何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ゼロ・グラビティ」感想 映画館で映画を観る意味がわかる

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どうもきいつです


SF映画「ゼロ・グラビティ」観ました

宇宙空間に投げ出されてしまい
さまようことになった宇宙飛行士の極限状況を描いたSFパニック映画
第70回ヴェネツィア国際映画祭のオープニング作品に選ばれた2013年の作品です

「トゥモロー・ワールド」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」などのアルフォンソ・キュアロンが監督を務め
サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニーなど
オスカー俳優が共演を果たしています

 

あらすじ
地表から600キロメートル離れた宇宙で
船外作業を行っていたメディカルエンジニアのストーン博士と宇宙飛行士のマットは
予想外の事故に遭い宇宙空間に放り出されてしまう
スペースシャトルを失ってしまい残りの酸素も僅かな絶望的な状況の中
生還する方法を探っていく

 

感想
映像だけで感動させられてしまう
まるでまるでアトラクションのような最高の映画
映画だからこその作品です
映画館で映画を観る意義を感じさせられる

 

前に観たことのある映画でしたが
再び映画館で上映
しかも、IMAX 3Dでの上映ということで
観に行ってきました

この映画はとても好きで
あらためて観てみてもやっぱり最高に面白かった


まず、この映画って観る環境によって
全然感想が変わってくると思うんですよ

家のテレビ
普通のスクリーンでの上映
普通の3D上映
IMAX 3Dでの上映

いろんな観かたがあると思いますけども
僕は断然IMAX 3Dをおすすめします


たぶん、この映画はテレビで観ると面白くないと思う
テレビの小さい画面では
本作の魅力は全く発揮されないと思うんです

正直言ってこの映画
ストーリーは別に面白くないです

ただ宇宙をさまよって最終的に地球に帰還する
ってだけの話ですし

そこにひねりがあるわけでもなく
特別ドラマチックな展開があるわけでもない

シンプルにトラブルを乗り越えて地球に帰るだけのストーリーなので
全然面白い話ではないんです


だから、テレビでこの映画を観ると
この普通すぎるひねりのない物語につまらないと感じてしまう人もいると思う


ただ、これは映画館で観ると印象が全然変わってくる
映画館の巨大なスクリーン
あの少し緊張感のある空間だからこそ
この映画は魅力を十分に発揮できるわけです

で、やっぱり普通のスクリーンよりもIMAX 3Dだと
よりこの映画の魅力が発揮される


そもそも、本作は明らかに3Dを意識した作りになっていて
飛び出す演出によって緊張感や臨場感を生み出しています

何かがこちらに飛んできたり、迫ってきたり
奥行きのある表現だったり
何よりも宇宙の広大さが体感できる

そんな3Dならではの表現があるからこそ
この映画は3Dで観ることに意義があると思います


それと、普通の3D上映とIMAXの3D上映にも違いがあります

最近は普通の3D自体が少なくなって
「ゼロ・グラビティ」に関しては普通の3D上映はもうやってないと思いますが

やっぱりIMAXは画面が大きいというのがありますし
色の鮮やかさも明らかにIMAXの方が綺麗

普通の3Dはすごく画面が暗く見えますし
色も本来のものとは少し違ってきます

そういうこともありますから
本作に限らず3D映画を観るのならIMAXがおすすめです

 

で、本作の内容の話に戻すと

まず、単純に映像がすごく美しい
宇宙が舞台ということで
ほとんどがCGで作られていると思いますが
全然CGとは思えないほどリアル

巨大な映画館のスクリーンで観れば
より本作の素晴らしい映像が体感できます


そして、この映画が大したストーリーじゃないのに楽しめる理由は
まるでアトラクションのような体験ができるところにあると思います

本作はストーリーではなく映像で魅せる作品です

映像によって映画の中に没頭でき
さまざまな感情を体験できる

そのためにさまざまな工夫がこらされています

さっきも言いましたが
3Dの飛び出す表現により臨場感を生み出して
観客が映画の中に入っているような感覚にさせられる

宇宙の残骸が激しく迫ってくる緊迫感のあるシーンもあれば
宇宙ステーション内で乱雑に浮いている物で奥行きを表現したり

細かい部分から派手なシーンまで終始3Dを意識した映像表現です

目の前に飛んできた破片をつい避けてしまったり
フワフワと浮く水に手が届きそうに思えたり

とにかく、自分も映画の中にいるんじゃないかと
思わされてくる


3D以外にもいろいろと工夫がこらされています

例えばカメラワークなんかも
臨場感を生み出す要因になっている

基本的にぐるぐると回るカメラワークが多くて
ちょっと酔いそうにもなるんですけど
このぐるぐると回る映像によって
宇宙の無重力のフワフワと浮く感覚を味わえる

まるで自分も宇宙にいるんじゃないかと錯覚させられてしまうような


他には長いワンカットのシーンが多かったりもします

冒頭のシーンなんかもかなり長めのワンカットですし
宇宙ステーションが火災に見舞われる緊張感のあるシーンなんかもワンカットで表現されてる

ほとんどが長いシーンの繋ぎあわせで
カット割りも本当に少ないです

やっぱり長めのワンカットは臨場感をとても感じて
自分もその場にいるような感覚を味わえるし
シーンによっては緊張感、緊迫感でハラハラドキドキさせられる


いろんな要因によって最初から最後まで
息つく暇もなく映画の中に引き込まれる
最後まで観るとどっと疲れが押し寄せてくるほど

体験型のアトラクションのような楽しさを味わえる映画です

 

そして、ラストシーンがマジで素晴らしい映画なんですよ

ストーリーなんて全然ない映画なのに
感動させられてしまう
下手すりゃ泣いてしまうほど

それがこの映画のすごいところ
映像だけで感動させられてしまうんです

この映画のラストシーンは
主人公が地球に無事たどり着き
水の中から砂浜に上がり最後は大地に立ち上がる
ただそれだけのシーンなんですが

それだけのこのシーンにめちゃくちゃ感動させられてしまう

言葉無くして
生きてるって素晴らしい
をこの映像で表現している

このシーンだけを見てもなんともないシーンなんですが

これは、今までのアトラクションのような臨場感溢れるリアルな体験が
ある意味伏線になっている

あのフワフワとした無重力の感覚
宇宙ステーションの無機質さ
音すら聞こえない真空の世界

それらを観客の自分達が
主人公とともに体験してきたからこそ

ラストの水、草、土の有機的な物質や虫の羽音を感じることや
何よりも主人公が自分の体の重みを感じ
大地に立ち上がる場面
あの体の重みの表現で生きていることを実感できる

生きていることの素晴らしさを映像だけで表現していて
だからこそ、感覚的にそれが自分達にも伝わり
泣けるほど感動できてしまう

こういう表現こそ映画的で
映画を観ていてよかったと思わされます

 

映画なんて
映画館で高い金を払って観なくても
後でレンタルDVDを借りて観ればいいでしょ
って思う人もたくさんいると思いますが
この映画を映画館で観れば考えが変わると思う

映画館でないと体験できない素晴らしい映画もあるんです
本作は映画館じゃないと楽しめない
テレビで観ても本作の良さは完全には伝わってこないと思います

観れるのならIMAX 3Dで観てほしい
本作の良さを100%感じることができます

 


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