何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ニキータ」感想 若干眠くなったけど魅力はある

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どうもきいつです


クライム映画「ニキータ」観ました

政府の秘密機関に属する女殺し屋ニキータの
過酷な日々と愛を描いた1990年のフランス映画
ニキータが殺し屋へと変貌していく姿を
スタイリッシュなアクションや心情の変化とともに
描かれていきます

監督は「レオン」「フィフス・エレメント」などのリュック・ベッソンが務め
主役のニキータを演じるのはアンヌ・パリローです

 

あらすじ
警官を射殺して逮捕された麻薬中毒のニキータは
政府に仕える暗殺者になることを迫られる
数年が経ち、特訓の末にプロの殺し屋となった彼女は
たまたま知り合った男マルコと恋に落ち
幸せな日々を望んで苦悩していく

 

感想
淡々としている内容に少し眠くなった
でも、印象的なシーンもあるし
ニキータがとても魅力的だったりと
引き込まれる要素もたくさんあります
想像よりもあっさりとした印象の映画でした

 

とても有名な映画でタイトルも知っていましたが
観たことがなかったので観てみました

リュック・ベッソンの作品だし
暗殺者を描いた作品ということもあって
「レオン」っぽい映画なのかな
と想像していましたが

想像通りか
「レオン」っぽい雰囲気の映画だったと思う

すごく淡々としていて
でも、登場人物の心の葛藤や悩みも描かれる
主人公のニキータがとても魅力的に描かれていました

 

まず言いたいのは
ちょっと眠くなった

独特の会話のテンポや言葉の聴き心地とかで
なんか眠くなるんですよ
そういうのもあってフランス映画って
眠気を誘う作品が多いような気がする

本作は特別派手なシーンもそんなに多くないし
淡々とした会話がメインの場面が多いのもあって
眠くなる

ストーリー的にも大きく展開するような話ではなく
結構、平坦に物語が進んでいく

全体的に静かで落ち着いた雰囲気の映画だったりします

 

だからと言って
退屈な映画なのかと言うとそうでもなく
引き込まれる要素もたくさんある映画でした


その中でも一番魅力的なのは
主人公のニキータです

タイトルもニキータですし
この映画の魅力そのものが彼女の存在
ニキータが魅力的だから映画自体も魅力的なんだと思います


はじめ登場したときは
すげーやさぐれたかなりヤバい女
こんな奴には絶対に関わりたくないな
と思わされるほど

冒頭で普通に警官を殺しちゃいますからね
それに薬中ですし
すぐにぶちギレるし
とにかく厄介で扱いに困るような人間です

そんな彼女が暗殺者として育てられていく中で
心の変化や成長、恋愛やそれによっての心の葛藤などが描かれます

その、変化していくニキータがとても魅力的なんですよね
ただのヤバい奴に見えていたニキータが
実はすごく純粋だったり
愛に餓えている人だったりと
そんな一面が見えてくると彼女のことがすごく好きになってくる
結構、可愛くも見えてきます

特に
暗殺者として認められ
施設から出て恋人ができてからは
今までのニキータはどこ行ったんだよ!?
ってくらい人が変わる

それまでは人生の全てを諦めてやさぐれていた女が
希望に満ちた目でキラキラとしている
この姿を見たら
ニキータよかったね
とハッピーな気持ちにもなります

しかし、そこからは
人間的な感情を取り戻したからこそ
ニキータは苦しめれれていくわけでもある

終盤に近づくにつれて
とても切ない展開で胸が締め付けられそうにもなりますが
ニキータがここまで悩んでいたり
葛藤している姿を見ると
ニキータの成長も感じれます

あの昔のニキータだったらこんなに悩まないし
葛藤なんてしないと思う
気に食わないことがあれば
ただぶちギレて暴れてるだけですよね

そんな、心の変化や成長を感じることで
よりニキータが魅力的に見えました

 

それと、ニキータを取り巻く人々も
とても良かったと思う

ニキータの上司であり父親的な存在でもあるボブ
彼の存在もとても印象的

政府の人間としてドライにニキータを扱うこともあれば
娘のように心配に思うそぶりも見せたり
ニキータを仕事の道具のように扱っている反面
1人の人間として扱ってたりもする

すごく矛盾した様な感情にも思えるけど
そこが人間らしくも思えるわけです

ボブからすれば両方とも本当の気持ちで
ニキータを騙しているわけではないと思う

だからこそニキータはそんなボブに翻弄され
心が追い詰められていく
信頼していいのかどうかもわからない状態なんですよ

 

ニキータの恋人マルコも
とてもいい役割を果たしていたと思います

登場はすごく唐突で
正直、ちょっと置いてけぼりにもなりましたが

彼のあまりの優しさに
ニキータがより人間らしくなっていったことが
伝わってくる

ずっと優しいですからね
優しすぎて実は悪い奴なんじゃないかと怪しんでた
でも、最後まで優しい奴
真実を知っていてもそれを受け入れる懐の大きさ
そりゃあニキータものめり込みますよね

彼の存在でニキータの心の変化もすごく伝わってきて
急に出てきたキャラの割に
かなり重要な役割を果たしていたと思います

 

それ以外にも
カッコいいアクションシーンがあったりするし
印象的な場面も多々ありあます
ジャン・レノも印象深かった

魅力的で引き込まれる要素はたくさんあります

 

そんな感じでかなり褒めましたけど
正直言うと
描写不足は否めないと思います

もう少しわかりやすくしてほしいな
もう少し説明してほしいな
ってところがすごく多かった

ラストシーンもあんまり意味わからなったし

人間関係とかがあまり深掘りされていないんですよね
気付けば急激に親密になってたりするので
観てる側とすればちょっと置いてけぼり

人間関係が深まる過程をもっと見せてほしかったです

ボブに全く懐いていなかったニキータが
いつの間にかすごく懐いていたり
ニキータとマルコが出会ったと思ったら
次のシーンでラブラブのカップルになってたり

間のエピソードが全然無くて
いまいち感情移入ができないというか…

全部が唐突な気がして心が追いつかない


ニキータの暗殺の仕事に対しての思いも
なんか掴み所が無かったような気がする

最後は暗殺なんてやめて普通に生きたい
という気持ちになってるのは理解できるけど

そこに至るまでの途中は
仕事に対してどう思ってるのかがあまりわからない
嫌々人殺しをやってるのか
人を殺す事に抵抗は無いのか

そもそも、訓練を受けていたときに
どう思っていたのかもよくわからん

何を思ってあの生活を送っていたのかが謎なんですよね

全体的に登場人物が何を考えているのか
という部分がかなり薄かったと思います
だからちょっと掴み所な無い映画になってました

それも眠気の要因かも


細かいところを言えば
ツッコミどころや変なところも多少ありましたが
その辺はそんなに気にならなかったですかね

ジャン・レノ扮する掃除人がちょっとドジすぎて
笑っちゃいますが

 

眠くなってしまったのは否めませんが
ニキータが魅力的だったのは間違いないです
それだけでもこの映画は魅力のある作品になってると思います

雰囲気を楽しむ映画だとも思うので
あまり細かいことを気にしなければ
ニキータの魅力に引き込まれます

 


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