必要最低限だけを見せてる

ちゃんとこの映画のメインは謎を解くミステリーが主軸で
そこが最後までブレないのには好感が持てました


そして、その肝心のミステリーなんですけども
これもなかなかちゃんと作られていて
普通に面白い内容になってます

様々な謎が所々に散りばめられていて
それぞれ別のことに思えていたようなものも
最終的には一つの場所に集束する

こんなミステリーは個人的にも大好物

違和感に思えていたことが最後まで観るとすっきり解消されるので
観終えたあとにモヤモヤも残りませんしね


どんでん返し的な展開もいくつかあって
2転、3転と次々に展開していくストーリーには
何度か驚かされました

サスペンスやミステリーが好きでよく観る人なら
予想できることもたくさんあると思いますけども
この作品の全てを予想できた人は少ないんじゃないかと思います

こいつ怪しいな
でも、やっぱり違うかも
それでも怪しいな
みたいに自分でも思いを巡らせて
一緒に推理させられてしまっていました

そして、最終的に自分が振り回されていることに気付く

僕は一周回って
もうこれ全員グルなんじゃね?
とかワケわからんことまで考えてた


まあ、ツッコミどころとかも結構あって

すごく普通そうな人が銃なんてどこで手に入れたんだよとか
いくらなんでもそんな病院ありえる?とか
命がどうとか言ってるわりにめっちゃ人殺してるやんとか
気になるところはいろいろとあるけど

全体的にテンポがいいからそんなに気にならない
後から思い返せば引っ掛かるけど
映画を観ている間は大丈夫でした


ミステリーとして面白いく作られていて
最後まで楽しんで観れる映画ではあります

 

で、微妙だと思った部分なんですが
病院での事件が終わってからの描写なんですよね

病院内でのピエロとの駆け引きや脱出劇
謎解きなどはテンポがいいしスリリングで
とても楽しめたんですけど

それが終わってから事の真相を解き明かすパートに入ってからは
テンポが悪いしくどいしすごくダラダラ感じてしまいました

事件が終わってからがすごく長く感じてしまいます

今までの謎の答え合わせの部分が
1から10まで全部説明してくれるんですよね

実はこの人の正体は誰で
この時はこんなことをしていて
この人とあの人の関係性はどうで
みたいなのを映像付きでしっかりと見せてくれます

こんなの大体わかってますけど
ってことまで親切に映像で見せてくれる

わかりやすさを求めてのこの見せ方だとは思いますが
さすがにくどいんですよ

同じシーンを何回も見せられたりしますし
頭の中で想像できてるようなこともいちいち見せられる
一言で表せるようなものも見せられる

主人公が謎の真相に気づいたときのフラッシュバックのシーンとかいる?
って思いました

全部見せすぎで
終盤になると一気にテンポが悪くなります
その上、説明的な場面だけにもなるのでとても退屈

今までのテンポはどこに行ったんだよ
って気持ちになりますね…

僕はドMなので
もっとドSな放置プレイをされるほうが好き
この映画は優しすぎる

 

でも、これって一概に悪いことなのか
とも思います

嫌な言い方をすれば
この映画は馬鹿でも楽しめるミステリーなんですよね

1から10まで説明しなければ意味わからねー
って馬鹿にはちょうどいい映画

この映画のターゲット層はいまいちわかりませんが
小中高生あたりの子供、若者向けの映画としては
この作り方が成功なのかもしれません


逆に普段から映画をよく観る人や
ミステリー、サスペンスが好きな人からすれば
終盤はあまりに説明的すぎだしくどい演出が多く
ストレスにしかならないと思います

これには馬鹿にされてる気持ちにすらなるかもしれない

 

あと、もう一つ思ったのが
永野芽郁が可愛くないんですよね
本当は可愛いはずなんですけどね

いまいち永野芽郁の魅力を引き出せていない映画だと思います

可愛さだけでなく
彼女が演じるこのキャラなら魅力をもっと引き出せると思うんですよ

このキャラはいろんな面があるキャラだと思うので
そこから永野芽郁のいろんな面も引き出せるはずなんです

でも、この映画を観ると
別に永野芽郁がこの役やらなくても成り立つよね
ってくらいの存在感でしかない

これは永野芽郁自身が悪いのか
映画を作る監督たちが悪いのか
その辺はわかりませんが

このレベルの存在感なら
売り出し中の演技初心者のアイドルにやらせても
全然成り立ってしまうような気がしてならない

 

とにかく、この映画は
面白いと言えば面白いんですが
サスペンス、ミステリー初心者向けの映画なのかもしれません
グロい描写など刺激的な場面もマイルドですしね

だから、このタイプの映画を普段から観る人にすれば
親切すぎて好きになれないかも

個人的には
内容がいいだけとてももったいなく思いました

 


仮面病棟 愛蔵版