どうもきいつです
アニメ映画「ペット2」観ました
「ミニオンズ」などのイルミネーション・エンターテイメントが手掛けた2019年のアニメ映画
飼い主がいない間のペットたちの騒動を描いた
2016年のアニメ映画「ペット」の続編
前作お馴染みのペットたちがまたしても大騒動を巻き起こします
監督は前作と同じく「怪盗グルー」シリーズを
手掛けてきたクリス・ルノー
日本語吹き替えにはバナナマンの2人、佐藤栞里、永作博美、中尾隆聖ら前作からのキャストが揃っています
あらすじ
マンハッタンの街で飼われているマックスは
相棒のデュークと共に飼い主ケイティのもとで平凡に暮らしていた
ケイティに赤ちゃんが生まれたことで
より一層にぎやかな生活を送る中
ある日、家族全員で旅行に行くことになる
そこから様々なペットたちが巻き起こす大騒動が始まる
感想
キャラクターは魅力的だけど
ストーリーがあまりにも散漫すぎる
何がメインなのか全くわかりません
子供なら楽しめるかもしれないけど
ただ楽しめるだけで記憶には残らないと思う…
前作の「ペット」を観たことがありましたし
なんとなく続編の本作も観てみました
アマプラで配信していたので
そもそも「ペット」自体そんなに好きじゃなくて
本作もそんなに期待はしていなかった
だから別にショックは無いです
こんなもんだろって感じの映画
でも、やっぱりもっと面白くできなかったのか?
と思ってしまいます
前作も本作もキャラクターはとても魅力的なんですよ
みんな可愛らしいし面白いし
ペットあるあるみたいなのもキャラを通じて
とても上手く表現できている
主人公のマックスも超可愛いです
飼い主に従順な感じなんて上手く表せてるし
過保護で心配性な性格がゆえの行動も面白くて可愛い
すごくしっかりした性格のようで
ミツバチのボールが大好きすぎるのも最高に可愛いですよね
犬が好きな人はマックスが可愛くて仕方なくなると思います
僕は吹き替え版で観ましたけど
マックスの声をやってるバナナマン設楽はすごくハマってると思いました
棒読みとか言われたりしてますけど
そのちょっと棒っぽいしゃべり方が可愛さを生んでると思う
それに棒読みだけど
設楽さんの声はなかなか良いし安心感がありますね
真面目な性格にもピッタリですし
他のキャラも動物らしさが可愛らしく表現されてるし
みんなどこか抜けてる言動があって
いつの間にか微笑ましく見てしまっています
それに、アニメのクオリティはやっぱり高くて
ペットたちの体の質感やその違いがしっかりと描き分けられています
フワフワ感がすごくあって触りたくなる
表情や顔の違いもわかりやすいし
動きなんかも細かく作られています
キャラによって走り方とかも違いますし
動物の見た目や動きなどをかなり研究してアニメとして表現しているんだろうな
と思わされる
背景なんかも本当に美しいですから
ただリアルに描いているだけでなく
「ペット」という作品の世界観をしっかりと確立しています
色鮮やかで楽しい雰囲気も醸し出せている
やっぱり世界で評価されているだけの事がある
レベルの高いアニメ作品
というのは間違いないです
とは言え、映像やキャラの魅力だけに頼りきってる作品でもあります
正直、ストーリーはかなり微妙
ストーリーに一貫性がなく散漫で
全然集中して見ることができません
3つのエピソードが平行して描かれていく作りなんですが
それらに繋がりは全くなく
別々のエピソードが交互に入れ替わり語られていく
そうすると、自分が何を見せられているのか
段々とわからなくなってくるんですよ
結局、この映画は何を伝えたいの?
って状態になってくる
こんなバラバラの関連性の無いエピソードを
詰め込むなら
短編のスピンオフでも作ったほうがいいと思う
それくらいエピソードのつながりが薄い
その上、そのエピソード単体だけを見ても
なんか一貫性がない
例えば
マックスが主体の牧場への家族旅行
ここではマックスの成長が描かれますが
そこがすごくブレている
過保護なマックスが見守ることの大切さに気付いて成長する話なのかと思いきや
マックス自身の臆病さを克服するという
ちょっとずれた方向に話が進んでいき
最終的にマックスがビビりじゃなくなった
って意味のわからない成長物語を見せられます
他のエピソードも
トラの子供を助けるとかミツバチのボールを取り返すとか目的は定まってるのに
途中からなんか方向がずれてくる
場面はコロコロと変わるし
目的もコロコロと変わるから
なんか観てるのにストレスすら感じてくる
無駄に頭を使わされるというか
いちいち自分の頭の中で整合性を保とうとして
グルグルと頭が回転しっぱなし
でも、結局は頭を使ったところで
そもそもブレブレな内容だからつじつまなんて合わない
終盤はその3つエピソードが繋がってる感じに見せてますけど
実際はそんなに繋がってなくて
無理やり1つにまとめたって感じになってます
マックスがトラの子供を助けに行く理由なんて全くなくて
なんで唐突に現れたトラの子供を必死に助けようとするんだよ
ってわけがわからん展開になる
そもそも、本作の初登場キャラが当たり前のように主役の位置にいたりするのも謎
このキャラが何者なのかもさほどわからないにも関わらず
物語の中心を担ってるから余計に混乱します
で、そんな新キャラはやたらとでしゃばるけど
前作で活躍した仲間たちはおまけみたいになってるのも不満です
特にデュークなんて
前作ではマックスと共に主役扱いだったのに
今回は完全に空気になってる
ぽっと出の牧場犬の方が目立っているという
かなり残念な扱い
個人的にデュークが好きなキャラというのもあるけど
さすがにこの扱いは謎過ぎる
謎の新キャラとか前作の敵のウサギとかはやたらと活躍するのに…
そして、前作同様
メッセージ性も薄いですね
薄いと言うか無いんじゃない?
ただペットたちが面白おかしく大騒動を巻き起こす
ってだけの空っぽな内容
子供向けだから楽しめればいいのかもしれないけど
子供向けだからこそ真面目なメッセージがある方がいいような気もするんですが…
むしろ、動物たちが良いことをやってる風で
実は自分勝手に暴れまわってるような身勝手な物語でもあるから
ちょっと子供に悪影響があるのでは?
みたいにも考えてしまう
トラが可哀想だからと助けますが
その後ノープランで街をつれ回し
トラも子供だから物を壊したり
で、住む場所がないからと言って
誰かに世話をしてもらおうという完全な他人任せ
最終的にはトラとネコの見分けもつかないボケ老人にトラを押し付けてめでたしめでたし
もう恐怖でしかない
子供向けだからってこの展開は安易すぎる
他にも悪人だからって車で轢く描写があったりして
暴力的すぎる
サーカスの団長もトラにキツい躾をやってるものの
車に轢かれるほどの悪いことをやってるようには思えない
少なくともオオカミたちは団長に懐いてるし
そして、車で轢いているのはボケ老人
こんなヤバい人にトラなんて任せられねーよ
この街に住む人々は恐怖に怯えながら過ごすはめになるでしょう
マックスが勇気を振り絞って敵と戦う美談のようで
実はかなり倫理的におかしくないか?って事を
この動物たちはやってしまっていて
しかも、それをただのドタバタ劇ですませてる
そんな感じのあまり子供に見せたくないなと思わされる部分もありました
イルミネーションの映画は評判が良かったりもするけど
ちょっと子供だましな映画が多いですね
特に本作は教育的にもよくないような…
でも、これを面白いと大絶賛している大人もいるわけで
確かに映像やキャラクターは素晴らしいけど
面白いってなんなのか?
なんかわからなくなってきた…