何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「アップグレード」感想 SFらしいSFでとても楽しめた アクションが面白い

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どうもきいつです


SF映画「アップグレード」観ました

体内に埋め込んだAIチップにより全身麻痺を克服した男が
妻を殺した組織に復讐する姿を描いた2018年のSFアクション映画

「パラノーマル・アクティビティ」のジェイソン・ブラムが製作を務め
監督は「インシディアス」シリーズに携わってきたリー・ワネルです

 

あらすじ
妻のアシャと平凡な生活を送っていたグレイは
突如現れた謎の組織に襲われ
妻は殺されてしまい、グレイは一命は取り留めるが
全身麻痺で動けなくなってしまった
しかし、ある科学者によって実験的に埋め込まれたAIチップ“STEM”の力で麻痺を克服する
そして、妻を殺した組織に復讐するために動き出すが
彼の脳内に謎の声が聞こえてくる

 

感想
シンプルでわかりやすいSFだけど
見所がたくさんあって面白かった
二転三転するストーリーには引き込まれるし
独特なアクションシーンも新鮮で楽しめました
あの感じのラストも好き

 

どんな映画なのかよく知りませんでしたが
アマプラで配信されているのを見つけ
少し気になったので観てみました


普通に楽しめるSF映画でした

SFにありがちなAIをテーマにした作品ではあるものの
AIの使い方がなかなか面白い

SFサスペンスとしても先の展開があまり読めず
最後までワクワクさせられましたし
アクションも少し独特で面白いアクションシーンになっていました


この映画は
たぶんお金はさほどかけられてないであろうB級映画って感じですが

そんなの気にならないくらい面白い

世界観も低予算だからか
派手でぶっ飛んだ未来都市を舞台にしてるわけではなく
現代の世界とそんなに変わらないような近未来で
SFとしては地味でインパクトは弱め

だからこそか
どこか現実的であったり
ダークでディストピアな空気感も生まれて
魅力のある世界観になっていると思います

 

そして、ストーリーが面白いですね

大まかな流れは
主人公が亡き妻の復讐に燃え事件の黒幕に迫っていくという
王道のサスペンスストーリーで
そんなに新鮮さはありませんけども

そこに追加されてくるSF要素の設定が面白い

全身麻痺で動けない主人公が
AIチップの力により体の動きを取り戻し
さらに超人的な身体能力を手に入れるという
アメコミヒーローみたいな設定

しかも、その埋め込んだAIが主人公に語りかけてくるという「ヴェノム」みたいな展開です

グレイとAIステムが協力しながら
困難を乗り越え真実に迫っていくという
バディムービーでもある


この2人の会話のやり取りがとても面白くて
笑えたりもします

人間的で人が傷つくのも見たくないグレイと
機械的に非情に行動して人も殺しちゃうステムとの
対比もストーリー展開に生きてきたり

そして、結果的にいいコンビになってくる

だからこそラストもすごく良い終わりかた
あんな終わりかたはすごく好き
こういうのSFらしいですよね

「ヴェノム」に似た設定だけど
こっちの方がダークで個人的には好き

 

なによりテンポがいいのも良かった

そもそも100分程度と短めの映画ですが
その短い時間でサクサクとスピーディーに進んでいくから
すごく楽しいです

次らか次へと物語が展開していって
終始ワクワクさせられます

冷静に考えてみれば
なんでAIで全身麻痺が治るんだよとか
身体能力が上がるんだよ
みたいなツッコミどころも多いですけど

スピード感があるから
そんな細かいことは気にならずに
映画の世界に没頭できます

てか、細かいことを気にする前に
次の展開に移っていくんですよね

先の展開もそこまで想定外なことは起きないですけど
予測する前に話が進むから驚かされたりもしました

いい意味で雑な部分を誤魔化せてる映画ですよね

シンプルなストーリーだからこそ
このスピード感でも描写不足になってないし
ちょうどいい

 

その上、この映画はバイオレンスアクション映画としても
とても面白かった
こんなタイプのアクション映画は最高に好きです

なかなか痛々しいシーンやグロいシーンも多く
刺激的なアクションで
ちょっとダークな世界観にとても合っています

それにステムの非情さを表すにも
このバイオレンスな描写は相性がとてもいい

その上、アクションもテンポがいいから
観ていて気持ちいいですしね
気分をハイにしてくれるアクションです


そして、本作独特のアクションも面白い

グレンがステムに体の機能を全てを委ね
超人的な力を発揮して戦う
という面白いアクションがあります

ここではロボットダンスみたいなカクカクした動きで敵を圧倒していく
こんな変な動きでめっちゃ強いのはなんか斬新だし
AIに身を委ねているという表現としてもわかりやすい

操作されてる感じがめっちゃ出ていて
どこかコミカルで笑えたりもするんですよね
とてもユーモラスなアクションだと思います

その時のカメラワークも独特で
グレンの体に視点を固定して回りの風景が動くという映像

これも機械的な動きの表現になってますし
単純に映像としても面白いです


ストーリー、アクションともに面白くて
最後まで全然飽きずに観ることができました

 

全体的にいろんなSF要素を詰め込んだ内容でとても楽しめました
低予算で地味な映画ではありますけども
それをカバーするほどアイデアや工夫が面白い

AIをテーマにしたダークなストーリーと
最後のオチも素晴らしいです

SF好きなら最高に楽しめる映画だと思います

 


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