何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「パルプ・フィクション」感想 なんかよくわからんけどカッコいい

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どうもきいつです


クライム映画「パルプ・フィクション」観ました

アメリカの低級犯罪小説であるパルプマガジン的な
ストーリーをコンセプトに作られた作品
アカデミー賞では7部門にノミネートされ
そのうち脚本賞を受賞した1994年のクライム映画です
一つのギャングの物語で
その中にいる人間たちが繰り広げる短編ストーリーが描かれています

監督は「レザボアドッグス」などのクエンティン・タランティーノが務めています

 


あらすじ
強盗を企てるカップルから始まり
盗まれたトランクを取り戻そうとする2人のギャングのヴィンセントとジュールス
ボスの妻と一晩のデートをデートをするはめになるヴィンセント
八百長試合を気引き受けそれを裏切ったボクサーのブッチ
謝って人を殺し血だらけになった車の処理に
右往左往するヴィンセントとジュールス
それらの物語がそれぞれ描かれていく

 

感想
定まったストーリーが無いので
なんだかよくわからない内容だけど
なんかカッコいい映画
音楽や映像の見せ方、ストーリーの構成など
魅力的な要素がたくさんありました

 

前から観たかった映画で
やっと観てみました

そもそも、タランティーノ映画自体を全然観ていなくて
どれから手をつけようか悩んでました

タランティーノ映画なんて
映画好きなら誰しもが観ているような作品がたくさんあって
今さら感想をどう語ればいいのか悩みますが

単純に映画を観終えて思ったのが
よくわからんけどカッコいい映画


ストーリーに掴み所が無いし
会話もなんか掴み所が無い

この映画どういうことだよ!?
と思いつつも
カッコ良さは確実に伝わりました

いろいろとセンスが溢れていてカッコいいですね

 

その中でも
登場人物がとても魅力的です

この物語のメインでもあるヴィンセントとジュールスのコンビ
ギャングのボスのマーセルス
マーセルスの妻であるミア
ボクサーのブッチ

みんなキャラが立っていて面白い人物たち
脇役たちもみんな存在感があるし

とにかく登場人物が魅力的で
それだけでこの映画に引き込まれてしまいます


特にヴィンセントとジュールスの会話はとても面白いですね
すごく好きです

どうでもいいようなことをベラベラと喋ってるだけなのに
なぜか聞き入ってしまう

ハンバーガーの呼び方の違いとかマジでどうでもいい
とか思いながらも
なんかこの2人の会話を聞きたくなってしまっています

ちょっとした漫才のようなテンポの良さもあって
普通にカット割りこの2人の会話を面白く聞くことができる

後半の死体の処理にてんやわんやするエピソードでも
ヴィンセントの適当で短期な正確と
ジュールスの几帳面で真面目な性格がぶつかり合うのも
漫才を見ているようで笑えてきます


他にも
ミアなんかもめっちゃ魅力的なキャラでしたね

ギャングのボスの妻だし
完全にラリってるヤバい変な女だけど
なんか色っぽいというか

どこか無邪気さもあって
所々の所作が可愛く見えたりもします

ミラはいい女なんだろうなってのは伝わってきます

クスリをキメ過ぎて死にかけるのもキュートなポイントですね


ブッチもいいキャラしてます

すごくクールで優しい男だけど
形見の時計のこととなると超ぶちギレるのところとかめっちゃ好きです

落ち着いて優しくなったと思ったけど
やっぱりぶちギレてたのには笑わされました

ブッチの恋人のファビアンとかめっちゃ可愛いし
ちょっとアホで抜けてるところが可愛い
あんなおっとりした女の子めっちゃ好きです


バラエティに富んだ様々なキャラクターが登場して
そんなキャラを見てるだけでも楽しくなってくる

 

そして、この映画のストーリーの話をすると

これといったストーリーは存在しない

別にドラマチックな展開があるわけでもなく
予想外のどんでん返しがあるわけでもない

淡々と登場人物たちが繰り広げる
どうでもいい話を見せられる映画です

基本的になにかトラブルが起きて登場人物がうろたえるだけの物語
この物語にはゴール地点なんか無いし
結局、何を言いたかったんだろう?
って感じです

でも、一見ストーリーは大して無く掴み所のない映画
ではあるんですが

バラバラなエピソードは根本の部分では繋がってるし
どうでもいいと思っていた会話が後の展開に
ちゃんと生きていたり

以外と一本筋の通った内容にもなってます


なので、時系列がぐちゃぐちゃに描かれていたり
よくわからない場面がたくさんあったりもするけど
最終的には府に落ちる
納得させられてしまうんですよ

バラバラだし掴み所のないストーリーですが
最後まで観ると上手くまとまっている

単純に
この構成すごくカッコいいな
って思わされました

クールなんですよ
真似したくなる
でも真似できないと思う

キャラクターをあそこまで魅力的に描き
それぞれのシーンがとてもカッコいいからこそ
こんな構成でも成り立ってるんだと思う

やろうと思ってもなかなかできないですよね

 

あと、意味ないだろってシーンが
めっちゃ良かったりする

例えばミラとヴィンセントのツイストダンスとか
正直、あれって絶対に意味がない
でも、あのシーンは絶対にないといけない

他にもブッチが刀を使う場面
なんでわざわざ刀を使う必要があるのか?
あの刀に全く意味なんてない
でも刀で殺さなきゃいけないんですよ

無駄なのに絶対に必要なシーンがたくさんある

もうこれは感覚の問題だと思う
センスなんですよね

ジョン・トラボルタにツイストを踊らせる
ブルース・ウィリスに刀を振らせる
このセンスが素晴らしい

ジュールスのデタラメ聖書とかも
なんなんだよ!?
って感じですよね

これも完全に無意味

めっちゃ真面目にどういう意味なのか考えて観てたのに
後々調べて観ると
聖書にあんなの無いらしい

でも、ジュールスの語るデタラメ聖書の話は
謎の説得力があって
なんかすげー真面目に聞かされます

こういうところもカッコいいんですよね

 

それに笑いのセンスもなかなか

ミラとヴィンセントとの会話では
噂を真に受けて慎重に恐る恐る話をするヴィンセントは面白いし
その後の死にそうなミラを助けようと
車をぶっ飛ばすのも笑える

ブッチのエピソードに出てくる
覆面を被った謎の奴隷みたいなキャラも面白すぎますよね
アイツは一体何なのか?

ヴィンセントとジュールスが車の中で人を殺してしまい
それをどうするかで慌てふためくエピソードは
全体的に面白いしですし

笑える場面がとても多いです


それ以外にも
音楽のチョイスや入れ方
登場人物のちょっした仕草
絶妙な空気感の作り方
キャラクターのセリフ回しや間の取り方

どれを取っても感覚的にカッコよかったり面白く感じれるもので溢れています

バイオレンス描写もすごく良かったし
絶妙に笑えるコミカルな描写も素晴らしい

ユーモアがあって笑えて面白いし
センスがキレキレでめっちゃカッコいいし

とにかく魅力だけでできている映画だと思う
魅力しかない
160分ほどとかなり長めの映画だけど
全然退屈せずに最後まで楽しむことができました

 

観終えたときにカッコいいな
と思える映画
真似しようにもできないカッコ良さ
センスで溢れていました

この世にはいろんな映画がありますけど
この映画は唯一無二だと思います

 


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