何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「レギオン」感想 やりたいことはわかるけど 結局ゾンビ映画やん

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どうもきいつです


ホラーアクション映画「レギオン」観ました

神に見捨てられた人類と天使たちとの壮絶な戦いを描いた2010年の作品
郊外のダイナーに取り残された人々が
襲い来る天使の軍団を相手に立ち向かいます

「アイアンマン」などで視覚効果を手掛けてきた
スコット・スチュアートの初の監督作

 

あらすじ
神は天使の軍団を地上に送り込む
しかし、ミカエルだけは神の命に背き人類の味方となった
ミカエルはアメリカの辺境にあるダイナーに
たまたま居合わせた人間たちと共に
天使の軍団と戦うことになる

 

感想
神話的なことを現代のホラーに当てはめようとしてるんだろうなとは思う
でも、壮大なスケールの設定のわりに
やってることはショボいゾンビ映画
いろいろと粗っぽいしいまいち面白くなかった

 

Netflixで配信されてるのを見つけて
ちょっと気になったので観てみました

どんな映画なのかも全く知らず
なんとなくダークファンタジー的なやつかな?
って感じで観ましたけど

蓋を開けてみるとゾンビ映画っぽかった

細かい事を言えば
実際にゾンビが登場しているわけでもなく
普通の人間が感染して狂暴になるわけでもない

でも、やってることはゾンビ映画とほぼ変わらないです

この映画でやってることは
孤立したダイナーに取り残された人々と
そこにやってくる天使に憑りつかれた人間たちとの
攻防戦が描かれています

天使に憑りつかれた人間は
ゾンビみたいな感じもするし
エクソシストとかの悪魔に憑りつかれた人
って感じ

ダイナーにわらわらとゾンビみたいな奴らが
たくさん群がってくるし
設定はゾンビではないものの
根本的にはゾンビ映画です

 

ただ、これは狙ってやってるような気もします

天使や悪魔を描いたダークファンタジーみたいな映画は
やり尽されてるし
今さら普通にアクション映画にしたところで
マンネリだろうし

それなら、聖書や神話的な世界観を
ゾンビ映画に組み合わせたらマンネリも打開できて
面白くなるんじゃないか
って発想で作られた映画なのかもしれません


普通にその方向性は良いと思うし
面白い映画が出来そうな設定なんですけど

結局この映画は
ありがちな神話ベースの物語と
ありがちなゾンビ映画の演出を
無理やりくっつけただけのチープな作品で終わっていました

斬新なことをしようとしてるけど
全然ひねりが無くてマンネリな内容になってしまってる


それに、所々センスがずれてる部分もあったりして
素人が観ても
もっとこうしたが面白くなるんじゃない?
って思えるところが多々あります

 

まず、設定の話をすると
導入としては面白そうな設定ではあります

人類の愚かさに呆れた神が
地上に天使の軍団を送り込み人類を滅ぼそうとする
ただ天使の1人ミカエルは神に背き
人類を守るために天使の軍団に戦いを挑む
という設定で

人間が信仰する神が敵なのはワクワクさせられるし
敵側の1人が味方になるって展開も熱い


とても面白い設定なんですが
いかんせんその設定を上手く扱えていない


ストーリー全体に聖書の要素を散りばめられているんですが
いろいろと詰め込みすぎだし
壮大に風呂敷を広げるだけ広げて
最終的に全然回収されない

映画が終わっても何も納得できないんですよね
コイツらは結局何をやっていたんだろう…
というモヤモヤが残るだけです


世界を巻き込むような神による人類への粛清
という壮大な話なのに
ダイナーだけを舞台にしたゾンビ映画みたいな内容
というのも相性が悪い気がするし

すごいスケールの大きい世界観なのに
実際に主人公たちが巻き込まれるのは
スケールの小さいゾンビものなので
物語の壮大さが全然伝わってこないんですよね

 

あと、天使に憑りつかれた人間の見た目
これがセンスないです

普通に悪魔に憑りつかれた人の風貌なんですよね

なんでこんなことしたんだ

汚らわしい人間を消すために来た天使なんだから
ここは、むしろ神々しい風貌のほうがよくないですか?

ダークファンタジーの暗い雰囲気にしたかったからなのか
悪魔と思ったら実は天使だった
ってのをするためのミスリードのためなのか

ハエの大群とか出てくるし
たぶんミスリードとして悪魔ぽくしたんだと思うけど

でも、そんなくだらないミスリードなんかより
神に見捨てられた絶望感を出すには
天使を天使らしく見せるべきだったと思う

天使の羽が黒なのも意味わからんし

天使を悪魔っぽく敵のように描くのは
この映画の設定的にもズレてるように思いました

 

そして、この作品をゾンビ映画として観てみても
ちょっといまいちな内容

やり尽された籠城して敵の大群と戦うってだけ

その戦いの中にに面白いアイデアがあれば
まだ楽しんで観れるでしょうけど
本作は味の無いゾンビ映画になってしまっていて
面白くないんですよね

襲われたら普通に銃で戦うってだけ
その戦いの場面もかなり少ないし
絶望感もそんな出せていない


そもそも、設定もガバガバで
天使に憑かれた人間は意思や知恵があるのかも曖昧で
状況によってゾンビみたいにバカだったり
普通に知恵を使ったり
どっちだよって状態

終盤になると天使本体が攻撃してくるけど
じゃあ人間に憑く必要あるのかって疑問も生まれる


戦いの合間のドラマパートも
薄いし取って付けたような内容で
全然、感情移入もできなく面白みが無かったです

その上、グダグダとドラマパートが長くて
テンポも悪い

こっちとしては早く敵との戦いを見たいし
サクサクと人が死んだり殺したりするのを楽しみたいんですよ

でも、そんなサービス精神も無いんですよね

無駄にストーリーに力を入れて
そのくせ中途半端で何も回収されず終わってしまう

続編を作る気満々だったのかもしれませんが
これは続編なんて無理でしょ…

 


それと、すごく引っかかったのが
天使ミカエルが人間を信じている人間の味方
とか言っている割に

救世主の赤ん坊を守るためなら
それ以外の犠牲はやむを得ない
ってスタンスはどうなの?

敵に捕まった死にそうな人を
人間が必死に助けようとして
ミカエルはそれを止めて命を諦める

ここは逆じゃないの?

神を裏切ってまで人間の味方になってるわけだから
絶対に助からない命でも必死で助けようとしてくれよ

人間側が犠牲を払うことを選択して
ミカエルがその考えを正すくらいのことは
してほしいですよね

ミカエルは重要人物でキーパーソンなのに
考えはブレるわ、立ち位置はよくわからんわで
こいつの存在自体が必要なのかどうかも
よくわからなくなってくる

ミカエルの謎とかも放ったらかしですしね

ただ人間側が勝つために都合のいい道具でしかなかった
人間だけじゃ太刀打ちできないから
ミカエルを用意したって感じです


結局はこの映画
全体的に詰めが甘かったんじゃないでしょうか

いいアイデアは思いついたけど
そこから先はすごく雑というか

設定を全然生かせてなかった

 

ストーリーも微妙だし
ホラー、ゾンビ映画としても微妙
世界観もさほど新鮮ではなく
すごく印象が薄い映画に仕上がっていました

基本の設定は面白いのに
それをもっと生かした内容にしてれば
続編もありえたかも

センスが無くていろいろとズレた映画でした

 


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