何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「クロニクル」感想 切なすぎる結末… 映像が斬新で面白い

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どうもきつです


SF映画「クロニクル」観ました

ごく普通の高校生たちが突如として超能力を
手に入れ
その力に翻弄されていく姿をファウンドフッテージ形式で描かれたSFアクション映画
2012年の作品です

監督はテレビドラマ「キル・ポイント」シリーズを手掛けるジョシュ・トランク
キャストはデイン・デハーン、アレックス・ラッセルなどが顔を揃えています

 

あらすじ
平凡な日常を送る3人の高校生
アンドリュー、マット、スティーブは
ある日、特殊な能力を手に入れる
3人はその超能力を遊びやいたずらに使い
退屈な日常を刺激的な毎日に変え
アンドリューはその日常をカメラで記録に残していた
そんな3人の楽しい日常も自らの力に翻弄され
自体は予期せぬ方向へ進んでいく

 

感想
映像のアイデアが斬新でとても面白く
最後まで引き込まれます
思春期が招く最悪の事態はあまりに残酷で切ない
その切なさ含めてかなり好きな映画です

 

とても大好きな映画で久しぶりに観てみました
やっぱり最高に好き


この映画、若干チープさは感じるかもしれませんが
アイデアがなかなか面白い

ホラー映画でよくあるPOV形式をSFでやってみた
って内容の映画です

主人公のアンドリューが
日々の記録のために撮った映像を
覗き見ているような作品

ホラーでも大体こんなパターンが多いですよね
まあ、やってることは同じわけです


ただ、本作の場合はお化けやモンスターではなく
超能力者が映し出される

その映像が斬新で面白い映像になっています

物語の導入部分は
よくある根暗オタク高校生が
カメラで日常を映し出していて

その映像を通して主人公のアンドリューが
どんな生活を送っていてどんな性格なのか
というのが描かれる
よくあるPOVの映像を見せられます

で、そこからとあるきっかけで
アンドリューたちが超能力を手に入れるわけなんですが
超能力を手に入れてからの映像が
アイデア満載で楽しめます

序盤はYouTuberの悪ふざけ動画みたいな
本当にバカバカしい映像が続くんですが
高校生の悪ふざけに超能力が加わることで
新しい映像が生まれてます

超能力を扱った作品で
こんな表現はあまり見たことがなくて斬新

やってることはくだらないおバカ動画
みたいな内容なんですけど
超能力の無駄遣い加減が笑えるし
YouTubeっぽい映像だから
ちょっとしたリアリティも生まれていたりします

野球ボールを顔面にぶつけあって馬鹿笑い
女子のスカートをめくって馬鹿笑い
スーパーで買い物カートを念力で動かして馬鹿笑い
駐車場の車を移動させて馬鹿笑い

高校生くらいの男子が超能力を手に入れたら
マジでこんなしょうもないことに能力を使いそうですもんね


そして、この実録風映像によって
アンドリューの思春期ならではの痛々しさを
表現できてたりする

映像のカメラワークや撮ってるものが
アンドリューによるものだということで
キャラクターの内面が伝わってくるんです

特にカメラを宙に浮かして自分を映している場面が
よく登場するんですが
このシーンだけでも
思春期特有のナルシストっぽさが表現できているというか

鏡に映った自分の姿を見て
俺って結構イケてんじゃね?
みたいなあれ

みんなたぶんやったことあると思う

アンドリューは基本自撮りが好きで
隙あらば自撮りしますから
根暗で陰キャだけど自分の顔好きなんだろうな
ってのがガンガンに伝わってくる

その上、中二病ですからね
廃車置き場の車を潰すシーンなんて
完全にやっちゃってます

あの時の表情は素晴らしいです

終盤の野次馬のスマホを奪って自分の周りに浮かして撮ってるシーンとか
よく考えたら不自然極まりないけど
アンドリューならやりかねないと思わせる
謎の説得力がありますもんね


映像の撮り方でキャラクターの内面や性格を
表す手法はとても面白かったです
言葉で説明しなくても
映像を撮っているのが主人公ということで
キャラクターの説明ができています

 

そして、僕がこの映画で最も好きなのは
切なすぎるストーリー

この映画は完全にバッドエンドです
本当に救いが無い
唯一救いがあるとすればマットがスゲーいいヤツ
ってことくらいです

思春期をこじらせてしまったが故の悲劇
これが悲しくもありどこか共感もできる

弱い人間、鬱屈した人間が
唐突に必要以上に強大な力を手にしてしまうと
こうなっちゃいますよね…

些細なことをきっかけに爆発して
全てをぶち壊してしまう

本作の場合も
ただゲロを吐いちゃっただけですからね
それまでの積み重ねはあるものの
あんなしょうもないことが引き金になって
取り返しのつかない残酷な結末を迎える

でも、アンドリューの気持ちはすごくわかる
あの年代って大人になって思えば全然大したことがないことでも
人生の終わりくらいの絶望を感じたりしてしまいますし

本作の監督は「AKIRA」や「キャリー」に
すごく影響を受けてるみたいなので
些細なことがきっかけで破滅に向かっていく物語というのは
それらの作品に通じる部分でもありますよね


アンドリューが崩れていく描写なんかは
とても不安的な気持ちが表れていて
観てるこちらとすればすごくヒヤヒヤさせられます

生き物には超能力を使わないというルールを
最初に破る
蜘蛛を空中で分解するシーン
これにはちょっとゾクッとさせられました

それ以降の暴力的なアンドリューには
怖さというよりも悲しさを感じてしまいます

本当はやさしい奴なのに…
って気持ちが溢れてくる


とにかく、この映画の結末はあまりに切なすぎ
バッドエンドが嫌いな人は
この映画を好きになれないかもしれません

僕は大好きなんですけどね

 

そうは言っても
強引さや雑さが否めない作品でもあると思います

特に終盤はちょっと無理やり

超能力バトルとして派手さはあるし
とても面白いシーンなんですけど

もうこれって、もはやPOVやファウンドフッテージではない
ほとんど普通の映画ですよ

確かに街中の定点カメラや街中のスマホなど
一応、何かしらのカメラからの映像ではありますが
これやっちゃうと何でもありですしね…

でも、そうでもしなければ
ラストの派手なシーンは撮れないし
これはこれでありなのかな
とは思うんですけど

まあ、終盤には違和感を感じる人は多いと思います

 

あと、アンドリューを演じるデイン・デハーンは
最高です

デイン・デハーンがめっちゃ好きなんですよね
あの、美形だけど闇を抱えてそうな顔がすごく好き
デイン・デハーンのビジュアルが
アンドリューのキャラクターにピッタリとハマってます

彼の存在によっって
この作品にはより魅力が生まれていると思いました

 

やっぱりこの映画は大好きです
切ないけど面白い

結末を知ってもう一度観てみると
3人が仲良くバカやってるシーンで泣けてくる

斬新な映像も好きですが
ストーリーが本当に大好き
デイン・デハーンも大好き

最高に好きな映画

 


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