何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ジャッジ!」感想 いろいろ無理がある 外国人がチープ過ぎかな

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どうもきいつです


コメディー映画「ジャッジ!」観ました

世界的な広告祭に参加し審査員をすることになった新人広告マンが
自社のCMにグランプリを獲得させるために奔走するドタバタコメディー
華やかな広告業界の裏側をコミカルに描いた2014年の作品

ソフトバンクモバイルの「ホワイト家族」など
数々のヒットCMに携わってきた澤本嘉光が脚本を手掛け
CMディレクター出身の永井聡が監督を務めています
出演するのは妻夫木聡、北川景子などです

 

あらすじ
大手広告代理店のダメ社員、太田喜一郎は
上司の指示により
世界一のCMを決める国際広告祭に審査員として参加するはめになる
そして、ちくわのCMが賞を取らなければ
自分がクビになってしまうと知った喜一郎は
いろんな手を使いグランプリ獲得のため奔走するが
彼には様々な試練が待ち受けていた

 

感想
設定は面白かったし笑えるところもありましたが
全体的に無理がありすぎるかな…
ちょっとリアリティが無さすぎる
ギャグは若干スベり気味で
主人公以外の登場人物が薄すぎたりと
微妙な要素もとても多かった
あと、外国人がなんかショボい


以前からちょっと気になっていた映画だったので
アマプラで配信されているのを見つけ観てみました

 

めちゃくちゃつまらなかったわけではないけど
特別面白いわけでもなかった

好きなところがありつつ
あまり好きではないところも多かった印象です


まあ、設定は面白いと思います
無理やり審査員として参加させられた主人公が
忖度だらけのCMグランプリの中で
いかにして自社のCMを勝ち進めるか
って内容です

そんな世界に似合わない馬鹿正直な主人公だからこそ
その腐った業界を変えていくことができる
みたいな展開は
ちょっと「LIAR GAME」とかにも似てます

CM業界を舞台に「LIAR GAME」っぽいことをして
それをコメディータッチで描く
そんな設定は面白いけど
いまいちぱっとしない映画でもありました


まず、ストーリーを成立させるために
ちょっと無理なことが多すぎる
全体的にリアリティがないです

現実的な広告業界を舞台にした物語だけど
やってることは全部ウソですからね

そもそも、替え玉で世界的な広告祭の審査員に
英語も喋れないような主人公が参加する
ってのに無理がありすぎますよ

そうしなきゃ物語が始まりもしないのはわかっていますが
この時点で嘘っぽい映画に感じてしまう

コメディーだからなんでもあり
って感覚なのかもしれませんけど
もっと理由もほしいですよね

主人公が審査員になるのも
名前が似てるってだけじゃなくて
顔が似てるとか年齢が近いとか
納得できる理由がほしい

妻夫木聡と豊川悦司は似ても似つかないし

全く似てないのに替え玉が成功してしまう
というのを笑いどころにしてるのはわかるんですが
別にそんなに面白くないし
リアリティを削いでまでやることなのかな
とは思ってしまう


そして、肝心のグランプリの審査会も
まあリアリティがない
やってることが茶番なんですよ

それぞれの国の人たちが
自分のCMを優勝させるために駆け引きを繰り広げる
という展開になっていきますが

ここでやってることのレベルが低すぎる

子供がいるからと同情を誘ったり
妊娠しているふりをしていたり
ウインクしたら点を入れてくれとか

こんなのに騙されてたり
上手くまかり通ってたりするのがあり得ないしバカっぽすぎる
それらがコメディーとして面白いのかと言うと
そこまでは笑えないし

喜一郎がペン回しをした後に
適当な英語を喋るとすごい事を言ってる風に聞こえる
というのは面白くて結構好きでしたけど
こればかりに頼りすぎる展開もちょっとつまらない

ここぞというときにペン回しをやれば
笑えたり盛り上がったりすると思うけど
どうでもいいとこでも多用してしまうから
結局、このペン回しのシーンの価値が下がってしまってるんですよね


審査会の駆け引きは緊張感がある方が面白かったと思います
本当に「LIAR GAME」みたいな
騙し騙されで本気の駆け引きをやってほしかった
そんな鬼気迫る駆け引きの中で
要所的にギャグを入れればギャップで笑えるし

審査会の場面は基本的に空気が緩すぎで
いかにもコメディーやってます感が逆につまらなくなってしまってましたね

 

そして、コメディー描写ですけども
これは笑えるところは笑えるけど
スベってるところはとことんスベってます

本作はあまり狙いすぎてないところの方が面白かったです

例えば
序盤のきつねうどんのCMでキツネをネコにしろ
という無茶な要求とか
グランプリにきつねうどんのCMも出品していたとか
そんなのは普通に吹き出しちゃいましたけど

それとは違い明らかに狙ってるギャグがほんとに寒い

喜一郎とオネエのやり取りとか酷いですもん
普通にオネエの扱いが差別的にも感じるし

豊川悦司が登場するシーンはほとんど狙いすぎてて
すごくスベってる
これじゃあ豊川悦司がかわいそうです

他にも
ここ笑いどころですよって感じで
ドヤ顔でボケてくるような場面がとても多く
そんなシーンはことごとくつまらない

今から面白いこと言います
って言ってハードルを上げて
結局そんなに面白くない
みたいな感じのことめっちゃやってるんですよ

あからさまにギャグやってますよ感が少なければ
笑えるような場面もたくさんあったと思うんですけどね

 

それと、人物描写が薄すぎるのも気になります

主人公の喜一郎はすごくいいキャラで魅力的です
いい意味でダメ人間な人で
とても好感が持てるし応援したくなります

妻夫木聡のちょっと抜けてる雰囲気の演技がすごくハマってましたし
ナチュラルに馬鹿正直な男って感じがとても良かった
それがストーリーにもしっかり生きてきていて
最終的には喜一郎がすごく好きになっています

妻夫木聡はダメ人間かサイコパスを演じると本当に素晴らしいですよね


ただ、その他のキャラが薄すぎます

特に北川景子が演じるひかり
彼女に全然魅力がない
中身が空っぽ女です

言葉ではひかりはできるすごい人間
みたいなことを言ってるけど
実際は彼女の何が優れているのか全く理解できない

別にすごいことなんて全然してなくて
でも最終的にはひかりのおかげて上手くいった
みたいになってるのは納得できないです

最後の喜一郎とひかりがくっつきました
というのも唐突すぎ
そこまで恋愛描写なんて全然無いのに
なにそれって感じ

ひかりが可愛くもなければカッコよくもない
すごく印象が薄いキャラなのに
物語上は重要人物な扱いなので
観てる側からすれば全然気持ちが乗ってこないです


他は審査会にいる外国人たちもちょっと酷いですね
そもそも、みんなキャラが薄すぎて記憶に残らない人ばかり
荒川良々も荒川良々だから記憶に残るけど
キャラ自体は薄いし

キャストもとりあえず日本にいる外国人の俳優やタレントを寄せ集めた
みたいなショボい人ばかりなんですよ

邦画にありがちな外国人なら誰でもいい
ってのが出てしまってます
別にハリウッド俳優を起用しろとは思わないけど
もう少し演技できる人とか
無名だけどそれなりに存在感ある人とかを
選べばいいのにと思うんですよね


あと、一番引っ掛かるのは玉山鉄二ですよ

誰だよあいつ

ストーリーにまったく関わりがないし
ひかりとの関係性も謎だし

あいつの存在がノイズでしかない

あんなキャラ出す必要あったのか?
無理やり玉山鉄二を出したかったようにしか思えない
これは無駄ですよね
意味不明です

 

そんなにつまらなくないと思ってたけど
結果的に文句ばかり言ってしまった

設定と主人公が魅力的なので
そこでカバーできてる部分もあるけど
基本的には酷い部分が多い映画でした

ギャグはいかにもCMをやってた人のセンスで
一発ギャグや狙いすぎのシュールが多くて
スベってるところが目立ちます

まあ、軽い気持ちで観るなら
ありな映画かもしれません

 


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