何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「マンホール」感想 何も起きない… なにそれ

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どうもきいつです


ホラー映画「マンホール」観ました

下水構転落した男の壮絶な運命を描いた
2013年カナダのホラー映画
不快でグロテスクな描写満載の作品です

監督はジェシー・T・クックが務めています

 

あらすじ
カナダのとある町で原因不明の水質汚染が発生し
町の住人たちが次々と体調を崩していった
汚染の原因を突き止めてほしいと依頼を受けた配管工のジャックは
妻の反対を押しきり下水道の調査に出向く
しかし、ジャックはマンホールの中の下水構に転落してしまう

 

感想
何も起きない
何も解決しない
この映画は一体何をしたかったのか?
この映画の目玉であろう不快でグロい描写も
すごく微妙だった


たまたま存在を知って
アマプラで配信されているのを見つけたので
何となく観てみました


ホラー映画ってことはわかってましたが
それ以外の知識は全く無く
どんな内容なのか少しワクワクしつつ観たんですけど

結局、これはなんだったんだ!?
って映画

正直、意味不明
何がしたかったのかわからない

怖くもなければスリルもない
謎が解かれるわけでもなく
全く何も解決しないまま終わっていく

自分は一体何を見せられたのか?

ただ男が閉じ込められて
それを淡々と見せられるだけのストーリー

これをストーリーと言っていいのか?


まず、この映画の重要なポイントは

なぜこんな大規模な水質汚染が起きているのか?
下水構に閉じ込められた主人公ジャックはどうなってしまうのか?
この2つだと思います

観ている側はこの2つに興味を惹かれて
最後までこの映画を観るはず


でも、本作はこの重要な要素を深く描かない
と言うか放ったらかしです

興味を惹かせる要素を用意しているくせに
そこから先は何もない


水質汚染の原因に関しては直接的な原因はわかります

下水構に死体が放り込まれているから
それが原因で水道水が汚染されている

じゃあ、なぜ死体が放り込まれているのか?
って話になっていきますよね

その後に謎の男2人組が死体を下水構に落としているということが発覚します

ここで新たに
この2人は誰なのか?
なぜ人を殺しているのか?
目的は何なのか?
なぜこの場所にいるのか?

みたいな謎がさらに増えるわけですが
これに関しては全く触れないんですよね

普通はこういう謎って
解き明かしていくことで物語に展開も生まれるし
物語に引き込まれていく要因でもあると思うんですけど

何故かこの映画では
そんな面白くできそうな要素は完全にスルーです

意味がわかりません

 

でも、そんな謎をスルーしたとしても
ジャックが下水構に閉じ込められてしまう
密室スリラーを面白く見せてくれれば
全然構わないんですが

こっちはこっちでマジでつまらない


こういう密室系の話って
どうやってこの場所から脱出するのか
この極限状態をどう乗り切るのか

ってところで面白さを生み出すと思うんですが

本作の場合はここも全然描かれない
スルーしています

はじめのうちはジャックも脱出を試みようと
いろいろと動きますけども
早い段階でそれを諦めて

そこから先は
ただウロウロしたり独り言を喋っていたり
それだけなんですよね

どれだけ時間が経っても一向になにも展開しないので
ただ退屈なだけ
面白い要素なんて全くありません


たまに上のマンホールのふたを開けて
おっさんが顔をのぞかせて
ジャックとの会話があったりもするけど

別にそこで駆け引きがあったりするわけでもなく
ひたすら不毛な時間が過ぎるだけ

おっさんの言動も支離滅裂で全く意味がわからないし
ジャックも生きる気力を早い段階で失ってるし

何も起きないんですよ

ジャックの気が狂っていく姿を
波風無く淡々と見せられていくだけで
もう何を見せられているのかもわからなくなってくる

ここでジャックの心理描写を深く見せでもしてくれれば
精神がおかしくなっていくだけでも
面白く観れたかもしれないけど

心理描写も表面的な部分ばかりだし
深さなんて全然無くて面白味に欠ける


結局、この映画は何も展開しないまま終わっていく
そして、謎も全く解けない

じゃあ、何をしたかったんだよ!?
この映画を通して何を伝えたかったのかが全く謎

意味不明

映画として面白くなりそうな要素、魅力になりえる要素をすべて削ぎ落とし
残っているのは無

 

まあ、百歩譲ってそこはいいとしましょう

どうせ低俗なホラー映画だし
映像にさえインパクトがあれば許せる

本作の目玉は不快な描写やグロテスクな描写だと思います

冒頭の場面は
女性がゲロを吐きまくってるシーンから始まります
ここはすごく気持ち悪く不快で
今からヤバい映画が始まるかも
ってちょっとしたワクワクを感じれました

しかし、良かったのはここだけで
そこから先は大したことがない

確かに不快でグロテスクな場面はたくさんありますけど
すげーショボいです

全部が作り物っぽいんですよね

ジャックが閉じ込められる下水構のセットなんかも
もろにセットってまるわかりで
汚ならしい不潔感がニセモノっぽい

壁とかに汚い色塗ってるんだろうな
水に色混ぜてるんだろうな
って思えてしまう

水なんてサラサラ過ぎるんですよ

あんな場所の水はもっとドロドロしてないとおかしい
死体がたくさん投げ込まれ
ネズミが住み着いているような場所ですよ
ヘドロみたいな水になるはず

汚い場所のはずなのに
臭ってくるようなリアリティが全くありませんでした

この場所だったら普通に我慢できそうな気がしてしまう


グロい描写も
全部作り物っぽいから痛々しさもあまりないし
気持ち悪さもとても薄い


不潔な場所で傷だらけになってるんだから
もっと嫌な気持ちになってもおかしくないはずなのに
さほど不快感や痛さを感じれないんです


そういうのもあって
映像的にも全くインパクトが無くて面白くない

 

そして、何よりも意味がわからないのは
最後の展開ですよ


そもそも、ジャックを発見した妻が
最終的にはジャックを殺そうとするのも意味不明ですけども…
レスキュー隊や警察呼べって思うし

でも、そこは置いといて

一番最後のシーン
バケモノみたいになったジャックが外に出てきました
ってシーンで幕を閉じますけども

は?
これはなに?
どういう終わりかたですか?

モンスターキャラが生まれた前日譚
みたいなことしてるけど意味不明

ジェイソンとかレザーフェイスとか
もとからいるキャラでこれやるならわかるけど

完全に初見で
名前すらわからないようなモンスターでそれをやっても…

なんだよそれ…で終わりでしょ


最後まで何をしたいのかわからん映画ですよね

 

とにかく
最初から最後まで意味不明な映画でした
この映画の狙いは何だったのでしょうか?
謎ですね

ストーリーもつまらないし
映像もつまらないし
良いところが全然ない

せめてもっとキモくてグロい映像になってれば
ホラーとして楽しめたかもしれません

 


マンホール(字幕版)